| 「おおうち」鉄道の駅と隣接した巨大観光拠点 (秋田県) |
ルート:国道107号/国道105号
到着時刻:11:22 スタンプ設置場所:休憩施設内 |
次に向かう道の駅は「おおうち」、我々にとっては初めて訪れる駅である。しかし、この「おおうち」がある大内町は本荘市に隣接しており、先ほど走ってきた国道107号をまたひたすら本荘市方面へと戻らなければならない。大内町は東由利町とも隣接しているものの、この「おおうち」がある大内町岩谷は、日本海沿岸寄りである。
「なんだか同じ道を行ったり来たりと効率的じゃないけれど、他に良いルートは無いし、これも仕方がないな」とぶつくさと文句は言うものの、せっせと国道107号を本庄市街に向かって走る。東由利、そして本荘市の内陸側は交通量も少ないものの、市街地に近くなってくると、交通量は増えてくるわ、工事中で片側通行になっているわで、時間だけがむなしく過ぎていく。
やがて、「おおうち」の沿線上である国道105号に入ると、JR羽越本線と平行して北上。雨は時折強く降ったり、と思ったら小雨になったりと忙しい。到着する頃にはそのサイクルが「小雨」であって欲しいと祈りながら、ただただ前方を睨み付ける。 |
「東由利」を出てからおおよそ1時間が経とうとしていただろうか、やっと前方に道の駅案内看板が見えてきた。「はて?どれだろう」と矢印の方向を目で追うと、なにやら広大な敷地と巨大な建物群が待ちかまえているではないか。「なんだか妙にデカいぞ」と思わず尻込みする始末。おいおい、こういった施設群を見たら、尻込みではなく「血が騒ぐ」とでも言わないと、道の駅フリークとは言えないのではないかと慌てて思い直し、「よしっ、いっちょ、行ったりますかぁ」と景気良く車を降りる。
しかし、その気分を吹っ飛ばすような横風に、またもや尻込み、おまけにこの「おおうち」の駐車場は通りに沿っておらず、道の駅案内看板がある国道までは少し歩かなければならない。傘をさしつつ、風に耐えながらカメラを構えるのは容易ではない。悪天候の駅巡りは思った以上に大変だと実感しながら、走って休憩所に向かう。
この道の駅「おおうち」は、JR羽越本線 羽後岩谷駅のすぐ隣に位置し、温泉や宿泊が可能な総合交流センター「ぽぽろっこ」がメイン施設である。勿論、「ぽぽろっこ」内には、農産物直売所やレストランもあり、滞在型道の駅といったところだろうか。「ぽぽろっこ」の隣には休憩所と屋外トイレもあり、まだ真新しさを保っている。ただ、この休憩所と屋外トイレがもし存在していなければ、いわゆる情緒深げな道の駅らしさとはかけ離れた近代的な印象だ。 |
まずは木の香り漂う休憩所で、「よっこらしょ」と早くも休憩。既に先に来て、休憩所にいた"こあ"氏が指をさしながら、「入口にスタンプがあるのは、気が付いた?」と"ほし"に声をかける。とにかく座ることしか考えていなかった"ほし"は、全くスタンプには気づかなかった。重い腰をあげて入口付近に行くと、確かに置いてある。
11時過ぎてやっと本日スタンプ2つ目とはややペース的に遅いなと思いつつ、どうも調子が出ないのはやはり雨のせいだろうか。 |
そういえば、ここのトイレはひと味違う。清潔感も実に良好なのだが、今まであまり見かけたことがなかった設備があるのだ。それは、「気分の悪い人用」なる個室。その扉を見た時「はて?気分が悪いとは・・・」と首を傾げながらその扉を開け、納得。
今まで幾つもの駅のトイレを見てきたのだが、このような設備がある駅は、なかなか遭遇しない。 |
さて、いよいよ交流センター「ぽぽろっこ」の建物内を散策だ。正面入口から入ると、実に厳かな中央ホールが出迎える。窓全面がガラス張りになっているせいか非常に明るく、空間美を活かした設計が印象度を更に良くしているようだ。ただ、温泉や宿泊施設がある駅の場合、建物の構造がそれら中心になるため、利用しない限りは、施設の数パーセントも堪能出来ない。
「ここの宿泊施設は、素泊まりも出来るし、割と安価で泊まれるみたいなんだよね。本当ならば、今回ここに宿泊することも考えたんだよ」と"ほし"が説明。 |
ふと時計をみると、時刻は12時近い。「売店散策の前に、昼食とってしまった方が良いよね」と慌ててレストランへ向かう。まだ満席にはなっていなかったのだが、そろそろ入っておいた方が良さそうである。入口に貼ってあるメニューをみて、「おぉ、ここはまた丼ものやら定食、うどん、いろいろあるねぇ」と思わず目をみはる。「ここって絹さやが特産なんだっけ。絹さやうどんにしようかなぁ」と"ほし"。"こあ"氏も「おぉ、このビッグな穴子丼、たまらんなぁ、いやこのエビフライ定食っていうのも、そそられる」とメニューの前で大騒ぎ。
「それって、とにかくレストランに入ってから悩もう」と、かんじんな事に気づき、そそくさとレストランに入る。我々の後ろにも数名の客がメニューを前に悩んでいたのである。席についてほっと一息、"こあ"氏は既に「ビッグな穴子丼」に決めていたようだが、"ほし"は土壇場で「絹さやうどん」から「大内とろろ飯」に変更。絹さやに並んでここの名物である「とろろ飯」を急に食べてみたくなったのだ。実は、テーブルの上に置いてあった「とろろ飯」の宣伝に「大内名物」と書かれていたその「名物」が引き金となった訳だ。実に安直な選択だったのだが、それが吉と出たか凶と出たかは・・・まぁ焦らず続きを読んで欲しい。
"こあ"氏は「とろろ飯って途中で飽きちゃうんだもんなぁ」とあまりお気に召さないようだ。その割に、長芋のすりおろしは大好物だというのだから、不思議である。そして、ぼんやりと待っていると、我々と反対側に座っていた年輩の男女数名のひとりがメニューを見ながら「ここの、とろろ飯は本当に美味しいって評判なんですよ、是非とも一度食べてみなさいよ」と勧めている声が聞こえてきた。「そうか、そうなのか・・・ふふふ」と不気味な笑みを浮かべながら、自分が頼んだものが誰だか知らぬが美味しいと言った言葉に、単純に喜んでいたりする。 |
やがてやって来た「とろろ飯」、まずその器の多さとお盆の大きさにたまげる。「げ、これは凄い・・・」、いや全く「凄い」という言葉しか出てこない。向かいに座る"こあ"氏も「これはまた豪勢なことで・・・」と驚きを隠せない。先程、反対側でとろろ飯の話題をしていたひとりが、「ほら、あれですよ、あれ。すごいでしょう」とコソコソっと言っているのが、聞こえてくる。そんなコソコソ言わなくても、全部聞こえてるぞ。
そういえば、店員さんが運ぶ料理、確かにこの「とろろ飯」が多かったりするのだ。今更ながらにこの「とろろ飯」が本当に人気料理であった事に気づく呑気な"ほし"。おっと、何が凄いか、ということを言うのを忘れていたが、この「とろろ飯」は、数種類の薬味、具(まぐろ、きのこ煮、鮭等)が各小鉢に盛りつけられており、好きな組み合わせでとろろと混ぜ、ご飯にかけて食べるというもの。テーブルの上には、「とろろ飯の食べ方例」が置いてあり、具の組み合わせ等も参考になる。量的には、実は大した事はなかったりするはずなのだが、小鉢をふんだんに使った盛りつけ方が高級感を漂わせており、見た目にも満足。 |
"こあ"氏が頼んだ「穴子丼」もやってきた。こちらはメニューに掲載された穴子よりやや小さめではあったが、なにしろ盛ってある器が大きいので、良しとしよう。その証拠に、器にはまだ残っているというのに、"こあ"氏はギブアップ寸前である。"ほし"の方はというと、ちまちまと「ご飯」と「とろろ」を小分けし、ひとつでも多くのバリエーションで食べようとするもんで、食べる速度はいよいよ遅くなる一方。しかし、「何と何を配合しようか」悩む楽しさが、食べる楽しさを膨らます面でも、実にお薦めである。
さて、やっと食べ終わったと思ったら、店員さんは実に絶妙なタイミングでコーヒーを持ってきた。そういえば、ここの店員さんは常に客席の端に立っており、食事やオーダーに気を配っている。すっかり満足した我々は、そこで思い出してはいけないある「事」を思い出す。「もう12時過ぎてるんだけど、スタンプはまだ2駅しか押してないよ。」い、いかん、"こあ"氏よ、こんなに幸せに浸っている最中に、その言葉はきつすぎる。しかし、確かに12時を過ぎるどころか既に12時半ではないか、と慌てて会計を済ませ、レストランを出た。すると、なんとレストランの入口では席を待っている客が並んでいる。「今日って平日だよね。」と言いつつも、このレストランならば不思議なことではない、と思いながらその場を後にした。 |
正面入口横には、農産物直売所「ひまわり」がある。どうやら売店はここだけらしい。早速、店内に入ると、特産の「絹さや」を使った商品が並んでいる。その他、大内のミニトマトを使ったジュースも販売していたりと、農産物をうまく加工品に取り入れているらしい。特に、この大内のミニトマト、実に甘かったりする。この手のトマトは、どうも青臭かったり、皮が厚くて口に残ったりとあまり好まないのだが、これは皮も薄く美味しいのだ。トマト嫌いの"こあ"氏も、お薦めだとか。
外に出ると、傘をささなくても歩ける程度の小雨になっている。よし、今のうちに次の駅へ向かおう。この「おおうち」は、天候の良い時にでもまた改めて訪れたいものだ。 |