-実践編-
AW11車室内サウンド(小)改善計画!Part1
 
久々にカーオーディオにちょっぴり手を加えてみようと思った。なにしろ、あれこれ文章の中でああすればこうなるとか書いていたって、全くもって机上の空論になってしまう。ということで、急に何かかきたてるものが復活してきたこともあり、実践することにした。

さて、ほしのターゲット車はAW11、つまりトヨタMR2である。SWであればサウンド仕様車なるものが存在するようなのだが、AW11にはそのようなものは存在しない。ほしの昔の馴染みの人間たちに言わせれば、AW11は音を楽しむ車じゃぁないよ、とその難関さを言い放つ。

 

今回の実験にこころよく協力してくれた車のオーナーは

本車両のオーナーは、東京都下に生息されているcore氏。彼は、三度の飯よりも車が大好き。AW11と行動を共にして既に9年以上の歳月が経つ。ホームグラウンドは現在のところ、奥多摩らしいが、そのずーっと以前はオーナーズクラブに所属し、神奈川から静岡周辺を拠点に行動していたらしいことは判明している。

カーオーディオに関しては、もともと諦めていたらしい。というのは、車室内の容積も著しく小さく、また搭載可能なスピーカも実に小型、これでは何かしら大加工でもしない限り、一般でいうところの「快適なサウンド」は得られないと思っていたのであろう。それに、やはり車では音楽よりもエキゾースト音を楽しむ方が先・・・だとか(笑)。

最初に戻る

 

AW11のサウンド現状

さて、そのシステム構成をみてみる。

ヘッドユニット KENWOOD Z705si / P705si
CDチェンジャー KENWOOD CD506
スピーカ フロント(ダッシュ) SONY製10cmコアキシャル 品番ちょっと忘れ
覚えている限りでは、メインコーンもツィータも紙製である
リヤ(リヤピラー) 純正5cm程度??

ヘッドユニットやCDチェンジャーは97年の年始めに現在のものに交換したのだが、スピーカは最初に交換してから既に7年程度経っているらしい。今回、改善実験を試みるきっかけにもなったのが、左側のフロントスピーカが突如お亡くなりになってしまったことにもある。リヤ用のスピーカはどこのメーカからもトレードインとして出ておらず、はてどうしたものかと考えたあげく結局今回は触らずじまいに終わることになる。

最初に戻る

 

現状の音質での不満点と言ったら

システム構成を見ていただいたらわかるとおり、とても低音域が十分に再生できるシステムではない。低音域を少しでも出したいということでオーナーはずっとラウドネススイッチをONにしたうえで更にイコライザーで低音域をブーストしていた状態である。しかし、所詮10cmの再生周波数帯域には限界がある。ひどい時にはそのブーストに耐えられずにスピーカがビビるのがはっきりわかるときがある。これでは精神衛生上もあまりよろしくない。

イコライザー及びラウドネスをOFFした状態でちょっとフロントスピーカを聴いてみたのだが、やはり高音域の伸びにいまひとつ不満が残る。つまり、シャーンというはずのシンバルの音が何かベールに包まれたような不明瞭な音であるということである。これもラウドネスでなんとかごまかしていたのだが、量的に増えただけで質が向上されたことにはならないというのが、なんとも辛い。

最初に戻る

 

改善っていったっていろいろあるけど極端な加工はしたくない

そう、改善なんていったら幾らでも方法はあるに違いない。勿論お金をかければまたそれなりのシステム構成ができるっていうもんだろう。しかし、音っていうやつはいくらお金をかけたってそれがそのオーナーにとって満足いくとは限らない。

今回オーナーが条件として出したものは以下のとおりである。

■極端な加工はしたくない。
■予算はそれほどシビアではないのだが、音の為に走りの性能を犠牲にするっていうのはどうも・・・


っといった具合であった。
つまりダッシュボードのスピーカで満足いかないからっていきなりドアに孔をあけてスピーカを埋め込むなんてことはしたくないということであった。ほし自身、ダッシュボードスピーカでは満足がいかずに何度かドアスピーカへの加工を進めてきたことが過去にあった。その効果だって十分に知ってる。しかし、世の中にはそこまでしたくない、という人だって多くいるのである。

最初に戻る

 

まずはお手軽システム構成を考えてみた

ほしが安易で且つお手軽である改善実験を試みるための材料は以下のとおり。

低音不足を少しでも解消 サブウーファを搭載してみる
全体的に硬く、しゃきっとした高音域を得る メインコーンは紙コーンでない樹脂成形型のものを選び、固めの音づくりをする。
ツィータコーンは、ドーム型を選定したい。
派手目な音だったらハードドーム
上品な音が欲しい場合、ソフトドーム
ボックス型サブウーファで手っ取り早く低音域を再生

低音域不足で、なお車両への加工は施したくないという人のために用意されたアイテムは、お手軽ボックス型サブウーファである。その手の業界では邪道とよく言われるアイテムなのであるが、ほしは決してこれをあなどってはいない。ほしが以前所有していたEF7(旧CR-X)は、何かしらの手を施さないと低音域の再生は困難であった。中にはリアボードにウーファを埋め込む者、またあるいは後部座席の背に巨大ウーファを設置するものもいた。ほしも実際に後部座席の背に25cmウーファを付けてみた時期もあったのだが、どうもいまひとつであった。そこで、まずは自分で容積を計算したうえでボックスを作成し、そこにウーファ用スピーカを取り付け、簡易ボックス型ウーファをEF-7に搭載してみた。これが想像以上の効果を得たため、「これはいける」と確信。お手軽サブウーファもセッティングによっては美味しいのである。

ということで、AW11にもこれが適用するかどうか試したくなっていた。もともとロードノイズが高く、低音域は完全にマスキングされてしまう。本音の部分ではEF-7の時のような効果は決して出ないのではなかろうかと思っていた。その手の詳しい人間に相談もしてみたが、「AW11で低音を望むならばドアにスピーカをつけるくらいしかないのでは? ボックス型のサブウーファはほとんど効果ないよ」と寂しい回答。しかし、実際に試してみるまでは分からない。

高音域の再生は

次にシャキッとした高音域を得る為には、フロントスピーカシステムに何らかの策を考えなければならない。AW11の場合は、ダッシュボードに対して上向きにスピーカが搭載されている為、スピーカから出ている音が比較的直接リスナーの耳に届きやすい。したがって高音域の再生は以外に楽であろうとは思っていた。
さて、コアキシャル型2wayスピーカにするか、セパレート型にしてツィータを独立させるか、は好みの問題と物理的な取り付け場所にもよる。

本来、コアキシャル型のスピーカはそのツィータの存在がために、メインコーン側の歪みが増えてしまう等ということを聞いたことがある。低〜中音域にどうしても特徴をもった鳴り方とでも言おうか、う〜む、これはうまく口では説明できない。

セパレート型のスピーカでツィータを別に取り付ける場合、場所によってはその効果を全く殺しかねない。しかし、昔からの経験上、ボーカル域を綺麗に鳴らすならばやっぱりセパレート型がいいよなぁ、と頭の中を巡らせる。

メインコーンの材質に悩む

最近のスピーカの材質ってホントにいろいろあるんだなぁと、カタログを見ながら思う今日このごろである。ちょっと前は、紙コーンかPPプレスコーン、クロスカーボンコーンくらいが多かったのに、最近ではやたら専門じみた用語がカタログでもばしばし書かれているのには面食らってしまった。これらのカタログの意図するところを本当に理解してるひとって一体どのくらいいるのだろうと思う。
紙コーン製のものも、いろいろ手を施されたものは素晴らしいのだが、一般的に安価バージョンとしてラインナップされているメーカが多い。PPコーンやクロスカーボンコーンになると、そのコーン紙自身が重く、ある程度パワーをかけてやらないとしっかりと鳴らないのだが、全体的にすっきりとした音質のものが多い。さぁ、今回はどのような材質のスピーカを取り付けようか。

ツィータは?

コアキシャルにせよ、セパレート型で別にツィータをつけるにせよ、そのツィータの選定にまた悩むのである。車室内がある程度賑やかな車の場合は、比較的上品な鳴り方をするものが多いソフトドームツィータはなかなか難しい。それでもほしはEF-7にナカミチのソフトドームツィータを搭載していた。まぁハイパスフィルターによっては随分その音の出方も変わってくるので、一概に善し悪しを判断できない。
バランスドームツィータと言われるハードドーム型ツィータは、どちらかと言えば派手な演出をするものが多い。聴き方によっては耳につくところもあるので、ちょっと疲れる場合もある。そう、ソフトドームでシンバルの音を再生した場合、「シャーン」と鳴るとしたら、ハードドームの場合「チャーンッ」といったような違いがある。
しかし、ある程度はっきりくっきり固めの音作りをしたいのであれば、ハードドーム型もその期待に十分応えてくれるはずである。

最初に戻る

 

さて店に出向く

まず最初に出向いた某L店、品ぞろえも程々である。オーナーとしては加工はしたくないというのが前提にあった為、まずトレードインスピーカを中心に物色する。しかし、トレードインスピーカはメーカのディスプレイによっては設置していないものも多く、結局スペックを見ての判断しかない。あれこれ話していると店員さんが寄ってきた。

店員 「スピーカをお探しですか」
オーナー「AW11用の純正位置に取り付けるスピーカを探しているのですが」

そこで幾つか選択してもらう。いずれもセパレート型。

店員「これだったらデジタル対応で、今の音楽ソースには十分耐えられます。」

と言う。うむ、デジタル対応という言葉はいまひとつ頂けないなぁと個人的には思ったが、そのままやり取りを聞いている。

オーナー「あまり加工はしたくないんで・・・ツィータの位置も制限があるし」
店員「フロントドアの三角コーナーに取り付けている人もいらっしゃいますよ、あとはダッシュボードの上等に置くという手もあります」
オーナー「う〜ん・・・・取り付ける場所がいまひとつ浮かばないなぁ」

と悩む。ほしとしても確かにセパレート型に心ひかれるものはあった。しかし、ここで焦って購入してから物理的に取り付かないなんて話しになったら責任はとれない。ということで、ちょっと考えますと言い残してその場を去る。

次に向かうは某A店、最近リニューアルオープンしたと思われるまだ新装の香り漂うA店は、オーディオコーナーも充実している。まずは各メーカーのディスプレイを眺めながら様子見。

すると奥の方に「トレードインスピーカコーナー」なるものがあるではないか。各メーカーのトレードインスピーカをボックスにおさめ、聴き比べが出来るようにセレクターが置いてある。これは実に良心的なお店ではないかと、うれしくなる。何しろどうにも純正位置に取り付けるトレードインスピーカは隅っこにおいやられがちである。カタログをみてもそれは同様。

ということで聴き比べしながらあれやこれやと討議すること数十分、オーナーはスピーカの違いだけでこんなに音が違うのかと感動している。

自分の好きな分野においてはちょっとの違いでもその差が分かるのだが、オーディオは何聴いてもそんなに差が分からないものだと思っていた。でも、同じ口径・同じような外観であってもこれだけ差があるなんて、すごいなぁ」と嬉しそうに語る。なんかそういう言葉を聞くとこっちまで妙に嬉しくなってくる。「でしょうでしょう!」って相づちをうつ。

そこに店員さんが登場。前の店舗では「AのメーカよりBのメーカのほうが音が良い」という言い方をしていたのに対し、こちらの店舗では「音なんていうのはお客さんの好みであって、良い悪いなんて一概には言えないんですよ」という言葉に、思わず共感してしまった。全くもってほしも同意見である。幾らバリバリのスペックであってもそれが自分の好みの音であるかどうかなんて言えない。
店員さんの適切なアドバイスを聞いてふむふむと頷きながら、それでも最後まで悩む。ディスプレイで聴いても実際に車両に取り付けて聴けばまた音はがらっと変わってしまうであろうことは判っている。しかし、ここで相対的に様々なメーカーのスピーカを聴いてその差は頭にたたき込んだ。まぁそこから判断して決めるしかないのが現状である。
今回選択したフロントスピーカは、結局ヘッドユニットと同様のメーカであるKENWOODであった。

最初に戻る

 

お手軽システム決定

さて、お手軽システムは以下のようになった。印のものが今回変更したものである。

ヘッドユニット KENWOOD Z705si / P705si (前と同様)
CDチェンジャー KENWOOD CD506(前と同様)
スピーカ フロント(ダッシュ) KENWOOD KFC-U1091(10cmコアキシャル)
メインコーンは、パールマイカ ツィータはPPTAバランスドーム型
リヤ(リヤピラー) 純正5cm程度??(前と同様)
フロントシート下 サブウーファ JVC CS-DA21
フロントスピーカを取り付ける

取り付けるっていったって、トレードインだったら実に簡単。今までついていたスピーカをはずして交換するだけである。特にAW11のようなダッシュボード上向きであれば、スピーカグリルをはずすだけでスピーカ即交換体勢だ。フロントスピーカは2点ネジどめ、そのうち一方は車体側にネジ穴が切っていないため、金具を介して取り付けるようになっている。この金具がくせものでよくどこかへ行ってしまう。交換の際にはお気をつけあれ、といったところだ。

サブウーファを取り付ける

これだって超簡単である。今回搭載したサブウーファは既に入手してから数年が経過している為、取扱説明書も行方知れずではあったが、単純な配線なので問題はない。問題は場所である。何かと比較対象としていたEF-7ではあるが、その場合は助手席の足元に設置することで最大の効果を得ていた。しかし、車両形状が異なること、車室内容積が異なる事で必ずしも同じ位置にて効果が最大限発揮出来るとは限らない。まずは、助手席の足元に置いてみたのだが、ボリューム等を可変してみてもどうにも期待する効果が得られない。さてどうしたものかとふと考えてみたのだが、この手のサブウーファの場合の設置場所としてポピュラーなのがシート下ということを思いだし、まぁありきたりとは思いつつも、助手席の下に設置してみた。すると、思った以上の効果が出てきたのである。

最初に戻る

 

新システムを聴く
フロントスピーカ交換による効果

丁度交換前には、フロントの左側のスピーカが鳴らない等のトラブルもあった為、正確な比較は出来ないがそれでも全体に華やかな印象が強くなった。ツィータが紙コーン型からハードドーム型に変わったことで高音域の鳴り方も随分変わる。シャキッと感が出てきたといったところだろうか。個人的にはボーカル域にちょっとまとわりつくボワッとした音が気になるところであるが、さてこれをどう改善していこうかと考えているところである。

サブウーファの設置効果は

確かに、「質」の面ではまだまだ改良の余地があるだろう。ある低域の周波数にて車両に共振し、必要以上にブーストされるのである。これを除去していくのはなかなか難しい。それこそ測定器でも持ち込まないとさくさくっと調整するのは無理である。特に今回使用したCS-DA21はカットオフ周波数が固定されている。従ってその辺の細かな調整は出来ない。結局、設置位置とブースト量が全ての鍵になってしまう。まぁ、走行しながら音楽信号で確認しながら調整を繰り返し、やや量的に物足りないかなというところで値を決定した。
それでも、従来のシステムよりも大幅に改善されたと判断する。あとはその不明瞭な出方をする周波数域をどう改善するかが今後の課題である。

最初に戻る

 

今後の課題としては

本音でいえはもう数種類ほどフロントスピーカを検討してみたいところだが、まぁ現在の財政上の制約よりそれはとりやめ。ということで、フロントスピーカ周辺の取り付けをもう少し観察してみようと思う。
リヤスピーカは今回何も手を施していない。なにしろAW11用のリヤスピーカトレードインはどこのメーカからも存在していないのだから。ショップの店員さんには、「加工して12cmくらいのスピーカをつけている人もいますね」と言われたのだが、AW11のリヤスピーカはリヤピラー上部、つまり人間の耳のかなり近いところに位置する為、そのようなスピーカを搭載したとして、今度は前後のバランスがなかなか取りづらい。まぁリヤスピーカはゆっくりと検討したい。
サブウーファの効果は「ある」ということがよく判ったので、もし今回搭載したウーファよりも調整が柔軟なものがあればそれも検討したいところである。しかし、このCS-DA21はその当時かなり優秀と言われたお墨付きのサブウーファ、ほし自身もかなりのお気に入りであるので、出来ることならば交換することなく何かしらの改善策を見つけていきたいと思う。

最初に戻る

 

オーナーの感想は

スピーカを替えるだけでこれだけ音質が異なるというのはすごく面白い。正直言って自分の車で音を聴くことなんて諦めていただけに、ちょっと驚いているくらいである。今回交換したシステムでも満足なんだけど、もしもっと変わるとすれば、自分も興味持って触っていきたいなと思う・・・」といったニュアンスの感想を言ってくれた。ほしとしても、今までさほど興味を持っていなかった人が積極的にいろいろ感想を述べてくれるのは嬉しいことである。

だって、それまで車の中でそのシステムの音質や音場空間についてなど質問したり話したりする人でなかったのに、「スピーカが変わると、前後バランスも変わってくるんだね。フロントスピーカの能率が低くなったのに対してリヤスピーカは何も触ってないから、当然フェダーをセンターにしていれば、それまでのバランスよりも後ろにひかれるような感じになって・・・」なんて言ってくるのにはちょっと驚きだからである。

最初に戻る

 

ほしの所感

音づくりって本当に面白い。ずーっと以前からそう思っていたのに、すっかりその感覚を忘れていたようだ。以前は音づくりをするのに適した環境にいたから、様々な検討をするのも楽であった。現在はそういった環境から遠ざかってしまった為、頼りになるのは自分の「昔の知識」と「耳」と「ほんのちょっとのお金」である。でも、お金なんてかけなくってもちょっとした工夫だけでも音って変わってしまう。もっとそういう面から突き詰めていきたいと、しみじみと思うのであった。

最初に戻る

 

 


 

ちょっぴりおまけ「トレードインスピーカ
この用語って、各メーカ統一ではないようなのだ。各メーカによって呼び方が異なるのでこういったレポートの場合、どの名称で掲載したら良いか悩むことがある。意味としては、純正取付位置をそのまま利用したタイプのスピーカということである。
トレードインスピーカ ADDZEST,JVC,PANASONIC,SONY
カスタムフィットタイプ CARROZZERIA
カスタムスピーカ ALPINE
カスタムフィットスピーカ KENWOOD


このように微妙に異なる言い方がユーザーを迷わせる。まぁ多くのメーカが呼んでいる「トレードイン」で今回は統一させていただいた。

(文中に戻る)

 


home AutoSound indexに戻る 前の項目を読む 次の項目を読む

Copyright(c)1997-2004 ふゆのほし All rights reserved.
本サイトに掲載されているすべての画像の無断使用はご遠慮願います。
最終更新日: 2000/06/28