東北道の駅スタンプラリー秋の陣
雨にも負けず風にも負けず完走目指してひた走る!

(2001年09月30日〜10月06日)
◆全駅制覇!みちのく90駅巡りの苦労の汗が感動の涙に変わる時◆
岩手/宮城/福島編 10月06日

ついにこの日がやってきた。1週間のみちのく長旅が今日で幕を閉じようとしている。いや待てよ、もしかたら多大なるハプニングにより、最後の最後で大どんでん返しがあるかもしれない。とにかく90駅走りきるまでは気を抜かず頑張らなくては、とそう言い聞かせながら急いで身支度を済ませる。「今日で終わっちゃうのかぁ、もう少し続けていたかったなぁ」と"こあ"氏も名残惜しそうだ。まぁ、そう言われてもいろいろな意味で限界があるのだ。なんとしてでも今日終わらせて家へ帰ろう。

しかし、思えばこの1週間、雨に見舞われながら苦労し通しの旅だった。雨が降ればどうしても駅の散策にも時間がかかるし、道中の走行ペースも思い通りにいかない。今考えれば、よく予定どおりに駅巡りをこなしてきたものだ、と少々驚きを隠せない。1日の駅巡り数としては多くはない方なのだが、全て営業時間内に行かなければならないという条件の元で、ドライバーの"こあ"氏には随分無理をさせてしまったような気がする。申し訳なさと共に心から感謝している。そんな旅も今日でおしまい、外を見れば旅の終わりにふさわしい見事な秋晴れだ。今日一日は太陽の下で、駅の散策が出来ることを期待している。

さて、本来ならば、宮城県の「路田里はなやま」をスタート地点にするはずだったのだが、我々が泊まっていた宿から比較的近い位置に2001年夏に新しく登録された道の駅「厳美渓」がある。まずは、ここに寄ってから、宮城県の3駅、そして福島県へと南下していく。しかし、駅数こそ少ないものの、互いの駅間は決して近距離ではないことを、これから身をもって体験するのであった。

まずは宿を出発すると、国道4号へと出て、とりあえずは一関方面へと南下を開始。


【宿出発時刻】午前8時半頃 【東京都下到着時刻】午後11時半過ぎ
色は岩手県 色は宮城県 色は福島県
※( )付き駅名は2001年新登録の道の駅
  前沢町から国道4号/国道342号/国道342号BP (厳美渓)
09:05
国道342号BP/(主)31号/市道
((県)240号より一本東側)/国道457号/
農免農道:南沢-大沢経由そのまま南下/
(県)182号/(主)4号/国道457号/
(県)178号/国道398号
路田里はなやま
10:29
国道398号/国道457号/国道47号 あ・ら・伊達な道の駅
11:21
国道47号/国道108号/(主)1号/
(主)15号/(県)237号/国道346号
米山
13:55
国道346号/(県)237号/(主)15号/(主)1号/
国道108号/国道47号/東北自動車道
古川IC-福島飯坂IC/国道13号/
(市街地をさまよい)/国道4号/
国道114号
川俣
16:29
国道114号/(主)35号/国道288号/
(主)35号/町道/国道6号
ならは
18:14

 
 
厳美渓」もちと湯の郷 でもここは温泉施設ではないのだ (岩手県)
ルート:前沢町から国道4号/国道342号/国道342号BP
到着時刻:09:05 スタンプ設置場所:未設置
国道4号を南下していると、まもなく平泉町にさしかかる。すると、"こあ"氏「厳美渓に行くならば、この次の信号を主要地方道31号に入れって道路案内の看板が出てるよ」と看板を指さす。「地図で確認しても、確かにこの主要地方道31号、ショートカット的な道みたいだね。」"ほし"も地図を片手に頷く。しかし、道の駅「厳美渓」の位置を特定できていなかった我々は、果たしてショートカットして中途半端なところに出てきてしまったらどうしようと少々心配。

結局、今回はとりあえずこのまま国道4号を南下したうえで国道342号に入り、地道に厳美渓に向かうことで話も落ち着き、主要地方道31号は曲がらずにそのまま通過。それにしても、国道4号は交通量が多いのはまぁいつものことだから諦めるにしても、国道342号に入ってからも、交通量の多さを引きずっている。「こりゃぁ、幸先悪いかなぁ」とつい思ったりもしながら、周囲の風景がだんだんとのどかな空気に変わっていくのを感じていた。

そうして窓から流れていく風景を眺めていると、「あれっ」とあるものを発見。「道の駅厳美渓」の捨て看板である。そういえば、「厳美渓」が既にオープンしているかを確認せずに、ここまで来てしまった(まぁ毎度のことだが)。どちらにせよ、近くを通るのであれば、オープンしているかどうかはこの際後回しといった感覚で向かっているため、それこそこの「捨て看板」の存在は、オープンを意味していると判断して良いだろう。

交通量も減り、のどかな国道342号をなおも西へ西へと走っている時であった。「ちょ、ちょっと!捨て看板はバイパスを行けって書いてあるよ」と"ほし"の叫びも虚しく、気がつけば国道342号本線に入ってしまった。"こあ"氏も「気がつかなかった、ごめん。」とUターンしようかと場所を探す。するとそこに、バイパスに抜けられそうな細い道を発見。幾つかの住宅の横を通るかなり細い道ではあったのだが、まぁこの際仕方がない。庭の花に水をあげている住人の「まぁ、あの人たち道間違えたのかしら」といった迷惑そうな顔を横目に、我々はソロソロと細い道を抜けていく。
出てきた国道342号バイパスは、まだ整備されたての新しい道のようにも見える。そのバイパスを走るとまもなく道の駅「厳美渓」の案内看板が見えてきた。「おぉ、案内看板も既にあるよ!」と嬉しい声をあげる"ほし"に続き、"こあ"氏も「駐車場も広いぞぉ。しかもまだほとんど誰もいないぞぉ」と、おいおい、それはあまり喜んでいいことと違うのではないか(苦笑)。

早速駐車場に入り、辺りを見回す。時計を見れば9時を過ぎたところ、丁度開店したばかりといった感じだろうか、店員さんが忙しそうに行ったり来たりを繰り返している。我々は、まず施設の外観を少し楽しむべく、少し歩いてみることにした。

道の駅「厳美渓」は、観光地としても有名な名勝天然記念物である渓谷「厳美渓」の近くに位置する。建物は一関市都市農村交流館と一関市博物館、休憩所及び屋外トイレからなり、交流館のほうには展示室やホール、直売所、レストラン等、博物館には一関の歴史等を中心に紹介している。
さて、何処から見ようかなとキョロキョロしながら、交流館に入ってみる。まだ客がほとんどいないせいか、館内は非常に広く、且つ明るく感じられる。まず、目に入るのが一関の「もち」文化を紹介する展示室。一関地方がいかに「もち」に親しんできたかが、この展示でよくよく分かるのではないだろうか。"ほし"も、そして"こあ"氏もひとつひとつその展示を見ながら「そうなんだぁ」、「へぇー」と興味津々。なんといっても「もち料理」の多彩さ全国一を誇るだけはある。

そして、特に目をひくのが「もちりんぴっく」のグランプリ紹介コーナー。この「もちりんぴっく」は、一関で開催されているアイディア餅料理コンテストで、毎年、餅を用いた和洋様々な料理が出品される。なんと嬉しいことに、この展示室ではこれらグランプリのレシピが無料で配布されているのだ。「おぉ、この料理、美味しそうだ。是非家でもやってみたい」と思えるレシピが多数並んでおり、"ほし"も早速頂くことに。
そして次に直売所のほうも覗いてみると、こちらは既に数名の利用客が買い物籠を片手に野菜を選んでいる。我々も、早速直売所内をあれこれ見ながら歩く。直売所だけに農産物が中心だが、その他にも一関市内の手作りアイスクリームの店「ポラーノ」のアイスや、「厳美漬」なる各種漬け物類等も並んでいる。

「もちの郷」ということなので、直売所内にも餅類が並んでいるのかと思いきや、何処にも見当たらない。"ほし"が「餅ってここでは売ってないのかなぁ」と残念そうに"こあ"氏に訴えると「餅はレストランで売ってるみたいだけど、まだ準備中だね」と指をさす。
そう、訪れたのが朝早すぎたせいか、まだ準備中なのだが、この駅にあるレストラン「ペッタンくん」では、様々な餅料理が揃っている。どうやら、餅の持ち帰りも出来るらしく、"ほし"は思わずレストランの入口にべたーっとはりついて羨ましげに一言「餅、食べたーい」とガラス越しに叫ぶ。っと、店内で開店準備の若い店員さん、それを見て薄気味悪がったのは言うまでもない。

今度ここを訪れたら是非とも食べてみたいのが「もち本膳」、数種類の餅料理が楽しめるらしく、欲張りの"ほし"にピッタリな料理だ。まぁ、この道の駅以外でも餅料理を楽しめる店は一関市内に何軒かあるらしい。

店を出てからも「あぁ、こんなことならば、昼前に丁度この駅に着くようにコース設定をすれば良かった」なんてぶつぶつ言い続ける"ほし"を、"こあ"氏は苦笑いしながら見守るのであった。といいながらも、"こあ"氏自身もちょっぴり残念と思ったらしく、「ここは是非また来たいね」なんて言っている。

今回は一関市都市農村交流館のみ立ち寄ったのだが、そのお隣には一関市博物館も建っている。一関の歴史に触れたい人は是非立ち寄ってみてはいかがだろうか。

おっと、忘れるところだったが、もうひとつ特記すべき事項がある。この「厳美渓」の施設名称は「もちと湯の郷」、この名前だけから想像するにこの施設内に温泉があるのかと思ってしまいがちなのだが、この道の駅自体には温泉施設はない。駅で貰ったパンフレットを見ると、なんと裏面にその旨注意書きとして掲載されておる。ここの道の駅としては市の特徴を名称として表現しただけであって、駅内施設を表現した訳ではないはずなのだが、東北内の道の駅名称の慣習からすれば、駅名の後部につく名称は、普通「施設の名称」が多い(いや、例外もかなりあるが)ので、勘違いする人も多いと思い、駅側が先手をうったようだ。
 
 

 
 
路田里はなやま」路田里と書いてロータリーと読む (宮城県)
ルート:国道342号BP/(主)31号/市道((県)240号より一本東側)/国道457号/農免農道:南沢-大沢経由そのまま南下/(県)182号/(主)4号/国道457号/(県)178号/国道398号
到着時刻:10:29 スタンプ設置場所:自然薯の館内レストランの入口付近
道の駅「厳美渓」を出た我々は、次なる道の駅「路田里はなやま」に向かって走り出した。国道342号バイパスは駅を出てすぐに終点になっており、国道342号本線方向、つまり厳美渓方面へと車を走らせると、やがていかにも観光地らしき空気が辺りに漂い出す。そして、厳美渓の美しさをほんの少しだけ味わいつつ橋を渡ると、なんと前方には駐車場呼び込み員が旗振りを振って、あちらこちらで「おいでおいで」の駐車場誘導状態。「いやぁ、まさしく観光地ですなぁ」と唖然としながら、通り過ぎるしかなかった。実はほんの少しだけ「あぁ、厳美渓をもっとゆっくり見たいなぁ」という思いが頭をよぎったのだが、どうも訳も分からないうちに駐車場に誘導されるのは、どうも苦手である。「まぁ、今日は我慢ね」と"こあ"氏になだめられそのまま通過していく。チラッとだけでも、その美しい渓谷を見ることが出来たのだから、まぁ今回は良しとしよう。

さて、厳美渓からそのまま名も無き道を南下していくと、やがて国道457号に出てきた。ほんの少し西へ走るとすぐに農免農道なる道へと入り、栗駒町内をひたすらに南下。結局、最終日も農道のお世話になりながら、アップダウンの激しい道をしばらく走る。途中から県道182号に合流し、くりはら田園鉄道 栗駒駅付近を通っていると、どうもカーナビの指示が現在地と食い違う。「どうやらカーナビに搭載された地図が間違っているみたいだぞ」、おいおい、こんな駅前の入り組んだ箇所でいきなりとんちんかんな案内はやめてくれ、と結局前方の道路案内の看板だけを頼りに、なんとか国道457号に出てくる。

そうして国道457号を花山村方面へと走っていると、どうも周囲が騒がしい。沢山の人たちが歩道をせっせと歩いている光景があちらこちらにあるのだ。「今日は何かイベントでもあるのだろうか」と我々は首を傾げるばかり。いかにもマラソンランナーのような格好をした人も多数見られる。おまけに交通整備のためなのかパトカーまで出動しているので、かなり大きなイベントがあるに違いない。「なんだかまずい時に来ちゃったみたいだけど、大丈夫かなぁ」と行く手に多大なる不安を感じながら、我々は走り続ける。
国道457号から県道178号に入るとまもなく花山村だ。更に、花山湖を左手に見ながら走ると国道398号に出られる。花山峠方面へ少し走れば、道の駅「路田里はなやま」はすぐ右手に見えてくるはずだ。「見えてきた見えてきた、自然薯の館」、日本情緒溢れる建物が訪れる客たちを待ちかまえているようだ。

道の駅「路田里はなやま」は、「自然薯の館」なる建物をメイン施設とした駅だ。その名前からも容易に想像がつくように、花山村は自然薯が特産であり、出荷時期である毎年11月頃から店頭に並ぶようだ。「自然薯の館」に入ると、特産品販売コーナーの他、自然薯料理が食べられるレストランがある。敷地内には、釣り堀もあったりとのどかな風景も楽しめる。駅自体は割とこじんまりとしている方にも感じられるが、自然薯好きな人ならば是非立ち寄ってみてはいかがだろう。
早速、駐車場に車を停めると、駅内の散策を開始。駅内の建物がこの「自然薯の館」のみなので、見て歩くのは容易だろう、とさっさと店内へと入る"ほし"。店内は思ったよりも広く、花山村を中心に周辺町村の特産品が並んでいる。

そば、漬け物類や地酒、そして土産品として定番な菓子類の中で、"ほし"が目をつけたのは、「山芋とろろ饅頭」なるもの。これ、花山村の銘菓らしく、買って行くお客さんも多いとか。早速、"ほし"もひとつ手にしてレジへ向かう。
そして、スタンプを押すべく、レストラン入口付近にある観光案内コーナーへ。本日、1駅目のスタンプを押しながら、ついつい気になるは目の前に見えるレストラン。横にいた"こあ"氏に「ご飯、食べていく?」と聞いてみる。すると、こあ"氏「う・・・・ん」と浮かない表情。旅の最終日なんだから、もう少し力のみなぎる食べ物が良いとでも言わんばかりだ。「長芋のすりおろしは好きで、あれほどズルズルすすってるくせに、どうして自然薯のとろろ汁はだめなの?」と"ほし"はやや不機嫌。おっと、長芋と自然薯は全く違うものだ、と世間に怒られてしまいそうだ。

しかし、いざ入口に掲げられているメニューとその値段をみて、「また機会を改めて来ようね」と立ち去ることになる。「館定食」はとろろ汁・揚げとろ・岩魚の塩焼き・小鉢で1800円。もう1ランク下のものは、館定食から揚げとろを除いたものだが、これも1500円。「ちょ、ちょっと高いね。」と恐れおののく我々も、かなりせこい。「きっとそれだけに美味しいんじゃないの?」と言いながらも今回は見送ることになる。しかし、一度は食べてみたい、花山の自然薯。次こそは、"こあ"氏をときふせて食べてみよう。
外に出ると、建物の横には小さな釣り堀がある。「何が釣れるのだろう」と不思議に思いながらその釣り堀を眺めていると、少し離れたところにかなり古ぼけた案内板が置いてあり、「400円 釣り放題」等と書かれている。「ゲーム感覚で楽しめる・違反者罰金1万円」の文字には苦笑せずにはいられない。「釣りってゲーム感覚で楽しめるものなの?」と"ほし"の問いに"こあ"氏は「うーん・・・なんとも・・・」と昔は釣りマニアだったはずの"こあ"氏も苦笑い。

駅を満喫したようなし足りないような、そんな気分のまま そろそろ次に行こうか、と車に戻る。
 
 

 
 
あ・ら・伊達な道の駅」お、大きいぞ、おまけに繁盛してるぞ (宮城県)
ルート:国道398号/国道457号/国道47号
到着時刻:11:21 スタンプ設置場所:スパイラルホール内
さぁ、次に向かう道の駅は「あ・ら・伊達な道の駅」。名称からしてもかなり印象的なこの道の駅は、現在いる花山村から南下したところにある岩出山町にある駅だ。

「路田里はなやま」を出ると、我々は、国道398号を南下すべく走り出す。道路のあちらこちらには「みやぎ国体」の看板が目立ち、そういえばこの時期にみやぎ国体の秋の大会が開催されることを思い出す。先程花山村に向かう間に目撃したゾロゾロ歩く沿道の団体は、まさかこれと関係しているのではないだろうか、いや、違うイベントか、と状況がわからない我々は結局あれこれ考えることしか出来ず、気がつけば山道にさしかかっている。

国道398号を南下していくと、やがて国道457号に合流し、なおも南下を続けるのだが、この間ずっと山道が続く。交通量はそれ程多くも無いのだが、数台前にかなり巨大なキャンピングカーが走っており、これがまた対向車線を走るトラックとすれ違えずに何度も停まってしまう。特にそれ程細過ぎる道ではないのだが、山道のせいかどうしてもコーナーが続くと、巨大車同士すれ違いが困難になってしまうようだ。その都度、後続車たちまで停まることになり、走行ペースは遅くなる一方。

そんな我慢の連続も約10km程続いたものの、国道47号に入るとなんとか解消。ほっと一安心しながら、国道47号を東北道 古川IC方向へ走っていくと、右手に道の駅「あ・ら・伊達な道の駅」が見えてくる。
「な、なんだかかなり大きいぞ。しかもかなり混雑してるぞ」と駐車場に停まっている車の台数を見て、少々尻込みする我々だが、ここで通過する訳にはいかない。

建物から離れた位置には若干のスペースがあったので、我々はそそくさとそのスペースに車を停める。「それにしても広いなぁ」と建物を遠くから望む。「よし、覚悟して散策開始だ!」とバタバタと敷地内を駆け回る"ほし"と、マイペースに各建物を確認していく"こあ"氏。

道の駅「あ・ら・伊達な道の駅」は、建物が横広がりな構造をもち、その中には農産物直売所やレストラン、コンビニエンス、クリーニング屋や民芸品、軽食コーナー、特産販売コーナー、蕎麦や米・パン等の各工房等、とにかく多数の店舗が入っている。建物中央のスパイラルホールには休憩コーナーもあり、ちょっとしたホテルのラウンジのような感覚だ。2001年5月にオープンしたばかりのまだ新しい道の駅ということもあり、当然ながら綺麗さを保っている。建物も近代的な印象が強い。
早速、"ほし"は建物内に入ってみる。「げっ、混んでる・・・」と頭をかかえながら、ざっと各売店等の様子を見て歩く(内容は前述のとおり)。いやはやどの店舗もあまりの盛況ぶりに、見ているこちらが圧倒されてしまう程だ。これは"こあ"氏と合流してからまた後で見に来よう、と建物の中央にあるスパイラルホールへ向かう。ホール内には休憩スペースや道路案内コーナー等があり、スタンプは道路案内コーナーの横にさりげなく置いてある。

「まずはスタンプを押すことから始めよう」と、ごそごそと鞄からスタンプ帳を出し、スタンプを押していると"こあ"氏が「あ、いたいた」と近づいてきた。そして第一声は「いやぁ混んでるねぇ」、予想どおりであった。
続いて「時間的には、ここで昼食をとっておく方が良いのだけど、どうしようか」と"こあ"氏がさりげなく昼食の心配をしている。ということは、ここの昼食メニューは気に入ったものでもあったのだろうか、と"ほし"は勘繰りながらも「レストランのほう、覗いてきたの?」と聞いてみる。すると「今ならばまだ空いていたみたいだよ」としっかりとレストラン内まで確認していたようだ。おそるべし"こあ"氏、と思いながらも、やはり12時を過ぎればレストランも混雑は必須だろうと考えた"ほし"は、結局店内散策より先に食事をすることを選択する。

レストランの前まで行き、入口に掲示してあるメニューを拝見。「あ・ら・伊達なレストラン」なる名称のこのレストラン、メニューを見る限りはステーキ・パスタ・ピラフにカレー等の洋食中心のようだ。そんなメニューを見て、「ははぁ、なるほど。またステーキでも狙ってるな」と"ほし"の読みは予想通りらしく、"こあ"氏は指をさしながら「これを食べたいんだ」と言う、それは和牛サーロインステーキであった。「ねぇ、昨日の昼から夜、そしてまた今日とこれみよがしに牛肉ばかり食べてない?」と、さすがの"ほし"もちょっと唖然。と口では言いながら、"ほし"もまた同じものを食べようとしているのだから、これまた似た者同士ということか。
レストランに入ると、まだ11時半のせいか、席についている客はまばらである。空いているうちに食べてしまうに越したことはない。結局、ふたりとも旅の最後の昼食にふさわしいのかどうかはまぁ別として、和牛サーロインステーキを注文しひたすら料理が来るのを待つ。

その間、周囲の客たちが食べている姿をぼんやりと見ていると、どうも石鍋に入ったものを食べている客が多い。「あれ、なんなんだろう」と不思議そうに見ながら、店の表に貼ってあったメニューを思い出した。そうだ、あれは石鍋パスタなのだ。このレストランは、パスタのソースも割と多め(パスタ専門店ほどではないのだが)、なんといっても石鍋にパスタが入ってくるというのは、なかなか珍しい。「あれも良かったなぁ・・・」なんてついつい他人の食べるものはなんでも美味しそうに見えてしまう悪いクセだ。ちなみに石鍋パスタは、値段もお手頃な700〜850円の間、しかもサラダとコーヒーがついてくるから嬉しい。
さて、料理が運ばれてきた。「しばらくは牛肉はもう見たくないよ」と"ほし"は嫌みたっぷりに言いながらも、いざ一切れを口に運ぶと「うわ、美味しいよ、これ」と満面の笑みを浮かべる。"こあ"氏もかなりお気に召したらしく、「昨日・今日食べた中ではこれが一番美味しいよ」と満足げに頷く。こんなとき、「美味しい」を的確に表現出来る言葉というのがなかなか出てこないのが辛い。つまり、ボキャブラリが貧困ゆえ、「美味しい」はあくまでも美味しいのである。ステーキの旨さを「柔らかい」だけで表現するなんぞ貧困過ぎるなんて言葉を何処かで読んだのだが、他に上手い言葉が見つからない。とにかく肉は柔らかくスッとナイフで切り分けることが出来(硬い肉や筋張った肉等はどうしてもナイフでギコギコ切らねばならず、あれは食べる以前に疲れる)、肉の味自身が十分に口の中に広がる楽しさを味わえる、そんな感想程度でご容赦頂こう。

先程、「路田里はなやま」の食堂前でさんざんあれは値段が高いうんぬん、文句を言いまくっておきながら、結局このステーキだって1500円という高値段ということは、この際横に置いておくとして、食後のコーヒーを飲みながら昼食の余韻に浸る。この後には、混雑の売店散策が待っている。パワーもつけたことだし、レストランも混み始めてきたし、そろそろ出ようかと店を見渡すと、先程はあんなに空いていた席がいつの間にかほとんど埋まっている。
レストランを出て、再び店舗がズラリ並ぶ方へと歩いていくと、やはり混雑度は相変わらずである。それもそうだ、30分やそこらで混雑具合が変わる訳もない、と諦めて各店舗を覗いていく。といってもコンビニエンスとクリーニング店にはさすがに寄らずじまいであったが。

民芸品やら岩出山ハムやアイスの販売に心惹かれながら、そして友好都市である当別町(北海道)や宇和島(愛媛)の特産に「ほぉ」と感心しながら、なおも奥へ奥へと進んでいくと、ついに農産物直売コーナーへ到着。ここには、農産物の他にも各種特産品が多数並んでおり、混雑度も一段と多い。
味噌や漬け物等の特産を物色する客が多い中で、我々はとある「作品」に着目。それは、墨で描かれた色紙である。

短歌が描かれているものもあれば、小型の色紙に水墨画を中心に描かれているものもあったりと、数種類あるようだ。「あ・ら伊達な道の駅」とサインまで入っており、ちょっとした旅の思い出に良さそうな色紙だ。それでは我々も一枚、とあれこれ物色しながら馬の絵柄の色紙を選ぶ。
あまり混雑の中に埋もれ続けていると、体力を消耗しそうだったため、そろそろ店の外に出ようかと建物内の正面入口まで戻って来たところ、スパイラルホール内の螺旋通路が目に入った。「ちょっと展望台に上がってみようか」と螺旋通路を歩き出す。この通路は、ホール内の内壁に沿って螺旋状にあがって屋上に出られるものだ。外に出ると、見渡す限りのどかな田園風景。なだやかな山々も見えるのだが、一体どれが何の山なのかよく分からない。屋上にちょっとした周囲風景の案内でも掲示してくれているといいのに、と思ったのは贅沢な要望だろうか。更に、屋上に敷き詰められたレンガ状の床が所々浮き上がってしまっているのが、どうも気になる。次に訪れた時には補修されていることを期待する。

残すはあと3駅のみだ。さぁ、元気良く出発しよう。
 
 

 
 
米山」見たぞ見たぞ!でっかいダチョウ (宮城県)
ルート:国道47号/国道108号/(主)1号/(主)15号/(県)237号/国道346号
到着時刻:13:55 スタンプ設置場所:ふる里センターY.Y入口
次に向かう道の駅は「米山」、本来ならば「三本木」や「おおさと」を訪れた際に一緒に寄っておけば良かったはずの駅だ。まぁ、後悔しても始まらない。今はただ走るだけだ、と「あ・ら・伊達な道の駅」を出発した我々は、国道47号を南下して東北道古川ICを越える。一旦、国道108号へ入り、1.5km程走るのだが、果たしてこのルートは正解だったのか、首を傾げたくなる。というのも、かなり市街地へと入るため、どうしても交通量が多い。

「あ・ら・伊達な道の駅」を出て、ここまで南下しなくても、もっと手前から東方面へと走る道を利用した方が良かったのではないか、と今更ながら考える。まぁ、次回以降「あ・ら・伊達な道の駅」から「米山」に向かうコースは使うことも無いため、今回限りだと割り切ることにしよう。

さて、国道108号から主要地方道1号にて若干北上し、そのまま主要地方道15号に入れば、あとはせっせと東へ走るだけだ。主要地方道15号の風景は、田園風景になったと思いきや何時の間にやら町中になっていたりと、とにかく忙しい。しかも、途中あちらこちらで見かける捨て看板によれば、10月14日には自転車ロードレースでこの付近一帯通行止めになるとのこと。もし、1週間程日程がずれていたら、交通規制に泣かされながらの旅になってしまったのか。

そうして主要地方道15号に入ってから約13km程が過ぎようとしていた頃から、"こあ"氏の様子が妙だ。なるほど、あの前方を走る大型トラック数台のムラがある運転に耐えかねていたのだろう。突如「何処か逃げ道が無いか、調べてっ」といきなり"ほし"に指示するではないか。「うーん・・・と、よしっ 次の信号で曲がってみよう!」、それは丁度主要地方道15号と平行して走っている県道237号である。今、この状況を打破するには、この県道しかないと考えたのだが、「いや、ちょっと待てよ。前方のトラックが曲がったら真っ直ぐ、もしトラックがそのまま15号を真っ直ぐ行ったら我々は曲がろう」となんと臨機応変な指示だろう。

結局、前方のトラックたちは全て真っ直ぐ行ってしまったため、我々はそそくさと県道237号へ曲がり、ひたすら真っ直ぐに続く道を一気に走り抜ける。そして出てきた国道346号を約3km程北上すれば、左手に道の駅「米山」が見えてきた。
道の駅「米山」に入ると、まず「ふる里センターY.Y」と称する産地形成促進施設が目に入る。産地形成促進施設という名称だけを聞くと、実に小難しくてお役所的な名称だが、実際は特産品の展示販売コーナーや軽食堂、各種体験教室(そば・フラワーアレンジメント等数種類)があるのだ。

敷地内には、他に「アグリピア館」なる農村総合管理施設、最先端技術ハウスがある。どうもここは特に農業技術の発展拠点といった印象を強く受ける。
駐車場に車を停め、早速敷地内をウロウロ。といっても観光・休憩目的で立ち寄る場合、この敷地内で縁があるといえば、「さわやかトイレ」と「ふる里センターY.Y」くらいだろう。何故って、他の施設は土・日祝日は休館なのだ。早速、ふる里センターY.Y内に入ると、まず入口でスタンプを発見。とりあえず先に第1目的を果たしてしまおう、とスタンプ帳にスタンプを押したところで、あることをはっと思い出す。そう、それはスタンプの絵柄に描かれたダチョウのデザインが、"ほし"の米山での使命を思い出させた。「今日こそダチョウと対面する」ことであった。

前回、この駅へ訪れた時は既に夜間だったため、ダチョウ小屋には全く気がつかなかったのだが、今日は雨に苛められることもなく秋晴れのもとでダチョウに初対面できそうだ。
っと、楽しみは後にとっておくとして、まずは売店内を散策。店内は客が少なく、非常に静かな空気が流れている。納豆やそば、豆腐等昨年もチェックした特産品たちは今年も健在だ。

勿論、手作りアイスたちも多数並んでいる。やはり、ここの珍しいアイスといえば、トマトシャーベットだろう。なかなか勇気が出ず、食べずじまいなのだが、"ほし"はトマトジュースならばかなり好きである。しかし、最近トマトジュースに甘味を加えたものが販売されているが、あれは非常に苦手ゆえ、もしこのトマトシャーベットも甘味が強ければ、"ほし"は食べられそうにない。誰か、このトマトシャーベットを食べたことがある人がいたら、どんな味なのか教えて欲しい(え?自分で食べてみるのが一番早いって?)。
店を出た我々は、ダチョウ小屋に行くべく、ふる里センターの裏手を歩くとすぐに見えてきた。

「ひ、ひぇー、大きいなぁ」としばし呆然。そういえば、間近でダチョウを見るなんてことは初めてである。しかも、我々の姿に気がついたダチョウが、なんと金網越しにこちらへ向かってくるではないか。随分と人慣れしたダチョウである。しばらく、このダチョウは金網から顔を出し、態度こそヌボーッとしているが、目だけがギョロギョロ動いている。もしかしたら餌でも貰えるのかと思ったのではないか。
しかし、しばらくすると、ダチョウは小屋の真ん中へと移動し、のほほんと立っている。いやはや、のんびりしたダチョウの昼下がりの光景ながら、姿は迫力そのものであった。特にあの大きな目、あれは人間の心を見透かす能力でもあるのではないかと思ってしまう程だ。

なかなかダチョウ小屋から離れようとしない"ほし"に、"こあ"氏「次はかなり遠いよ。そろそろ出発しようか」と現実に引き戻す一言を投げかける。そうだ、次は一気に福島まで南下しなければならないのだ。名残惜しいがここでダチョウとはお別れだ。我々は慌てて車に戻ると、次の駅に向かうべく出発するのであった。
 
 

 
 
川俣」トイレの悪戯は相変わらずらしい、困ったもんだ (福島県)
ルート:国道346号/(県)237号/(主)15号/(主)1号/国道108号/国道47号/東北自動車道 古川IC-福島飯坂IC/国道13号/(市街地をさまよい)/国道4号/国道114号
到着時刻:16:29 スタンプ設置場所:シルクピア入口付近
宮城県内の道の駅もこれで無事に全て廻った、ということは、残すはあと2箇所である。しかしながら、これから向かう道の駅「川俣」は福島県だ。これは一気に高速道路を使って福島入りをしなければ、とても営業時間内に「川俣」へ着くことは無理だろう。今日は新駅訪問も含めて6箇所だから、楽々廻れるね、なんて呑気な事を言っている場合ではなかったのである。

とにかく、最寄りのICから東北自動車道にのるべく、我々は「米山」まで走ってきた道を逆戻りしながら古川ICに向かう。幸いなことに、主要地方道15号古川方面へ戻る中、大型トラックは走っておらず、まずまずのペースを保ちながら古川IC入口までやって来た。

あとは高速道路ですんなりと福島方面へ行けるだろう、そんな甘い期待を胸にいざ本線にのった途端、それはもろくも崩れ去ることになる。そう、今日は秋晴れのせいか行楽日和、そろそろ帰宅の途につく車が増えてきているのだ。想像以上の車の量に絶句しながらも、とにかく南下するしかない。古川ICから、降りる予定である福島飯坂ICまでは約110km程の距離、その後に走る一般道は約25km弱、思った以上に時間もかかりそうだ。「ったく誰だよ、今日は楽々のんびり廻れるなんて言ったのは」と"こあ"氏も呆れ気味。"ほし"は小さくなって「はい、自分であります・・・」と申し訳なさそうにペコリと謝る。

それでも仙台を通過する頃には、交通量も減り、なんとか快調ペースを取り戻してきた。やがて福島県に入ると、福島飯坂ICまではもうすぐだ。しかし、料金所で料金を支払っていざ国道13号に出た途端、「待ってましたぁ」といわんばかりの渋滞。これは通過にかなり時間がかかりそうだ、と恐れおののきながらも迂回しながらしばし走ったはいいが、今度は祭りで交通規制をしており、またしても迂回。市街地を右だ左だ走っていると、気がつけばそこは国道4号だ。

訳も分からないうちに国道4号に出てきてしまったが、このまま南下していけば国道114号、つまり「川俣」の沿線上へと出るわけだ。前方の道路状況案内板によれば、この国道4号もただいま渋滞中と表示されているのだが、何処に渋滞があるのかわからないまま、あっけない程に国道114号に出てしまい、まるで狐につままれたような気分である。

国道114号は交通量も少なく、ホッとしながら走り出したもつかの間、またしても交通量は増えてきて、あっという間に行列が発生する。あともう少しで到着だというのに、なんとかならないのかと地図を見たものの、ここで無駄なあがきをすることで余計時間がかかってしまうことも有り得る。ここはじっと我慢だ、と右手に流れる阿武隈川をしばらく眺めながら走り続ける。

国道114号がやがて阿武隈川から離れていくと、不思議なくらいに長い行列も少なくなっていき、川俣町に入った頃には順調に車は流れ出した。すると、まもなく左手に道の駅「川俣」が見えてきた。
この駅は、今シーズン二度目の訪問だ。前回訪れた時は既に施設は閉館しており、スタンプ押印済みの用紙を貰って帰ったのだが、保存状態が良くなかったからだろうか(といってもスタンプ帳に挟んでいたのだが)、はたまた元々押印が薄かったせいだろうか、紙に押された押印は薄くにじんでしまっている。といっても、今日は無事に営業時間内にたどり着けたので、改めてスタンプ帳に直にスタンプを押すことが出来、心の奥底からホッとしている。

さて、この道の駅「川俣」、メインとなる建物は駐車場正面にある銘品館「シルクピア」、そしてその横には織物体験施設である「からりこ館」、更にシルクの織物に関する歴史等を紹介している「おりもの展示館」がある。
幸い訪れたのが夕刻だったせいか、駐車場にはそれほど駐車している車もなく、静かである。早速、「シルクピア」に入るとまずは入口にあるスタンプを押す。

パラパラっとスタンプ帳をめくりながら、あともう一歩だと思うとついつい嬉しさがこみあげてくる。
続いて店内を歩きながら、改めて川俣町は特産を活かした商品が多いということにあらためて気が付かされることになる。昨年は、"ほし"自身、ちょっとした事で駅自体に対する目が曇ってしまっていたことを今更ながらに感じるのだ。まだまだ"ほし"は修行が足りないようだ。

実際に訪れた人ならば分かるかもしれないが、店内は川俣の特産品で溢れている。店内には川俣の代表的な特産である絹製品が多数並ぶ他、「川俣シャモ」コーナーも気になる存在。川俣シャモの燻製や地鶏スープ、川俣シャモカレー等が店の中央を占めているのだ。シャモコーナーであれこれ見ていると、店員さんも細かく説明をしてくれ、購入心をかきたてられる。
しばらく店内の特産品たちを見ながら歩いていると、絹製品コーナーでは数名の女性がスカーフ等を見ながら「どれにしようかしら」と迷っている。確かにズラリと並んだスカーフ類に、特に女性だったら思わず心ときめきそうだ。「実家の両親にお土産でも買っていこうかな」と手にとってみたものの「待てよ、財布の中身がそろそろ寂しいぞ。また今度にしよう」とあっさり諦める。

店を出るとそろそろ空が暗くなり始めている。あと1駅、この分では明るいうちには着けそうになさそうだ。
 
 

 
 
ならは」とうとう90駅達成、マミーすいとん定食でお祝いだ (福島県)
ルート:国道114号/(主)35号/国道288号/(主)35号/町道/国道6号
到着時刻:18:14 スタンプ設置場所:温泉施設売店のレジ
我々にとって記念すべき90駅目の道の駅、それは「ならは」である。偶然かもしれないが、というより、そうするつもりは毛頭無かったのだが、よくよく考えてみれば東北道の駅スタンプラリー帳のスタンプ欄最後を飾るページも、「ならは」だ。というわけで、我々は最後のページのスタンプを埋めに、これから「ならは」に向かう訳である。

「川俣」から「ならは」までは、距離にして約81km弱、やはり到着する頃は既に空も真っ暗になっていることだろう。この駅が温泉施設付きで本当に良かったと思えるのは、やはり営業時間の長さにある。だいたい温泉施設があれば、21〜22時まで営業している場所は多い。「ならは」もその例に漏れず、22時までの営業だ。朝のうちは、最終駅である「ならは」には明るいうちに到着出来れば嬉しい、といった甘い期待も抱いていたのだが、それはもう無理だということは既に分かり切ったこと、今はなんとか無事に到着さえ出来れば良いと思うだけある。

「川俣」を出た我々は、国道114号を南東へと向かってせっせと走る走る。この国道114号、決して交通量は多くはないのだが、たまに大型トラックによってペースがガクンと落ちることはある。それはしばしの我慢、基本的には快適といえる道である。たまにタイトなコーナーがあったり、またはストレートな道があったりと、変化に富んだ道は走る者を飽きさせない。

そうして太平洋沿岸に近づいていき、国道6号に出たらひたすら南下するといった安直ルートも考えられるのだが、国道6号の渋滞具合が分からない為、我々は国道114号 浪江町内にある不動滝を越えた辺りから主要地方道35号で南下するルートを選択する。これは選んで正解の道である。なんといっても交通量は少なく、ほぼ国道6号と平行して南下出来るため、この道で限りなく「ならは」に近づけるはずだ。

辺りはすっかり真っ暗になってしまった。「日が沈んで思いっきり夜になっちゃったね」と残念そうに"こあ"氏がつぶやく。やはり本日のコースには少し無理があったのか、と"ほし"は落ち込みながらも"ほし"はそこで「あること」が心配になる。それは、いくらスタンプを押せたとしても、その駅でスタンプ数のチェックまでして貰えるだろうか、ということである。駅によっては、スタンプをチェックして貰える場所も様々で、売店のレジにいる店員さんだったり観光案内所だったりである。これから訪れる駅は、なんといっても我々にとっては初めてだ。レジにスタンプが置いてあることは分かっていたのだが、果たしてそこでスタンプのチェックまでして貰えるのかどうかが分からなかった(まぁ、通常はして貰えるはずだが)。

「ちょっと電話で確認してみるよ」と"ほし"は携帯電話から「ならは」に電話をかけてみる。そして、おそるおそる「あのぉ、私たちスタンプラリーをやってまして、今そちらに向かっている最中です。到着が遅くなってしまいそうなのですが、なんとかそちらでスタンプ数をチェックして頂けますでしょうか。」と聞いてみる。電話口に出た職員さんは、とても親切に応対をしてくれ、勿論応募用紙の提出は受け付けている旨、そしてスタンプの詳しい場所などを教えてくれた。更に現在どの辺を走ってるか、と聞いてきたため、地図をみながら返答すると、「それならば余裕ですよ。気を付けて来てくださいね」ととても暖かな言葉をかけてくれ、「よーし、もうひと頑張りするぞ!」といった気持ちになりながら、せっせと「ならは」に向かうのであった。

主要地方道35号も、楢葉町に入ると交通量が増え始める。本来、県道250号を経由して「ならは」の沿線である国道6号に出るはずだったのだが、うっかりその箇所を通り過ぎてしまい、結局次に国道6号に出られそうな道に入ると、総合グラウンドの横辺りを通りながら、ひょっこり国道6号に出てきた。

あとは道なりに南下していけば、道の駅「ならは」が見えてくるはずだ。国道6号を走りながら、いよいよ本日最後の、そして90駅目のスタンプを押す記念すべき駅へもうすぐ到着するのだ、という実感をかみしめていた。残念ながら明るいうちには着くことは出来なかったのだが、それでも何故か嬉しさがこみ上げてくるのは、90駅完走の喜びからだろうか。
右手に道の駅「ならは」が見えてきた。「予想はしていたけれど、かなり大きいね」と苦笑しながら駐車場に車を停める。そして思わず「ばんざーい、ばんざーい、ばんざーい」と車内で万歳三唱をし出す"ほし"。「おいおい、まずスタンプ押してないってば」と"こあ"氏が"ほし"をなだめながら、車を降りる。時計をみればまだ18時15分、時間的にも余裕があるため、我々は焦ってスタンプを押しに行かずに、まず建物の外観を見学して廻ることした。

道の駅「ならは」は、実に近代的な温泉施設である。見た目にもかなり巨大な建物なのだが、物産館はまだ出来ていないらしく、平成16年に完成予定らしい。ということは建物がもっと成長するのか。駐車場がやや特徴的な構造であり、まるで段々畑の如く、普通車・大型車のエリアが分かれている。施設内容は、前述のとおり、温泉施設がメインであり、アトラクションバス(どんなバスだ?)やサウナ等も完備、その他休憩スペースやレストラン、ちょっとした売店等もある。別棟の道路休憩施設でもちょっとした休憩が可能だ。
我々は、次に道路休憩施設に向かい、そこでとった行動はスタンプ帳応募用紙の記入であった。おもむろに鞄からスタンプ帳を取り出し、後ろのページに必要事項を記入していく。

「これって、家であらかじめ書いて来ているものじゃないの?」と"こあ"氏の鋭い突っ込みはまぁおいておくとして、ひとつひとつの欄を埋めていく。意見欄を書きながら「これって、ひとつひとつ読んでくれているのかなぁ」とふと思ったりもする。いや、前年度に書いた意見が次年度に反映されていて嬉しかった、という人の声も聞いているので、やはりここは真剣に書かねばならないと思うと力も入る。
そして、いよいよ温泉施設の方へ向かう。通路を歩いていくと、売店や休憩所があるホールが見えてくる。さて、売店散策を先にするか、それともとにかく先にスタンプを押して一安心をするか、結局選んだのは後者である。バタバタバタと売店のレジカウンターまでやってくると、店員さんの「いらっしゃいませ〜」の声がお出迎え。我々は、慌ただしく鞄からスタンプ帳を取り出すと、福島県最後のページを開く。通常、我々はおのおののスタンプ帳を各自で押すのではなく、どちらかがまとめて押していた。しかし、最後は各自で押そうよ、と"こあ"氏にスタンプを渡す。スタンプを受け取った"こあ"氏は、慎重に最後のスタンプを押す。「・・・」一瞬の沈黙の後、「じゃぁ次どうぞ」と"こあ"氏からスタンプを受け取った"ほし"は、インクを丹念につけて、スタンプ帳「ならは」の欄にぐっと押す。

「やったー!終わったぁ」とふたりでパチパチと拍手。「とうとう終わっちゃったね」「なんだか名残惜しいような・・・」そんな会話をしながら、店員さんに「すみません、スタンプ数、ここでチェックして貰えますか」と声をかける。すると店員さんがこちらにやってきて「はい、いいですよぉ」と我々のスタンプ帳を受け取る。そして、スタンプ帳を開く前に「えっと、全部廻られたんですね」といきなり言うではないか。「え?はい、そうです。よろしくお願いします」と頭をかきながら、どうして全部廻ったって分かったのだろう、やはりさっき大騒ぎしていたのが耳に入ったのかな、と思うと今更ながら妙に恥ずかしくなった。

しかし、店員さんはひとつひとつスタンプをチェックするのではなく、パラパラとスタンプ帳をめくっただけでチェック完了してしまった。これには"こあ"氏も"ほし"もちょっと呆然。おいおい、スタンプ漏れがあったらどうするのだ、と逆に心配してしまうくらいだ。まぁ、我々が全ての駅を廻ったことは、スタンプだけでなくこれまでの旅日記が証明してくれるだろうが、少し寂しい気持ちがしたのは言うまでもない。

最後に「ごくろうさまでした。確かにお預かり致します」の言葉を貰い、これで我々のスタンプラリーは完走を果たし、無事に幕を閉じることになった。
さて、これでゆっくり売店散策も出来るぞ、と店内を見て廻る。物産館が完成すれば、もっと多種多様な土産を扱うことになるのだろうと思いながらも、この小規模な売店の陳列からしても、楢葉町の特産が伺える。

特に目立つ特産品は「柚」だろうか。柚を使った加工食品や菓子がとにかく沢山揃っているのだ。ゆずが苦手な"こあ"氏は、あまり興味がそそらないようだが、ゆず好きな"ほし"としては、かなりご機嫌。
更に、ここでユニークな商品が目にとびこんでくる、それが「マミーすいとん」である。かなりユニークなこの名称、なんとサッカー界では誰もが知るトルシエ監督が自ら命名したものらしい。

そういえば楢葉町には、大規模なサッカー関連施設で「Jヴィレッジ」があり、そういったことからこの特産品ともつながりがあるのかと思ったりも。なお、このマミーすいとんは、施設内の食堂でも食べることが出来る。
マミーすいとんに触発された"ほし"は、「ここでご飯を食べて行こう」と"こあ"氏を誘い、食堂へ向かう。勿論、狙いはマミーすいとん(定食)だ。さすがに"こあ"氏には冒険心が足りなかったのか、カレーうどんにしている。しかし、「ほらほら、お祝いなんだからビールも飲んだら?」と"こあ"氏は気を利かせて"ほし"のためにビールのボタンを押す。そうして、入口で食券を買った我々は、カウンターで券を出すと、あとはのんびり席に座って待つ。

まずは、とにかく乾杯だ。"ほし"の手にはビール、そして"こあ"氏の手にはちょっと寂しいが冷水のグラスで、「お疲れさま」とグラスを合わせる。「ジュースでも飲んだらいいのに」と"ほし"が言っても、"こあ"氏は「カレーうどんには合わないよ」と飲もうとしないので、逆に申し訳なさを感じたりもする"ほし"である。

そして、スタンプラリーの苦労話等を思い出しながら、しばし歓談が続く。「関東のスタンプラリーを完走した時よりも、達成感が強く感じられたのは、それだけ苦労が多かったからかなぁ」とこれは我々共通の感想である。昨年、関東完走を果たした時にはかなり強い達成感を感じていたはずなのに、何故だろう、今年は妙にあっさりと関東完走を果たしてしまったがために、逆に物足りなさすら感じていた。その反動から、急遽東北完走を果たすべく無理な計画をしたのである。あぁ、こうして年々、スタンプラリー中毒患者と化していくのだろうか。
さぁ、番号が呼ばれた。そそくさと料理を取りに行き、互いの前に料理が揃った。"こあ"氏は「カレーうどんなんて、何年ぶりだろう。」と懐かしげにうどんをすすっている。そして"ほし"は、「マミーすいとん」定食(左写真)に箸をつける。この定食、すいとんの他に少量ではあるが鶏の唐揚げ、白飯、ザーサイ(これは時によって異なるのか)、漬け物がつき、それで600円と非常に手軽な値段なのだ。マミーすいとんも、たっぷりの野菜と鶏が入った醤油味のスープに、つるっとしたすいとんが入っており、これがなかなか美味しく、また身体も暖まる。どうも「すいとん」というと、戦時中の食べ物といった単純な発想が"ほし"の中にあったのだが、いやはや素朴さがなんともホッとさせる料理だ。家でも、すいとんに挑戦してみようか、と思いながら食べ続けるのであった。

食事を終え、外に出た我々は、真っ暗の中にぼぉーっと浮かぶ「ならは」の建物をしばし眺めながら、「次は昼間に来られるようにコース組みするからね」と心の中でつぶやいた。道の駅によっては夜間訪問でしか味わうことが出来ない照明の美もあるのだが、やはり明るい日射しの下で外観をゆっくり見てみたいものだ。
 
 

1週間の旅もこれにて終了、あとは自宅へ帰るだけである。疲れが溜まった身体をこれ以上酷使するのは気の毒だと感じた"ほし"は「適当なところから高速道路を利用しても良いよ」とだけ言う。そうして、しばらく国道6号で太平洋沿岸沿いを延々と南下していく。いや、いくつもりであった。「うー、なんだかトイレに行きたいような気がするなぁ」と"ほし"が言い出したのは、関東圏である茨城県に近づいてきた時であった。しかし、こんな時に限って道の駅、及びそれに類するものは無い。

「もうすぐ、いわき勿来ICがあるけれど、そこから高速道路にのろうか」と、なんとトイレに行くために高速道路にのるはめになってしまった。"こあ"氏のことを気遣って高速道路にはいつのってもいいよ、なんて言っておきながら、結局"ほし"のくだらない都合で、予定よりも早く高速道路を利用することになり、いやはや"ほし"は最後まで迷惑な奴である。

というわけで、いわき勿来ICから常磐自動車道にのると、なぜか関本PAは通過して中郷SAに立ち寄り、ほっと一息つくと、気合いも十分に都内方向へと南下開始。それから、渋滞とは無縁な状態で三郷JCTまで戻ってきた。どうやらこの先に通る首都高速も混雑していないようだ。「土曜日の夜だし、ある程度は首都高速の混雑を覚悟していたけれど、どうやら大丈夫そうだね」と安心しながらそのまま首都高速へ突入。

結局、混雑しやすい首都高速6号線をはじめ、環状線も全く混雑しておらず、ストレスを感じることなく自宅付近まで帰ってこれたのは、実に運が良かったとしか言いようがない。

長いようで短かった1週間だが、「ならは」から都内に戻ってくるまでは、旅に対する名残惜しさのようなものを感じていたものの、いざ自分の住む町に戻ってくると、妙に懐かしさと安堵感が押し寄せた。それと同時に、あぁ、本当に終わったんだな、と感動もひとしおだ。

長い間、この文章を読みながら旅に行った気分になってくれた皆さん、そして最後までつきあってくれた皆さんに心から感謝しながら、これにて今年の東北道の駅スタンプラリーの旅、完結である。

「秋の陣」本編6(2001/10/05)を読む? 


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最終更新日:2001年11月08日