スタンプラリーオフシーズン 道の駅巡り旅日記
冬を惜しみつつ雪解け間近な'越後'道の駅巡り紀行
新潟県編
2002年03月09日

つい先日まで寒さに震えながら過ごしていたというのに、気が付けば外の空気は春そのものではないか。それもそうだ、もう3月なのである。2月の中旬に北陸の道の駅を巡って以来、ほぼ1ヶ月ほど何処に出掛けるでもなく、ぼんやりとした休日を繰り返してきたような気がする。いや、ぼんやりと過ごさざるを得なかったといった方が当たっているだろうか。前回の旅日記でも少しふれているが、ETC(料金自動徴収システム)車載器だけでなくカーナビまで、まるで休養宣言が如くしばらくメーカーに預けることになってしまったのだ。更にタイミング良く、車の12ヶ月点検が重なり、旅の方もお預けという訳である。

え、車がなくても旅は出来るって?勿論、列車の旅もこれまた風情があってまた良いかと思うのだが、やはり道の駅巡りに列車を使うのはなかなか困難そうだ(おいおい、道の駅以外に旅は考えられないのか)。まぁここは車とカーナビが戻ってくるまでおとなしく待っているしかない。そうして気が付けば、あっという間に3月になってしまったのである。

2002年の春の訪れは、例年に比べても早く、外に出ると実に心地よい春の風が吹いている。東京では3月11日だったか、既に桜がちらほらと咲き出したそうだ。今年の春は早い、これはぼやぼやしているとあっという間に桜は咲き乱れ、3月終わりには散ってしまっているのではないだろうか。

そんな陽気の中、「春を感じに、房総辺りに出掛けるっていうのはどうだろうか」と"ほし"が口を開くと、渋滞嫌いの"こあ"氏にきっぱり拒絶され、菜の花畑を見る夢は妄想だけに終わることになる。そうして、結局何の計画もたてぬまま時間は過ぎていき、金曜日の夜になってふと頭に浮かんだのは、とある心残りであった。心残り、それは前回(2月10日)の夕刻、営業時間に間に合うつもりで一目散に向かった新潟県の日本海に面した道の駅「能生」である。あの時は冬期営業時間を知らず、18時までと思いこんでたどり着いたものの、まさしくただいま閉館準備中、という無様な結果に終わってしまった。

「そうだ、もう一度、能生に行こう」、あっけなく目的地は決まった。「能生」さえ満喫出来れば、あとは日没まで付近の道の駅をぽつぽつ廻れば良い、そんな安易な計画(いや、これは計画とは言わないだろう)のもと、そうと決まればさっさと睡眠をとっておかなければ、と慌てて床に入るのであった。

我々にしては珍しく、土曜日の日帰り旅となる。過去の経験上から、朝の高速道路は日曜よりも土曜日の方が混雑気味。おまけに前日、目的地を決定した時間が夜遅かったせいか、朝もすっかり寝坊、こんな状態では先が思いやられる。「能生にたどり着けるのは何時になるのだろう」ってまだ自宅を出発したばかりではないか。しかし、6時過ぎの空は既に明るく、なにやら交通量も多そうだ。思いつきで目的地を決めるのはお勧めしない、これがそのひとつの事例になりそうな予感である。


【宿出発時刻】06:02 【東京都下到着時刻】23:45
 色は新潟県の道の駅 
自宅/国道20号/国立府中IC/
中央自動車道(岡谷JCT)/
長野自動車道(更埴JCT)/
上信越自動車道(上越JCT)/
北陸自動車道 -能生IC/
(県)246号/国道8号
能生
09:43
国道8号/
北陸自動車道 能生IC-上越IC/
国道18号/国道8号/国道253号/
(主)43号/国道403号
雪のふるさと
やすづか
13:07
国道403号/(主)13号/国道403号/
国道253号/農免農道/国道252号
瀬替えの郷せんだ
14:50
国道252号/(主)12号/(県)219号 じょんのびの里
高柳
15:34
(県)219号/国道252号/国道117号/
国道252号/国道17号/(主)50号
ゆのたに
17:19

▼道の駅「能生」へのルート:
自宅から国道20号/国立府中IC/中央自動車道(岡谷JCT)/長野自動車道(更埴JCT)/上信越自動車道(上越JCT)/北陸自動車道 -能生IC/(県)246号/国道8号


朝6時を過ぎていた為、調布料金所はETCが使用出来ない時間帯に突入していた。そう、以前にもここで話題にしたとおり、調布ICは朝6時から数時間ほど、ETCが使用出来ない時間帯が設定されているのだ。今回の旅の目的のひとつに「ETCの動作確認」という項目も含まれていた我々としては、これはいただけない。「こうなったら、国立府中ICから高速道路に入ろう」と急遽変更、先を急ぐ。そうして、国立府中ICの料金所で無事にETC車載器が動作していることを確認するとホッと一安心、本線へと入っていったのであった。あぁ、こんな当たり前のことでいちいち心拍数が上がっていては、身がもたない。

ところが、その安心もつかの間、次なる試練が待ち受けていた。本線が現在どのような状況なのかは、ある程度の予想はしていたのだが、その予想をはるかに上まわる車の量。「6時過ぎに出発という点が今日の最大の失敗だね」と"こあ"氏は苦笑。そういえば、ここのところ5時出発が恒例化していたため、幾ら交通量が多いといってもそれほどストレスを感じる程ではなかった。ところが、1時間程出発を遅らせただけで、道路状況はまるで生き物のように変化している。

「まずいな、これでは本当にいつたどり着くか分からない」と"ほし"も徐々に不安が増してきた。実は、「能生」へ向かうにあたり、長野県の小谷村にある道の駅「小谷」を経由して行こうと考えていた。従って、上記のようなルートをとらず、長野自動車道 豊科ICでおりて国道147号,148号を延々と北上していき、小谷を経由して能生に向かう予定だったのである。あぁ、やはり1時間早く出発していれば、その計画通りに事は進められたのだろうが、この車・車・車の嵐に囲まれてそのルートも変更を余儀なくされる羽目になろうとは、なんとも情けない。
 
▽予定変更、高速道路で直接「能生」へ

「仕方がない、"小谷"を経由するのは諦めて、このまま直接"能生"へ向かうことにしよう」、そうして"ほし"はカーナビの目的地を設定しなおす。カーナビの案内が出るまでもなく、北陸自動車道「能生」ICまで高速道路を利用することは分かっていた。「痛い出費だ。」と深い溜息をつく"ほし"。それもそうだ。豊科ICから一般道を利用するか、はたまた限りなく日本海側である能生ICまででは料金の違いは歴然である。土産の量を減らして帳尻を合わせよう、とそんな事をぼんやりと考えながら外を眺めた。

こんな混雑の中、せめてもの救いは八王子料金所をノンストップ状態で通過したことくらいだろうか。交通量が多いせいか、料金所にも列が発生していたが、あいかわらずETCレーンは誰もいない。ってノンストップが売りのETC、トラブルでもない限り当然列が出来るはずもない。「しかし、これは本当に普及するのかねぇ」と思わざるを得ないETC、トラブルさえ無ければやはり快適なので、良しとしよう。

その後も交通量は一向に減る様子はなく、おまけに前方を走る外車が、ウィンカーも出さずに車線を行ったり来たりとかなり怪しい動きだ。というわけで前方を見てると妙に腹立たしくなってくるため、"ほし"は助手席側のウィンドウから外へと目を向けると、チラチラと富士山の頭が見えるではないか。そうだ、いつの間にか大月ICまで来ていたのだ。そういえば、いつも大月ICを通過する時は暗闇に包まれていることが多かったため、実に新鮮である。「雪化粧をしている富士山はやはり綺麗だね」とつかの間の感動を味わう。

 
やがて諏訪辺りまで来たところでやっと交通量も減ってきた、と思いきや、諏訪南IC出口が大渋滞になっている。「な、なんだあれは・・・」と長蛇の列に恐れおののきながらそのまま通過。更に道路上の電光掲示板には「松本−豊科IC渋滞2km」の文字が輝いている。まだまだ混雑との戦いは続くのか。ところが、岡谷JCTから長野自動車道に入り、松本ICを通過したにも関わらず、渋滞といえる程の混雑はみられない。よほど、山梨周辺を走っていた時の方が車の量は多かったような気がする。「一体、何処が渋滞というのだろうか」と首を傾げつつも走っていくうちに、渋滞の正体が見えてきたのである。

そう、それは、「豊科IC出口渋滞」であった。なんてことだ、もし、道の駅「小谷」を経由していくつもりだったとしたら、この延々と続く車の列に並ばなければならないところであったのだ。あれだけの車が皆、一般道に降りていったら、それこそ一般道の流れもノロノロであろうことは、容易に想像がつく。あくまでも「小谷に寄る」と意地をはらないで良かった、と心の奥底からホッと安心したのであった。

そうして、豊科ICを過ぎた途端に、前方を走る車はほとんどいなくなり、やっと快調なペースを取り戻す。しかし、上信越自動車道との分岐点である更埴JCTで、いきなりバックしてくる乗用車に遭遇、おいおい、何を考えているのだ、と回避しながらその場を通過。いくら道を間違えたからといって、バックしてくることは無いだろうに、全くもってとんでもないドライバーである。更に、信州中野IC、そして更に豊田飯田ICの出口も、豊科IC同様、大渋滞が発生。そろそろ冬の終わりを告げる陽気ゆえ、今のうちにスキーに行っておこう、という車が多いのかもしれない。

さて、信濃町ICが近くなると、周囲の風景も冬に逆戻りである。都内から長野県中部辺りまでは、すっかり春の風景が広がっていたのだが、やはり長野県北部から新潟にかけては、まだまだ冬の風景がたっぷり残っているのだ。道路脇にはしっかりと雪が残されており、まだ当分解けそうにもなさそうである。「おぉ、雪だよ雪!」とはしゃぐ"こあ"氏。まずい、そんなにはしゃいでいると、雪道求めて道路脇の雪に突っ込んで行きかねない。
 
▽新井PA(道の駅「あらい」)でトイレ休憩を

まもなく新潟県に入ると、ふと"ほし"が一言「トイレに寄りたい」。それは、「新井PAに寄りたい」ということを意味していたのだ。といっても、なにぶん先を急ぐ身としては、今回はただのトイレ休憩のみにとどめておくしかない。"ほし"的には、以前道の駅「あらい」で買った"かんずり明太子"に心惹かれていたものの、ここはグッと我慢、またの機会にしよう。そうして、新井PA入口が見えてくると、吸い込まれるように入っていく。

新井PAの駐車場は数カ所にわたって存在するが、我々は本線にほど近い駐車場へ車を停めると、そこには一台も車が停まっていない。これまで幾度となく高速道路のSAやPAを利用してきたが、誰ひとりとして停まっていない駐車場を見るのは、我々にとっては珍しい経験かもしれない。といっても、売店施設等に近い側の駐車場に皆行ってしまうだけのことだろうが。

いざ、トイレへ向かうべく車を降りると、ひんやりとした冷たい空気が肌をさす。「うわっ、寒いや」、と慌ててトイレに駆け込む。トイレの評価をする為に立ち寄った訳ではないのだが、ついついトイレに入ると清潔度を見て廻ってしまう変なクセがついたらしい。幸いなことに、新井PAのトイレは、非常に清潔感漂う好印象なものであった。

駐車場から見える山々は、皆真っ白な雪を纏っており、青い空とのコントラストが非常に美しい。しばし、誰もいない駐車場で冬を満喫するのも良いものだ。おっと、のんびりもしていられない、と我に返ると慌てて車に乗り込み、本線へと戻っていった。

その後、特に渋滞らしきものに遭遇することなく、あっという間に上越JCTを経て北陸自動車道へやって来た。よくよく考えてみれば、この冬は北陸に縁がある、と思い返してみる。夏から秋にかけて、関東と東北を廻るのが恒例となってしまった為、冬の間だけが唯一未知の駅との遭遇になり得るのだ。今シーズンは岐阜と北陸に重点をおいたが、果たして来シーズンは何処へ行くのやら。そんな話をしていると、見えてきたのは能生IC。

そういえば、能生ICの料金所にはETCレーンが無い。我々は、ETCカードを料金所の職員さんに渡すと、言われたくない一言を浴びる。「あれ、通行券はありませんか」、この言葉がETCの普及率の低さを物語っている。"こあ"氏は「ETCで入りましたから」とこれまた毎度の一言を職員さんに訴えると、「あ、そうですね」と慣れない手つきで処理をする。すると、意外にも"こあ"氏は職員さんに「ETCってまだ珍しいですか」と話しかけているではないか。職員さんも「えぇ、まだほとんど見ませんねぇ。」と苦笑いをしながらETCカードとレシートを"こあ"氏に手渡す。更に「随分遠くからいらしたのですね。お気をつけて」と職員さんの暖かな言葉を貰うと、我々は「どうもありがとうございます」と会釈をしながら一般道へと出た。

2月にも走ったばかりであるこの道をまた走ることになろうとは、能生の「カニ」に対する"こあ"氏の執念はよほど根深いのか。国道8号に出ると、道の駅「能生」まではあともう一息だ。漁港の街並みを肌で感じながら約2km強の道のりを急ぐのであった。

 
 
「能生」カニ屋横丁は今日も元気?圧倒されっぱなしの我々 (新潟県能生町)
到着時刻:09:43 スタンプ設置場所:観光案内カウンター上
前回訪れた時は既に閉館時間だったためか、駐車台数も少なかったのだが、今回は逆に賑わう時間にしては早すぎたか、駐車場のスペースはまだまだ余裕に満ちた状態。ここでホッとひと安心、というのは道の駅に失礼にあたるが、早速駐車場に車を停めると散策を開始。

前回の「能生」訪問時と内容的には重複するが、一応概要を説明しておこう。道の駅「能生」は、またの名を「マリンドリーム能生」。カニを中心とした海の幸たっぷりの各物産店、海鮮料理を中心とした和・洋食レストラン数店舗、更に資料館や公園、キャンプ場等、豊富な施設群が揃っている。物産館横にズラリと並ぶ店舗群は「カニ屋横丁」、その名のとおり、カニを扱う直売所が幾つも並んでいるのだ。
カニ屋横丁等のお楽しみは後にとっておくとして、まずは売店群の裏手に位置する海洋公園から歩いてみよう。雄大な日本海が一望出来るこの公園は、歩いているだけでも気持ちが良い。所々に配置された不思議なオブジェに、その都度足をとめながら散歩をしていると、実にリラックスしてくる。

「いいねぇ、ここでしばらく昼寝がしたくなるよ」とすっかりくつろぎ感丸出しの"ほし"、おいおいまだ来たばかりではないか。子供向けのアスレチック施設や展望台もあったり、更に青い空の下で白い風車が非常に映えており、なかなか絵になる風景。
さて、待ってましたと言わんばかりにカニ屋横丁へと足を運んでみる。と、一足先に向かっていた"こあ"氏がなにやら店の前で店員さんに捕まっている。よくよく見ればその手には、「カニ」の足。なんと、"こあ"氏は早速試食していたのである。"ほし"が近づいていくと、すかさず店員さん、カニの足をポキッと折って「ほら、あなたもどうぞ」と差し出す。おぉ、積極的な営業だ。

その後も、立ち寄る場所全てにおいて、「試食してみてよ。どう?美味しいよ」と、店員さんに声をかけられる"こあ"氏。その少し後ろをカメラのファインダーを覗きながら笑う"ほし"。いやはや、声をかけられた"こあ"氏もその都度食べているらしく、すっかり試食を満喫している。それにしても、ここの営業パワーは並ではない。中には、名刺を渡して「何処にでも配送するから、是非検討してね」という積極さ。さすがにあちらこちらで試食を勧められ、食べきれなくなった"こあ"氏、「隣で頂きましたから」とやんわりと断ると、店員さん「隣も美味しいけど、こっちも美味しいよ」と負けない一言。

これからの時代、ただ座って客が来るのを待っていてはいけないのだ。ここにいるだけで、営業パワーを貰ったような気がしたりも。鮮魚センターには、カニの他、様々な鮮魚や海産加工品が並ぶ。店舗の奥にはみそ汁の試食もあり、店員さんが「銀葉草をみそ汁にいれると美味しいのよ」と声をかけてきた。どれどれ、と海草好きの"ほし"は早速、その銀葉草のみそ汁を頂いてみると、確かに銀葉草のコリコリっとした感触とナメコにも似たぬめりが美味しい。つい、隣で同じく試食をしていた女性と「美味しいですねぇ、これ」と思わず会話を交わす。
さて、次はおみやげコーナーへ行ってみる。"ほし"が軽食コーナーやら観光案内所を見ている間、気が付けばまた"こあ"氏がいない。何処へ行ったのかと見回すと、今度は地酒即売コーナーで販売員さんと話し込んでいる"こあ"氏の姿があった。その「地酒即売コーナー」、幟をみると「加賀の井」と書かれている。「え、加賀といえば石川の、あの加賀?」と不思議そうな顔をしていると、丁度店員さんが"こあ"氏に「じゃぁ、飲んでみませんか」と酒を勧めている。"こあ"氏「いや、私はアルコールは飲まないのですが・・・」とやや遠くからその様子を眺めていた"ほし"に手招きする。

「ハーイ、待ってました!」とそそくさと近づく"ほし"、早速販売員さんから地酒をコップに注いでもらう。最初は冬の時期のみ販売という酒を飲んでみたのだが、"ほし"的にはややクセがある口あたりに感じ、「うーん・・・」と無言。続いて、加賀の井の原酒を頂いたところ、「これ、美味しい」とパッと顔が明るくなる。「これは結構若い人に人気があるお酒なんですよ」と販売員さん。"こあ"氏も、そして"ほし"もその言葉に苦笑い(もう、若くないわい!と"こあ"氏の心の突っ込みが聞こえる)。この「加賀の井」は、新潟県の糸魚川市にある酒造、創業は江戸時代という歴史あるところなのだ。販売員さんも非常に礼儀正しく、印象の良い人ゆえ、先程の試飲の味にそれがプラスされたのかもしれない。
次におみやげコーナーに足を踏み入れると、いきなり我々に向かって「ありがとうございます」の声が聞こえてきた。「え?」、それは驚きもするだろう。普通、店に入ったら「いらっしゃいませ」ではないだろうか。まぁ気にしても仕方がない。そのまま店内をあれこれ見て歩く。やはり「能生」といえばカニ、それを象徴するかのごとく、カニラーメンなるものを発見。その他、能生町はよもぎが名産らしく、よもぎ製品も並んでいる。菓子類も豊富に取り揃えており、購入する客も多いようだ。

ひととおり見て歩き、買い物も済ませると、お待ちかねの食事である。実は、何処でだったか、「能生」ではカニ食べ放題がある、という情報を聞いたのだが、どうもそれはイベント時のみらしい。3月30,31日にはこの道の駅「能生」で日本海はま汁祭りが開催されるのだが、30日にはカニ食べ放題もあるのだとか。ところが、能生の職員さんに話を聞いてみると、このカニ食べ放題は整理券を配る程の人気で、よほど気合いを入れないとカニ食べ放題にはありつけることは到底出来ないようだ。
かなり以前から「能生」に行けばカニ食べ放題が楽しめると思いこんでいた"こあ"氏としては、かなり残念な事実であるが、その代わりに今日は食事処で、カニを存分に味わってもらおう、と食事処を選別する。しかし、1階の食事処(洋食・和食)は軽食コーナーを除き、いずれもまだ開店していないらしく、必然的に2階の「番屋」なる食事処で食事をすることに決定。

よくよく考えてみたら、まだ11時前なのである。昼食タイムには少し早すぎたのかもしれない。といっても、2階の番屋は既に開店しており、食事も可能である。我々は喜び勇んで店内へと入ると、座敷と大テーブルしか無いことに気づく。まるで居酒屋のような雰囲気だが、我々は靴を脱いで座敷へ上がった。
さて、何を食べよう、とメニューを開くと、"こあ"氏はカニ料理を探す。すると、「カニづくしセット」なるものを発見。しかしこれが3500円と割と高価な料理ではないか。さすがの"こあ"氏もその価格に躊躇していたが、そう何度もこの「能生」まで来られる訳ではないのだ。ここは奮発して"こあ"氏にカニをしっかりと食べて貰おうではないか、と"ほし"もしきりに勧める。と"こあ"氏「じゃぁ、カニづくしセット2つ?」と言いそうになるので、"ほし"は慌てて「いやいや、私はさしみセットにするよ」と訂正。予算を気にして、という訳ではないのだが、きっと"こあ"氏が食べきれずにギブアップしたおこぼれを貰えるに違いない、と読んでいたのである。

そうして、しばらく料理を待っていると、まずカニづくしセットのひとつである小型のボイルカニが1杯、皿にのってやってきた。"こあ"氏の顔がパァーっと明るくなり、実に嬉しそうだ。「そ、そんなに食べたかったのか、カニ・・・」とやや呆れ顔の"ほし"ではあるが、とりあえず撮影を済ますと「先に食べなさい」と"こあ"氏を促す。
やがて、"ほし"にさしみセットがやって来た。すると店員さん、いきなり「取材ですか」と"ほし"に聞いてきたではないか。どうやら、カメラを構えていた姿を目撃されたのだろう。すかさず「これ、趣味なんですよ。」と頭を下げる。店員さんはニコッと笑いながら「なるほど」と言いながら料理を置いていった。

"ほし"が注文した「さしみセット」は、この「番屋」でのおすすめセットのひとつ。勿論、「カニづくしセット」も同様だが、さしみセットのほうはお造り5点盛りプラス甘エビの刺身、旬の魚ということで今回はブリの焼き物、そして小鉢とみそ汁で構成されている。量的にも質的にも満足のセットである。
しかし、やはり"こあ"氏が頼んだ「カニづくしセット」にはかなわない。まもなく運ばれてきたその内容を見ると、カニの天ぷら、カニちらし、カニ汁、甘エビの刺身、旬の魚はさしみセット同様にブリの焼き物、そして小鉢というかなり豪華な構成だ。「これ、本当に食べきれるの?」とつい言わずにはいられない量に、"こあ"氏も苦笑。"こあ"氏的なお薦めは、"カニちらし"らしい。ほぐしたカニの身がそれはもうたっぷり酢飯にのせられており、これだけでも満足とか。ところが、カニ好きな"こあ"氏がひとつ苦手なものがある、それがカニ汁である。以前、数度にわたってカニ汁を飲んで食あたりを起こしているため、それ以来トラウマとして心に焼き付いているのだ。

というわけで、カニ汁は"ほし"の元にやってきた。カニ汁だけでも飲みたいという客もいる中、なんとも勿体ない話だが、おこぼれを頂いた"ほし"は早速カニ汁を頂く。カニ汁は磯の香りが強く、ある種独特な風味をかもし出しているが、番屋のカニ汁はかなり飲みやすい。

全ての料理を平らげるまで、一体どのくらいの時間を要しただろうか。気が付けば、12時を過ぎ、当初は2〜3組の客しかいなかった番屋の店内も賑やかになっている。そろそろ出発しようか、と"ほし"が会計を済ませるべく、レジへと立ち寄ると、店員さん「良い写真は撮れましたか」とにこやかに話しかけてきた。「えぇ、おかげさまで。とても満足いくお食事を頂きました」とお腹を叩きながら"ほし"が答えると、「是非またおいでくださいね」と深々と頭を下げ、店員さんは我々を見送った。

このようなちょっとした心遣いが、客にとっては大きな印象となって残る。その点を、道の駅「能生」はかなり心得ているようだ。

再び1階に戻ってくると、店内を歩く客の数もかなり増えている。外に出れば、いつの間にか駐車場にはズラリと車が停まっているではないか。昼過ぎて立ち寄る車の量も一気に増えたらしい。ということは、我々は昼過ぎてもまだ1箇所の駅にとどまっていたということか。「これって、長居し過ぎたということだよね」、そのとおりである。
 
 

▼次なる道の駅「雪のふるさと やすづか」へのルート:
能生から国道8号/北陸自動車道 能生IC-上越IC/国道18号/国道8号/国道253号/(主)43号/国道403号

「今からだと、何時ものように何カ所も道の駅を廻るのは難しそうだね」と"こあ"氏が時計を見る。「今日の主たる目的は"能生"を満喫することだったのだから、廻る駅数にはこだわらないよ」と珍しくのんびりとした表情で"ほし"が答える。何時もだったら、さぁ次行くぞ次、とけしかけるはずなのだが、どうしたというのか。

さて、「能生」を出ると我々が次に向かう先は、日本海から離れて内陸側に位置する安塚町の道の駅「雪のふるさと やすづか」である。この駅は2001年夏に道の駅として登録されたばかりの駅なので、カーナビにも位置情報は入っておらず、またいつも愛用している100円地図にも掲載されていない。ということは、住所だけを頼りに向かうことになるのだ。ほのぼのとした駅の名称に、未知なる駅に対する期待も膨らむ。
 
▽時間短縮のため再び北陸道を利用し、上越へ

国道8号を上越方面へ走っていく方法もあるのだが、結局なんだかんだと言いながら時間を気にしだした我々は北陸自動車道を利用して、上越ICまで向かうことにする。前回のようにあと数十分早くたどり着いていれば、営業時間内に間に合ったのに、なんてことにはなりたくなかったからである。え?今日は廻る駅数にはこだわらないのではなかったのではないかって。あぁ、確かに5分程前にはそんなことも言ったような気がする。

結局、「能生」から逆戻りをする形で、能生ICまでやって来ると北陸自動車道にのり、上越ICを目指したのであった。「全くもって今シーズンは北陸自動車道と縁があるな」なんて言いながらトンネルを越えると、名立谷浜SAに立ち寄りガソリンを補給。"こあ"氏は、先程食べたカニの匂いが手にこびりついてどうにも気になって仕方がないとかで、トイレに走る。しばらくして、石鹸で手を洗ってきたはいいが、匂いがとれるどころか石鹸の香りと相まっていよいよ不快を誘う匂いになってしまったらしい。手を鼻に近づけながら、「うわっ、くさっ」と渋い表情の"こあ"氏を見て、思わず笑わずにはいられない。

本線に戻ってからも、"こあ"氏はなにやら話に夢中で、危うく上越ICで高速道路を降り損ねるところであった。いや、"こあ"氏はもしかしたらカニを食べてすっかり満足し、後はどうでも良くなっているのかもしれない。"ほし"は一抹の不安をおぼえながら、慌てて「ほら、上越ICで降りるんだよ」と叫ぶ。こんな調子では、朝方目撃したJCTをバックで走る無謀車のことを笑えないではないか。

 
▽上越市から浦川原村を経て安塚町へ

そんな調子であっという間に上越ICをおりると、国道18号及び同8号を介して国道253号をしばらく走ることになる。国道18号や8号は交通量も多く、道自体も整備されているのだが、いざ国道253号に入ると、のんびりとした片側1車線道路が続く。民家や田園風景を楽しみながら、しばし東へと進むと、虫川交差点から主要地方道43号安塚町方面へと南下だ。

この主要地方道43号をそのまま直進すれば国道403号、いつの間にか安塚町に突入しているのだが、さすが「雪のふるさと」だけあってか、周囲にはまだ雪がかなり残されており、あちらこちらに巨大な雪だるまのような崩れた球型の固まりが置いてある。「あれ、元々は雪だるまだったのかな」と何回指をさしただろうか、他にも観光地の場所を指し示す案内看板に雪だるまがデザインされていたりと、実に雪のふるさとをアピールしている。

「3月も中旬を迎えて、もう冬を感じることは出来ないと思っていたけれど、やはりここは雪国なんだね。」としみじみと実感しながら国道403号を南下していくと、やがて右手に巨大な雪だるまのオブジェが見えてきた。


 
 
「雪のふるさと やすづか」巨大な雪だるまが出迎える駅 (新潟県安塚町)
到着時刻:13:07 スタンプ設置場所:雪だるま物産館内
その巨大な雪だるまのオブジェこそ、道の駅「雪のふるさと やすづか」の目印である。我々は早速敷地内に進入すると、車を停める。交通量が少ないせいだろうか、車も数台しか停まっていない。

道の駅「雪のふるさと やすづか」は前述のとおり2001年夏に登録された新しい道の駅だ。といっても、メイン施設である「雪だるま物産館」は以前から営業していたらしく、カーナビの地図にも「道の駅」としてではなく「雪だるま物産館」として掲載されていた。物産館のすぐ裏手にはハーブカーデンがあるのだが、我々が訪れた冬期はすっかり雪で覆われて、虚しくも看板だけがハーブガーデンであることを伝えてくれているようでもある。また、4月から10月の間は雪室と呼ばれる雪中貯蔵施設で野菜等を保管しているらしく、夏休み期間に限り雪室の見学も出来るとか。雪の季節に訪れると、雪は当たり前だが、ここを訪れる場合は夏の方が感動も多いのではないだろうか。やや残念である。
さぁ、早速「雪だるま物産館」へ入ってみよう。入口で石焼き芋屋さんが寂しげに客を待っている。先程昼食をとったばかりゆえ、さすがに胃に隙間は無いな、と申し訳なさげにその横を通り過ぎ、いざ入口の扉を開ける。1フロアが広く、手前に物産販売コーナー、そして奥に食事処が設けられている。最も奥には「雪室」見学コーナーがあるのだが、前述したとおり冬の間は閲覧不可。

特産品の配置も陳列棚が皆低めなため、圧迫感を感じさせないのが良い印象だ。
そんな中、あれこれと商品を見ていく。安塚の名産のひとつであるコシヒカリ「ぎんしゃり」「きんしゃり」の他、「餅丸長者」なる餅パックも心そそられる。

よくよく考えてみたら正月以外はなかなか餅を食べる機会も少ないため、こうした「餅」パックが年中販売されているのは結構嬉しいものだ(いかんせん、スーパー等でも正月以外はあまり餅パックを見かけない)。また、漬け物や酒等も並び、安塚の特産品が実にあふれている。
「雪だるま」が安塚の町のキャラクター化しているようなので、もしかしたら雪だるまグッズでもあるかと思いながら、少し探してみると、手作りらしいミニチュア工芸品を発見。

雪だるまの置物等は非常に可愛らしいのだが、無造作に扱っていると破壊行為に及んでしまいそうで少々怖い。
というわけで、あれこれ店内を散策し、買い物を済ませると、久々に食べたい一品を発見。それは、自然素材ジェラートなるものだ。冬の間はどうもジェラート等を買う機会も少なかったのであるが、やはり「食べたい」気分にさせてくれるということは、そろそろ冬も終わりなのだろうか、なんて感じたりもする。この駅のジェラートは、原料にそばが使用されていることがウリであったりするが、そばアレルギーの人はご注意下さい旨の内容の注意書きがカウンターに掲示されていた。確かに、アレルギーをもつ者が知らずに食べるのは非常に危険ゆえ、このような掲示は特に必要なことだろう。

さて、抹茶やコーナー等の種類があるなかで、"ほし"は正統派(というのか)フレンチバニラを選んでみた。さぁ、どんな味なのだろう、と1口パクッ。「うわっ、確かにそばの味がする」としっかりと実感できる味だが、バニラの程良い甘さとマッチしている。アイスクリームが口に合わなければ決して1口以上は食べない"こあ"氏が数口食べているということは、万人受けする味ということかもしれない。

食事処の椅子に座って食べていると、雪室の紹介パネルが目に入ってきた。「ところで雪室って何処にあるのだろう」、確かにそれらしきものが見当たらない。食事処の横に雪室の見学施設があるので、その奥にあるのだろうか、といろいろ想像もしてみたが、パネルに書かれた図と照らし合わせると「うむ、どうも違うみたいだ」。結局、店員さんに聞いてみよう、ということに話は落ち着き、ジェラートを口に押し込む。
「すみません、雪室って何処にあるのですか」、すると店員さん「この建物のすぐ後ろにあるのですけど、今の時期はまだ雪を無造作に置いてある状態(写真)なんですよ。」と教えてくれた。「そうなんですか、夏の間は雪室の融雪水を利用して館内の冷房を行っているのですよね。効果はいかがなのでしょう」と再び我々の問いに、店員さんは嫌な顔ひとつせず、「そうですねぇ、どちらといえば身体に優しい冷房って感じですよ。ある程度の湿気があるので、肌が乾燥することなく、冷房病なんて皆無ですね」と語ってくれた。

雪を利用して貯蔵や冷房に利用するとは、やはり豪雪地帯ならではの活用法だ、と納得しながらお礼を言ってその場を後にする。
おっと、スタンプを押すのを忘れるところであった。スタンプは、特産品販売コーナーの片隅に置いてあり、その横にはインターネット無料体験コーナーなるものもある。え?どれが端末か、とよくよく見ればポツンとノートPCが一台置いてあるではないか。使用方法も、電源を投入するところからしっかりと記載されており、なかなか親切(といっても、電源を入れてWindowsが起動するのを待つのは結構時間がかかりそうか)。しかし、インターネット無料体験といえば、だいたいデスクトップPCがドンっと置いてあるところが多いなか、ノートPCというのはなかなか珍しい。

結局、この駅でものんびり過ごしてしまった我々は、今頃になって慌てて店を後にし、ばたばたと車に戻ったのであった。
 
 

▼次なる道の駅「瀬替えの郷せんだ」へのルート:
雪のふるさと やすづかから国道403号/(主)13号/国道403号/国道253号/農免農道/国道252号

次に向かうは、安塚町から北東方面に位置する川西町の道の駅「瀬替えの郷せんだ」である。途中、松代町の道の駅「まつだいふるさと会館」の横を通過していくことになるのだが、今回は立ち寄ることなく直接「瀬替えの郷せんだ」へ向かうつもりだ。
 
▽まずは残雪の山道を走りながら松代町へ

というわけで、「雪のふるさと やすづか」を出た我々は、国道403号から主要地方道13号を松代町方面へ入ったは良いが、この道はところどころすれ違い不可な山道であった。しかし、国道403号松代町方面へのショートカット的な道ゆえ、この道を避けては通れない。そのせいか、道自体はしっかりと除雪もされており、決して走りづらい訳ではない。

そうして約7km弱程の山越えの後、国道403号に復帰すると、道路両脇が雪の壁に覆われた風景を見ながら、「新潟はまだ冬の風景が楽しめる場所なんだ」と冬の名残をしばし楽しむ。しかし、片側1車線ずつの走りやすい道路が続くと思いきや、またしても山道に突入、しかも、たまに路面にうっすらと雪が残っており、こんな点にもまだまだ冬を感じたりも。「スタッドレスタイヤからノーマルタイヤに履き替えてなくて良かったね」と"ほし"は苦笑。と、"こあ"氏は「まぁこの程度だったら、ノーマルタイヤでも十分通れる道だけどね」とサラッと言い返す。

やがて国道253号へ入ると、すぐに松代町だ。右手を見れば道の駅「まつだいふるさと会館」、またいつの日か立ち寄るからね、と目で追いながらそのまま通過。この周辺の道は緩やかなコーナーが続く快適な道が続き、走っていても気持ちがよい。しかし、この先で問題勃発だ。

 
▽冬期は通行止めに注意!やむなく十日町市経由で川西町へ

次なる道の駅「瀬替えの郷せんだ」がある川西町へは、この先左折して国道403号を北上するルートが効率的だ。ところが、一部冬期閉鎖区間がある。冬のドライブはこれがあるからルート選びも制限されるのだ。ところが、国道403号の入り口の看板に書かれた地区名だけでは、どの辺りが閉鎖区間なのかがわからず、つい国道403号へ入ってしまう我々。

「看板には、中子から小脇区間って書かれていたような気がするのだけど、それって何処だ?」と慌てて地図を見る"ほし"。おいおい、よくよく地図を見れば、その「中子」という地名はこのすぐ先ではないか。「Uターンして!」とこれまた慌てて"こあ"氏に指示をし、すごすごと戻る羽目になる。

しかし、この国道403号が使えないとなると、川西町へ向かうには遠回りをしなければならない。結局、一旦国道253号を東方面である十日町方面へ走り、適当な箇所から北上し、国道252号に出たら西へと走るという、カタカナのコの字を描くような非効率ルートをとらざるを得なかったのである。

「とほほ・・・だね」と言いながらもそのまま国道253号を十日町方面へと走り出したは良いが、次なる試練は「薬師トンネル」なる距離的に割と長めのトンネル。とにかくこれが暗い、おまけに臭い。何が臭いって排気臭いのだ。前方が霞んで見えるのは、まさか排気ガスのせいではあるまい、と思いつつもしばし長い暗闇を耐えて走るしかない。この道を夜間通るのは、怖いような気もするのだが、どうなのだろう。

更に東方面へと進み、主要地方道49号を北上すると思いきや、その手前に農免農道があり、こちらにて北上。農道ファンの我々としては、この選択は間違っていないと確信する。周囲は雪に覆われた田園風景、その中を真っ直ぐと続く農道は快適そのものである。約5km弱の道のりを走ると国道252号に出てきた。この国道252号に出れば、あとは道なりに西へと走っていけば、道の駅「瀬替えの郷せんだ」に着くはずである。

山あいの快適な道が続くなか、しばらく走っていくと「瀬替えの郷せんだ1km↑」の看板が見えてきた。


 
 
「瀬替えの郷せんだ」地域密着型の交流館?冬の間はやや寂しいような・・・(新潟県川西町)
到着時刻:14:50 スタンプ設置場所:仙田体験交流館外公衆電話コーナー横
更に1kmの距離を走ると右手に道の駅らしき建物が見えてきた。ところが、1km手前には道の駅の案内看板が設置されていたはずなのに、建物横に面した道路上には恒例の案内看板が見当たらない。「・・・」無言のまま途方に暮れる"ほし"、しかし北陸の駅巡りをしていると、何カ所かは手前だろうが建物横だろうが、看板はひとつも設置されていないところもあるため、今更驚きはしないのだが、やはりあの看板の役目は大きいと感じている。なにしろ、看板が無いと道の駅と認識出来ない場所も多々あるからである。

といっても、この道の駅「瀬替えの郷せんだ」の入口には、巨大なオリジナル目印看板が建てられているため、救われる。我々は早速駐車場に車に入ると、正面の建物を見上げた。
道の駅「瀬替えの郷せんだ」は、仙田体験交流館をメイン施設とした小規模な駅である。建物的には決して小さいという訳では無いのだが、施設内容的にこじんまりとした印象が強い。

物産販売コーナーやコミュニティーホール(休憩コーナー)、会議室、体験工房等から構成されるのだが、観光客対象というよりは、地域住民の為の施設ではないかと感じるのだが、我々が訪れたのが丁度冬期ゆえ、訪れる人が少なかったからであろうか。
早速、交流館に入ってみたは良いが、物産販売コーナーといっても入口の通路に野菜が少し並び、また、コミュニティーホールの壁際に工芸品、農産加工品等が少し置かれているだけであり、我々としては少々拍子抜けであった。

おまけにコミュニティーホールのすぐ隣の会議室ではなにやら人が集まり、会議を行っている様子。
会議をしている中のひとりが、コミュニティーホールの方をジロッと睨み、「うるさい」と言わんばかりに扉を閉める。まぁ、我々が騒いでいる訳ではないのだが、ホール側にそれなりに人がいれば、自然とざわつくのは仕方がないだろう。休憩スペースと会議室が近い位置にあるというのも、構造的に多少問題があるような気がしてならないのは、"ほし"だけであろうか。

結局、たいした散策も出来ぬまま、交流館を出る結果となってしまった。やはり、冬の間は扱う商品も少ないため、寂しく感じるのは仕方がないことなのかもしれない。
館内をあれこれ探して結局見つからなかったスタンプだが、これは交流館の左端に設置された公衆電話コーナーの横に置いてある。よくよく見れば、外壁に公衆電話マークと道の駅スタンプマークが記された札が掲げられているではないか。スタンプ場所が分かるように、マーク化して掲げられているのはユニークである。

少々物足りない感覚を残しながら「次行こうか」と車に戻った我々であった。
 
 

▼次なる道の駅「じょんのびの里高柳」へのルート:
瀬替えの郷せんだから国道252号/(主)12号/(県)219号

次に向かうは「じょんのびの里高柳」、川西町のお隣である高柳町にある道の駅である。「瀬替えの郷せんだ」からならば、約15分程で到着する近隣の駅だ。しかし、この「じょんのびの里高柳」も2001年に道の駅として新たに登録された駅ゆえ、カーナビの地図にも掲載されていない。「この、じょんのび村というのが道の駅ってことかな」と地図と照らし合わせながら、しばし悩んだのだが、行ってみるしかない、と車を発進させた。
 
▽川西町から高柳町まで順調に走るはずが?

さて、国道252号を約5km程走ると、前方に県道219号の案内と共に道の駅「じょんのびの里高柳←2km」の看板が見えてきた。「あれ、じょんのびの里高柳って主要地方道12号沿いではなかった?」と今、目の前に見えている現実と、既に頭の中にある情報との食い違いに、我々はすっかり困惑する。結局、看板を無視して通り過ぎると、その先にある主要地方道12号の案内に従って左折する。これが吉と出たか凶と出たかは、この数行後に分かるだろう。

主要地方道12号を1.5km程走ると、なにやら分かれ道にさしかかる。しかし、どちらが12号なのかは標識も出ていない為、分からないまま、道なりに走ってしまったのである。これがいけなかった。幾ら走ってもそれらしき建物は見えてこない。「ねぇ、道を間違えているみたいだけど・・・」、おいおい、カーナビを搭載しているだろうに、それでも間違えるか、と自問自答をしながら、「はい、Uターン」。一体、今日は何度Uターンをすれば気が済むのか。

結局、主要地方道12号にまで戻ってきたは良いが、「先程見た"県道219号を左折せよ"、という看板の方を信じた方が良かったのではないかな」という一言で、今度は県道219号に入るべく走る。すっかり迷走状態に陥った我々ではあるが、無事に県道219号に入ると、まもなく道の駅「じょんのびの里高柳」の案内看板を発見。その看板が指し示す細い道へと進むと、まもなく見えてきたのは「県立こども自然王国」の看板。

「あ、あれ?道の駅の入口とは違うのだろうか」とこれまた看板文字に翻弄されながら、一旦通り過ぎたのだが、それ以降は田園風景が続くだけである。「あの"県立こども自然王国"と書かれた看板のところだよ、きっと」とまたしてもUターン、あっさりとたどり着くかと思いきや、やはり初めて訪れる場所には迷いがつきものである。


 
 
「じょんのびの里高柳」高柳の特産品は元気いっぱい!温泉人気の駅(新潟県高柳町)
到着時刻:15:34 スタンプ設置場所:2002年4月以降設置
やっとたどり着いたとホッとしたのもつかの間、駐車場はかなり混雑気味。施設内容が豊富なだけに人気も高いのだろうか。

この道の駅「じょんのびの里高柳」は、前述のとおり2001年夏に新しく登録された駅。「じょんのび村」なる総合観光施設として、宿泊・温泉施設・物産館・食事処等から構成される。隣接して、子供が自然と戯れるような数々のプログラムが用意された子供の為の総合(宿泊・研修等)施設「県立こども自然王国」がある。

温泉ブームはここでも健在なのか、多くの客で賑わっている。また、雑誌等でも取り上げられ、人気度は一層アップしているようだ。
さて、早速敷地内を歩いてみることにする。が、食事処である「銀兵衛」は、なんと1月〜3月は土日祝日のみの営業、しかも15時までと営業時間も非常に短い。

「準備中」の看板を寂しく眺めながら、そのまますごすごと隣の物産館「百菜館」の扉を開ける。店内は昔ながらの日本情緒あふれる造り、そこには高柳町の特産品がそれはそれは多数並んでいる。
特に目立つのは「じょんのびの里豆腐」、訪れる人がひとりで何丁も買っていく人気の豆腐のようだ。この豆腐は、百菜館の豆腐工房で造られる手作り商品、なるほど、そういえば"がんも"や"おから"等も一緒に並んでいる。その他、米や菓子類、山菜等も「高柳」を強くアピールしながら販売されているのだ。高柳町は特産品的にもかなり元気な町らしい。

"ほし"も早速「豆腐」を買って満面の笑みを浮かべながら、店を後にする。「豆腐って持って帰るが大変じゃないの?」と"こあ"氏の心配げな顔に、「大丈夫大丈夫」と根拠の無い自信に満ち満ちながら、さっさと次の建物「萬歳楽」へと入っていく。
ところが、この「萬歳楽」、よくよく考えてみたら温泉施設付きの宿泊施設、入口で靴を脱いで入る形式である。これは温泉を入らない客にとってはかなり敷居が高い。というよりも、温泉や宿泊以外の客はあまり立ち寄る理由が無いのではないか、と思われそうだ。

ほんの少しだけためらった後に、"ほし"は入口でフロントの人に「すみません、売店をちょっと覗きたいのですけど、いいですか」と聞いてみると、「どうぞどうぞ」と招き入れてくれた。
「萬歳楽」の売店も基本的には「百菜館」に並んでいた商品と同様のものを扱っているが、こちらは温泉施設がある、という点からタオル等の商品も置いてある。更に、「百菜館」では扱っていなかった商品で"ほし"の目をひいたもの、それは「じょんのびの里」ワインであった。赤・ロゼ・白、各ハーフ・フルボトルが揃っており、気合いの程が伺える。

しかし、各所を歩いてみたものの、スタンプが見当たらない。これ以上探しても見つけられないと観念した我々は、会計を済ませながら店員さんに聞いてみることにした。「スタンプって何処にありますか?」、すると店員さんは申し訳なさそうに「スタンプは、まだ置いていないんですよ。4月になったら役所のほうから渡されると思うのですけど。」と話す。確かに、「じょんのびの里高柳」は道の駅として登録してまだ間もないゆえ、それも仕方がないだろう。

外にはまだ雪に覆われた場所も多く、散策不可な場所もあったため、いずれまた雪の無い時期にでも訪れなければ、と課題を残す結果となった。ただ、純粋に休憩目的でこの駅に立ち寄る場合は、気軽に利用出来る休憩場所が無いため、特に冬の期間は辛い。"こあ"氏は駐車場に戻る際に、「道の駅という名を持つならば、やっぱり休憩場所はある程度確保して欲しいよ」と厳しい意見を語る。道の駅として1から設計された場所は、道路情報コーナーを兼ねた屋内休憩所を設けている場合も多々あるが、元々から営業していた施設を道の駅として登録する場合は、それもなかなか困難なのだろう。

雪どけ後であれば、公園で休憩も可能だが、さすがに雪に覆われた今はそれも無理。夏辺りに訪れればまた印象も変わるのだろうか。温泉施設のほうは、勿論日帰り可能、大浴場の他、露天風呂もあるとか。
 
 

▼次なる道の駅「ゆのたに」へのルート:
じょんのびの里高柳から(県)219号/国道252号/国道117号/国道252号/国道17号/(主)50号

時は既に16時半、今から何処へ行こうか。「じょんのびの里高柳」の近隣の道の駅といったら、先程立ち寄ってきた「瀬替えの郷せんだ」くらいしか無い。他に近くに駅は無いだろうか、と地図を見たところ、日本海に面した国道8号沿いに道の駅「風の丘米山」がある。しかし、今から向かうのはやはり無謀とも言えるか。というのも、「風の丘米山」は17時までである。しかも、売店は冬期閉鎖ゆえ、今の時期に営業しているかどうかも分からないのである。そんな心配をする以前に、距離的に30km強、これはどう考えても17時までにたどり着くはずもない。「今から向かって、まだ開いている駅は・・・」と再び地図上に書かれた駅名を眺めながら、あるひとつの結論に達する。

"ほし"は地図を見て頷きながら「家に帰ろう。但し、帰りがてら"道の駅ゆのたに"に寄ってみるというのはどうだろう」とのたまう。はっきり言って苦しまぎれの策とでもいうべきか、こじつけともいうべきか、今日の朝の時点では立ち寄る予定にも入れていなかった場所を指さしたのである。

「これはまた予想外のところを・・・」と"こあ"氏も苦笑。道の駅「ゆのたに」といえば、「じょんのびの里高柳」から丁度東方向に位置し、国道17号からやや逸れた主要地方道50号沿いにある。国道17号方面に出るということは、すなわち関越自動車道の渋滞に巻き込まれながら帰れ、ということを意味するのだが、今はそんなことを考えている余裕は無い。とにかく一刻も早く「ゆのたに」に向かうことだけを考えよう。でないと、18時で閉まってしまう「ゆのたに」にも間に合わない可能性もあるのだ。
 
▽高柳町から再び川西町へ 更に東へ走る

県道219号から国道252号に出ると、再び「瀬替えの郷せんだ」の横を通過しながら、山あいの道をせっせと東へ向かっていく。「そういえば、この辺ってさっき通ったばかりだな」と"ほし"の行き当たりばったりな場所選びに意地悪な突っ込みをする"こあ"氏。「ふん、場所選びに対して臨機応変と言って欲しいよ。」と半ば負け惜しみ的な返答しか出来ない"ほし"だが、気を取り直して車窓から見える冬の風景を目に焼き付ける。次回の旅からは、もう雪とは無縁になってしまうであろうことを名残惜しんでのことだ。

やがて、信濃川へさしかかる。穏やかな川の流れと雪の情景が非常に美しく、車窓からの風景を楽しむだけでも新潟へ来た甲斐がある。さぁ、ここからは雪の都「十日町」市だ。そういえば、以前道の駅「クロス10十日町」に立ち寄った記憶がある。ここで、しばし「クロス10十日町」の話題に花が咲く。というのも、外観的にかなり印象的な道の駅だったからである。それまでどちらかといえば情緒深い外観の駅ばかりに寄っていたせいか、当時はまだ、公民館のような無機質な外観の駅に対して免疫がなかったのだろう。まぁ、今だったらそれなりに受け入れられそうだ。

そんな話をしながら、気が付けば国道117号とのT字路にさしかかる。ここから一旦国道117号を南下し、再び国道252号に入るのだ。「この国道117号をそのまま南下していけば、道の駅"クロス10十日町"のすぐ近くを通るはずなんだけどね。今日は、以前立ち寄った駅の近くを通ってばかりだよ。」と言いながらも、時間が取れずに結局立ち寄れずじまい。

 
▽十日町市から堀之内町、そして湯之谷村へ

そうして再び国道252号は、山道へと入っていくのだが、なだらか且つ快適な道がしばらく続く。交通量も少ないため、楽しさすら感じていると、見えてきたのは国道17号の看板。「とうとう来てしまったか国道17号・・・」、どうも"国道17号"は何時でも混雑している、という先入観を持ってしまうのは、"ほし"が(元)埼玉県人のせいだろうか(埼玉県民の皆さん、申し訳ない)。"ほし"が数十年住んでいた埼玉県某所はそれこそ万年混雑という言葉がふさわしい程、国道17号の交通量が激しい。長年積み重ねてきた印象がすっかり先入観として頭に植え付けられてしまったようだ。

ところが、堀之内町内で国道17号に入っても、ストレスになる程の交通量はなく、おまけに前方には真っ白に化粧をした山々が実に美しく、しばし見とれる程である。そんな迫力の山々を見ながら国道17号を南下していくと、まもなく主要地方道50号を左折。2km以内に道の駅「ゆのたに」が見えてくるはずだ。


 
 
「ゆのたに」ちょっと立ち寄り型としてバランス良い駅 (新潟県湯之谷村)
到着時刻:17:19 スタンプ設置場所:奥只見郷インフォメーションセンター内案内カウンター/売店入口
「あ、"ゆのたに"って2000年の秋だったか、立ち寄ったは良いけど、既に閉館していたところだ」と今頃思い出す"ほし"。「今頃思い出さないでくれ」と言わんばかりの"こあ"氏は、しっかりと「ゆのたに」を記憶していたらしい。この駅は、以前立ち寄った時は既に閉館していた為、"ほし"の記憶から消えかかっていたのだ(ラリー日記を読み返したら、確かに立ち寄っていたという証拠が残っていた)。

というわけで、主要地方道50号を、まるで山々に近づくが如く走っていくと、右手に道の駅「ゆのたに」が見えてきた。しかし、入口に見える不思議な目印看板、これは何を意味しているのだろうか。「?」に見えるのだが、何故?なのだろう、謎である。しかし、遠くからでも非常に目立つため、これはこれで印象づけているとも思える。
道の駅「ゆのたに」は、「深雪の里」なる物産館(レストランを含む)、そして観光情報等を提供する奥只見郷インフォメーションセンターから構成される中規模な駅である。

インフォメーションセンターでは案内担当が常駐している為、観光地や宿泊地等について気軽に聞けるのが嬉しい点だ。物産館では、全国的に有名な「魚沼産コシヒカリ」を始めとして湯之谷村内外の特産が多種多様並んでいるため、土産選びが楽しい。
さて、早速散策をしよう、とまず空を見上げると、既に陽も沈みかけている。「これはまずい」と外観をひとまず見て廻っているうちに陽は沈んでしまった。こういう時に限って時間は早く経つように感じられる。

入口のドアを見ると営業時間が掲示されており、どうやら物産館もインフォメーションセンターいずれも18時までは営業しているようだ。いや、安心するのはまだ早い。客がいなければ営業時間が早まるのが道の駅たるもの(とは思いたくないのだが、いかんせんそんな駅が多すぎるのだ)、ここはとにかくのんびりと見てはいられない、と慌ててインフォメーションセンターに飛び込む。
駐車場にはほとんど車が停まっていなかったことから想像がつくように、既に客はひとりもいない。勿論、既に閉館30分前なのだ、もう利用者も少ないことはそう珍しいことではない。

しかし、案内カウンターにいた案内員さんはきちんと「いらっしゃいませ」と声をかけてくれ、当たり前のような話ではあるが、これが結構嬉しいものだ。館内も、大型ディスプレイや周辺観光地を写真にて紹介してあったりと、観光案内所として好印象なほうである。
次に「深雪の里」物産館の方へ足を運ぶ。と、レストランは既に終了しており、照明が消されていた。「まずい、早く見て廻らないと営業時間が終わってしまうか」と焦りながら、店内を足早に歩く。

まず越後の地酒コーナーでは、「深雪の里」オリジナル地酒やスパークリング大吟醸「ゆきくら」なる日本酒を発見。日本酒なのにシャンパンのような味わい、これにはかなり興味をそそられる。「ゆきくら」は守門村にある玉川酒造の地酒ではあるが、湯之谷村とは近隣の村ということで、勢いに任せて購入決定。一体どんな味なのだろう、楽しみである。
湯之谷村の特産品も豚汁やきのこ汁の缶詰、湯之谷の雪里もち、湯之谷の銘菓等、店内を歩くと様々なジャンルの特産品に出逢う。しかし、いかんせん我々の他に客がひとりもいない状態というのは落ち着かない。もしかしたら、我々だけの為に店は開いているのではないだろうか、と不安に思ってみたり、いや、まだ18時になっていないのだから、何の問題もないのだと己に言い聞かせてみたり、どうにも散策に集中出来ていない。

そう言いながらも、手には先程の酒やら菓子等を抱え、レジに向かうと店員さんは手際よく商品を袋に詰めていく。そして、"ほし"がお金を支払っていると、"こあ"氏が突然店員さんに「あの、外で独特の匂いがすることがありますよね。あれは何かあるのですか」と聞くではないか。いや、確かに以前この駅へ訪れた時にも感じたことなのだが、「ゆのたに」にいるとたまに牧場独特の匂いが漂うことがある。どうも気になっていた"こあ"氏は意を決して聞いたのである。すると店員さん「あぁ、あれですねぇ。養豚場がありましてね、風の向きによって匂いがここまでやって来てしまうんですよ」と語る。大方、そうだろう、と予想はしていたが、まさか店員さんに直接聞くとは、おそるべし"こあ"氏。
そうして、袋を抱えて外に出ると、既に空はダークブルーに変わっている。といっても、その先に赤みを帯びた箇所が残されており、非常に幻想的である。

「これで本日の駅巡りはひとまず終了」、満足げに車に戻っていったのであった。
 
 

あとはひたすら自宅へ向かって帰るだけ、この「帰るだけ」というのもこれまた長距離である。"ほし"はそれとなく「関越自動車道 小出ICからのる?」と"こあ"氏にお伺いをたててみるが、丁度、これから混雑の時間であることを心得ていた"こあ"氏としては「少し一般道で南下していこうか」と深い溜息をつきながらぽつりと言う。

長年この旅日記を読んでいる人はお気づきかもしれないが(気づかないか)、"こあ"氏は関越自動車道を何故か嫌っている。例えば、長野方面から関越自動車道と中央自動車道のどちらを使うかと言われたら、かなり遠回りしてでも中央自動車道を迷わず使うのだ。ところが、さすがの"こあ"氏も今日は関越ルートを使わざるを得ない。

しかし、そこまで嫌うか関越道を、と言わんばかりに、"こあ"氏は県道70号から国道291号に出て、いざ小出ICの付近まで来てもそのまま高速道路に入ることなく、そのまま通過。「次の日も休みだし、わざわざ渋滞に自ら巻き込まれに行くことはないよね」と"ほし"は内心、予算削減にホッと一安心しながら車窓からの見事な夕暮れを眺めるだけであった。
 
▽湯之谷村から国道17号をひたすら南下だ!

その後、国道17号に出ると、いよいよ群馬方面へ向かって南下を開始。そういえば、以前、「ゆのたに」から自宅へ向かう際にも、とうとう東京都下まで一般道のみで帰る羽目になった。また、今回も何処まで意地を張りとおすのか、黙々と走っていく。といっても、国道17号を南下しながらふと左手に視界を動かすと、それはそれは美しい山々が暗闇にぼんやりと浮かび上がっている。雪山ゆえ、完全な夜空にならない限りは白い山肌が視認しやすいのだ。また、国道17号も交通量こそ少し増えてはいるものの流れているため、ストレスは感じることもなさそうだ。

前方を見れば、数々のスキー場の照明が輝いている。夏に走った時にはあまり気にも留めなかった山々だが、こうしてナイター照明に照らされた雪山もこれまた華やかなイメージをかもし出す。「あ、あそこにも、向こうにも、スキー場があるぞあるぞ」と照明を見つけてはついつい騒ぎ過ぎな"ほし"。「おぉ、上越国際スキー場ってここだったんだ」「ガーラ湯沢って昔はかなりテレビでもCMをしていたよね」看板を見つけては指をさしさし、しゃべりまくる"ほし"はさながらラジオのDJのようである。

交通量こそ少ないものの、前方にはトラックがノロノロと走っており、ペースは遅め。特に山道へと入れば入る程、ペースは落ちていくため、我々だけでなく他の車たちも少しイライラ気味だ。そんな時の登坂車線は実に助かる。数台の車たちがトラックを抜いていき、とりあえずはペースも上がっていく。苗場スキー場を過ぎれば、いよいよ三国峠だ。三国トンネルを越えると、関東圏に突入だが、ここはコーナーも多く、山道を実感する箇所だ。すると、"こあ"氏は「この辺に道の駅って無かったかな」といきなり言い出す。その理由、それは言わずと知れた生理現象。途中、何カ所か道路脇に公衆トイレもあるのだが、あえて道の駅を選択するところが、我々らしいといったところか。

高速道路を利用していれば、一定間隔毎にPAやSAがあるため、何の心配もないのだが、一般道はそうはいかない。そんな時は、特に道の駅の重要度を実感させられるのだ。数々のコーナーを過ぎていきながら、やがて月夜野町までやって来ると、「この近くに、月夜野矢瀬親水公園があるけれど、どうする?」と駅ガイドをこなす"ほし"。しかし、"こあ"氏は矢瀬親水公園のトイレが場所的にも設備的にもお気に召さない様子、「他は?」と聞く。「更に南下すると道の駅"こもち"があるよ。こちらはトイレの清潔度も確保されているよね。」と、国道17号沿いの道の駅「こもち」を立ち寄り地に決定。ところが、そう容易にトイレには行かせてくれそうにもない事態が発生。

 
▽道の駅「こもち」はすぐ近くだというのに・・・

関越自動車道 沼田-昭和IC間が渋滞しており、その影響が国道17号に出ていたのだ。沼田市街地を越えた辺りから、国道17号は帰宅車における長蛇の列が発生。これは、しばらく動きそうにもない。「沼田まで快調に走って来られたのに、ここにきて・・・」と前方の長い列を見ながら深い溜息をつく我々。渋滞の最後尾につく車たちがきっと皆同じような事を思っていることであろう。

もう、道の駅「こもち」は目前、こうなったら気長に待つしかないか、と思った途端、少しずつ車の列が動き出した。やがて道の駅「こもち」に向かうべく、国道17号本線の渋滞の列から一旦抜け出すと、本来のペースを取り戻し、あっという間に到着だ。本日は既に閉館してしまい、白い外壁だけが灯りに照らされているだけだが、トイレは24時間利用可能なので一安心。駐車場には仮眠をとっているであろう車が何台も停まっている。今の時間帯に帰宅の途についても、渋滞に巻き込まれるに違いない、と考えて、ここで仮眠をとる人も多いのかもしれない。

 
さて、"ほし"もトイレを覗いてみると、なんとトイレ内にひとつの貼り紙を発見。「ようこそ道の駅こもちへ」と書かれたこの貼り紙は、特産品や食事処のメニューが記載されており、トイレのみの利用客にも物産館等を利用してもらおうという、ひとつの策だろうか。

「あぁ、21時まで営業していたら、食事処に立ち寄りたかったのにな」なんてその貼り紙を見ながら、無理矢理食べた気分になると、すごすごとトイレを出たのであった。
 
▽あとは馴染みのルートで一気に都内へ走れ

再び、国道17号に復帰すると、先程の渋滞は何処へいったやら、交通量の流れは通常とも言える状態に戻っている。「丁度通りがかったタイミングが悪かったのかな」と、流れに任せながらまたしても国道17号をせっせと南下していく。疲れたら、途中からでも高速道路を利用しても構わない、と毎度毎度言っているものの、所沢付近や練馬IC周辺で渋滞が発生しているため、どうも利用する気持ちになれずじまいで、埼玉県に突入だ。

国道17号から熊谷市内で国道407号、そして国道254号と入れば、あとは川越、所沢を経由して都内に抜けていくお馴染みのパターンなため、もう既に自宅近くにまで帰ってきたような感覚にとらわれる悪いクセが出てきた。決して少ないとは言えない交通量ではあるが、高速道路と違って変化に富んだ道が続く為、睡魔に襲われることなく無事に帰ってくることが出来たのである。"こあ"氏は、途中数度ほど眠たさを感じていたものの、ある程度の速度にのりだした途端元気を取り戻したらしい。"ほし"も、夕食をとらずに自宅まで戻ってきたことが功を奏したか、眠気は感じずじまいであった。特に夕食後、胃が膨らむとどうしても眠気がやってくるのは、どうにも止められない。

というわけで、無事に日が変わる前に自宅に到着。さすがに一般道のみの走行は、高速道路利用時よりも疲れも倍増、翌日は1日ぐったりしていそうだ。3月ともなれば、春を感じる旅にでも出るのが普通だというのに、すっかり冬を惜しむ旅になってしまった我々は、やはり世の中の流れに反するタイプなのだろうか。


前回の旅日記を読む?(2002/02/11) 次の旅日記を読む?(2002/03/24)


home 道の駅巡り日記インデックスへ

ご意見・ご感想・ご要望は、ふゆのほしまで。
Copyright(c)2000-2004 ふゆのほし All rights reserved
本サイトに掲載されている全ての内容の無断使用を禁じます。
最終更新日:2002年03月30日