オフシーズン旅日記 2003/12/28 山梨/静岡編
 
年末押し迫るそんなある日、「そういえば年賀状のネタが無いままだ」、"ほし"はいまだ年賀状の裏面が真っ白であることに心を痛めていた。このままでは途方に暮れたまま年が過ぎてしまう、そんな危機感に襲われた時、"こあ"氏がとある提案をする、「紅富士を撮りに行こうよ」。

紅富士・・・と簡単に言うが、紅富士を撮るためには、日がのぼる前に撮影ポイントに赴き、そして日が昇るのをじっと待たねばならないのだ。まぁ、写真撮影を趣味としている者にとってはそんな事は朝飯前なのだろうが、軟弱な我々にそんな体力があるだろうか。それなのに、既に"こあ"氏は行く気まんまんである。どうやら、先日購入したデジタルカメラの性能を発揮したいらしい。(といっても、この旅日記内における写真は"ほし"の手になじんだ、といえば聞こえは良いがいわゆる古いカメラで撮影したものを掲載しているので、あらかじめご了承頂きたい)

結局、我々は「紅富士を撮りに行くぞ」と言い出したその数時間後には一旦仮眠をとる羽目となる。そうして、翌朝3時前にごそごそと起き出すと、4時過ぎに自宅を出発。いざ、富士山を目指して向かうは山中湖畔である。
本日のルート
自宅(東京)発04:03→
国道20号/国道16号/国道413号/(県)729号→
駐車場山中湖無料駐車場(山梨)05:56着
(県)729号/国道138号→
道の駅富士吉田(山梨)07:12着
国道138号/国道139号→
道の駅なるさわ(山梨)07:43着
国道139号→
道の駅朝霧高原(静岡)08:16着
国道139号/(主)75号→
見る施設白糸の滝(静岡)08:55着
(主)75号/国道139号/(主)76号/(主)10号→
道の駅富士川楽座(静岡)09:53着
(主)10号/(主)76号/国道139号→
見る施設富士国際花園(静岡)12:02着
自宅着 16:01
2003/12/28のルート

山中湖無料駐車場
到着時刻:05:56

富士山撮影ポイントとして有名とも言える、山梨県の「山中湖畔」。旅日記等でも山梨県内の道の駅を巡る際には度々登場する山中湖だが、ここから見る富士山はなかなか魅力的だ。といっても、夕暮れや昼間の富士山はよく見るのだが、夜明けの富士山を見るのはこれが初めてである。

山中湖の夜明けある種の高揚感に包まれながら、東京西部から国道413号に進むと、雪深い道志みちを走りながら真っ暗闇をただただ走っていく。道志みちを山梨方面へと走れば走るほどに、寒さは車中にまで伝わり、車の外気温センサーは何度も何度も0度を示すアラームを鳴らしている。実際、外気温はまぎれもなく氷点下であり、路上の気温表示板も-6度だ、-7度だと訴えているのだ。

そうして山中湖畔に出てくると、そこは氷点下11度の世界、吐く息も凍り、寒いというよりは空気が痛いといったところか。そんななか、まだ早朝6時前だというのに、無料駐車場にはなんと何台もの車が停まり、既に三脚にカメラをセットした者たちが何人もいるではないか。みな、雪の紅富士が目当てであることは間違いない。

「もしかして、大陽が昇るまでただひたすらこの極寒の地で待たなければならないのか」、そう、当たり前である。そのために来たのだから。わかってはいるのだが、ほんの5分ほど、外に立っているだけで手はあまりの冷たさで動きが鈍くなり、頬はまるでパックをしたかのごとく、パリッとなにかが張り付いているような感覚である。
富士山その1 富士山その2 富士山その3
▲朝6:16頃 ▲朝6:25頃 ▲朝6:50頃
それでも、我々を含む撮影者たちは、湖から動こうとしない。そんなに寒いならば車の中にいれば良いではないか、と思うだろうが、エンジンを切ってしまえば車中も車外もそれほど変わりはしない。結局、6時過ぎから富士山をファインダーごしに眺めながら、パチリパチリと撮り始めると、6時半過ぎあたりから、空は深き青から徐々に赤みを帯び始めてきた。

出かける前に日の出時刻をチェックしたところ、12月28日の日の出はだいたい6時50分頃だということらしい。「夜明けが近い」、駐車場の各所からカシャッ、カシャッとシャッター音が響く。すると"こあ"氏、「あまりの寒さのせいか、デジカメのバッテリーの消費が早いよ」とぽつりと漏らす。そう、こんな極寒の日の撮影の場合は、予備のバッテリーを持つか、撮影するギリギリまでバッテリーをポケットなどにいれてあたためておく等の配慮が必要なのだ。

というわけで、駐車場に車を停めて1時間以上もの間、紅富士を待ち続けた我々は、満足の1枚が撮れたかどうかの判断もできぬまま、夜明けを迎えてしまったのであった。プロのカメラマンは1時間どころか、満足の1枚が撮れるまで、何週間もの間、待ち続けるという話をよく聞く。カメラマンは腕の他に、忍耐力も持ち合わせなければやっていけないのか、とただただ尊敬するばかりである。

道の駅「富士吉田」
到着時刻:07:12

道の駅「富士吉田」 外観実は、夜明けの紅富士を撮り終えたら、そのまま自宅へ引き返す予定であった。ところが、「まだ走る元気は残っているみたいだ」という"こあ"氏の言葉に甘え、ついでといっては何だが、「各道の駅から富士山を見よう」なるテーマに突如変更、次なるターゲットは道の駅「富士吉田」である。

山中湖の駐車場から富士吉田までは約6kmほどの距離ゆえ、車中のヒーターがようやく暖まったと思えば到着だ。さすがに、営業時間外且つ冬期のせいか、駐車場にはほとんど車も停まっておらず、静寂に満ち満ちた道の駅「富士吉田」である。
富士山レーダードームのポスター 富士山レーダードーム 富士山がチラリと見える
そんな「富士吉田」の敷地内から、富士山の頂上付近を拝むことが出来る。「でも、森の向こうの富士山は、ただの真っ白な山にしか見えないな」、確かに、ほんの一部しか見えないのは、場所的に仕方がないだろう。結局、感動を呼ぶ写真とはとても言い難い1枚を撮ると、敷地内のトイレに行きがてら、1枚のポスターを発見。それは、「富士山レーダードーム4月24日オープン」のお知らせである。

長きにわたって活躍していた富士山レーダーが、ここ富士吉田市に移築され、その活躍の軌跡を見ることが出来るのだ。興味ある人は是非訪れてみよう。それにしても、山中湖畔に1時間佇んでいた時以上に、寒さが身に凍みるとはこれいかに。指の感覚は全く失われていたのである。

道の駅「なるさわ」
到着時刻:07:43

道の駅「なるさわ」の朝さて、続いて訪れたのは道の駅「なるさわ」。到着が8時前だったため、またしても営業時間外の訪問となってしまったが、名目上「富士山を撮る」ということなので、勘弁してもらおう。

道の駅「なるさわ」の施設後方に雄大な富士山を拝むことが出来るのは、割と有名な話だ。ところが、夜明けの富士山を撮影するならばまだ良しとしても、大陽が昇りきってしまえば、道の駅と富士山の位置関係上、しばし逆光に悩まされなければならない「朝」の時間帯があるのだ。それが、まさしく今この時である。
駅後方の富士山 駅後方の富士山その2 駅後方の富士山その3
「あぁ、そこに美しい富士山があるというのに・・・」、途方に暮れる"ほし"の横に、見知らぬ人物がパタパタとやって来ると、パチリと富士山を1,2枚撮り、そそくさと去っていった。各所での富士山でも撮影しているのだろうか、もしかしたら、次の場所でも遭遇するかもしれない。

一方、三脚まで出して富士山撮影にのぞんだ"こあ"氏であったが、「だめだ、これでは人様に公開できる作品にはならない」と頭をかかえ、車に戻ってきた。(確かに、後日"こあ"氏のWebサイトを覗いてみたら、なるさわにおける富士山の写真は全く掲載されていなかった。)

道の駅「朝霧高原」
到着時刻:08:16

道の駅「朝霧高原」の外観失意の中、車に戻った我々が次に目指したのは、これまた近隣の駅である「朝霧高原」。ここからは、しばし静岡から見る富士山を楽しもうという訳だ。「なるさわ」と「朝霧高原」はどちらも国道139号線沿い。というわけで、青木ヶ原樹海を横目に見ながら、しばらく朝陽のなかでのドライブである。

しかし、徐々に朝霧高原に近づくにつれ、あることに気がついた。「朝霧高原からみる富士山も、見事な逆光となるのではないか」、どちらからともなく口に出して言ってみたその一言は、やはり大当たりであった。

確かに、道の駅「朝霧高原」から見る富士山は、実に雄大であった。雄大で美しいだけに、是非とも道の駅「朝霧高原」施設群とのツーショットを撮ってあげたかった。ところが、ちょうど施設後方に富士山と大陽がさんさんと輝いている状態では、どうにもならない。それならば、せめて記憶に焼き付けておくしかないかと、寒さも忘れてしばし富士山をぼんやりと眺める。
朝霧高原の富士山の朝 駅施設その後方に富士山 ハム・ソーセージの試食コーナー
朝霧高原の売店は既に営業中、これが我々にとってせめてもの救いであった。暖かさを求めて売店内に入ると、正月のおせち料理代わりのオードブルにと、朝霧高原スモークチキンの固まりを手にする。実は、試食コーナーでの「ひとかけら」が、朝食もとらずに飛び出した我々の胃を幸せへと導いてくれ、これが購入の後押しとなったのだ。

レジで"ほし"が支払いを済ませていると、その横にいた"こあ"氏と店員さんがなにやら話している。「良い写真、撮れました?」「いやぁ、逆光でなかなかうまく撮れなくて・・・」「あぁ、朝だとどうしてもねぇ。また撮りに来てね」、どうやら屋外で我々がせっせと富士山の写真を撮っていた姿を、店員さんに目撃されていたのか。

白糸の滝
到着時刻:08:55

どうせならばこのまま「富士川楽座」まで南下してしまおう、そしてそのまま東名高速で都内に戻れば良いか、と考えた我々は、国道139号を南下開始。するとほどなく前方に「白糸の滝→」なる看板が見えてきた。「どんな滝だろう、ちょっと興味あるな」、そう思い始めたら行かずにはいられないのが、我々の性分である。というわけで、まるで"ぶらり途中下車の旅"なごとく、その看板に誘われるがままふらふらっと入っていくと、誰も停まっていない広々とした駐車場が見えてきた。

「ここ、停めていいのかな」「白糸の滝 駐車場とは書かれているけれど、それにしても誰も停まってないね」、よくよく考えてみれば、こんな年末に観光旅行をする者は、決して多くはないのだろう。そんなことを言いながら車を停めた我々は、案内板に従って細い通路を下りていく。
白糸の滝を通路からみおろす 白糸の滝と虹 しなやかな滝
すると、その奥には絶壁と眩しい水の世界が広がっているではないか。この「白糸の滝」は、国の天然記念物、そして日本の滝百選にも指定されており、溶岩断層から湧き出した富士山の雪解け水が滝となって絶壁から流れ出る、迫力としなやかさを持ち合わせた滝である。滝そのものの美しさもあるが、コの字型になった絶壁とのコンビネーションも、滝の美を一層ひきだしているように思われる。

道の駅「富士川楽座」
到着時刻:09:53

道の駅「朝霧高原」の外観白糸の滝の駐車場を後にした我々は、富士宮市街地を抜けると国道139号からそれ、主要地方道を南下しながら富士川町を目指す。すると、のどかな自然が広がる風景のなかに、一際目立つ道の駅「富士川楽座」が見えてきた。

東名高速の富士川SAを兼ねた道の駅「富士川楽座」は、いつ訪れてもなかなかの盛況ぶりであるが、それでも年末のせいだろうか、いつもよりはすんなりと駐車場に停められ、ほっと一安心である。さて、本日のテーマ「富士山」だが、ようやくここ「富士川楽座」で満足ゆく風景を目にすることとなった。

多少、頂上付近に雲がかかっているものの、駅の後方に、青空に一際映える富士山が見事な姿を見せてくれている。これぞ「望んでいた風景そのもの」である。思えば初訪問から3年、初めて「富士川楽座と富士山」のツーショットを拝むことが出来たのだ。感慨にふけりながら、しばしその風景を堪能したのは言うまでもない。
富士山と富士川 富士川SAからみる富士山 自動ドアにも富士山
ところで、そろそろ遅すぎる朝食、いや、昼食をとっておきたい。よくよく考えれば、12時間ほど何も食べていない状態(いや、朝霧高原でスモークチキンの試食はしたが)である。というわけで、我々が向かったのは建物3階の「まる鮮食堂」だ。和・洋食などが割とリーズナブルな値段で頂けるうえ、窓からは富士山と富士川を見ることができるのだ。
朝霧高原の富士山の朝 特ちらし 三色小どんぶり
今回選んだ食事は、「特ちらし」と「三色小どんぶり」。まぐろ、たまご、さば、あなご、いくら等がのった「特ちらし」は900円という値段の割にはボリュームもあり、満足感を得られたのだが、何故か焼き海苔が一緒についてきたのが、少々不思議な点だろうか。一方、「三色小どんぶり」は、日によってどんぶりメニューが異なるらしく、ちょうどこの日は「赤み丼」「桜えび丼」「あなご丼」であった。ひとつひとつの丼は小さめであるが、全て食べるとボリュームは満点、様々な味わいを楽しみたい人にはピッタリである。しかも、具も多めという点は評価できる。

こうして、2003年度 道の駅訪問における食事は「富士川楽座」で幕を閉じることとなる。

富士国際花園
到着時刻:12:02

富士国際花園のベゴニア「じゃぁそろそろ帰ろうか」って、時計を見ればまだ午前11時過ぎである。といっても、急な思いつきで決行した本日の旅、睡眠時間も不足気味のはずだ。ところが、あまりの寒さのため、眠気はすっとんでしまい、「富士国際花園のフクロウが見たい」等と我が儘を言い出したのは、なんと"ほし"・・・ではなく、"こあ"氏であった。そんな我が儘ならば大歓迎とばかりに、結局「富士川楽座」から「朝霧高原」方面へ逆戻りをすることとなってしまったのである。

「富士国際花園」といえば、道の駅「朝霧高原」の近隣にあるベゴニアとフクロウの鑑賞スポットであり、我々も過去に1度訪問したことがある。1年中、美しいベゴニアを観賞できるうえに、沢山の種類のフクロウたちを見られるとあっては、ついつい何度も足を運ばずにはいられない。
フクロウその1 フクロウその2 エミューに餌をあげよう
約40分ほどの時間をかけ、富士国際花園にやって来た我々は、入口で入館料を支払い、中へ進む。様々な種類のフクロウたちが、お待ちかねだ。ガラスごしにフクロウと人間のにらみ合いの時間が、なんともいえぬ心地良いから不思議なものだ。
屋外では、エミューなる巨大走鳥類の牧場があり、餌あげも可能ということなので、早速餌あげに挑戦した"こあ"氏は、エミューに追いかけられ、さぁ大変。人間の身長ほどの大きさがあるため、それはもう迫力としか言いようがないのだが、エミューは「エサだエサだぁ」と喜びを全身で表現しているようである。

餌あげといえば、カラフルなインコたちがいるエリアでも、客が液状の餌をあげることが出来るのだ。というわけで、今度は"ほし"が挑戦、いざカップを手に持つと、インコたちが「わーーーーーい!」と我先にといわんばかりにやって来る。頭や肩や腕にはインコたちで覆われ、それはもう驚きの瞬間だ。
インコに餌をあげよう 飼育員のお姉さんとフクロウ フクロウが飛ぶ!
更にもうひとつ、ここでの楽しみといえばフクロウのショー。1日に2回のショータイムの他に調教(餌付け)タイムもあるのだ。我々が今回観た調教風景では、フクロウが元気に飛んだり、せっせと歩いたりと、普段ではなかなか観ることが出来ない姿に、客も大喝采。飼育員のお姉さんの言うことをたまにきかないのはご愛敬といったところで、とにかく間近でフクロウに接する事が出来るのは、ここ「富士国際花園」ならではだろう。

こうして「年忘れ」的な小旅行は、これにておしまいである。富士国際花園で体力も、そしてデジタルカメラのバッテリーも使い果たした我々は、後はただ帰るしかなかったのである。というわけで、河口湖ICから中央道に入ると、渋滞に無縁なまま、あっさりと都内へ。だいたい、中央道の上り線を15時〜16時に走るということ自体、かなり珍しいため、「毎度、このくらいすんなりと走れれば、高速料金も決して惜しいとは感じないのだけどね」と、ついつい本音が口をついてでるのは、仕方がないか。

この後、慌てて年賀状を仕上げて郵便局に走ったというのは言うまでもない。

(本旅行記に掲載している写真は、"ほし"が撮影したものだが、「被写体もとめて何千キロ」Webサイトでは"今回、こあ"氏が撮影した写真群が掲載されているので、そちらも併せて御覧頂ければ幸いである。)

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最終更新日:2004年04月01日