北海道 道の駅スタンプラリー体力勝負だ!ダイアリー
どんより雲の下 足寄から神秘の湖を見るべく摩周湖へ
十勝・釧路編

2002年07月03日

朝起きるやいなや、"ほし"は首を傾げた。だいたい朝起きると、まずテレビをつけてその日の天気予報を確認するのが日課となっていたのだが、どうもテレビの音声が聞きとりづらいのだ。まだ寝ぼけているのだろうか、と「おかしいな」と声を出してみる。そこで己の状況を理解した。片耳が聞こえなくなっていたのだ。どうやら、飛行機や高原等の高度の高い箇所等で突然耳の中に圧迫感を感じ、聴覚障害を起こす、あの症状らしい。

これは精神的にもかなりのストレスを感じる。あくびでもすれば普通は治るはずなのだが、それでも一向に治らない。鼻を「チーン」とかんでみたり、唾を「ゴクリ」と飲み込んでみたり、考えられる限りの対処をしてみたのだが、それでも治らない。まずい、今日一日こんな耳とつき合いながら駅巡りをする羽目になるのか。

すっかり朝から憂鬱状態と化した"ほし"は、"こあ"氏に状況を説明したものの、だからといって解決するものでもない。これも風邪の一症状なのかと思い、諦めるほかなかったのである。それでも駅巡りをしようとする気持ちが残っている己を少し誉めてやりたいものだ。

そうして荷物を整理すると宿を出発、本日の旅がスタートする。

本日7月3日は、士幌から足寄湖、陸別、更に摩周湖がある弟子屈町から阿寒湖へと向かう、十勝・釧路ルートである。前日の日記の最後の部分に「7月3日に廻る道の駅はとりたてて気になる駅も無い」なんて言っていたものの、よくよく考えてみたら、道の駅 足寄湖でチーズカレーを食べたい、という立派な目的があったことを思い出した。さぁ、無事にチーズカレーなるものを食することは出来るだろうか。


【宿出発時刻】08:13 【宿到着時刻】18:15
 色は北海道(十勝)の道の駅 色は北海道(釧路)の道の駅
  (主)73号/村道/(農道)/
国道241号
ピア21しほろ
08:41
国道241号 足寄湖
09:58
国道241号/国道242号 オーロラタウン93
りくべつ
12:43
(主)143号/国道241号 摩周温泉
14:56
国道241号/(主)52号 摩周湖
15:35
(主)52号/国道241号/
町道/(主)53号/
(道)829号/村道/
(道)243号/国道240号
阿寒丹頂の里
17:11
国道240号/(道)243号/(主)53号 宿泊地(鶴居村)
18:15

▼道の駅「ピア21しほろ」へのルート:
宿(十勝川温泉)から(主)73号/村道/(農道)/国道241号 (距離:約35.8km)


十勝川温泉から本日の1駅目「ピア21しほろ」がある士幌町へは、主要地方道73号で国道241号へと向かい、昨日立ち寄った道の駅「おとふけ」を経て北上する国道お手軽ルートが最も単純。しかし、昨日通った道を再度走るのは、どうもしゃくにさわる。と、カーナビが思ったかどうかは不明だが、今回選んだルートは国道241号ではなく、その東側に平行して走る道道316号、いや、これでもなく、更にその両線の間に細々とのびる村道と農道を駆使して士幌町に向かう、というものであった(このあたりは地図をみれば一目瞭然かと思われる)。

主要地方道73号から村道へと入ると、国道241号と平行してせっせと北上していくのだが、畑の間を突っ切るのどかな道といった感じが、割と心地よい。我々の前を数台の車が走るのだが、どうやらこの車たちも国道241号を利用せずに士幌へ向かう"同志"みたいなものだろう。

それにしても、北海道に着いてからというものの、スカッと晴れた日が1日も無いというのは、一体どうしたことか。なんとか7月1日の午後に少し晴れ間がのぞいたものの、それから以降はすっかりどんより雲につきまとわれている。そのせいか、肌寒い日が続き、長袖が手放せない状況なのだ。関東で毎日暑さと闘っていた、あのころが妙に懐かしくさえ思える。"こあ"氏にいたっては「あぁ、北海道って良いな、ずっとこっちに住みたい」を連発だ。

そうして農道(十勝平原広域農道か?)を走り、士幌町へ入るとすぐに左折して国道241号へと近づく。3km程走ると目の前に、交差する国道241号が見えてきた。「よしよし、国道241号はどんなあんばいかな」と行き交う車の量を見ていると、思いのほか交通量は少な目である。こんな事ならば、音更町内から素直に国道241号を利用しても良かったか、と舌打ちする"ほし"。結局、道選びも時の運のようなものである。

そんななか、左手に駅らしき建物が見えてきた。
 

 
 
ピア21しほろ」開店時間になっても開かず、半ベソ状態でウロウロ (士幌町)
到着時刻:08:41 スタンプ設置場所:物産館内
時計をみれば開館時間20分前、やや早すぎる感はあるが、「ピア21しほろ」に無事到着。9時開店だが、まだ開店準備らしき動きが無いのが少し不安であるが、とりあえず待っていよう、と建物をいったり来たり。

さて、道の駅「ピア21しほろ」は、赤い屋根が目立つ洋館風の外観が印象的だ。敷地内には、物産館とレストラン、アイスクリームカウンター等があり、ちょっと立ち寄り型の道の駅の典型型といえよう。売店では、士幌の代表的な特産であるじゃがいも製品が多数並ぶ他、レストランでも士幌牛を扱ったメニュー等、特産色を取り入れて町をうまくアピールしている駅のひとつだ。

我々が駐車場で開店を待っている間にも、何台もの車がやってきては、トイレへと駆け込み、押印済みのスタンプ用紙を持って去っていく。そう、ここではトイレ施設内に営業時間外対応としてスタンプを押した紙を置いてくれているのだ。そうして何台もの車がやって来るなか、1台の輸送トラックが建物前にいきなり停車したかと思えば、バタバタと降りてきて、物産館が開いていないか確認している姿を目撃。最初は、駅に対して荷物を配達に来たとばかり思っていたのだが、どうやらそのトラックのお目当てはスタンプだったらしく、物産館が開いていないのを確認すると、いきなりトイレへ直行だ。何時だったか、営業マンらしき人もスタンプ帳を片手に駐車場でウロウロしている姿を見た記憶があるが、仕事中にスタンプ集めにいそしむ人が多いことを、まざまざと見せつけられた気分である。

それにしても、こうしてじっと待っていると時間が経過するのは非常に遅く感じられるものである。と、時計をみれば9時を少し過ぎたところだ。しかし、なんということか、物産館が開く気配が無いのだ。「ま、まさか、臨時休業?」とさっと血の気がひく"ほし"。9時まで待ったというのに、我々もスタンプ押印済用紙を貰わなければならないのか。すると、"こあ"氏が店内の奥に人の気配を感じたのか「大丈夫、誰か店の中にいるみたいだよ」と嬉しい一言を発する。
今日が臨時休業でないことだけは分かったのだが、それでも早く開けて欲しい我々は、それこそ建物の前でウロウロ、ウロウロ、これではまるで不審者ではないか。やがて、店員さんも外に客がいるのに気づいたからか、まもなく物産館の扉が開き、さぁ、営業開始だ。

喜び勇んで我々も物産館へと足を踏み入れる。店内はやや狭め、しかも通路も狭いため、あまり多くの客が一気に入ると身動きがとりづらそうな印象を受ける。しかし、士幌の素朴な特産品たちが多数並び、かなり好印象だ。
士幌のじゃがいもを使ったポテトチップスの他、士幌高校の手づくりチーズやハム類等、心そそられる商品群に、ついついあれこれ買いたい衝動にかられる。しかし、いかんせん保冷ケースのサイズにも限界があるため、生モノにはなかなか手が出せないのが辛いところだ。涙をのんでチーズから手を離すと、ビールのお供に最適そうなポテトチップスに手をのばして、にんまり。

レストランでは、「剣先ステーキ」と称するスコップに士幌牛ステーキがのせられたメニューが名物らしいのだが、まさか朝からステーキはさすがに胃に辛そう。おいおい、そんな心配をする必要は無いって。そう、皆さんが察するとおり、レストランはまだ準備中なのだ。しかし、これは是非一度食べてみたいメニューだ。というわけで、いずれまたここへ訪れる機会があったら、そのパワフルな料理を是非食べてみることにしよう。
物産館内に設置されたスタンプを押し、外に出ると、ひんやりとした空気が身体を包み込む。しかし、そんな肌寒さの中でも気になる存在、それはやたら敷地内に掲げられている「手づくりアイスクリーム」の看板だ。そこまでアピールされては食べずに帰るのは失礼か、と結局あれこれ悩んだ末に厳選いちごソフトクリームを買うと、震えながらせっせと食べる"ほし"の姿がそこにあった。嬉しいことに、ミニサイズとレギュラーサイズがあり、ミニサイズでも十分に満足させるだけの量なのである。

というわけで、すっかり冷え切ってしまった我々は、暖かさを求めて慌てて車に戻るのであった。本当に今は夏なのだろうか。
 
 

▼次なる道の駅「足寄湖」へのルート:
ピア21しほろから国道241号 (距離:約29.6km)


さて、次に向かうは、道の駅「足寄湖」だ。足寄といえば、世間を賑わせている某政治家の生まれ故郷であるが、まぁここはあえてミュージシャンである松山千春の生まれ故郷といっておこう。"こあ"氏は昔から松山千春が好きらしく、足寄訪問を楽しみにしているようだ。

「ピア21しほろ」を出た我々は、国道241号を北上開始。9時前後に通った時よりも交通量は増えているようだが、それでも全体的な流れは早めだ。周囲は広大な牧草地帯が広がり、更にその向こうに防風林がある風景をみると、あぁ、やっぱり北海道を走っているのだ、としみじみと感じさせられる。

そんな風景もしばらくすると山道へと変わり、しばし走れば左手に見えてくるヨーロッパ調の建物、あれが道の駅「足寄湖」だ。
 

 
 
足寄湖」チーズ好きならば迷わず立ち寄ろう!美味しい駅 (足寄町)
到着時刻:09:58 スタンプ設置場所:エーデルケーゼ館入口
案内看板に従って駐車場へと入ると、そこはトイレ施設のみ。メイン施設群は裏手の丘の上にあるのだ。駐車場も平日のせいか、ほんの数台しか停まっていない。「うぅ、なんとも寂しいな」とつぶやいたその時、観光バスが丘の上にあがっていくのを目撃。どうやら、駐車場は丘の上にもあるらしい。

道の駅「足寄湖」は丘の上に建つヨーロッパ調の建物が緑によく映える駅。国道に面した駐車場内にはトイレのみだが、横の通路を上がっていけば、メイン施設「エーデルケーゼ館」だ。このエーデルケーゼ館、1階がチーズ工場になっておりガラス越しに見学が可能だ。2階は売店と軽食コーナーになっている。隣接してレストランメイプル、更にポニー牧場や鹿牧場等もある、緑が似合う道の駅である。
「車で丘の上に行こうよ」と"こあ"氏は"ほし"を促し、再び車に乗ると丘の上に向かって走る。と、上の駐車場は予想以上に車が停まっているではないか。「なんだぁ、結構訪れる人が多いんだ」と妙にホッとしながら車を降り、早速、エーデルケーゼ館へと入ろうとする。

すると、入口で"当工場苦心の作 ソフトクリームを是非お買いあげください"なる貼り紙が目にとまった。「苦心の作って一体どんな味がするのだろう」それはもう期待に胸膨らせずにはいられない、殺し文句である。まぁ、楽しみは後にとっておくとして、早速館内へと足を踏み入れる。

館内では、松山千春の歌が次から次へと流れているせいか、"こあ"氏の表情がぱっと明るくなったように思えたのは気のせいだろうか。しかし、そんな喜びも、人・人・人の波にかき消される。というのも、丁度観光バスの団体客が館内に詰めかけているところに遭遇、そのせいか館内はいきなりの大混雑に見舞われているのだ。

1階の入口付近に設置されたスタンプにも人が群がり、せっせと押している姿がみえる。丘の下と上では賑やかさも大違いだ。我々もまずはスタンプを、とその群の後ろで待つ。
「誰もいないというのも寂しいものだけど、人が多すぎ、というのも考えものだな」なんて我が儘な言葉も飛び出す始末だが、人が多いとそれだけでも活気づいているように見えるものだ。

そんななか、1階の一角にあるチーズ工場をガラス越しにしばし眺める。ガラスの向こうにズラリと並ぶカマンベールチーズの姿に、思わずお腹がグゥ。あぁ、あのチーズとワインでまったりとした時間を過ごしたいものだ、と"ほし"が妄想にふけっていると、その横に団体客たちがドヤドヤとやってきて、はっと現実に戻される。
次に2階へと上がると、売店コーナー、そしてその奥に軽食コーナーを確認。ここも1階に負けず劣らずの混雑ぶりだ。

冷蔵陳列棚には、1階の工場で作られたカマンベールチーズをはじめとするチーズ類が多数並び、これまた"ほし"の心を揺さぶる。「ほ、欲しい・・・」、しかし、デリケートなチーズを長旅のお供に連れていくのは、かなり酷ではないかと思うと、どうしても手が出せない。え?旅の途中で食べてしまえ?次回行く機会があったらそうしようかと思う。但し、体調は万全に限る、といったところか(後であれこれ調べたら、通販で買えるところを発見。今度買ってみようかと思ったりも)。今回はチーズが買えない代わりに、エーデルケーゼ館チーズタルトを買っておこう。
会計を済ませると、そこでソフトクリームの存在に気づく。もしかしたらチーズソフトでも食べられるかと思っていたら、ここは正統派バニラであった。

しかし、口あたり滑らかな牛乳味たっぷりのソフトは実に美味。いつもは一口で"ほし"に突っ返す"こあ"氏も、北海道で食べるソフトだと1/3程度は食べてしまうため、"ほし"もビックリ。
「ところで、駐車場に入る時に牧場にいたポニーは見た?」と"こあ"氏。「え?あれって本物のポニー?」と素っ頓狂な声をあげる"ほし"。どうも"ほし"は牧場にいたポニーはオブジェと思いこんでいたのだ。「やだなぁ、ちゃんと動いていたでしょうに」と"こあ"氏は"ほし"を引っ張り、牧場へと連れていく。

確かに一頭のポニーが寂しげにトコトコと歩いているではないか。人間慣れしているのか、近づいても特に逃げたりする様子は見られない。

また、牧場の別区画にも何頭もの馬を発見。と、そこに一台のトラックがやってきた。トラックは牧場の柵の近くで停車すると、なんとポニーたちが一斉にそのトラックの近くへと集まってきたのだ。これから一体何が起きるのか、と我々も思わずトラックに視線を送る。すると、トラックから降りてきたおじさんが、牧草を重そうにかかえるとポニーたちのいる牧場へドサッと置いたのだ。ポニーたちはそのおじさんが牧草を持ってきてくれることを覚えているらしい。皆、嬉しそうに牧草を食べている。おじさんは、我々がじっとその様子を見ているのに気づき、「毎日、ここに持ってきてやってるんだよ。」と説明してくれた。「すごく慣れていますね。トラックが来ただけでポニーが集まってきてしまうなんて。」と我々もついつい見とれる。おじさんは元気に笑うと、すぐにトラックへ乗り込み、去っていった。

ポニーたちは相変わらずせっせと牧草を堪能中だ。そんな様子をしばし我々も堪能すると、"こあ"氏がガイドのごとく「この他に、鹿牧場もあるんだよ」と案内する。

「で、ここが鹿牧場・・・のはずなんだけど」、そう、鹿らしきものは全く見あたらないのだ。「本当に鹿牧場?」と"ほし"が意地悪げな顔をする。「おかしいねぇ、気配も無いみたいだよ」、しばらくあっちだこっちだとキョロキョロ覗いていたのだが、結局鹿には遭うことなく、その場をあとにする。
さて、エーデルケーゼ館の横にはレストランメイプルがある。「食事はメイプルでもエーデルケーゼ館内でも出来るけど、どちらにする?」、とメイプルの前で立ち止まる。メイプルでは、鹿肉料理が味わえるとのことだが、"ほし"はチーズカレーを食べたいというひとつの目的があったのだ。結局、"ほし"の意向を(強制的に)重視することとし、またしてもエーデルケーゼ館へと逆戻り、2階の軽食コーナーへ再び向かうこととなった。

というわけで、お目当てであるチーズカレー、いや、ボリューム感を重視して、チーズハンバーグカレーを注文、早速頂いてみた。足寄のカマンベールチーズがルゥの上にとろりとのせられたこのカレーは、ルゥの辛味をマイルドにし、それでいてカマンベールの味が風味良い。「カレーにチーズなんて合わないかと思っていたけれど、結構いける味だね」と"ほし"。「ルゥだけだと結構辛いけど、チーズでまろやかになってるって感じかな」と"こあ"氏も満足げである。といっても、好き嫌いの分かれるカマンベールチーズだけに、カマンベールチーズが苦手な人には不向きなメニューのようだ。

食後、会計をしていると、"こあ"氏はひとつの疑問を店員さんに投げかけた。「鹿牧場って、鹿はいるのですか」、すると店員さん「いるはずなんですけど、あまり出てこないんですよねぇ。恥ずかしがり屋なんでしょう」なる珍回答が飛び出した。恥ずかしがり屋の鹿って一体・・・

本日2駅目ですっかりくつろぎモードとなってしまった我々だが、本日はあと3駅は必ず廻らねばならないのだ。さぁ、そろそろ出発しよう。
 
 

▼次なる道の駅「オーロラタウン93りくべつ」へのルート:
足寄湖から国道241号/国道242号 (距離:約43.7km)


次に向かうは、日本で一番寒い町として知られる陸別町にある道の駅「オーロラタウン93りくべつ」だ。幸い、今は夏ゆえ、寒さに震えながらの駅散策ではないのだが、その分、夏でもある程度は涼しいのかと思うと、ほっとするような、逆に肌寒さでやはり震えるのか、と考えたりも。

「足寄湖」を出た我々は、国道241号を足寄駅の方へと走り出した。
 
▽確かここらへんに松山千春の実家が?結局見つからず・・・

松山千春の巨大な顔看板が掲げられた実家が、足寄駅から徒歩10分圏内にあるらしい。しかし、だいたいの位置までは、道の駅「足寄湖」売店の店員さんに聞いたものの、国道241号 足寄駅近くまでやってきても、どうにも見つけることが出来ずじまいであった。

「このあたりから細い道に入って、・・・えっとこの裏あたりかな」「・・・」「ないなぁ」「・・・」、やはり見つからない。「足寄駅に行ってもう一度聞いたら?」と"ほし"が提案したものの、さすがにここであまり時間をとることは許されない、と察知した"こあ"氏は、「諦めよう」と足寄駅を通り過ぎてしまった。

ちなみに足寄駅は綺麗な駅舎であり、しかも中には松山千春展示室なるものもあるとか。興味ある人は、我々の代わりに是非行ってみて欲しい。

 
▽ただひたすら山あいの道を行く国道242号 陸別へ

足寄駅を過ぎた辺りで、国道241号とわかれ、我々が向かう先は国道242号、陸別方面だ。この国道242号は、ふるさと銀河線(鉄道)と平行してひたすら山あいの道を走り、陸別町へと向かうのだが、風景的にはほとんど変化がなく、走る面白みという点ではいまひとつといったところだ。

というわけで、国道242号に入ってから約30km以上もの道を、それこそただひたすら走るだけに専念する我々であった。

 

 
 
オーロラタウン93りくべつ」まさしく(鉄)道の駅!宿泊施設も完備 (陸別町)
到着時刻:12:43 スタンプ設置場所:観光物産館入口付近の案内窓口
陸別町に入るとまもなく、道の駅の案内看板が前方に見えてきた。「オーロラタウン93りくべつ」は、この国道242号に面している訳ではなく、細い道へと入ったその先に位置するため、案内看板に従って入るとその先に駅舎らしきものが見えてきた。

なるほど、ここは鉄道の駅に併設された道の駅なのだ。駅舎の裏手には線路が走っており、鉄道駅利用者もぽつぽつ見受けられる。早速、駐車場に車を停めると、駅舎に向かって歩き出した。平日の昼間の利用者は少ないのだろうか、あまり人通りが無く、やや寂しげである。
道の駅「オーロラタウン93りくべつ」は前述のとおり、ふるさと銀河線 陸別駅に併設された「鉄道と道」の駅。駅の外観は横広がりな構造を持ち、赤茶色の外壁がどこかモダンな印象を感じさせたりも。

1階には観光物産館の他、休憩スペース、資料館(関寛斎資料館)等があり、2階は宿泊施設になっている。駅舎の向かいには公園も整備されており、屋外での休憩も可能だ。
さぁ、駅舎の中を歩いてみよう。正面入口から入るとまず駅の待合い所にも見える休憩スペースがある。電車を待っているのか、それとも単なる休憩なのかはわからないが、数人が椅子にドカッと座り、なにやらくつろいでいる。

そんな姿を横目に、右へ行ったり左へ行ったり2階への階段を上がったり降りたり。再び、待合所前に戻ってくると、「なにやってるのだろう」といった不審な視線が所内から突き刺さる。教訓、駅散策は目立たぬようにしよう。
スタンプは、駅舎内の観光物産館横にある案内窓口に設置してあるため、スタンプ帳を"こあ"氏に託すと"ほし"は先行して物産館内へと向かう。

店内はいわゆる町の小さなスーパーマーケットのような、シンプルな構成。
しかし、よくよく散策していくと、陸別名産のえぞ鹿の缶詰や山菜、"ほし"も気になる星空の街(陸別の通称)ならではの星グッズ、オフロード専用サーキットとして有名な陸別サーキットのグッズ等、陸別を演出する土産群が揃っているのだ。

そういえば、資料館や宿泊施設、売店施設等がある割には、食事処が見あたらない。まぁ、駅前ということもあって、他の店でも食べられるだろう、という割り切った考えからだろうか。(といっても、宿泊施設は1泊2食付きだったりする)
 
 

▼次なる道の駅「摩周温泉」へのルート:
オーロラタウン93りくべつから(主)143号/国道241号 (距離:約92.3km)


車に戻った我々は、次なる道の駅「摩周温泉」に向かって出発。しかしながら、次の駅までは90km以上もの距離を走ることになる。あぁ、林道を走ればある程度効率的なルートで「摩周温泉」がある弟子屈町へ向かえそうだが、四輪が走れる道幅の林道かどうかはさっぱり分からずじまい。しかも、車の後部座席にはワインの瓶やらその他ワレモノ等がひしめきあっている。どうも後部座席から「そんな道を走るのはやめてくれー」といったオーラが発生しているようだ。

なにはともあれ、まずはカーナビのルートに従ってみよう、と案内に従って走り出した。どうやら、主要地方道143号をしばらく走り、国道241号に出たら、あとはひたすら東へ向かい、弟子屈町へと入るといった、我々が事前に睨んだとおりのルートである。主要地方道143号は途中、陸別サーキットや天文台等を横目に走る道だが、実に整備された山道といったところか。しかし、"ほし"は手元のツーリングマップルを見ながら、ある一部分が気になっている。それは、"主要地方道143号 カネラン峠 ダート4km残る"。結局、短い距離ではあるが、ダートは走る羽目になりそうだ。
 
▽猿、いや、カーナビも木から落ちる?主要地方道143号の謎

快適だと思われた主要地方道143号も、やがて路面は悪くなり、行く手に何かがありそうな予感がただよってきた。と、そこでカーナビが突如、左へ入れと言ってきたではないか。「え?このまま道なりじゃないの?」と"こあ"氏もかなり怪訝そう。しかも、この先早くもダート、おまけに道が陥没しているのだ。

「おいおい、こんなところを本当に走れっていうのか?」と"こあ"氏はわざわざ車を降りて陥没具合を確かめに行く。巨大なRV車ならばいざ知らず、我々のようなごく普通の乗用車には、この陥没を越えていくのは無理そうだ。「ええい、カーナビの案内は無視無視、このまま道なりに行こうよ」、結局その判断は大正解であった。

カーナビを搭載している人は少なくとも経験があるとは思うが、たまに地図データが古いか、または間違っている場面に遭遇することはないだろうか。今、まさしくその状態であったのだ。カーナビは「左に入り、陥没を越えてダートを走るルート」こそ主要地方道143号と言っているようだが、"ほし"の手元にあるツーリングマップルによれば、このまま道なり直進が主要地方道143号にしかみえない。

そう、そのとおりだったのだ。そうして道なりにそのまま走っていくと、やがてそこは足寄町。

 
▽カネラン峠を越えるとそこはダート

主要地方道143号、陸別町と足寄町の境に位置するカネラン峠を越えると、やはりツーリングマップルの記載どおり、ダートが待ちかまえていた。ダートといっても、道自体はかなり走りやすいのだが、それでも一部、非常に細かな振動が車に加わり、まるで車全体がビビビビビッと震えているようにも感じられる。また、コーナー手前に砂利が浮いたような箇所もあり、あまり景気良く走る訳にもいかない。

そんなダートが数キロにわたって続くと、ひょっこり舗装道に出てきた。そこで"こあ"氏が一言「なんだぁ、もう終わり?」。おいおい、だったら更に近道と思われる林道を走った方が良かったのか。しかし、舗装道に出る手前あたりで林道らしき入口をちょっと覗いたところ、どうも四輪には困難そうな道に思えたのだが、実際はいかがなものだろうか。

 
▽ひたすら山あいの道が続く 主要地方道143号から国道241号 弟子屈方面

主要地方道143号から国道241号へと出るとひたすら東へ東へと延々と走らねばならない。この国道241号、山あいの非常になだらかな道が続くため、ついついスピードが出やすい快適な危険道なのである。しかも、ずっと同じような風景が続くため、ついつい走ることに専念しようとすると、これがまたグググイッとアクセルを踏みたくなる。「あー、どうにかしてくれぃ!」と、これは"こあ"氏の心を勝手に"ほし"が代弁した訳だが、やがて阿寒湖にさしかかる頃には、交通量も少し増え始め、ちょっとした賑わいをみせている。

国道241号は阿寒湖のすぐ横を通るように地図に描かれているため、もしかしたら走りながら阿寒湖が見られるのか、とほんの少し期待をする"ほし"。しかし、それはものの見事に裏切られ、まるで周囲の木々が湖を隠して、「見せてやるもんか」と意地悪をしているようにも見える(というのは考え過ぎのような感もあるが)。「ちっ」と悔しがるがそのまま通過するあたりが我々らしい。

更に、弟子屈町に近づくにつれ、だんだんとコーナーが増えていき、走行ペースも落ちていく。そんな山あいの道もいつしか牧草地帯へと変わっている。そろそろ弟子屈町の中心地が近いのだろうか。

 

 
 
摩周温泉」駐車場の片隅にポツンと佇む観光案内所がいわゆる駅だ (弟子屈町)
到着時刻:14:56 スタンプ設置場所:観光案内所内
国道241号を町の中心に向かって走ると、まもなく恒例の道の駅案内看板が駅の場所を指し示しているのを発見。その矢印の先に視線を動かすと、「・・・」しばしの沈黙が訪れる。そしてその沈黙を破ったのは"こあ"氏の「本当にここ?」なる一言であった。

そう、本当にここ、である。確かにその敷地内の駐車場には何台かの車が駐車しており、人の動きがあるようだ。しかし、道の駅としてありがちな売店等は何処にも見あたらない。いや、駐車場の奥に小さな建物があるではないか。どうやら、あれが道の駅「摩周温泉」のメイン施設らしい。我々は「摩周温泉」という名称から、すっかり駅内に温泉施設等があるのか、と思っていたのだが、それは大きな勘違い。

道の駅「摩周温泉」は、全国でもかなり小規模な道の駅として位置づけられているのではないだろうか、と思われる。つまり、町の小さな観光案内所が、道の駅のメイン施設なのだ。所内の片隅にはちょっとした販売コーナーもあるのだが、メインは観光案内カウンター。といっても所員さんは非常に親切で、周辺の案内や摩周湖の見え具合等を丁寧に教えてくれる。
といった訳で、駐車場に車を停め、観光案内所に入る。

所内には、これから摩周湖に行こうとしている女性が、所員さんに「摩周湖って今は見えますか」と聞いている。ついつい我々もその質問に耳を傾けていると、所員さんが摩周湖の展望台にだろうか、電話をかけて問い合わせている。そして「大丈夫、まだ見えるみたいですよ。ただ、天候があまり良くないので、遅くなると見えなくなってしまいます。だいたい15分くらいで摩周湖に行けますから今からすぐ行かれれば大丈夫かと」と説明している。なるほど、常に観光地と連絡を取り合いながら新鮮情報を客に伝えているのか、とついつい感心しながら頷く。
所内の片隅にある冷凍ケースの中には、「摩周湖のあいす」なるものが並んでいるのを発見。特に目立つ特産品等を発見できなかった代わりに、このアイスを買っていこうと考えた"ほし"は、その中から「摩周ブルー」なる味を選択。しかし、名前だけに惹かれて買ったこのアイス、果たして何の味がするのか。

おっと、スタンプを忘れるところであった。スタンプは、所内入口付近に設置されている。今日も確実に予定数をこなしている、と満足げにスタンプを押すとアイスを手に外に出た。
屋外には四阿があり、ここでちょっとした休憩も可能だ。しかし、我々は肌寒い空の下でまたしても震えながらアイスを食べる羽目となってしまったのである。しかもカップアイスはしっかりと冷凍されており、なかなかスプーンですくえない。手になんともいえぬ冷たさが伝わり、そこまでして食べるか、と"こあ"氏は呆れるやら、それを通り越して感心している。

「まぁまぁそう言わずに・・・なかなか美味しいよ。摩周ブルー」とアイスを差し出す"ほし"。一口食べて"こあ"氏は「ふぅー寒いっ」、こんな寒さの中では味わうどころではないらしい。そうして、"ほし"は次から次へと口の中にアイスを放り込むと、「このリキュールが効いた爽やかさは、夏の空の下で食べたいものだね」、いや、確かに今も夏の空であることには変わりないのだが・・・
 
 

▼次なる場所「摩周湖」へのルート:
摩周温泉から国道241号/(主)52号 (距離:約11.1km)


そうして、アイスを食べ終えると早々に車に戻った我々だが、摩周湖アイスを食べた途端、無性に摩周湖に行きたくなった"ほし"は、「ここから15分程のところにあるらしいから、ちょっとだけ摩周湖に行ってみようよ」と提案。「次の駅へは営業時間内に行けるの?」と"こあ"氏は心配そうだが、「大丈夫大丈夫」と全く根拠無い回答をすると、早速行こうとせかす"ほし"。

道の駅「摩周温泉」から摩周湖へは、国道241号を北上し、主要地方道52号の案内に従って更に北上したところに位置する。所々に「摩周湖」の案内看板があるため、迷うことなく向かえるので安心だ。

平日の夕刻ではあるが、摩周湖方面へ向かう車は何台もいるようで、やはり観光地パワーを感じる。やはり、北海道には休・平日は関係ないのか。
 
▽「摩周湖」寂しげな神秘の湖に似合わない観光地の賑わい
(到着時刻:15:35)

摩周湖には何カ所か展望台があるのだが、我々はその中で一番南側にある第一展望台に車を停める。ここは駐車場が有料だが、それにも関わらずかなりの台数の車が停まっているのにはビックリ。

なんとか空車を見つけると慌てて車を停めたのだが、後から後から車がやってくるような状態だ。おいおい、今日は平日だろうに、と苦笑するが、周囲の車のナンバーをみると「わ」ナンバー、つまりレンタカーが多い。やはり、北海道まで飛行機で来てレンタカーで廻る人も少なくないことを改めて実感する。

さて、車から降りると、早速湖が見える展望台へと向かう。それにしても、あまりの人の多さに、とても神秘の湖を堪能するどころではなさそうだ。しかも、天候もいまひとつ。霧がかからず湖の全景が見えるだけでも幸いなのかもしれない。しばし、湖をぼんやりと見つめると、早々に展望台を後にし、隣のレストハウスを覗いてみる。

 
これがまた凄まじい混雑で、とてもゆっくり店内を見て廻るどころではない。かろうじで摩周湖の展示室はあまり人がおらず、ゆっくりと説明パネルを読んでいられたが、売店コーナーは団体客がひしめき合い、押すな押すなの大騒ぎ。げんなりとしながら、それでも売店内を一周まわると、そのまま店の外へ脱出。結局、店内で印象に残ったのは、木彫り職人の素晴らしい技くらいだっただろうか。客が見ている前で実際に表札に名前を彫っている姿に、「よくこんな賑やかな場所で繊細な作業が出来るものだ」と感心。他、北海道では比較的メジャーなきたきつねグッズや摩周湖土産等が並び、多くの客があれこれ土産物を手にしていたようである。

「それにしても、凄まじい混雑だった・・・」、我々は揃って深い溜息をつくと、そのまま無言で車に戻るのであった。
 

▼次なる道の駅「阿寒丹頂の里」へのルート:
摩周湖から(主)52号/国道241号/町道/(主)53号/(道)829号/村道/(道)243号/国道240号 (距離:約77.5km)


ここで体力を使い果たすと、本日最後の駅である「阿寒丹頂の里」にはたどり着けない。なにしろ、摩周湖から道の駅「阿寒丹頂の里」へは距離にして約77km強もあるのだ。ここは気を引き締めて行かねば、と我々は再び主要地方道52号を、道の駅摩周温泉へ戻る形で走り出す。
 
▽主要地方道53号で一気に鶴居村に南下!おっと スピードに要注意!

そうして、国道241号に戻ってくると、JR釧網本線 摩周駅付近を経て主要地方道53号へと出てきた。あとはしばらく南下し、鶴居村へと向かうのだが、これがまた山あいを走るなだらかな快適道なため、つい速度が出がちである。とりあえず控え目な速度で走っていたものの、しばらく走っていると対向車がパッシングを送ってきた。「もしかして、この先で速度取り締まりをやっているのかもしれない」、そのとおりであった。北海道の速度取り締まりは特に厳しいという話を以前から聞いていた為、北海道に来てから随分慎重に走っているはずなのだが、それでもあの速度取り締まりというものは、どうも歓迎しかねる。

やがて鶴居村へと入ると、本日の宿の近くを通りながら阿寒町へと走るはずだったのだが、目の前に見えてきた建物はまさしく本日我々が泊まるはずの宿名と類似している。が、どうも営業しているようにはみえない。若干、いや、大いなる不安を残したまま、主要地方道53号をそれ、道道829号へと入ると、阿寒町へ近づくべく走り続ける。

 
▽鶴居村の西隣に位置する阿寒町はもうすぐそこだ!

道道829号から村道へと走ると、その一角こはタンチョウ飛来地がある。冬であれば、タンチョウを見ることが出来ただろうが、さすがに冬の北海道訪問にはまだまだ勇気がいりそうだ。そんな会話をしながら村道から道道243号へと出てくれば、あとは阿寒町方面へと道なりにひたすら走る。周囲は特に気を引くものは何もなく、夕暮れの道をただ走るだけなのだが、相変わらずのどんより曇り空のせいか、日が暮れる時間が早いようにも感じられる。「駅に着いた頃にはかなり暗いかもしれない」

やがて国道240号に出ると、若干北上したところに道の駅が見えてきた。

 

 
 
阿寒丹頂の里」ここはツルに合わせて冬訪問が良いかも (阿寒町)
到着時刻:17:11 スタンプ設置場所:売店内
本日最終駅である「阿寒丹頂の里」へはなんとか無事に営業時間中にたどり着き、心からほっと一安心。"ほし"がいきなり摩周湖に行きたいなんて言い出したせいで、かんじんの道の駅に営業時間内にたどり着けなかったら、それこそ明日以降の予定が全て崩れてしまうところであった。

結局、無事に着いた訳だが、残念なことに、物産館裏手の国際ツルセンターは17時で閉館。全ての駅内の付帯施設を見て廻ることは、限られた期間の中ではなかなか困難である。しかし、興味ある施設はなるべく見ておきたいと考えていたなかで、このツルセンターも興味分野のひとつであった。そんな時はきまって言う言葉があるのだ「またここへ来る口実が出来た」、あぁ、負け惜しみにも感じられる情けない言葉である。

さて、道の駅「阿寒丹頂の里」は、その名のとおり、タンチョウ越冬の地 阿寒町の観光拠点。物産館「丹頂の里」をメインに、軽食売店「赤いシャッポ」、国際ツルセンター等から構成される。今回は見ることが出来なかった国際ツルセンターは、特に丹頂の里を体感するにはふさわしい施設のようなので、是非次回は訪れたい施設のひとつ。これらの敷地がある向かい側では、アカンランドと称するレジャーランドがあり、温泉施設や食事処、サイクリングコース等が楽しめるようだ。
というわけで、今回は物産館を中心に散策してみよう。建物の随所にはタンチョウが描かれていたり、入口付近の通路天井にもタンチョウの飛ぶ姿をうまく演出していたりと、なかなか凝った造りが印象に残る。

道の駅には「どうしてこのようなモニュメントがあるのだろう」と首を傾げたくなる、いわゆる町や駅等と全く無関係な像があったりもするのだが、このような町にちなんだような演出は非常に好感がもてる。
店内にもツル等の木彫りの置物や、ツルにちなんだ菓子類等が多数並んでおり、中でも、「丹頂鶴の卵」なる卵型の焼き菓子は釧路周辺の定番土産らしい。

そうして、しばし店内で土産物を散策していると、急に店内が賑やかになった。
ん?と振り向くと、何処からかドヤドヤとスタンプラリー参加者が数人やって来たかと思えば、ドドドンっとスタンプを押して嵐のように去っていった。学生っぽい姿だったため、きっと学校が終わってから友人たちと待ち合わせて駅から駅へと走り回っているのだろう。関東や東北のスタンプラリーに参加していた時には、平日に廻っているとほとんどラリー参加者には出逢うことがなかっただけに、やはり北海道は参加者の多さを物語っているようだ。

そろそろ閉館時間が近いため、我々は慌ててレジで会計を済ませると、レジの横に、土産をまとめて入れておける巨大バッグを発見。そういえば、車内の後部座席はなにやら土産があっちだこっちだ散乱状態。山道なんぞ走っていると後部座席は土産たちが大運動会を繰り広げているのだ。ここらでそろそろ巨大バッグにでも入れて土産物をひとまとめにしておきたい。

慌てて店員さんに「こ、これもお願いします」と、袋を手渡すと、それまで無口な雰囲気を漂わせていた店員さんがいきなり「釧路から帰るの?」と聞いてきた。ははぁ、なるほど、土産をまとめて入れられる袋を買った、ということはそろそろ帰る準備をしているように見えたのだろう。「いえいえ、まだこれから根室を経由してオホーツクのほうへ行く予定です。2週間かけて1周するつもりなんですよ」と"こあ"氏が答える。「へぇー、それは長旅だねぇ。どこから来たの?」「東京からです」「飛行機?」「いえ、車なんですよ」「おぉ、それじゃフェリーで来たんだ。気を付けて頑張ってね」、思いがけない言葉であった。我々もペコリと挨拶をすると、なんとも良い気分になって店を出る。

そんなとりとめもない会話が非常に心に残ったりもするものだ。我々は車に戻ると、後部座席に散らばっている土産を手早く袋に詰め、車に乗り込んだのであった。
 
 

 
無事に本日も予定数を全てクリア。今のところは無理なスケジュールは組んでいないつもりなので、これで予定どおり廻れなかったとしたら、今後は更に厳しくなるはずである。涙をのんで諦めた場所等もあるため、そのような場所はいずれまたのんびり行けることもあるだろう、なんて呑気に考えている。

さぁ、あとは宿へと向かうだけである。先程、我々が泊まるはずの宿が既に営業していないのではないか、なんて話をしたことは覚えているだろうか(って、何十行か前の話であるが)。電話をかけて「これから宿に向かいます」と連絡をいれた際に、詳しい場所を聞いたところ、どうやら我々が目撃した旅館ではなく、その数百m先にホテルがあるらしい。「な、なぁんだ」とほっと胸をなで下ろす。

我々は今まで走ってきた道を戻りながら、再び鶴居村へと向かうと、まだ真新しさを保つホテルが見えてきた。

皆さんにも教えたい宿シリーズ1:ホテルTAITO
可もなく不可もなく、そんな宿は特にホテルの名称を掲載したり、あれこれ詳しく語るほどではないと思っているが、特徴をもち、且つリーズナブルなお宿は是非この場で紹介しておきたい。というわけで、今回の旅の中でやっと紹介したい宿に出逢った、それが鶴居村のホテルTAITOである。

ホテルTAITOは、プロ写真家である和田正宏さんがオーナーをつとめる、ナチュラル派のホテル。和田さんはこれまでタンチョウの様々な姿を写真におさめており、館内にもそれら写真が飾られている。また、ホテルとしては非常に珍しく、和田さん自身が大切にしてきた多くの本が並ぶ図書コーナーがあり、宿泊者は自由に閲覧が可能といったユニーク且つどこか暖かみを感じるホテルだ。食事は洋食中心の家庭料理が楽しめる。温泉施設もあり、日帰り入浴も可能だ。
宿泊料金(1泊2食付き) 一例としてツイン2名で宿泊の場合、1人8,800円
時間 チェックイン15:00 チェックアウト10:00
場所 北海道阿寒郡鶴居村鶴居西1丁目

 
というわけで、ホテルに着くと一段落の我々は早速レストランで食事をとり、図書コーナーでしばし写真集を眺めながら時間を過ごす。図書コーナーには、前述のように、オーナーの和田さんのタンチョウ写真集の他、和田さん自身が昔読まれていた写真関連の本や、様々な写真集が実に多数置かれている。冬になれば、このような素晴らしい風景がこの目で見ることが出来るのか、と思うと、実に心躍らされたりも。そうして、道の駅「阿寒丹頂の里」のツルセンターをへ行けなかった分を、この図書コーナーで存分に楽しもうと、むさぼるように写真集を次から次へと見ていくのだが、やはりいつの日か、是非タンチョウに逢ってみたいものだ。

おっと、気が付けば随分と時間が経っている。そろそろ明日の準備をしなければ、と部屋に戻ったところで本日の旅が終了したような、そんな気分になりながらしばしぼんやり。そういえば、結局今日1日は左耳が聞こえないままであった。そのせいか、多少イライラすることも多かったものの、喉の痛みがだいぶ和らいでいることに気づいた。あぁ、そろそろ明日には治って欲しいものだ。

さて、明日7月4日は、いよいよ釧路・根室からオホーツクへと北上する。廻る駅数が少ない割には、長距離を走ることになるのだ。7月4日の旅で気になる駅といえば、「しらぬか恋問」の豚丼、しかしこの駅は明日のスタート駅となるため、さすがに朝一から豚丼は胃が受け付けそうになさそう。今回は豚丼を諦め、次なる駅「厚岸グルメパーク」の牡蠣あたりを食べたいものだ、なんてすっかり頭の中は明日の旅のことでいっぱいである。いや、正確には明日の旅の食事のことでいっぱいか。

さぁ、明日はどんな旅が待っているのやら。

前日の日記を読む?(2002/07/02) 次の日の日記を読む?(2002/07/04)


 スタンプラリー参戦日記インデックスへ 北海道スタンプラリー2002インデックスへ

総合案内ページに戻る

ご意見・ご感想・ご要望は、ふゆのほしまで。
Copyright(c)2000-2004 ふゆのほし All rights reserved
本サイトに掲載されている全ての内容の無断使用を禁じます。
最終更新日:2002年08月02日