ひだ・みの道の駅スタンプラリー 第2回
雪の中を走れ!情緒漂う冬の飛騨を行ったり来たりの大迷走

岐阜(奥飛騨)編
2001年12月16日

12月も気が付けば中旬、しかも岐阜県北部の天気予報をみれば12月10日の週から断続的に雪・雪・雪だらけである。せめて、ひだ・みの道の駅スタンプラリーに応募出来る程度の数は廻りたい、そう考えていた"ほし"にとっては、最大の試練が「雪」なのだ。

昨シーズンは結局、チェーンもスタッドレスタイヤも購入しないまま、過ごしてしまった。しかし、今シーズンは「ひだ・みの道の駅スタンプラリー」をうまい口実に、"ほし"がスタッドレスタイヤの購入をもくろんでいることを、"こあ"氏はまだ気づいていなかったのである。まぁ、"こあ"氏にしてみれば、冬にどれだけ雪道を走るだろうか、と思えば購入もおのずと躊躇していたようだ。

9日にカーショップに出掛けた時には、スタッドレスタイヤとチェーンを物色しながら、結局スタッドレスタイヤの高価さに圧倒されて帰ってきてしまった。以前、乗っていた車両の場合はタイヤサイズが185だったため、それほど勢いが無くても購入に踏み切れたのだが、現在乗っている車のタイヤサイズは225、しかも扁平率も45とくれば、価格はグンっとアップする。

結局、うだうだと悩みながら1週間が経とうとしていた。「ま、まずいぞ、この週を逃してはもう年内に岐阜県に行くチャンスは無いかもしれない」と焦った"ほし"は、口を開けば、「今度の日曜日、岐阜に行きたいんだよねぇ、それも奥飛騨あたり。」とそれとなく、いや、下心見え見えの言葉ばかり。しかし、"こあ"氏のほうは一向にのってこない。「いよいよまずいぞ、もっと効果的な説得は無いだろうか」、"ほし"は悩みに悩み抜き、結局、雪の奥飛騨がいかに美しいかを切々と語り出す。こんな話を毎日聞かされては"こあ"氏もたまらないと思ったのか、やっと重い腰をあげた"こあ"氏は「明日、タイヤを見に行こうか」と、ぽつり。

しかし、この手の計画にはだいたいドライバーのほうが熱心のはずだが、"こあ"氏は雪に対してあまり良い思い出でも無いのだろうか、と勘ぐる"ほし"。雪道のドライブ自体は、もともとスキー好きの"こあ"氏ならば特に心配することはないのだが、ここ数年は雪道から遠ざかっていたため、勘を取り戻すのにはほんの少し時間が必要そうだ。

▼旅前日にスタッドレスタイヤを調達?

そして、旅前日である15日になって、再びスタッドレスタイヤを見るべく(いや、買うべく)、いつもお世話になっているカーショップへと出向く。もともと、買うならばこのタイヤ、と型番も決まっていたため、あとは値段交渉と在庫の有無だけが懸念事項である。

冬のボーナスシーズンのせいか、いつもは土日でも割と空いている店内も、先週今週と続いて大混雑だ。そんな中、いつもカー用品等購入の際に相談にのってもらう店員さんと話をしながら、価格とにらめっこ。しかも、タイヤのみにするか、それともホィールも組み合わせて買うかどうか、頭を悩ませる。結局、あれこれ悩んだ結果、タイヤのみ購入して現在のタイヤと履き替えることにする。ここで助かるのは、有料ではあるのだが、このショップではタイヤの預かりサービスも実施しているため、春が来るまで夏タイヤを預かって貰える。自宅でタイヤを保管できれば、それが最も良いのではあるのが、なかなかそれも困難な状態なのだ。

しかし、このショップには我々が欲するタイヤサイズの在庫がない。「ありゃ、これは今日中にスタッドレスに履き替えるのは無理かな」と落胆していると、神奈川にある関連店舗に在庫があるらしい。「今から取りに行きますので、ちょっと時間はかかっちゃいますが、今日中にはつきますよ」と嬉しい言葉を受け、タイヤが届いたら連絡して貰うことにした我々は、一旦家へと戻る。自宅近くにカーショップがあって本当に良かったと思う瞬間である。

結局、カーショップから連絡があったのは夜19時過ぎであった。"こあ"氏は急いでカーショップへ向かい、その間、"ほし"は明日の準備をしておくことにした。そしてどのくらいの時間が経っただろうか、21時近くなってやっと"こあ"氏が戻ってきた。「いやぁ、まいったよ。この時期はやはり混雑するんだねぇ」と苦笑しながら、なにがともあれ、夕食をさっさと食べてしまおう、と慌てて食事開始。明日は朝5時半前には出発したい、ということは、つまりのんびりもしていられないのだ。

▼慣らし運転を兼ねて向かうは長野道 松本IC

さぁ、いよいよ当日がやってきた。本日の予定は、まず岐阜県北東部にある上宝村の道の駅「奥飛騨温泉郷上宝」まで向かい、南下しながら国道41号周辺にある道の駅を廻るつもりである。なにぶん、雪道が多そうなので、夏場のような強行スタンプラリーは出来そうにもない。一体1日で幾つ廻れるかは全く未知数なのである。

なんとか予定どおり、5時半前に自宅を出発した我々は、一路中央自動車道へと向かって走り出した。前回の旅で何かとトラブルに見舞われたETCではあるが、その後何カ所か通過した際には、なんのトラブルもなく使用出来たため、本日はどうやら「ETC事件簿」はお伝えすることもなさそうだ。

調布料金所は朝6時まではETCも使用可能(前回のレポートで掲載したとおり、朝6時から9時の間はETC使用不可)なため、無事に料金所をノンストップで通過。すると、はやくも事故情報がとびこんできたではないか。「おいおい、こんな朝早くから?」とラジオの交通情報を確認すると、なんと上下線共に国立・府中IC出口付近で事故発生である。しかし、通過後は特に目立った渋滞もなく、いや、交通量もグンと少なくなっていき、「これが本当に中央道か」と思う程である。

まだ朝6時前のせいか、辺りは夜の空が広がる。そんな暗闇も、山梨県へ入る頃には、深い青へと変わり、やがて助手席側の窓には赤・黄色と青のグラデーションが実に美しい夜明けの空がみえる。まだ太陽がのぼる前の青灰色の空に、チラッと見える富士山も先々週に見た時よりも一層白い雪化粧をしている。今日の関東地方は、非常に天候が良いのだろう。そんな空の下で、時折追い越し車線を飛ぶように走る車に抜かされながら、"こあ"氏はひたすら制限速度あたりを保ちながら走り続ける。いやはや、交通量が少ないため、特に周囲の車の流れを意識せずに走れたのは、実に幸いであった。タイヤの慣らし運転にしては、やや速度的には高いのだが、松本ICに着く頃までには、タイヤもなんとか慣れてくれるだろう。

さて、道路上の各所には、電光掲示板に「長野IC チェーン規制」の文字が輝いている。長野付近では雪が降っているようだ。我々が向かう岐阜県北部も、まだ雪が降っているだろうか。前日である土曜日に一旦峠を越したものの、油断は出来ない。電光掲示板の「雪」の文字に、なんともいえぬ威圧感を感じながら、岡谷JCTを経て長野自動車道へ入るとやがて松本IC出口がみえてきた。



【東京都下出発時刻】05:21 【東京都下到着時刻】23:54
色は奥飛騨ルート 色はせせらぎ街道ルート 色は西美濃ルート
  自宅/国道20号/中央自動車道/
長野自動車道 〜松本IC/
国道158号/安房トンネル/
国道471号
奥飛騨温泉郷上宝
09:03
国道471号/国道41号 アルプ飛騨古川
10:48
国道41号/(県)471号/(主)73号/
国道158号
ななもり清見
11:51
国道158号/国道41号/(主)87号/
国道361号
ひだ朝日村
13:49
国道361号 飛騨たかね工房
14:34
国道361号/(主)87号/国道41号/
(主)98号
モンデウス飛騨位山
15:52
(主)98号/(県)455号/国道41号 飛騨街道なぎさ
16:26
国道41号/(県)437号 南飛騨小坂
17:17
(県)437号/国道41号/(主)88号/
国道257号/(県)431号
馬瀬美輝の里
18:37

 
 
奥飛騨温泉郷上宝」おーい、9時になっても売店が開かないよぉ (上宝村)
ルート:自宅/国道20号/中央自動車道/長野自動車道 〜松本IC/国道158号/安房トンネル/国道471号
到着時刻:09:03 スタンプ設置場所:情報コーナー
心配していたETC出口でのトラブルも無く、すんなりと料金所を出た我々は、国道158号を上高地方面へ向けて走り出した。松本市内はまだ雪らしきものは無かったものの、だんだんと西へと走っていくにつれて、辺りの景色がうっすらと白くなっていることに気づいた。「さぁ、これからスタッドレスタイヤの本領発揮となる訳だ」って、まだ路面には雪は無い。今からそんなに構えなくても嫌っていう程雪道を味わえるのだから、ここでそんなに気合いを入れないでよ、と妙に「走る気満々」の"こあ"氏の横顔を見ながら苦笑せずにはいられない"ほし"。

まずは山に入る前に、とにかくガソリンだけでも補給しておこう、と我々はガソリンスタンドを確認しながら更に走る。が、数あるガソリンスタンドのうち、半数以上は休業日ではないか。「時期的なものかなぁ、それとも単に日曜日だから休業なのかな」と、梓川村内で営業中の小さなJOMOスタンドを発見。すかさずスタンドへとすべり込むと、給油メーターにてまだ半分程度しか減っていなかったガソリンに追加して満タンにする。「この周辺のスタンドって今日は休みのところが多いんですね」と"こあ"氏が店員さんに話しかける。「そうだねぇ、松本のほうに出れば24時間やってるところもあるんだけど、このへんは無いよ」と答える店員さん、スタンドはこの年輩の男性がひとりで切り盛りしているようだ。ここから割と近くにある乗鞍高原にはスキー場等もあるため、シーズンに関係なく訪れる人も多く、ということは、スタンド等も営業しているところが多いかと思っていたのだが、どうやらそうでもないようだ。

そして、スタンドを出た我々は、更に西へと向かうと、左手に見えてくるは夏に訪れた懐かしい道の駅である「風穴の里」(長野県)だ。「ちょっと小休止がてら寄っていこう」と駐車場入口をみると緩い坂道になっている。路面には雪が積もっていたものの、何喰わぬ顔で雪の坂道をザザっと上がりながら「おぉ、これぞスタッドレスの威力!」とにんまりする"こあ"氏。スキー経験の長い"こあ"氏ではあるが、チェーンの時代が長かったらしく、今まさにスタッドレスタイヤの感覚を喜んでいる(ちょっと喜び過ぎの感はあるのだが)。

「風穴の里」はまだ営業時間前のためか、売店入口はシャッターが閉まっている。建物の屋根には雪がつもり、そして駐車場もすっかり雪で覆われており、真っ白。我々の後ろに停まっているRV車は、雪道に備えてか、せっせとチェーンを取り付けている。すると、空からはらはらと何かが落ちてきた。そう、雪が降ってきたのだ。「ここで雪に降られるということは、岐阜県に入った頃にはもっと積もってるなんてことが有り得るかもしれない」と、慌てて車に乗り込んだ我々はそそくさと出発。
「風穴の里」がある安曇村から上宝村までの間は、とにかくトンネルが多い。路面が雪で覆われ、前方を走る車たちのペースもどんどん遅くなっていく。路面も悪く、そして県境にある安房トンネルにさしかかる頃には、なんとビュービュー吹雪いているではないか。「うわっ、これは先が思いやられるぞ」と頭をかかえながら安房トンネルへ入る。この安房トンネルが出来たおかげで、冬の間も安心して国道158号から岐阜県へ入ることが出来るのだ。このトンネルが無かった時代には、豪雪地帯により冬期は通行止め、しかも、地図を見れば分かると思うが、夏場でも国道158号で安房峠を越えるのにはかなりの時間を要する。というのも、安房峠へさしかかる長野県側はとにかくコーナーの連続。しかも、道幅も狭いらしく、体調が万全でないと酔ってしまいそう。まぁ、この国道158号旧道を好んで走る者も少なくないが、特に冬の間はこのトンネルは無くてはならない存在のようだ。

トンネルの中で岐阜県へ入り、なおも長い長いトンネルを走るとやがて出口が見えてきた。雪も小降りになり、ひとまずホッと一安心しながら国道158号から国道471号へと入り、上宝村の奥飛騨温泉郷へと向かう。辺り一面は銀世界が広がり、雪深い奥飛騨をしみじみと実感する。また、周辺は露天風呂が多く、まさしく「奥飛騨温泉郷」である。雪を見ながらゆっくり温泉につかるだなんて、風情あるだろうなぁなんて思いながらも、一度入ったら最後、周辺の寒さに耐えられず二度と温泉から出られそうにもなさそうだ。
さて、やがて左手に道の駅「奥飛騨温泉郷上宝」が見えてきた。雪は既にほとんどやんでいるものの、駐車場は雪だらけである。

早速、雪の駐車場に車を停めて、建物の方を見るとまだ開店前か、シャッターが固く閉ざされている。「9時開店のはずだから、それまで外でもウロウロしてようか」と寒い雪の中を、まるで犬のごとく走り回る"ほし"。おいおい、そんなに雪が珍しい訳でもあるまい、それでも、今シーズン初めて見る雪に少し興奮気味である。"こあ"氏のほうは、駅内をテクテク歩きながら「雪に覆われていて、何処までが駐車場なのか、いまいちわからないなぁ」と頭をかかえる。確かに、これだけ場内が雪で覆われていると、なんとなくこの辺が駐車スペースなのか、と予想するしかない。まぁ、冬の間は訪れる車も少ないのか、それともまだ朝早いからだけなのだろうか、駐車場内に停まっている車は数える程度であった。
道の駅「奥飛騨温泉郷上宝」は、乗鞍高原や上高地に近接するこじんまりとした山小屋風の道の駅だ。売店や情報館、軽食堂の他、オートキャンプ場が隣接されており、夏を中心に利用する人が多そうである。

「あれ、9時過ぎたけれど、売店が開かないよ。どうしてよ、今日は臨時休業?」と"ほし"が半ベソ状態で"こあ"氏に訴える。訴える先が違うような気もするが、まぁいわゆる八つ当たりである。しかも、売店はおろか、情報館まで開いていない。「おーい、情報館の中に置いてあるスタンプが見えてるのに押せないだなんて、なんて阿漕なんだぁ」と大騒ぎ。しかし、スタンプを押すまではどうしてもここを動けない。なんとかならぬものか、と情報館の自動ドアの前を行ったり来たり。すると、ゴミ回収をしていた駅の職員さんらしき人が、「もしかしてスタンプラリーの人ですか」と声をかけてきた。「そ、そうです。スタンプ押したいのですけど」と"こあ"氏が答えると、職員さんは慌てて自動ドアの鍵を開けてくれた。
お礼を言って早速情報館の中に入り、すぐにスタンプを押す。しかし、売店のほうはいくら待っても開かないままだ。がっくりと肩を落とす"ほし"を見ていられないのか、"こあ"氏は外に出て、雪かきをしている職員さんに「売店はいつ頃開きます?」と聞いてみる。すると職員さん「そうですねぇ、10時前にはなんとか開けられそうですが・・・」と答える。どうやら、駅職員の人員が少ないせいか、まずは雪かきを終わらせてからでないと店は開けられそうにもなさそうだ。

情報館に戻ってきた"こあ"氏が"ほし"にそのことを伝えると、「うぅ、あと30分以上ここで待つのは幾ら何でも辛いなぁ」と"ほし"は涙声。"こあ"氏は「またそのうち来ればいいじゃないの」と"ほし"を慰め、結局今回は売店内の散策は出来ないまま、駅を出発することにした。

後ろ髪引かれながらも、車に戻った我々の横に、一台の車が停まった。車から出てきたのは割と年輩の男性、我々の姿をみて「もしかして安房峠の向こう(長野を指している)から来られました?あっちのほう、雪はどうでした?」と声をかけてきた。「チェーンやスタッドレスならば問題なく走れますけれど、ところどころ危険な箇所もありますよぉ」と"こあ"氏が答える。「今からあちこち行かれるのですか」「そうです、国道41号に出て少しずつ南下していこうかと・・・」「ははぁ、なるほど。うちはこれから帰るのですが、この雪でしょう。この先もちょっと心配で」なんて会話をし、互いに気を付けて、と会釈をして別れる。

さぁ、次の駅に向かって出発だ。
 
 

 
 
アルプ飛騨古川」古川には地酒がいっぱい! (古川町)
ルート:国道471号/国道41号
到着時刻:10:48 スタンプ設置場所:休憩所
次なる道の駅は古川町にある「アルプ飛騨古川」である。上宝村から西に位置する古川町へは、国道471号から国道41号に出るルートが単純なのだが、地図を見ればショートカット的な主要地方道も幾つかある。しかし、さすがのカーナビも、冬期は雪道を考慮して、割と広めの道を案内するような気の利いた処理は期待できない(勿論、冬期通行止めの箇所を把握している事もある)。特にうちのカーナビ、飼い主に似たのか特に極細道を走りたがる傾向があるため、地図と照らし合わせながら走る必要があるのだ(カーナビ地図画面をスクロールしながら見る作業って実は全体把握がしづらいのだ。縮尺を広域にすれば良いって? ま、結局"ほし"はねっからの地図派なのだ)。

まずは国道471号をせっせと西へ西へと走る。交通量が少なく、静寂に満ちた風景を楽しみながらの雪道は実に楽しい。今回の旅を決行するまでは、あまり気乗りしていなかった"こあ"氏も、なにやら「スノ〜ドライブ、スノ〜ドライブ、ズ〜ルズル」(作詞作曲:"こあ"氏)と鼻歌まじりで雪道走行を楽しんでいるではないか。なんなんだ、この変わり身の早さは、と呆れ果てながらも、"こあ"氏が雪道走行の勘を早くも取り戻していることに、かなり満足げの"ほし"である。勿論、気の抜けた鼻歌まじりではあるものの、何時もと違って慎重に慎重を重ね、「急」がつく操作を一切していない。世間では、4WDとスタッドレスの組み合わせを過信して、雪道で事故を起こすパターンが多い。慎重すぎる程慎重になるに越したことはない。

さて、国道471号から主要地方道76号に入ると、「アルプ飛騨古川」へ向かうショートカットになるのだが、果たして主要地方道76号の積雪状態はいかがなものだろう。と、前方を走る車たちも主要地方道76号へと次々と入っていくため、「この分ならば行けそうだね」と我々もそそくさと主要地方道76号に入る。ところが、橋を渡った途端、辺りは真っ白、分かれ道の何処が主要地方道76号へと続くのかもわからぬまま、更に進む。と、行く手は雪で覆われて先に進めない。「こりゃあかん」と慌ててUターンし、付近の住民たちの「あらら」といった表情に見送られながら、結局国道471号に戻るはめになる。はて、主要地方道76号は何処だったのだろう。

国道471号から国道41号へと入った頃には、ぼたん雪が降り出し、路面を更に白く埋めていく。いくらスタッドレスタイヤを履いているとはいえ、少しでも油断すればズルッと滑らんばかりの路面を走りながら、やがて古川町にさしかかる。ところが、雪と共に明るい日射しが差し込んでくる。そう、いつの間にか空には太陽がひょっこり顔を出している。雪に太陽があたると、実にまぶしい。
市街地に近づくにつれて、交通量も少しずつ増えてくると、まもなく道の駅の案内看板とともに右手に道の駅「アルプ飛騨古川」が見えてきた。ちょっと立ち寄り型の道の駅「アルプ飛騨古川」は、休憩施設を兼ねた情報コーナーと売店、軽食コーナー、レストランから構成される。

"ほし"が建物の写真を撮っていると、駅の利用客だろうか、年輩の男性が「何撮ってるの?空?」と声をかけてきた。「いえ、この建物ですよ」と"ほし"がカメラを構えると、「ふーん、こんな建物撮ってもつまんないじゃん」と言われてしまった。これには返す言葉もなく、苦笑するしかなかった"ほし"。
情報コーナーに入ると、スタンプを発見。しかし、「ひだ・みの道の駅スタンプラリー」用のスタンプが見当たらない。「あれ?何処にあるのだろう」とキョロキョロ見渡すと、スタンプラリーの応募箱と共にテーブルの上にスタンプが置いてあるのを発見。

早速、スタンプ帳にスタンプを押すと、その近くに貼り出されている通行止め情報に目を通す。「やはりあちこち通行止めになってるね。」と指さしながら溜息をつく。「本当ならば、上宝村から国道360号を通って白川郷に行きたかったのだけど、国道360号天生峠辺りは冬期通行止めで通れないんだって。」と残念そうに言う"ほし"に、「まぁ、また行けばいいじゃない」と本日2度目の"こあ"氏の慰め言葉が返ってくる。
続いて売店の方へと足を運んでみる。飛騨地方は赤かぶらが特産なのか、前回に引き続き赤かぶらをよく見かける。

そして特に目についた特産品が、古川の地酒だ。その名もなかなかユニークな「やんちゃ酒」、実に"ほし"にピッタリである。その他、多数の日本酒が並んでいたのだが、どれも皆、古川で造られている地酒だ。
軽食コーナーではうどん類等の手軽な料理が食べられ、その隣には飛騨牛を味わえるレストランがある。朴葉みそ料理は飛騨で特にポピュラーな料理だが、飛騨牛の朴葉焼きステーキ等もあり、思わずショーケースにはりつく"ほし"。更には要予約ながら、「飛騨牛三昧」なる値段も内容も豪華な料理もあり、「いいなぁ、牛刺食べたいなぁ・・・」とぼんやりと呟く。

といいながら、結局次の駅で昼食をとることにした我々は、店を出る。
 
 

 
 
ななもり清見」直売所は期間限定につきご注意を!え?そんなこと知ってるって? (清見村)
ルート:国道41号/(県)471号/(主)73号/国道158号
到着時刻:11:51 スタンプ設置場所:情報コーナー(休憩所)
次に向かうは、「ななもり清見」である。以前から、清見村にある道の駅には是非行きたかったのだが、よくよく地図を見てみると、"ほし"が気になっている清見村の駅は「パスカル清見」であった。そう、清見村には道の駅が2箇所あるのだ。今回は、時間的には清見村の北側に位置する「ななもり清見」のみの訪問になりそうだが、楽しみは後々までとっておこう。

「アルプ飛騨古川」を出発した我々は、国道41号から県道471号へと入る。しばし国道41号と平行して走る県道471号の路面の雪は、既に溶けかかっており、アスファルトが見える状態である。ところが、県道471号はやがて山間部へと入るにつれて、またしても雪で覆われる路面へと変わっていく。道幅も狭目であり、道路脇に雪が積もり、いよいよ狭く感じるのは仕方がないだろう。

峠を越え、平地へと降りてくると、あとは交通量の少ない主要地方道73号を走り、国道158号へと合流する。実は、このように県道や地方道を利用しなくても、国道41号を南下して国道158号に入るルートもあったのだ。しかし、多少遠回りになるうえ、高山市街地を通らなければならないため、混雑も予想される。まぁ、妥当なルートであったと納得しながら、清見村へと向かった。

国道158号清見村方面は、交通量も少なく、快適に走れるゆえ、これで雪が無かったら自然と速度ものってしまいそうな道である。と、左手に道の駅「ななもり清見」が見えてきた。
道の駅「ななもり清見」は、情報コーナーの他、売店、レストラン、そしてシャッターが固く閉ざされた農産物直売所がある。日曜日なのにどうして農産物直売所は営業していないのか、と最初は不思議に思ったのだが、どうやらここの直売所は初夏から秋の間までしか開いていないらしい。特に寒い地方ゆえ、それも仕方がない。

我々はまず情報コーナーでスタンプを押すと、売店散策の前にとりあえず昼食をとろうということになった。レストランでは飛騨牛を中心に各御膳が楽しめる。店構えも立派で奥の方には網焼きコーナーも用意されているのだ。入口のショーウィンドーを見ながら何を食べるかあれこれ悩んだあげく、"こあ"氏は「飛騨牛焼き肉御膳」、"ほし"も当初は同じものを食べようとしていたのだが、急遽「飛騨牛ハンバーグ御膳」にしてみることにした。
席につくと、我々の後部には10数名の団体客が座っており、ワイワイガヤガヤと賑やか。我々が料理を待っている間には、横に年輩の男女が席につき、"ほし"と同様に「ハンバーグ御膳」を頼んでいる。しかし、先に料理が並んだのは、後から来た隣の男女の前であった。まぁ、料理が運ばれる順番に目くじらをたてるなんて、あさましいとも思うのだが、それでも腑に落ちない"ほし"はやはり短気者か。

我々の後部の団体席でも、運ばれた料理が混乱しており、店員はオロオロ、客は呆れ返っている。「ここの店員さん、慣れてないのかなぁ」と"ほし"はもはや怒る気にもなれず、ぼんやりとその風景を眺めていた。
すると、まもなく"ほし"の前にハンバーグが、それからしばらくして"こあ"氏に焼き肉御膳がやってきた。"こあ"氏はかなり満足顔で焼き肉を焼きながら頬ばっている。"ほし"も1枚貰って食べてみたが、なるほど、肉質はしっかりとしていながら柔らかさとジューシーさが食欲をそそる。

しかし、小皿に入ったトマトサラダのほうは、ドレッシングの酸味におそれおののいて、ほとんど箸をつけていないではないか。「トマトも食べなさい」と"ほし"はまるで親が子を叱るがごとく言い放つ。「だってぇー、このドレッシングすっぱ過ぎ」と顔をしかめる"こあ"氏。
「そうかなぁ」と"ほし"のハンバーグ御膳にもついてきたトマトサラダに箸をつける。「この適度な酸っぱさが身体に良いんじゃないの?」とトマトを次から次へと頬ばりながら、いざハンバーグも食べてみると、「あれ?」、予想を越えて全体的に固い。先程、焼き肉一切れを貰ったお礼に、"こあ"氏にもハンバーグを分けると、"こあ"氏はあっさり「あぁ、焼き肉頼んで良かった」と言うではないか。続いて「折角の飛騨牛なんだから、焼き肉とかステーキとか食べなくちゃぁ」と勝ち誇ったように言い続ける。何の言葉も言い返せない"ほし"は、黙って食べ続ける。まぁ、味に関しては個人的な好みが多く関わるところなので、人によっては異なった感想を持たれる人も多いのは当然だと思っている。

会計をしようとレジへ向かうと、先程の団体客がレジ前でなにやら支払方法で相談しており、さて、かんじんの店員は何処だろうと見渡しても何処にもいない。"こあ"氏がわざわざ店員を厨房まで呼びに行く一幕もあったのだが、その団体客が去った後のカウンター上には「ご用の人はこれを押してください」とさりげなくボタンが置いてあり、思わず苦笑。
隣の売店を覗くと、先程レストランにいた団体客が店内をあれこれ見て廻っている。

我々も、売店内を早速散策すると、まず目に飛び込んでくるは、パスカル清見の豊富な種類のドレッシングや飛騨牛を使用したレトルトのカレー、ミートソースなどである。清見村の特産として開発されたこれらの商品群を見ていると、実に村の元気さを感じる。
売店も木の温もり漂う洒落た雰囲気であり、"ほし"も、そして"こあ"氏もかなり気に入った様子だ。また、ここ「ななもり清見」のオリジナル菓子もあり、「まいったなぁ・・・あれもこれも欲しくなるねぇ」と思わず手がのびる。こんな調子で、菓子ばかり買っていると、いよいよ体重増加の道を駆け上がってしまいそうだ。

買い物も済ませ、ホクホク顔で店を出た我々の頭上にハラハラと落ちてくるは、またしても雪であった。「まだまだ雪が降るのかなぁ」と空を見上げながら、急いで車に戻る。
 
 

 
 
ひだ朝日村」人気のぶり寿司はあっという間に売り切れごめん! (朝日村)
ルート:国道158号/国道41号/(主)87号/国道361号
到着時刻:13:49 スタンプ設置場所:情報室
「ななもり清見」を出た我々が次に向かう道の駅は「ひだ朝日村」である。冬期でなければ、国道158号から国道361号美女峠を介して向かうつもりであったが、なんと国道361号は高山市塩屋から美女峠付近である朝日村見座まで冬期通行止めである。というわけで、多少遠回りではあるが、国道158号から国道41号に出たら一旦南下し、久々野町内から主要地方道87号に入ったら再び北上して国道361号に入るルートで「ひだ朝日村」に向かうことにした。

まぁ国道361号美女峠付近も道幅が狭く、速度的にはかなり不利なので、必ずしも国道361号で山越えするルートの方が時間的に早く着いたかどうかは不明である。というわけで、国道158号を高山市街地に向かい、国道41号を南下開始。しかし、国道41号に入ったはいいが、市街地のせいか交通量が多い。「今日、これほど交通量の多いところを走るのは、これが初めてかな」、そう、確かに今まで走ってきた道はどれもみな交通量としてはかなり少ないほうであった。といっても、国道41号も高山の市街地を抜けると交通量も減り、久々野町から主要地方道87号に入る頃には、前方にはほとんど車もいない状態である。

そうして、主要地方道87号に入ると朝日村に向かうべく北上を開始する。なにやら南下したり北上したりと非効率的なルートだが、これも冬期ゆえ仕方がない。さて、主要地方道87号は路面の雪も溶けて、ある程度の速度で走れるかと思いきや、山道へさしかかると路面の雪もかなり残っている。周囲の木に覆われて日陰になっている箇所は、どうしても雪が溶けずに残ってしまうようだ。しかも、コーナーに限って雪が残っているところが多い。「これは夜になると凍結しそうだねぇ」と言いながら、やがて山道から平地になると路面の雪もほとんど無くなっていた。

国道361号に出てくれば、道の駅「ひだ朝日村」まではあともう少しだ。ところが、国道361号の路面は雪で覆われている箇所がやたら多い。"こあ"氏はあいかわらず妙な鼻歌を歌いながら雪道を楽しんでいるようだが、"ほし"の方はそろそろ残り時間が気になるところだ。「やはり冬の間は、1日で廻れる駅数も少なくなるなぁ」と既に分かっていることではあるが、落胆は隠せない。しかし、ここで急いでもろくなことは無い。(と、ふとここで前回の旅を回想)
やがて右手に道の駅「ひだ朝日村」が見えてきた。寒い雪の季節はどうも道の駅の活気もいまひとつだが、ここはそんな寒さもなんのその!といった元気いっぱいの駅。「元気の源」は、何処だ?と辺りを見回せば、あったあった!それは威勢の良い店先販売であった。今日はなにやらイベントなのだろうか。駐車場に車を停めながら、そのパワーに思わず圧倒される我々。

道の駅「ひだ朝日村」は、朝日村の情報発信拠点と共にイベント等を通して交流の場的な役目を担う場所であり、売店やうどん中心の食堂の他、展示祭事コーナー等からなる「総合交流施設」、そして屋外トイレと情報室から構成される。
"ほし"が敷地内のあちらこちらを走り回っている間、"こあ"氏は店先販売に捕まっていたらしい。情報室でスタンプを押している"ほし"のもとに、"こあ"氏が近づいてきて「店先でサンマを売ってるよぉ。富山からサンマを売りに来たんだって」となにやら物欲しげである。「もしかしてサンマを買いたいの?」と"ほし"はスタンプを押しながらさりげなく聞くと、まるで犬がご飯を待っているような表情で頷く。そして更に「一匹本当は150円だったところ、特別サービスで50円だよ。」と付け加える。「うーん、でもサンマの旬な時期って過ぎてない?」と"ほし"のほうは至って冷静だ。

結局、店先販売の方へ歩いていくと、その横では子供達が焼き魚を囲んで何やら楽しそうに歓談している。なんだなんだ?やっぱりイベント中なのか、とぼんやりとその光景を見ていると、またしても"こあ"氏は店先販売に捕まっている。どうも"こあ"氏が通りがかる度に声をかけられるらしい。「ったく・・・」と言いつつも店先販売に近づき、"ほし"はサンマを覗き込む。確かに一匹50円はあまりに安い、安すぎる。「明日の夕食はかなり安上がりで済むな」と考えた"ほし"は、結局3匹のサンマを購入。サンマ好きの"こあ"氏はご満悦だ。
さて、総合交流施設の中へと進む。正面入口から入ると、まず展示祭事コーナー、そしてその右隣には売店、左へと廊下を歩けば食堂がある。食堂では、この地の名物である「よもぎうどん」を中心としたメニューが各種揃っており、よもぎ麺のコシの強さがメニューの写真からも伝わってくるようだ。「なかなか美味しそうだな」としばらくメニューの前に立って眺めていたものの、さすがに先程昼食をとったばかりの"ほし"にはただ「見る」だけしか出来ない。

次に売店のほうへと歩いていく。"ほし"的には「この土地ならでは」の特産があればあるほど嬉しさも倍増するのだが、岐阜の駅は何処も皆「おらが村」の特産品を持っている。また、昔ながらの特産品を持たない場所においても、新たなる特産品の開発に取り組んだりと、前向きな姿勢が非常に好印象だ。特に派手な施設群は見当たらないのだが岐阜県の道の駅には皆素朴な香りが漂っており、知れば知る程ますます好きになりそうだ。そして、ここ「ひだ朝日村」の売店にも、朝日村の特産品が多数見受けられる。
食堂のメイン食材である「よもぎうどん」は売店で買うことも出来るし、名物「よもぎ饅頭」も冷蔵ケースに多数詰まっている。朝日村特産品コーナーには、朝日村の飛騨牛カレー等のレトルト、そして地場産トマトを使用した「とまとじゃむ」等、実に多種多様な特産品たちが利用客の心をがっちりつかんで離さないのだ。テレビ番組の取材もあったのか、よもぎ饅頭を頬ばるレポータの写真が飾られている。また、店先に大きく貼ってあった「ぶり寿司」も実に気になるところ。しかし、店内を歩いたところ、それらしきものが見当たらない。店員さんに聞いてみると店の外で販売してます、と言われ、そそくさと外に出たものの、「あぁ、ぶり寿司は、並べた途端に売れちゃいました」だとか。そ、そんなに美味しいのか、ぶり寿司。

雪に埋もれてしまい、外の公園の雰囲気がわからずじまいではあったのだが、またいつか初夏にでも訪れてみたい。ただ、ここでは道の駅のイベントも多いらしく、それに重なると駐車場内はとんでもない混雑になりそうだ。
 
 

 
 
飛騨たかね工房」山間部の穏やかな風景に赤唐辛子のマーク? (高根村)
ルート:国道361号
到着時刻:14:34 スタンプ設置場所:売店レジ横付近
さぁ、次に向かうはこのまま国道361号を東へと約10km前後ほど進んだ先にある道の駅「飛騨たかね工房」だ。この道の駅は2001年8月に登録された新しい駅である。どんな駅なのだろう、とワクワクしながら国道361号を高根村へ向かうが、路面の所々には雪が残り、おのずとペースは控え目になる。交通量は少なく、静かな雪道を走っていくと、右手に見えてきたは「飛騨たかね工房」だ。
2001年7月6日にオープンしたばかりの出来立てホヤホヤ(という程でも無いか)の道の駅「飛騨たかね工房」は、売店やレストラン、そば打ち工房、そして加工施設から構成されている。

シンボルマークに唐辛子が描かれていることからも分かるように、ここのアピール商品は唐辛子調味料である「うま辛王」である。いやはやこの熱いネーミングに、誰もが思わず目もとまらずにはいられないのではないか、って少しオーバーではあるが、地元はもとより実はかなりの人気商品なのだ。と、その話はまた後でするとして、まずは外観を見てみよう。
建物自体は決して大規模という訳ではなく、売店やレストラン、そば打ち体験等からなる交流施設、そして少し離れたところには特産品の加工施設(左写真)、と2つの建物群からなる。岐阜県内の道の駅には情報コーナーや休憩施設がある箇所が多いのだが、残念ながらこの駅にはそれらしきものが見当たらない。

我々が訪れた12月中旬という時期が中途半端なせいなのか、駐車場にはほとんど車が停まっておらず、なんとも寂しい空気が流れている。しかし、スキーシーズン全盛期になれば立ち寄る人も多くなりそうだ(まぁ個人的にはあまり混雑し過ぎると、落ち着いて散策も出来ないため、助かったりも。駅にとっては何時でも混雑していてくれるのが嬉しい状態なのだろうが)。
加工施設は日曜日のせいか、静まり返っているので、売店へ足を踏み入れてみる。さて、噂の「うま辛王」はあるだろうか、とウロウロしながら陳列棚を眺めていくと、「あった!」と特設コーナーを発見。

熱い調味料「うま辛王」は、まるで買え買えオーラを出しているが如く、ズラリ並んでいる。「うむむ、買いたいのは山々なんだけどなぁ」と"ほし"はしばし手に取りながら悩んでいたものの、"こあ"氏は辛いものを得意としないため、さすがに"ほし"だけが使い切るのは困難かと考えたあげく、今回は見送ることにした。
その代わりといっては何だが、タカネコーンを使用した「もろこし餅」を手にする(結局、甘いものに落ち着くのか)。

レジで会計をしながら、店員さん「何処からいらしたのですか」、すると"こあ"氏「上宝村のほうから南下してここまで来たんですよ」と答える。「それじゃぁ高山の方を経由して来られたんですねぇ。昨日から来ていたのですか」「いえ、今日の朝早くに東京から」「それはそれは・・・」と会話がはずみ、更には店員さん、観光パンフレットを差し出しながら「今度は是非宿泊もしてくださいね。高山のほうには結構宿もありますし。あっそうそう、スキー場もありますよ」といろいろと親切に周辺情報まで教えてくれるではないか。

っと、話も盛り上がっているところで、「あ、スタンプを押さないと」とふと我に返る"ほし"。すると話題は道の駅へと移り、我々が趣味で道の駅巡りをしていることを知ると、店員さんも「岐阜にも道の駅がたくさんありますからねぇ。北海道に次いで多いんですよぉ」と、さすが道の駅の店員さんだけあって詳しい。そして、更にレストランの方も気前よく案内してくれ、話を聞きながら見て廻る。このようなフレンドリーな店員さんがいる道の駅だと、次もまたなんとしてでもゆっくり寄りたいと思うものだ。

そして、お礼を言って店を出ると、なんとも暖かな気分になって車に戻る我々であった。
 
 

 
 
モンデウス飛騨位山」スキー場のオープンは12月20日につき静寂漂う道の駅 (宮村)
ルート:国道361号/(主)87号/国道41号/(主)98号
到着時刻:15:52 スタンプ設置場所:モンデウススキーハウス内総合カウンター
さて、ここからはひたすら今まで走ってきた道を戻る形になる。そう、次なる目的地である「モンデウス飛騨位山」は、「ななもり清見」や「ひだ朝日村」の近くにある宮村にある道の駅なのだ。というわけで、せっせと今まで来た道を戻りながら、一路「モンデウス飛騨位山」を目指す。

路面に雪が残る国道361号を西へ西へと走りながら、いざ主要地方道87号へと突入すると、先程走ってきた時よりも平地は更に雪が溶けている。つまり、平地路面の雪はほとんど無いに等しいのだ。「時間の経過を感じるねぇ」なんて呑気な事を言いながら山道へと入ると、こちらは相変わらず路面の雪は溶けずに残ったままだ。交通量はほとんど無いため、あくまでもマイペースで山道を越えると再び平地へと出てきた。

久々野町内から国道41号に出ると、途端に交通量も増え、そんな中を一旦北上してから主要地方道98号へと入り、のどかな田園風景、そしてやがて峠道を走り続ける。数々のコーナーを越えていくと、目の前がパッと開けるところにやってきた。「おぉ、スキー場があるよぉ」って、気が付けばもう道の駅に到着ではないか。
道の駅「モンデウス飛騨位山」、それはスキー場に隣接した道の駅なのであった。しかし、かなり広大な駐車場なのに、ほとんど車が停まっていない。「何故何故?どうして?」と首を傾げながら車を降りる。その答えはもう少し後になって知るのであった。

敷地内には、ちょっとした休憩所を兼ねた情報コーナーとトイレがある建物、更にその横には休憩所や売店、軽食コーナー、レンタルコーナー等からなるモンデウススキーハウスがある。他にもゲレンデ側には小さな店が多数並んでいるのだが、誰も人がいないため、足を踏み入れる勇気もないまま、「道の駅モンデウス飛騨位山」と入口に掲げられた情報コーナーへ向かう。
「あれ、スタンプが無いよ」、てっきり情報コーナー(左写真)に置いてあると思っていたスタンプは何処にも見当たらず、「ということは、隣のスキーハウスの方かなぁ」と隣の建物へと入っていく。

しかし、ガランとした館内はあまりに静かすぎる。「あれ、ここに入ってきて良かったのか」と心配になる程だ。
そう言いながらも、インフォメーションコーナーのカウンター上にスタンプを発見。そそくさとスタンプを押したは良いが、どうにも落ち着かない。2階に売店やレストランがあるらしいため、とりあえずは2階にも行ってみる。すると、レストランは今まさしく準備中といった様子で、数名の従業員たちが椅子やテーブルをせっせと並べている。売店に至っては照明も消えているではないか。「こりゃまいったなぁ」とレストランにいた従業員に話を聞く。「すみませんが、売店のほうって見ることは出来ませんか」、すると「オープンが20日からですから、それまではちょっと・・・」という従業員の回答が返ってきたのだ。

そうだ、確かにここはスキー場、つまりまだ冬期オープンしていなかったのだ。なるほど、今年は12月20日からオープンするらしい(この旅日記が掲載される頃には、元気にオープンしているだろう)。これで、駐車場に誰もいなかったのも頷ける。もう1週間程遅く来ていれば、大勢の客たちがスキーを楽しんでいる姿や、売店やレストラン等も見ることが出来たのか、と思うと事前の調査不足であった己を恥ずかしくも思う。
そうして、スノーマシンで雪の量を調整しているゲレンデをしばし眺める。そういえば、"ほし"にとっては雪のスキー場を間近で眺めるのはこれが初めてだ。

昔から「滑る」ものが苦手な"ほし"としては、スキーもなんとなく避けていたような気がする。しかし、こうしてゲレンデを見ていると、「もしかしたらスキーって面白いのかも」なんて思い始めていたりも。
 
 

 
 
飛騨街道なぎさ」縄文シンボルタワーが目立つ道の駅 (久々野町)
ルート:(主)98号/(県)455号/国道41号
到着時刻:16:26 スタンプ設置場所:まほろば館内観光案内カウンター
そろそろ日も傾いてきた。こんな調子では、次の道の駅「飛騨街道なぎさ」に着くまでにかなり暗くなってしまうのではないだろうか。しかし、いかんせんこの雪道では「ペースをあげてね」なんて言葉を発すれば、返って危険きわまりない。「気の焦りがかえって時間を浪費するのだ。」と"ほし"は前回の駅巡りで起こったとある事件を頭に浮かべながら、ただただ苦笑。"こあ"氏も、その言葉が何を意味するのか気が付いたらしい(わからない人は前回の日記を参照しよう)。

「モンデウス飛騨位山」から主要地方道98号を南下し、途中 県道455号に入る頃には、路面の雪もほとんど無くなっているどころか、路面もところどころ乾いているではないか。「雪は何処だぁ〜?」と涙声の"こあ"氏は、よほど雪道走行が嬉しかったのだろうか。まぁ、いくら雪道走行の勘を取り戻したといえど、油断は禁物なのだ。"ほし"としては、出来れば時間的に短縮したいと強く願うため、なるべく雪道は避けたいところなのだが、ニコニコ顔で走る"こあ"氏の機嫌を損ねてはならない。

そして県道455号から国道41号に出た頃には、路面もすっかり乾いている。「奥飛騨ではあれほど雪深いところを走ってきたはずなのに、いつの間にか周囲の雪もほとんど溶けてなくなってるよ」と辺りを見渡しながら、久々野町内を南下すると、ほどなく道の駅「飛騨街道なぎさ」が右手に見えてきた。
まず目にとびこんでくるのは、はるか古代の模様が描かれたシンボルタワー。ここ久々野町は、縄文時代の遺跡である「堂之上遺跡」が発見され、縄文の里として町をアピールしている。道の駅「飛騨街道なぎさ」の建物も、縄文時代の竪穴式住居をイメージした造りになっているのだ。

駅は、農産物直売所と特産品販売コーナー、レストラン、特産品加工施設、縄文どきどきステーション等からなる「まほろば館」、そして情報コーナーを兼ねた休憩施設といった2つの建物群から構成される。
まずは、休憩施設に入ってスタンプを探すがどうやらここには置いていないらしい。

という訳で、次にまほろば館のほうへと足を運ぶ。農産物の直売所の中で特に目立つのは「飛騨りんご」だ。久々野ではりんごの他、桃や梨等、数々の果物を特産としてもつ。
そして、りんごと並んで店内に目立つのは「トマト」。"ほし"は大のトマトジュース好きゆえ、すぐにこのトマトジュースに手が伸びる。

しかし、トマトジュースが好きといっても、カゴメやデルモンテしか飲んでいないゆえ、多少の不安は隠せない。まぁ、味についてはまた後日レポートするとして、次に特産品の販売コーナーへと急ぐ。
特産品の販売コーナーに足を踏み入れた途端、なにやら甘い香りが店内に漂う。「うわっ、なんだろう、この美味しそうな香りは?」と店内をぐるりと見渡すと、その香りの源は手作りパン屋さんであった。

その美味しそうなパンを横目に、まずは特産品の物色から始めようと店内を歩き回る。直売所で見かけたりんご・トマト各ジュースはこちらの特産品販売コーナーにも置いてあり、久々野町だけでなく周辺町村の特産品コーナーも設けられている。
特産品販売コーナーの横には、「縄文ドキドキステーション」なる部屋があり、中を覗くと縄文体験が出来る端末と、その横には「縄文ファッションショー」と称し、堂之上遺跡からの出土品をモチーフに制作された衣装が並んでおり、自由に試着も可能らしい。縄文土産等も並び、町をあげて力を注いでいる様子が実によく伝わってくる。

おっと、スタンプを忘れてはいけない。てっきり休憩施設の方にあるかと思いきや、売店の端にある観光案内コーナーのカウンターに置いてある。スタンプ押印の役目を"こあ"氏に託し、"ほし"は更に店内を見て廻り、結局行き着くところは、手作りパン屋さんであった。「うむむ、何か買って帰ろう」と目をつけたのは、小さなアップルケーキであった。りんごが特産ということだから、「りんご」をふんだんに使ったパンの種類があっても良いのにな、と思いながらお金を支払い、店を出た。(実は・・・期間限定で大人気のアップルパイなるものがあるらしい)

空はすっかり暗くなっており、時計をみればもうすぐ17時ではないか。「ありゃぁ、次の道の駅、閉館時間よりも早く閉めてしまうなんてことは、まさか無いよね」と不安を胸に、慌てて車に乗り込む。
 
 

 
 
南飛騨小坂」お粥が名産?静かな県道沿いの道の駅 (小坂町)
ルート:国道41号/(県)437号
到着時刻:17:17 スタンプ設置場所:売店隅
「飛騨街道なぎさ」を出発した我々だが、既に空は夜色に変わり、そして交通量も少ないことに、不安は更に膨らむ一方である。そんな思いをかき消すように国道41号をせっせと南下しながら、辺りを見れば既に雪は何処にも残っていない。

JR高山本線 飛騨小坂駅付近から県道437号に入ると、道幅が非常に狭い商店街へとさしかかる。しかも、前方には路線バスが走っており、突如バス停でもないところで停車するではないか。「あれ?人が降りてるよ」と"ほし"。そう、バスから降りた人はそのまますぐに通り沿いの家へと入っていってしまった。「なんだ、知らないの? 地方のバスでは好きなところで降ろしてくれるんだよ」と"こあ"氏が説明する。「ほぉー、親切だねぇ」と単純に感心する"ほし"に、"こあ"氏は何故か苦笑。次にバスが停まったところを確認し、いつの間にか数台連なっていた我々を含む車たちがバスを追い越し、更に県道437号を走っていくと、だんだんと民家が少なくなっていき、そのうちに山道へと変わっていく。
「本当にこの周辺に道の駅なんてあるのか」と思わせる寂しい山道を走り続けると、暗闇の中にそれらしき建物がぼんやりと見えてきた。

「既に閉店してない?」「いや、店は照明がついているみたいだよ」、高まる不安の中、とにかく駐車場に車を停めて慌てて売店へ飛び込む。
国土交通省のサイトや地図等で道の駅名をみると「南飛騨小坂」と掲載されているのだが、道の駅の案内看板や建物壁等に掲げられた名称は「南飛騨小坂 はなもも」と掲示されている。多分、地域住民を中心に「道の駅 はなもも」の愛称で親しまれているのではないだろうか。当駅は、売店やレストラン、ギャラリーがあるメイン施設、そして情報コーナーを兼ねた休憩所とトイレから構成される。

既に辺りは暗闇に包まれているため、今回はゆっくり散策することも出来ず、建物内を中心にサラッと見て廻ることしか出来なかったのだが、いずれは日中に訪問したいものだ。
さぁ、話を元に戻すとして、売店に飛び込んだ"ほし"は、とりあえずホッと一息。我々が訪れた時には客が誰もいなかったのだが、店内で何やら作業中だったため、まだ開いていたようだ。我々の後にも数名の客が訪れ、交通量が少ない割にはぽつぽつと客足は絶えない。

まずは売店をぐるり一周巡ると、ユニークな商品を発見。その名も「鉱泉粥」だ。かなり昔からこの地に伝わる鉱泉粥は「飲める温泉」で炊いた伝統的な健康食で、これを食べればその年は大病しないという言い伝えもあるとか。手軽なレトルト食品ゆえ、これは忙しい時やちょっと体調を崩して自分で食事を作れない時等には良さそうだ、と"ほし"は早速手にする。この道の駅のショッピングWebサイトもあるので、美味しければまた買おうかな、なんて思ったりも。
更には、小坂産トマトのカレーや飛騨牛カレー等、地域色の強い商品が多数溢れている。それにしても、こうして各駅を廻っていると、飛騨牛カレーのレトルトに遭遇することが多い。しかも、皆きちんと自分の町村にて製造した自信作だらけだから、「おらが村」特産ハンターの"ほし"としては、もう嬉しい悲鳴をあげてしまいそうだ。甘味特産ハンター"こあ"氏のほうは、あまり心そそられる商品に出逢えなかったらしく、ぼんやりと店内をぶらついている。

売店の2階はギャラリーになっており、油絵等を中心に飾られている。しかし、ここはもともと「小坂町ふるさと情報ステーション」があったはずの場所なのだが、ギャラリーによって塞がれてしまい、事実上利用不可になっている。情報ステーションを利用する人がいなかったのだろうか。それともたまたまなのかは不明だ。
"ほし"が2階のギャラリーを観ている間、"こあ"氏は1階の売店隅に設置されたスタンプ台にてスタンプを押している。残念ながらレストランも既に準備中のようだ。

売店を出ると、休憩施設のほうも覗いてみる。照明も消され、既に閉まっているのかと思いきや、中の情報端末の電源は入っており、虚しく輝いている。まだドアの鍵もかけられていないため、施設内に入り、入口にあった照明スイッチをオン。「あれれ、あまり明るくないなぁ」と言いながら館内を眺める。休憩所にしては狭めな空間ではあるが、情報端末が設置されたテーブルには椅子が用意されているので、楽な姿勢で画面を観られるのは結構嬉しい。

駐車場に戻ると、停まっている車はほとんどいない。そして寒い中、外で写真を撮っているうちに、いつの間にか売店は閉店していたのであった。時計を見ればまだ18時前、やはり客がある程度来ないと閉店してしまうのか、と少しがっかりしながら車に戻る。我々に限らず、特にスタンプラリーをしながら駅巡りをしている人にとっては、閉館時間5分前にだって飛び込んでくる場合がある。やはり公表している閉館時間までは客がいようがいまいが開けておいて欲しい、と心から思うのであった。
 
 

 
 
馬瀬 美輝の里」雪深い闇夜に浮かぶ温泉駅 (馬瀬村)
ルート:(県)437号/国道41号/(主)88号/国道257号/(県)431号
到着時刻:18:37 スタンプ設置場所:美輝の湯別館(露天風呂)のフロント付近
本来ならば、小坂町から近い位置にある「明宝」や、"ほし"が特に楽しみにしていた「パスカル清見」にも是非立ち寄りたかったのだが、冬期の駅巡りは時間的にも速度的にも大幅な制限がある。深い溜息をつきながら、これからどうしようか、とぽつりと言う。このまままっすぐ都内に帰るとしても、小坂町から北上するか一旦南下するか、迷うところだ。カーナビに相談してみたところ、北上して上宝村及び安房トンネル経由国道158号から松本ICに出る案を勧めてきている。しかし、時既に夜、これから北上するとなると、路面が凍結することも十分に考えられる。「これは危険じゃない?」、まったくもってごもっともである。さすがにカーナビはそこまでフォローはしてくれない。

結局、遠回りにはなるのだが、小坂町から南下し恵那ICまで出て中央道で帰ることにした。「ちょっと待てよ、そのルートで帰るならば、ついでに馬瀬 美輝の里に寄ってよ」と、ほらほら出た出た、"ほし"の我が儘だ。道の駅「馬瀬 美輝の里」は温泉と宿泊施設を兼ねているため、夜遅くまで営業しているのだ。しかし、以前この駅へ立ち寄った時も、既に夜になっており、まともに散策も出来ないままであった。またしても夜間訪問かと躊躇したものの、どうせならば寄ってみよう。

「南飛騨小坂」を出た我々は、県道437号から国道41号へと一旦引き返し、国道41号下呂町方面へと南下する。今日これまでずっと走ってきた道の中では比較的交通量の多い道路ではあるが、ストレスを感じる程ではない。上呂(地名)付近から、右手に流れる飛騨川を越えて主要地方道88号に入り、尚も南下していくと、国道257号にさしかかる。

国道41号を走っていた時には、残りわずかであった路面の雪も、国道257号に入ると再びアスファルトを覆い隠している。走れば走る程、山道へと進んでいき、雪の量も増える一方だ。「まさかここでまた雪道走行になるとは思いもよらなかった」と苦笑しながらも"こあ"氏はなんだか嬉しそうである。車内にある種の緊張感が漂う中、更に走り続け、「馬瀬 美輝の里」の沿線である県道431号に入ると、いよいよ道は細く、そして路面は雪で真っ白である。路肩は雪で山盛りになっており、溝の有無すら分からない。「これで対向車なんか来たら大変だよ」なんて言ってる先から、前方はるか先に車のライトらしきものが光る。

このままでは、すれ違い不可な箇所で対向車と遭遇することになりそうだ。我々は退避エリアで待ち、対向車が通り過ぎるのをじっと待つ。そんなことが2〜3度続きながら、少しずつ道の駅へと近づく。「最後の最後でこんな道を走らされるとは・・・」とポロリと洩らす"こあ"氏の顔は喜びに満ち満ちているではないか。県道431号に入ってから「馬瀬 美輝の里」までは実質約8.3km程の距離のはずなのに、いざこの雪の中を走っているとまだまだ数十キロ先のようにも感じられる。
やっと川向こうにポツリと明かりが見えてきた。道路上の道の駅の案内看板も通過した。あいかわらず、看板の「道の駅」という部分は隠されているままである。「何時になったら完成するのだろうね」と不思議に思いながら橋を渡り、露天風呂である「美輝の湯」側の駐車場に車を停めた。

橋や道路には雪が残されていたのだが、駐車場はきちんと除雪してあるらしく、雪はひとつも残っていない。我々は、早速駐車場に車を停めると、建物に駆け込んだ。地元の人なのか常連客なのか、ひとりぽつねんと受付近くの椅子に座ってくつろいでいる他は、客らしきものは誰もいない。さすがに冬の、しかも夜の露天風呂に入る人は少ないのか。我々は、そそくさとスタンプを押すと、外に出た。

しばし夜の馬瀬川を見ていたのだが、あまりの寒さに我慢できなくなった我々は車に戻ると、今回は本館である「美輝の里」に寄らずに出発してしまった。
 
 

そういえば、2001年3月に南木曽から飛騨へと駅巡りした時も、「馬瀬 美輝の里」が1日の最後の駅だったような気がする。あの時は、駅から下呂町や付知町を経由して国道19号に出た記憶がある。しかし、今回は「飛騨金山ぬく森の里温泉」を経由して恵那ICに出るルートにて帰ろう。「飛騨金山ぬく森の里温泉」といえば、ここも宿泊施設があるのだ。あわよくば閉館時間までに間に合うのではないか、なんて甘すぎる期待を胸に抱き始める。閉館時間は国土交通省のWebサイトによれば20時まで、しかし、以前駅で頂いたパンフレットによれば21時まで、更にスタンプラリー帳によれば22時までと、もう何がなんだかわからない状態。

どちらにしても道の駅「飛騨金山ぬく森の里温泉」の横を通って帰るため、開いていれば「ラッキー!」といったところだろうか。しかし、県道431号を南下したは良いが、路面の雪で一層悪路になり、気を抜くと滑り出すのではないかとヒヤヒヤする始末。更に、主要地方道86号に入ってからも、静寂に満ちた雪道をひたすら南下する。前方にも、そして後方にも走る車は一台もなく、まるで真夜中のようだ。

さて、深い闇から少しずつ周囲の照明がぽつりぽつりと見えてきたと思ったら、そこは国道256号だ。行き交う車もちらほらと見え、「あぁ、やっぱり国道なんだ」と妙に納得しながらまたしても南下を続けると、暗闇の中に道の駅の案内看板を発見。「飛騨金山ぬく森の里温泉」の看板である。

時計を見ればまだ19時半にもなっていない。これならば開いているに違いない、強い確信をもって駐車場に入る。ところが、その確信は見事にうち砕かれ、コンクリートの無機質な建物は暗くひっそりと静まり返っている。閉館時間が変わったのだろうか、それとも臨時休館だったのだろうか。

"こあ"氏がトイレへ行っている間に、"ほし"はぼんやりとSoukenと書かれた建物を眺め、「やっぱりどこをどう見ても閉館してるみたいだなぁ。宿泊施設があることだし、温泉施設だってあるのだから当然開いていると思ったのに・・・」と深い溜息をつく。こうして結局スタンプを押せぬまま、「飛騨金山ぬく森の里温泉」を後にした。(注:後で調べたところ、なんと12月1日から12月19日まで建物改装中であった。12月20日にリニューアルオープン、レストランも和食・居酒屋レストランに変わるらしい。いやはやお恥ずかしい。)

国道256号を更に南下すれば、次には道の駅「美濃白川」を通過することになる。しかし、ここは既に本日の営業は終わっている事は分かっている。と言いながらも、ついついスッと駐車場に入ってしまう我々は、一体何なんだろう(苦笑)。しかし、駐車場内をぐるりと廻り、何もせぬまま再び国道へ復帰。「意味の無い走りをしちゃったね」と苦笑いをしながら、まもなく主要地方道68号へとそれ、しばらく川に沿って走り続ける。なだらかで快適な道がずっと続くと思いきや、だんだんと山道へと入り込み、やがては峠道へと変貌する主要地方道68号、「これが奥飛騨辺りだったら、路面がもっと雪に覆われて先に進めなかったかもしれないね」と、多少残る雪を不安に感じながらもせっせと進んでいく。雪がほとんど残っていないにしても、路面凍結の恐れは十分にあるのだ。このくらいの緊張感があると、"ほし"の車酔いも無縁のようである。ということは、普段いかに緊張せずに乗っているのか。

こうして、主要地方道68号の中では比較的「激しい」箇所であるヘアピン続きの中野方峠を越えながら、"ほし"は車窓から満天に輝く星を楽しむ。周囲に灯りが無いせいか、実に星が綺麗に見えるのだ。「これはすごい!」と喜ばずにはいられない。峠を越えると、再びなだらかな道となり、そのまま恵那ICまで続く。

恵那IC料金所を通過したのは、20時を過ぎていただろうか、そろそろガソリンも残り少ないというところで、タイミング良く恵那峡SAが見えてきた。ここで"ほし"が一言「通り過ぎないようにね」、実に嫌みたっぷりの言葉である。ってここで恵那峡SAを通り過ぎてしまったら、またしてもガソリン求めて放浪しなければならないのだ(前回の日記参照)。というわけで、無事に恵那峡SAに入り、ガソリンとともに人間のエネルギーも補給しなければ、とレストランへ向かう。そういえば、前回も恵那峡SA上り線のレストランに立ち寄ったはずだ。どうも我々にとって縁があるSAなのだろう、といそいそとショーウィンドウのメニューを見る。

"こあ"氏は軽く「カレーうどん」を、そして"ほし"は昼間の食事に多少不満が残ったため、少しボリュームのあるものを、と選んだのが「きのことシーフードのホイル焼き定食」(右写真)。実はこのメニュー、料理開発研究会の名古屋地区大会で優秀賞を受賞したもので、最近出現した人気定食なのだ。マヨネーズで味付けされているところがこれまた"ほし"好みである。しかし、飛騨まで来ておきながら、そういえばまだ一度も朴葉味噌を口にしていないとはなんたることだ。まぁ、飛騨牛や朴葉味噌を食べる機会は近いうちに、後数回は残されている、と勝手に思っている。

さて、互いに満腹になったところで、身体がくつろぎの体勢になる前に出発しよう、とバタバタと店を出る。そして給油を済ませると、家路への長旅の再開だ。それにしても夜の高速道路は暇である。「夜間の高速道路って、目に入る情報量が少ないからつい眠くなるよね」と口を開く"ほし"。確かに、昼間のように周囲の風景や明るさで目に入る情報量はとてつもなく多い。それにより脳も活性化しているのか、眠気は襲ってこない。しかし、夜間はそうはいかない。「眠くならないための効果的な方法って何だろうね」とそんな会話をしばし続けながら、結局眠気は襲ってくる。

余談ではあるが、Webサイト等をあれこれ巡っていると、「居眠り運転防止」には様々な手法が考えられているようだ。中でも「なんだ?これは」といった商品は、椅子に取り付けられた振動によって眠気を防止するもの。本当にこれで眠気はとれるのだろうか。また、各自動車メーカでも居眠り防止システムは研究されているようで、運転状態から注意力を監視するタイプやドライバーの目の瞬き回数等から検知するもの等、手法は様々だ。まぁ、要はドライバーが「疲れたな」と思い始めたところで速やかに休憩をとることが一番なのだろうが、「疲れた、でも早く帰りたい」と、この心の迷いが事故を招く可能性がある。え?疲れるまで走り回るな?これが本当の意味での得策かもしれない。

中央道をひた走り、小淵沢あたりまで戻ってくると、「はぁ・・・帰ってきたなぁ」と実感する。関東の駅巡りをする際には馴染み深い箇所ゆえ、そう感じるのかもしれないが、都内と岐阜を日帰りで往復なんぞしていると、段々と距離感覚がずれていくようで怖いものだ。

そうして、前回に引き続き、夜の中央道は渋滞が発生することもなく、順調に八王子料金所を通過する。前回は、ETCとのトラブルに泣かされっぱなしであったが、今回は全く問題もなく全ての料金所で使用可能であった(こんな当たり前のことで喜んでどうするのだ)。

自宅前に着いたのは、どうにか23時台。夏場は、よく午前2時や3時に自宅にたどり着くことも多いのだが、やはり冬になると道の駅の営業時間も早いため、おのずと帰宅時間も健康的だ。ということは、1日のなかで駅巡りが可能な時間が少ないということである。あぁ、やはり冬場のスタンプラリーは、時間的な制約により、どうしても都内と岐阜の間を何度も往復することになりそうだ。え?宿泊した方がお得だって? まったくもってそのとおりである。1度は宿泊を兼ねてラリーに望みたいのが本音だが、なかなか都合がつかないのが現状かもしれない。

本日のスタンプ獲得数は9駅、前回は8駅だったので、計17駅である。さぁ、あと何駅廻れるだろうか。

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最終更新日:2002年01月08日