オフシーズン旅日記 2004/04/25 埼玉編
 
春の風物詩といったらなんといっても「桜」、しかし花見をする時間はとれずじまいで、結局は自宅近くの桜を眺めながら、無情にも時は過ぎていった。あぁ、このまま春は過ぎていってしまうのか、そんな時に、はっと思い出したのが「秩父の芝桜」、いや、正確に言えば秩父市内にある羊山公園の「芝桜の丘」である。

羊山公園の「芝桜の丘」といえば、県内外からも訪れる人が多い「花スポット」だ。4月下旬から、土日祝日は車両乗り入れ禁止になる等、規制も厳しくなるうえに、周辺の駐車場は平日でも長蛇の列が出来るといった話を聞く。そんな話を聞けば聞くほど、車で向かうのは危険ではないかと感じ、我々は珍しく鉄道を利用して羊山公園に行くことにしたのであった。

この羊山公園の近くには、2003年度に新しく道の駅として登録された「果樹公園あしがくぼ」もあるため、「芝桜の丘」で体力を使い果たさずに済めばその足で立ち寄ってみよう、そんなことを考えながら我々は始発列車に飛び乗った。

というわけで、今回は到底「道の駅巡り」とはいえない、そんな半日の小さな旅である。我々が車を利用しない旅を決行するのは、もしかしたらこれが初めてだったりする。
 
本日のルート
自宅(東京)発04:35→
武蔵野線(-新秋津)/西武池袋線(秋津-小手指-飯能)/西武秩父線(飯能-西武秩父)/徒歩→
公園羊山公園(埼玉)07:30着
徒歩/西武秩父線(横瀬-芦ヶ久保)→
道の駅果樹公園あしがくぼ(埼玉)09:56着
自宅着 13:30
2004/04/25のルート

秋津駅の改札東京西部から秩父へ列車で向かうには、西武池袋線経由 西武秩父線を利用し、所沢から飯能、秩父へと北上するコースが考えられる。特急に乗ればそれなりに早く着くのだろうが、羊山公園の混雑を考慮し、早朝5時前後の列車に乗った我々に、「特急」の選択はない。つまり、そんな早朝に特急は運行していないのだ。結局、各駅停車でのんびりと向かうしかない。(右写真は西武線 秋津駅改札 羊山公園の横断幕が目にとまる)

といっても、早朝の西武池袋線/秩父線はいずれも客はほとんど乗っておらず、快適そのものであった。ただ、"こあ"氏が列車に酔ったという一点を除いて、ではあるが。

7時過ぎに西武秩父駅に着いた我々は、徒歩で約20分かかるといわれている羊山公園 芝桜の丘に向かって歩き出した。ところが、その途中にはかなり急激な坂道が待っていたのである。列車酔いの"こあ"氏、そしてもともと体力には全く自信が無い"ほし"には、とてつもなく高いハードルであった。そんな情けない我々の横を平然と通っていく地元の住民の方々、いやはや、敬服である。しまいには地元の人に「坂はあともう少しで終わりですよ、頑張って!」とエールまでおくられてしまった我々は、最後の力を振り絞って坂をあがると・・・

羊山公園
到着時刻:07:30

羊山公園 芝桜の丘「羊山公園」芝桜の丘手前までようやくたどり着いた我々の前に、なんと駐車待ちの車の列がズラリと並んでいるではないか。「えっ?4月下旬の土日は車両乗り入れ禁止じゃないの? だからわざわざ電車で来たのに」、呆然と立ちすくむしかない。それにしても、朝7時半だというのに、駐車場は既に満車、更に駐車場を待つ車列の多さに、驚きというよりもある種の恐ろしさすら感じたりも。(この混雑は時間が経過すればするほど増殖していく)

更に、芝桜の丘へと足を踏み入れると、そこは人・人・人、まさしく人だらけな状態だ。「朝7時半くらいだったら、まだ客も少ないだろう」なんて考えは甘すぎたのである。おそるべし、芝桜。

さて、羊山公園の芝桜の丘といえば、秩父のシンボル的な存在である武甲山をバックに広がるなだらかな丘に白やピンク、紅色や紫色等の芝桜が植えられた、まさしく芝桜のパッチワーク絨毯である。広さは2004年現在で、約11,700平方メートル、株数もなんと24万5000株にもおよぶという。4月から徐々に咲き始め、4月下旬を中心に満開となり、ゴールデンウィークあたりまで見ることが出来る、花スポットである。
ピンクの絨毯 朝陽をあびた芝桜 芝桜を観察
ちょうど4月25日は芝桜満開宣言が出され、それは見事な咲きっぷりを見せてくれた芝桜の丘ではあるが、それでも所々は見どころ時期を過ぎてしまった箇所がある。そして、これは実際に訪問して初めて分かったことなのだが、朝に訪問すると、丘の一部が山の影となってしまうがために陽が当たらない部分があり、被写体としては少々残念な結果となってしまう(1日どっしりかまえて写真を撮るような人には関係のない話だが)。

ふれあい牧場の羊さんがエサ食べ中それでもピンクと白、薄紫等の花の絨毯に囲まれていると、それだけで幸せな気分になってくるものだ。しばらくの間、丘の上から、下から、横からと歩き回っては花の絨毯を堪能し、その美しさを目に焼き付ける。

芝桜の丘のすぐ近くには「ふれあい牧場」があり、羊たちが干し草を必死で食べている姿が目にとまった。普段、おっとりしている印象がある羊だが、我先にと餌を奪い、他の者に頭突きしてでも餌を食べるそんな姿に、羊の社会も見た目ほど楽ではないのか、と、しみじみと感じる我々であった。

羊山公園を出た我々は、のどかな風景を眺めながらのんびりと歩きつつ、西武線 横瀬駅に向かう。すると、反対側からはせっせと羊山公園へ向かう群れがこちらへやって来るではないか。これから昼にかけて、更に客足はのびるのだろう。それは、西武秩父駅へ向かう列車の混雑をみても容易に分かった。

さて、「果樹公園あしがくぼ」といえば、西武線横瀬駅のお隣(飯能行き)、「芦ヶ久保」駅のすぐ真下に位置する。だからこそ、列車で立ち寄ってみよう、という気になったのかもしれない。車で訪れていたとしたら、羊山公園から国道299号正丸峠方面へ向かいながら立ち寄っていただろう。

高台に位置する芦ヶ久保駅で降りた我々は、小さな改札を出てふと下をみれば、「果樹公園あしがくぼ」建物群の屋根が見えた。

道の駅「果樹公園あしがくぼ」
到着時刻:09:56 スタンプ設置場所:館内案内カウンター

道の駅「果樹公園あしがくぼ」 外観「一体どんな駅なのだろう」と期待を胸にいざ敷地内へ足を踏み込めば、「うわっ混んでる」。割と広めな駐車場も10時前だというのに凄まじい混雑風景である。もしかしたら、これも羊山公園効果なのだろうか、それとも早くも人気を呼んでいるのか。

2004年3月14日にオープンしたばかりの道の駅「果樹公園あしがくぼ」は、横瀬町のあしがくぼ果樹公園村の向かいに位置し、地場産直売中心の売店、食事処、休憩コーナー、ギャラリー等から構成される、オーソドックスな休憩スポット。果樹公園という名にふさわしく、春はいちご、夏はプラム、秋はブドウ、リンゴなどのフルーツ満載なこのエリアでは、売店で購入可能である他、周囲の農園で摘み取り体験もできる。鉄道の駅からのアクセスも良く、登山客の休憩場所としても利用できるあたりがポイントではないだろうか。
早速、売店を覗いてみると、これまた人・人・人だらけな状態に思わず後ずさり。確かに売店規模は広いとはいえないのだが、これはのんびりと売店散策をする場合ではなさそうだ。というわけで、足早に店内をぐるり一周すると、今が旬な「いちご」を発見。

1パックくらいならば電車で持ち帰れそうだと、いざ陳列棚を覗き込むと、残念なことに2パック単位でしか販売してないではないか。大粒のツヤツヤとした美味しそうないちごなだけに、かなり悔しい(1パック単位でも販売して欲しい、と強く希望したいところだ)。
大混雑の売店 横瀬のいちご
売店から右へ歩けば、そこはセルフサービス式の食堂。古代米うどんや手打ちそば等、素朴な味わいが堪能できるので、朝から全く何も食べていない我々は吸い寄せられるように発券所へ。今回選んだのは、「あしがくぼ定食」と「田舎そば」だ。「あしがくぼ定食」は、古代米うどんの他にしゃくし菜ご飯、甘露煮、小鉢等がトレイに並び、1,000円ながらボリュームある食事が楽しめる。特に「古代米うどん」の味と食感はかなり独特で、どっしりとした存在感と喉を通過する時に穀物特有の香りと味を感じるのだ。

それに対し、「田舎そば」はきのこたっぷりのけんちん汁を思わせる具揃い、そして麺は蕎麦の類としてはやや太めで、もちっとした歯ごたえが印象的だ。我々的には「田舎そば」の方が好みだったりするが、「田舎そば」だけだと少々物足りなく感じる場合もあるかもしれない。
あしがくぼ定食 田舎そば 道の駅「果樹公園あしがくぼ」 のスタンプ場所
「車で来ていたならば、これにタラの芽あたりを追加したいところだけどなぁ」と、列車酔いしやすい"こあ"氏がぽつりと漏らす。そう、これから列車に乗って再び山を越えて帰らねばならないのだ。いずれ、また列車旅を決行する際は、忘れずに乗り物酔い薬を携帯することにしよう。

オープンしてまだ1ヶ月がようやく過ぎたところだが、スタンプは早くも設置され、しかもかなり押印の跡が見られる。ということは、客足も順調に伸びているということだろう。ハイキングがてら、ドライブがてら立ち寄る客も少なくないのだ、ということを実感しながらスタンプを押印し、館外へ出る。

芝桜号時計をみればまだ11時を過ぎたばかり、普段の旅ならば、さぁ、次は何処に行こうか、と言いたいところなのだが、慣れない列車移動と歩きっぱなしで、早くもバテ気味という情けない状態である。登山客やハイキング目的で秩父方面へとやって来る年輩の人々を見ると、我々の体力不足を恥ずかしく思うのだが、まぁ、仕方がない、今日は素直に帰ることにしよう、と芦ヶ久保駅の改札からホームへ。

反対側(西武秩父方面)のホームに停車している普通列車の先頭に掲げられた「芝桜号」のマークを、本日最後の記念としてシャッターを切ったところで、飯能行き列車が到着。再び山を越えて飯能へ、そして列車を乗り継いで東京西部へと戻るだけでも2時間以上もの時間を要し、改めてその遠さを実感することとなったのであった。

たまには列車の旅も良いものだ、といった一言でしめたいところだったのだが、本日、我々が実感したのは「列車旅は体力勝負」、この一言である。

更にもう一言、今回、実際に羊山公園を訪れた体験者として言わせて貰うならば、芝桜の満開時期に車で訪れる場合、少なくとも朝6時前後には駐車場にいるくらいの気合が必要である。そうでなければ、やはり列車で行く方が妥当かもしれない。

(今回、"ほし"と共に羊山公園の芝桜を撮影していた"こあ"氏ではあるが、現在多忙につき、写真の整理はしばらく出来ないようである。というわけで、"ほし"が撮影した羊山公園の写真群を"ほし"のフォトギャラリーWebサイトに掲載した。感動を呼ぶような写真は残念ながら撮れなかったのだが、そちらも併せて御覧頂ければ幸いである。)

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最終更新日:2004年05月03日