「道の駅」のコンセプトと現状

建設省道路局では、あるコンセプトに基づいて「道の駅」構想を実現した。そのコンセプトとは、以下の3つである。ドライバーや同乗者のための「休憩機能」、 ドライバーやその地域の人たちの為の「情報交流機能」、そして「道の駅」 がきっかけで町同志が協力して地域を活性化させるための「地域の連携機能」(以上、建設省道路局におけるコンセプト内容を要約)といったものである。

ここでは、このコンセプトに基づいて現状を見てみることにしよう。

休憩機能
駐車場
人それぞれに様々な休憩方法があるだろうが、当然駐車場はなくてはならない。ドライバーも同乗者も、そして車も十分な休憩が必要だ。道の駅が設置されている沿線の道路利用状況や、道の駅自体の規模から駐車場の規模もおのずと決まってくるのだろうが、利用者対駐車場数が合ってない駅も若干あるようだ。そういったところでは、駐車エリア外でも平気に駐車する車もいるし、そのせいで通路をふさがれて身動きとれない車は出てくるわ、駐車場に入れずに一般道にまで列が出来る始末。こういった事態に対し、駅によっては誘導員を配置し、車の誘導を行っているところもある。人員的都合もあり、すべての駅でそれが可能という訳にはいかないだろうが、休日混雑時間帯は、道の駅側も何らかの配慮が欲しいところ。また、利用者側も決められたエリアを守って駐車しよう。

また、駐車場にゴミなどを放置していくわ、どんちゃん騒ぎをする者はいるわで、人に迷惑をかける輩もいる。そんな一部の輩のせいで、特に夜間における駐車場利用にも様々な制限が今後予想される。

道の駅では身障者用の駐車エリアも確保しており、中には屋根付きの駅もあり、雨天時における乗り降りの配慮がなされている。しかし、この身障者用の駐車エリアすらも、一般車が堂々と停めている光景をよく目にする。これは道の駅に限ったことではないが、まず車を停める前に「ちょっとの間だからいいや」という心は捨てて欲しい。
トイレ
道の駅の場合、気軽に立ち寄ってトイレが利用できるのは本当に嬉しいものだ(笑)。おまけにどんなに夜遅く走っていても、24時間利用可能なところが多いのも、非常に助かる点である。ということで、感謝しつつトイレに入るのだが、どうも駅によってはトイレ施設に落書きや施設破損をする輩がいるようだ。そのせいで、24時間利用可をやめる駅まで出てきてしまう。

トイレ施設といえば、中には冷暖房完備のトイレを持つ駅もある。構造がユニークだったり、使い勝手を工夫していたり、または花などを飾って雰囲気を良くしたり、と各駅とも独自な工夫が実に面白い。しかし、中には施設自体が古いせいか、とても長居していられないような悪臭漂うトイレもあるため、匂いに敏感な人はちょっと避けた方が良いかもしれない。
休憩所
休憩所も駅によって様々である。休憩所に道路情報コーナーを設けているところもあれば、公園や広場の一角にベンチ等を設けた屋外休憩所のようなところもある。長旅に疲れた身体をのんびりできるように、畳状の休憩所を設けるアイディアも非常に良い。最近、休憩所のひとつとして好評な施設が「温泉施設」。ここ数年の温泉ブームで、駅に温泉施設を設ける所もあるが、もともと温泉施設だったところが道の駅として登録されるケースも多く見受けられる。日帰り温泉施設がほとんどなのだが、中には宿泊施設付きの駅も幾つかあるようだ。入浴料は安いところで270円、高いところで1000円と価格の幅も様々。

情報交流機能
道路状況等の掲示
ドライバーにとって道路情報は気になる点である。カーナビが普及し、搭載している車輌も多いようだが、そうでない車もまだまだ多い。現に我が家の車もまだ未搭載である。そんな我々の強い味方が、道路情報の掲示だ。

道路情報コーナーが設置されている駅は多い。その内容も様々であるが、休憩所に設置している駅もあれば、屋外に電光掲示板等を設けている個所もある。休憩所に道路情報コーナー等が設置されていると、閉館後は利用することが出来ないのだが、屋外に設置されていると常に観ることが出来るため、屋外の設置は結構嬉しかったりもする。

駅の施設にカーナビを導入して、目的地までのルート探索が出来ることをウリにしているところもあれば、巨大なモニターにリアルタイムに道路状況を表示しているような大規模な装備を導入している駅もあり、道路状況の掲示ひとつを比較してみても、面白い。また、鉄道の駅の待合室のように、付近の場所への所要時間を「時刻表」に例えたような表記をしている道の駅等、独自の工夫をしている駅などを発見すると妙に感心してしまう。
駅付近の観光・見どころの発信
道の駅周辺の歴史、文化など、まち自体の活性化として重点を置きたい「観光スポットの案内」であるが、これにどのくらい力を注いでいるかで、道の駅の「やる気」自身みたいなものが見えてきてしまう。印象に残る駅というのは、やはり自分の地域をうまくアピールしている。もともと観光的要素がある地域であったとしても、それを活かせていない駅もあれば、大した観光スポットが無い地域だとしても、その中でなんとか特長を出そうとしている努力がよく見える駅もある。

"ほし"自身、各道の駅をレポートしていて、「とにかくひとつでもいい、この村ならでは!この町ならでは!」を提示してくれるだけで、その地域をもっと知りたくなる。すると、また今度もここを訪れたい、という気持ちになったりもする。

観光案内の手法としては、パンフレットの配布や観光案内所に担当の人が常駐していることだったり、パネルや展示物による紹介、などが挙げられる。どれも有効な方法だと思うのだが、いきなり有料施設に入らないとその地域を知ることが出来ないようなところは、やや躊躇してしまう。少しは多くの人が目にふれる形でその地域をアピールしたうえでその先は有料施設へどうぞ、的なもっていき方の方が親切ではないか、と思うのは"ほし"だけなのだろうか。

観光案内所で懇切丁寧に観光スポットを説明してくれる人がいる駅は、やはり人気も高い。こうしたちょっとした「事」が、その土地へまた向かわせるコツなのだろう。

地域の連携機能
物産店・直売所
ほとんどの道の駅に必ずあるであろう施設、それが物産店である。全国に600以上も駅もあれば、中には物産店を持たない駅もあるのだが、その方がかえって珍しい。それほどに道の駅と物産店は密着している。物産店を覗くと、その地域ならではの特産品、更にその地域を含む県の特産品が置いてある。また、近くの地域同士が特産品を持ち寄り(という言い方は変かもしれないが)、道の駅がある地域内外の特産品も一緒に並べられているのは、地域連携のひとつだと考えられる。

ただ、どれがこの土地の特産品なのかが明確でないような、メリハリの無い陳列の仕方をしているところも見受けられ、こういった点からも、意気込みの差を感じさせられてしまう。初めて訪れた時に、「あ、これがここの特産なのね」ということが伝わるような、そんな陳列を今後どの駅にも望みたい。
軽食堂・レストラン
道の駅の中には、軽食コーナーやレストランを設けているところもある。レストラン等のメニューにその土地の特産をメインにとりいれたような工夫をしている所もあれば、スーパー等にある軽食コーナーと同レベルのような場所もあり、実に様々である。道の駅の食堂を利用するのは、なにも観光客ばかりでないため、特産をウリにしたようなものでなく安価で手軽に食べられるメニューは必要だとは思うのだが、一品くらいはその土地の特産を使った料理があると嬉しい。

といっても、その土地でとれた新鮮野菜等を利用しているのだろうから、それはそれで「その土地の味」が出ているのかもしれない。

そういえば、いろいろな道の駅を廻っていると、やはり多いのが「そば・うどん」。長旅に疲れた胃に優しいという意味では、そばやうどんは良いメニューだと思うのだが、道の駅巡りばかりを続けている我々にとっては、「あ、ここもそばとうどんだけ?」という具合にちょっと飽き気味。まぁ、道の駅ばかりを中心に廻る人は極少数なため、この意見はまったくもって「個人的見解」。普通に旅の途中に立ち寄るには、きっと誰も「そば・うどん」が多いな、なんては感じないのだろう。

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最終更新日:2000年12月01日