スタンプラリーオフシーズン 道の駅巡り旅日記
吹雪×快晴×潮風 冬の日本海をとことん満喫しよう
富山/新潟県編
2002年02月10日〜11日(第2日目:11日)

朝、宿の窓から見る富山の風景は、見事な銀世界であった。やはり夕べ一晩中雪が降り続いたようである。チェックアウトの際、フロントの人が「道路が凍結しているみたいなので、十分お気を付けくださいね」と一声かけてくれる。その言葉のとおり、確かに路面は所々凍結しており、1日の始まりだというのにすっかり気分は萎縮気味だ。

本日は、昨日廻り損ねた石川県と富山県の境に位置する氷見市の道の駅「氷見」から、国道8号富山周辺、そして時間があれば帰り道がてら新潟の方まで行ってみようかと考えている。但し、天候次第により、予定が大幅に変わることも考えられる。一体本日の旅はどうなるのやら、とはらはらと舞っている雪を少し恨めしく思いながら眺めるしかない。まぁ何がともあれ、北陸の駅巡りの始まりだ。


【宿出発時刻】08:52 【東京都下到着時刻】翌00:10
 色は富山県道の駅 色は新潟県道の駅 
  国道8号/北陸自動車道 富山IC-小杉IC/
国道472号/国道8号/国道160号/
無番号道(氷見漁港方面へ)
氷見
09:58
国道415号/無番号道/
国道160号/国道8号
カモンパーク新湊
11:16
国道8号/(主)61号/(主)1号 ウェーブパーク
なめりかわ
12:10
(主)1号/(主)51号/
北陸自動車道 滑川IC-黒部IC/
(主)53号/(主)14号
うなづき
15:03
(主)14号/(主)13号/
無番号道/国道8号
越後市振の関
15:56
国道8号 親不知ピアパーク
16:26
北陸自動車道 親不知IC-能生IC/
(県)246号/国道8号
(能生)
17:28

▼道の駅「氷見」へのルート:
国道8号/北陸自動車道 富山IC-小杉IC/国道472号/国道8号/国道160号/無番号道(氷見漁港方面へ)


昨日から富山市と氷見市の間を行ったり来たり、一見無駄走りをしているような気分にもなるのだが、諸々都合によりそれも仕方がない。再び、富山ICから小杉ICまで北陸自動車道を利用し、国道472号を経て国道8号に出る昨日と同パターンを用いることにした。小杉町内を走る国道472号は、昨晩の雪がとけだして路面がすっかり泥だらけな状態、こんなところを走れば車も泥にまみれることになる。国道8号に出るまでに、泥はねで見るも無惨な状態に陥った我々の車は、8号を走る他の車とは異質な、そう、まるでただいま何処ぞのラリーにでも出場してきたような風貌だ。

「みんなうちの車に近づきたくないのか、避けていくみたいだよ」と冗談を言いながら国道8号から国道160号へと入ると、我々が向かう氷見方向は交通量も少ないのだが、反対車線側はズラリと車の列が発生している光景が目に飛び込んできた。ということは、「氷見」から次の駅へ向かう時には、あの列に並ばなければならないということか。

「まいったなぁ」と言いながらも国道160号を北上していく。しかし、道の駅「氷見」はこの国道160号沿いではない。この国道160号より一本東側を走る国道415号が最寄り沿線である。我々は氷見警察署前交差点から右折し、国道415号へ近づくべく静かな道を走っていく。あとは国道415号に入りさえすれば到着か、と思いきや、カーナビは国道415号へと誘導せず、更に一本東側を走る細い道を左折せよと指示してきた。

しかし、この国道415号と平行して走るこの細い道は、やたら一時停止箇所が多すぎる。それだけ、危険個所ということなのだろうが、それにしても行く手行く手に「停まれ」看板が見え、いささかうんざり。JR氷見駅の横をかすめながら「やっぱり国道415号を走るか、更にもう一本東側の県道を走れば良かった」と後悔と不満の声をあげる。

 
 
「氷見」吹雪の中、朝から人・人・人で大混雑の店内に仰天 (富山県氷見市)
到着時刻:09:58 スタンプ設置場所:海鮮館観光案内カウンター付近
そういえば、雪の降り方がなにやら強くなってきているようにも感じられる。道は細いわ雪は降るわで散々な気分に陥りながら、海岸線沿いに近づくと見えてきたのは、道の駅「氷見」フィッシャーマンズワーフ海鮮館である。

「ところで駐車場は?」と辺りを見渡すと、施設群がある敷地と県道を挟んだ向かい側、つまり今、我々が停まっている側に普通車用の駐車場があるようだ。よくよく見てみれば前方の車も、今まさに駐車場に入ろうとしているではないか。我々もその後に続き、駐車場へ入る。

「げっ、混んでる」、ある程度予想はしていた。しかし、こんな雪の日だというのに、なんなんだ、この人の嵐は。実は、昨日この「氷見」を避けて能登の道の駅へ向かったのには、「氷見」の混雑を恐れてのことである。この人混みを見て、その判断が正しかったことを再認識しながら車を停める。

更にもうひとつ問題が発生。丁度、車が駐車場に着いた途端、前日の「高松」訪問時と同様にまたしても大雪が降り出したのだ。おいおい、勘弁してくれ、と半ベソ状態の"ほし"。"こあ"氏もぼんやりと雪を眺めながら、「しばらくやみそうに無いね」と諦め顔である。これはよほど日頃の行いが悪いのか、それとも"こあ"氏の雪乞いのせいなのか、どちらにしてもこれでは建物の写真を撮るどころではなさそうだ。

そんな中、こんな大雪が降ろうとも一切動じず、車から降りてせっせと建物に向かって歩く人々のたくましさには、まさに脱帽である。我々はこんなところでじっと雪がやむのを待っているだけで良いのか、駐車場に着いてから既に20分以上が経過しようとしてるのだ。これでは時間の無駄ではないか。我々は意を決したように、車から降りると肩を丸めて小走りに建物の方へと走っていった。
道の駅「氷見」は、通称「氷見フィッシャーマンズワーフ海鮮館」、捕れたて新鮮魚がズラリ並ぶ海鮮市場、他多数の売店、そして軽食やレストラン、観光案内を兼ねた休憩コーナー等から構成されている。この施設の目玉はやはりなんといっても、新鮮魚を売りさばく店員の元気なかけ声、押せや押せやの人混みの中で魚を買い求める客たちも皆活気づいている。

"ほし"が雪の中、半ベソ状態でカメラを構えていると、「まぁこんな天気の中、ご苦労さま」と言いたげな視線を送りながら通り過ぎていく人の波。それもそうだ、こんな怒濤の雪の中では、ファインダーを覗いても雪だらけで建物がまともに写りそうにもない。途方に暮れながらも、建物の前を行ったり来たりと、いわゆる怪しげな行動を繰り返すこと10数分、気が付けば雪が小降りになり始めたではないか。「こんなことならば、先に館内を見て廻るんだった」と愚痴を言いながら館内へ足が向く。
「げっ・・・」、正面口から入った途端、足が停まる"ほし"。呆然と立ちすくみながらぐるりと首を動かすと、右を見ても左を見ても人・人・人、まるで何かの展示会初日のような人の嵐なのである。覚悟はしていたつもりだが、これほど多いとは思わなかった。そのまま立ち止まっている"ほし"の前に、"こあ"氏がやってきて「すごいねぇ、かなり気合いが入った混雑ぶりだよ」と恐れおののいている。それもそうだ、こんな雪の中を朝早くから人が集まってくるのだ、人気がある証拠だろう。

ひとつ残念であったのは、朝早い時間から営業しているはずのレストランが、本日に限って団体客対応の為、一般客は入れないというのだ。実は、氷見で朝から海鮮料理を食べようと期待していただけに、かなり悔しい。レストランの入口の貼り紙を見てがっくりと肩を落とすと、また何処からか"こあ"氏がやってきて、今度は「ちょっと来てよ来てよ」と手を引っ張る。
その先にあるのは、売店の一角に並ぶ「蟹ちらし」であった。そういえば、北陸に来たというのになかなか蟹にありつけないままである。"こあ"氏は遠慮がちではあるものの「あれ、美味しそうだよ。家に帰って夜食にぴったりじゃないかな」と、懇願。そこまで言われて買わずに帰るのは申し訳ないような気がした"ほし"は、とりあえず2人前を購入、そうして、他のテナントも見て歩く。

いやはや、この活気ある雰囲気にすっかりのまれながらも、負けるもんかとパタパタと歩いていくと、"こあ"氏はまたしても店員さんにつかまっているようだ。「イカが安いよ安いよ!」となかなか魅惑的な呪文をとなえる店員さんに、"こあ"氏も「うーん、安いけど量が多すぎるなぁ」困り果てている。安価でしかも大量、という点は嬉しくもあり、また食べきれないぞ、という問題も生じるのだ。まぁ、こうした店側と客のやりとりが、また楽しい。
おっと、ここは海鮮品だけでなく、氷見うどん等の氷見特産品等も多数売られている。といっても、人気はやはりブリや蟹等の魚類に集中しているようだ。「いいなぁ、蟹」と先程蟹ちらしを買ったばかりだというのに、"こあ"氏はまたしても蟹に目を奪われている。しかし、あんな大きな蟹を連れて1日旅をするのは、幾ら何でも心配だ。実は、蟹の相場というのは我々自身も把握していないため、目の前に並んでいる蟹たちの値段が高いのか安いのかも、恥ずかしながらいまひとつ分からない。

結局、またの機会に、とその場を去るとやっとの思いで人混みから解放された。スタンプはといえば、休憩エリア兼観光案内所に置いてあるのだが、この休憩エリアもこれまた混雑状態。我々はそそくさとスタンプを押すと、氷見の紹介パネルに少し目を通しただけで、その場を離れた。

外に出ると、いつの間にか雪がやんでいる。この駅に着いた時の、あの激しい雪にはもう遭遇しないで済むのだろうか。この雪騒ぎで、すっかり予定が狂ってしまい、これからの時間配分が心配だ。
 
 

▼次なる道の駅「カモンパーク新湊」へのルート:
氷見から国道415号/無番号道/国道160号/国道8号

さて、気を取り直して次なる道の駅「カモンパーク新湊」へ向かおう。よくよく考えてみれば、「カモンパーク新湊」へはここ数ヶ月間の間に既に2度訪れている。今更、駅内の散策は必要なさそうだが、なにぶん過去2度の訪問はいずれも夜ばかりなのだ。一度は明るい日射しの中で「カモンパーク新湊」を見てみたいものだ。というわけで、朝せっせと走ってきた道をひたすら逆戻りすることになる。あぁ、なんて無駄走りをしているのだ、この者たちは、とお思いの皆さん、"ほし"もそう思う。

「氷見」までやってきた一時停止だらけの駅前通りは通りたくない、と思っていたところ、我々が今走っている道は、何時の間にやら国道415号であった。といってもこの国道415号、どう見ても駅前商店街ではないか。昔、まだ幼かった頃は、国道といえば車が多数行き交う広い道路と認識していた。ところが、こうして全国各地の道を走ってみると、「これが本当に国道なのか」という道が幾つも存在することを知り、ショックを受けたものだ。地図を見て国道だから、と安心して走ったらとんでもないことになる、というのはここ1〜2年でしみじみと実感している。

そうして、駅前商店街を抜けて、国道160号に戻るべく適当な箇所で右折すると、「あ、ここは氷見に向かう時に走った道じゃないか」と思い出しながら、氷見警察署前交差点に出てくると国道160号に復帰。ここからは、朝走ってきた逆ルートにて国道8号を目指すだけだ。しかし、一旦はやんでいた雪が、再びふわふわと舞うように降ってきている。「1日じゅう、雪につきまとわれる日になるのかな」とほんの少しの不安を抱えながら、国道8号を新湊方面へと走り続ける。

 
 
「カモンパーク新湊」本日は外観のみ拝見で申し訳ない! (富山県新湊市)
到着時刻:11:16 スタンプ設置場所:道路情報館内
いやはや、この短い期間で何度もこの国道8号を走っていると、親近感さえわいてこないか。ある程度の交通量はありながらも、とりあえずは順調に流れているため、あっというまに道の駅「カモンパーク新湊」に到着だ。

「さすがに今日はここで食事はしないよ」と念を押す"ほし"、そう、昨日の夜にもここへ立ち寄って食事をしたばかりなのだ。今日は異なる場所で食事をとりたいと考えた"ほし"の狙い目は、次に向かう駅「ウェーブパークなめりかわ」だったりする。また、今年の1月に「カモンパーク新湊」駅内の散策をおおかたしていた為、今日は失礼ながら駅の外観のみを見て廻るだけで出発する予定だ。あいかわらず雪が舞う中、敷地内をパタパタと走りながらひととおり見て回ると、やはり前回訪れた時には気が付かなかった箇所を発見出来たりもする。

「ひだ・みの道の駅スタンプラリー参戦記」2002年1月13日編でもこの駅を取り上げているため、概要の説明が重複するが、この道の駅「カモンパーク新湊」は、国道8号と国道472号との交差点に位置し、近代的な外観をもつ駅だ。売店やレストラン、軽食コーナー、休憩室、道路情報館等、ちょっと立ち寄り型の駅としても十分な施設群からなる。
夜間訪問時には発見できなかった「新湊市博物館」(写真)は、売店やレストラン等の施設の裏手に位置し、国指定重要文化財である高樹文庫の資料展示や歴史・文化の紹介等があるようだ。更にその裏手には、農村環境改善センターがあり、地域農業の活性拠点として各種施設からなる。これら大きく3つに分かれた施設群をまとめて「カモンパーク新湊」と称する。

今回は、博物館も立ち寄ろうと思っていたものの、道の駅「氷見」で予想外に時間を費やしてしまったため、結局先送りとした。まぁ、また食事目当てにこの駅へ立ち寄ることもあるだろう、と思ってのことだが、おいおい、都内からそんなに気軽に北陸まで行く機会があるのか。

というわけで、結局敷地を一周廻ると、急いで車へ戻ったのである。
 
 

▼次なる道の駅「ウェーブパークなめりかわ」へのルート:
カモンパーク新湊から国道8号/(主)61号/(主)1号

次に向かうは、「ウェーブパークなめりかわ」、その名からもわかるように、滑川市にある道の駅である。新湊から富山を経由して更に東に位置し、国道8号よりも更に海岸線寄りの主要地方道1号沿いにあるのだ。丁度昼時に立ち寄るため、昼食がてら駅の散策も良いだろう。我々は国道8号を一路富山市に向かって走り出した。

国道8号は、片側2車線道路ながら交通量が多く、それは富山市内まで変わらなかった。しかし、新湊市内ではまだ舞っていた雪も富山市に入る頃には青空、おまけに路面も乾いているではないか。「氷見」で泣く思いをした、あれは一体何だったのだ、と唖然としながらも、前方に見える立山連峰にしばし感動しながら走る。いやはや、いきなりのドライブ日和である。「でも油断は禁物だよ、次の道の駅に着く頃にはまた雪だったりして」と、そんな冗談は出来ることならば実現して欲しくはない。

しかし、そんなつまらない予想を嬉しい意味で裏切るように、その後も青空は続き、いきなり春の訪れか、と思わせる快適な気候だ。といっても、周囲の田畑や広場等は、前日夜に降り続いた雪のせいか、真っ白な大地が続く。太陽に照らされて眩しい風景を見ながら富山市内を抜ける頃には、国道8号も片側1車線ののどかな雰囲気が少し見え隠れし始めた。
滑川市内に入ってまもなく、国道8号から主要地方道61号へと左折すると富山湾岸に近づくべく、せっせと走っていく。ここまでくればあともう一息だ、と民家の間を通っていき、海辺に近いある交差点までたどり着いたはいいが、ここで予想外の展開に困惑。行く手である主要地方道61号を、危うく見失うところだったのだ。というのも、カーナビの指示によればこのまま直進せよ、としきりに訴えるのだが、直進と思われる道が見当たらない。「道なんて無いよ」と"こあ"氏がキョロキョロと辺りを見渡す。「いや、ほぼ正面に車1台分なんとか通れるような道があるのだけど、まさかあれが主要地方道61号じゃないよね」と"ほし"が指さす。そう、確かに交差する道はそこそこの道幅だというのに、正面に続く直進道はどうみても歩道に毛が生えた程度の道幅である。

「おいおい、あの道を走るの?」と首を傾げながらもそのまま極細道へと入り込む。すると、確かに道路脇に「61号」と掲げられた標識を発見。いやはや、国道だって車幅ぎりぎりの道だって存在することを考えれば、これくらいで動じていてはいけない、としばし我慢をしながら走り続けると、やがて主要地方道1号にひょっこりと出てきた。しかし、相変わらず峡路が続くため、「本当にこの道沿いに道の駅なんてあるの?」と"こあ"氏は明らかに疑っている。

「いや、間違っていないと思うんだけどな」と"ほし"もさすがに自信が無いものの、そのまま黒部市方面へと走っていくとまもなく道幅がパッと広くなり、先程の面影もすっかり消え失せている。

 
 
「ウェーブパークなめりかわ」ほたるいかミュージアムを見よう (富山県滑川市)
到着時刻:12:10 スタンプ設置場所:ホタルイカミュージアム内案内カウンター
急に安堵感が広がる中、ふと左手を見れば近代的な建物群が見えてきたではないか。そう、「ウェーブパークなめりかわ」へ到着である。

道の駅「ウェーブパークなめりかわ」は、「カモンパーク新湊」同様、割と近代的な外観を持つ建物が立ち並ぶ。本駅は、滑川の特産である「ホタルイカ」の生態神秘等について紹介する「ほたるいかミュージアム」、そしてよく耳にすることもあろう"深層水"を全身で体験でき、健康回復にも効果抜群な設備を持つ「タラソピア」、展望台を兼ねた「休憩施設」、これら3つの施設群から構成される。

「敷地内は静寂に満ちているのに車はかなり沢山停まってるね、駐車場は空いているかな」と周囲を見回しながらコンクリート状の建物の付近に雪に覆われかけた空きスペースを発見。まぁ、こんなスペースだからこそ空いているのだろう。一応、このスペースもれっきとした駐車エリアゆえ、そそくさと車を停める。
車から降りた我々の前にそびえ立つこのコンクリート状のユニークな形状をした建物、これこそ道の駅「ウェーブパークなめりかわ」と掲げられた休憩施設・トイレである。

"ほし"は、各建物の外観を見て廻っている間に、"こあ"氏だけがこの休憩施設に入り込み、しばらく姿が見えないと思いきや、屋上の展望台から手を振っているではないか。思わず、手を振り返す"ほし"も、恥ずかしい。
昨晩の雪のせいか、休憩施設の屋上へと上がる階段は溶けかけた雪で非常に歩きづらい。しかも、日影になっているところは一部凍っており、気を抜けば滑って階段から転げ落ちそうだ。そんな階段をあがると、目の前に見えるは穏やかな富山湾である。時折見せる白い波が青空と深い海の青に非常に良く映え、実に美しい光景なのだ。そんな中、よくよく海を見れば、こんなに寒いというのに波乗りを楽しんでいる人たちが沢山いるではないか。サーファーに季節は関係ないのだろうか、いやはや、皆さん元気である。

感心しながら、しばらくぼんやりと海を楽しむと、"こあ"氏がいきなり「ここのトイレ、見た?ちょっと驚くよ。でもなんとも落ち着かなくて」となにやら意味不明な事を口走る。
トイレなのに落ち着かない?なんだそれは、と先入観を植え付けられた"ほし"は、慌てて階段を降り、屋外トイレへと向かってみる。すると、妙にトイレの方向が明るいではないか。それは決して照明などによるものではない。なんと壁一面に、華やかな絵が描かれているのだ。

「うわっ、これは凄い・・・」確かに、人によっては妙に落ち着かない気持ちにさせられるのかもしれない。しかし、トイレの壁一面に描かれた海や自然のイラストは、まるで海の中にでもいるような気分になり、特に子供を中心に喜ばれそうな印象だ。勿論、滑川のホタルイカも優雅に描かれている。
「あ、お腹空いたよ」、急に思い出した我々は丁度今が昼時であることに気づく。場所によっては、休日の昼時ともなればかなり待たされることも多々なのだ。またしても昼食にありつけることが出来ないのか、と一抹の不安を抱えながら、レストラン・ショップの方へと足を運んでみることにした。ところが、建物2階に位置するパノラマレストランは、客こそいるが、まだまだ席には余裕がありそうである。ここで喜ぶということは店側にとって失礼にあたるのだが、心の奥底でホッと一安心した者がここにふたり程いたのであった。

入口のショーウィンドウをみながら、「ここのジャンルは和食とイタリアンだね」と釜飯やらパスタ等の見本メニューを眺める。「何食べよう、あれも良いな、いや、こっちにすべきか、いやいや、ほたるいかを食べねば・・・」等、あまりにしつこくあれこれ眺めているもので、店員さんが奥から「いらっしゃいませ」と顔を出す始末。そうだ、中に入ってからでもゆっくりメニューは見ることが出来るはずなのだ。ばつが悪そうな顔をしながら、我々は席へと案内される。
さすがパノラマレストランという名前だけのことはあり、窓の外に見えるは雄大な富山湾、窓自体も非常に大きい為、レストラン自体が明るい雰囲気である。そう、それはまるで海辺のホテルのレストランにでもいるような感覚なのだ。おまけに、ここは店員さんの教育も非常に行き届いており、常に店員さんのひとりは店内を見渡し、客の要望にすぐに対応出来るよう、心がけているようだ。「レストランの雰囲気もホテル並ならば、店員さんもホテルのレストラン並だね」と小声で囁く我々。(後で知ったことだが、このレストランは、名鉄トヤマホテルの直営なのだそうだ。なるほど納得)

おっと、店内の雰囲気に酔いしれている場合ではない。我々は食事をしに来たのだ。"こあ"氏のほうはあれこれ悩んだ結果、白エビ天丼に決定。よくよく考えてみれば、昨日からエビばかり食べていないか。まぁ、富山湾の名物「白エビ」なのだから、ここで存分に食べておいて貰おう。さて、"ほし"に至ってはあれこれ悩んでもいまだに決まらない。滑川の特産である「ほたるいか」の料理を食べようと考えていたものの、一品料理こそあれど定食の類は見当たらない。唯一見つけたセットは「ほたるいか釜飯」、しかし釜飯はそこそこの時間を要する。どうする、"ほし"。と、「これ、美味しそうだなぁ。でもセットは無いしなぁ」と指をさした料理は「ほたるいか みそチーズ焼き」である。どうやら一品料理のようだが、量的にあまり多そうにも思えない。こうなったらこれにパンとスープをつけたら、とりあえずセットっぽいではないか。こうして、無事に食事にありつけることとなる。
さて、先にやって来たのは「白エビ天丼」、どんぶりにふんわりのった白エビ等の天ぷらが美味しさをかもし出している。かき揚げとは異なり、白エビがひとつひとつ丁寧に揚げられており、プリッとした歯触りが美味しい。

"こあ"氏があまりに美味しそうに食べるので、「うぅ、いいなぁ」と羨ましげに視線を送る。これが、実に迷惑な行為だったりする。そんなに視線を送られると、安心して食べられないではないか。"こあ"氏は、諦めたように、白エビをさしだし、「ほい、食べなさい」とまるで犬にエサを与えるがごとく、"ほし"に与える。というわけで、上記の感想をもった訳だ。
しばらくすると、"ほし"の前に「ほたるいか みそチーズ焼き」にわかセットがやって来た。ひとつのトレイに、チーズ焼きの他、パン、スープがのせられて持って来たからである。これがなかなかどうして豪華ではないか。しかも、ショーウィンドウの見本で見たよりも、ボリュームがありそうだ。さぁ、お目当ての「ほたるいか みそチーズ焼き」をいざ食べてみよう。土鍋にて調理されているため、まずあっつあつになっている蓋を取るとふわぁっと暖かい香りがしてきた。

グツグツ音をたてているチーズの間にほたるいかがチョコンとのっており、その下にはパスタらしきものがある。「あれ、下にパスタが敷き詰められてるよ。」と掘り出してみると、緑色(ほうれん草だろうか、緑黄色野菜っぽい味)の平たい形状のパスタ。まさか下にこのようなものがあるとは予想もしていなかった"ほし"は、内心パンを頼んだことを後悔していた。「これだったら、パンは要らなかったな」

みそとチーズの甘辛さに濃厚さが相まり、これがほたるいかに絡まって海の香りがプラスされる、やはり不思議な味というのが素直な感想だ。
そうして、満足の昼食が終わり、次に向かうはいよいよ「ほたるいかミュージアム」だ。海の中で妖しく光るホタルイカに興味津々な"ほし"としては、是非ともこのミュージアムに寄りたかったのである。そうして、いざエントランスの発券機でお金を入れようとする。入館料は大人は800円とやや高めであるが、手が停まる。「あれ、600円って書いてあるよ」、確かに発券機には大人600円と書かれている。その理由は、時期にあった。実際のホタルイカの発光が見られる3月下旬から5月末のみ800円であり、他の時期は600円だったのである。

ミュージアム内では、ほたるいかの生態やその他発光生物について紹介したり、水に関する数々の仕掛けが面白い展示ホールや、迫力映像のイリュージョンシアター、ホタルイカの発光が見られるライブシアター等が楽しめる。今回は、ホタルイカ発光の時期を逸してしまったため、この目で見ることが出来なかったのが残念。というわけで、今日はイリュージョンシアターを覗いてみることにした。このイリュージョンシアターでは、ホタルイカの幻想的なイメージをコンピュータグラフィックス、サウンド、そしてイルミネーションで表現しているのだ。それ以上に驚いたのが、声の出演があの女優の室井滋さん。そう、彼女は滑川市出身という縁で、出演されている。"ほし"的にはサウンドこそ実に感動的だったのだが、ストーリー的にはやや子供っぽさを感じ、同時に学生の頃につくば万博で見たシアターの類を思い出すような懐かしい感覚に陥ったりも。

展示ホール等であれこれ見て歩きながら、すっかりくつろぎ気分の我々だが、ふと時計をみれば14時を過ぎているではないか。いくら時間を気にせず、駅巡りをすると言えど、この駅へ来てから既に2時間以上もの時間が経過している。「これはあと2箇所行けるかどうか、だね」と苦笑。
慌てて売店へと走ると、足早に商品を見て歩く。前回、富山の井波だったか、でホタルイカの甘酢漬けを買って好評だったため、また買って行こうかと試食もしてみるのだが、「うぅ、すっぱい!」と"こあ"氏の顔がゆがむ。やはり、辛子酢味噌辺りをつけて頂くのが美味しいと思うのだが、単品だと酸っぱさが目立ってしまうのだろう。しばらくあれこれ買い悩んだは良いが、結局購入したのは、滑川の地酒であった。滑川のコシヒカリも自信の特産のひとつらしく、心そそられたのだが、つい昨日別の駅で米を買ったばかりゆえ、残念ながら諦めることにする。ほたるいかミュージアムのキャラクター「ナピカ」のグッズ等もなかなか可愛らしく、子供を中心に喜ばれそうだ。

と、急いで見て回るはずが、あれこれ手に取って見ているうちに、時間は更に経過していく。まずい、そろそろ出発せねば、とやっと我に返るといそいそと車に戻ったのであった。
 
 

▼次なる道の駅「うなづき」へのルート:
ウェーブパークなめりかわ から(主)1号/(主)51号/北陸自動車道 滑川IC-黒部IC/(主)53号/(主)14号

今日は、とことん海沿いの道の駅ばかりを巡ると思いきや、次に向かうは海からやや離れた場所にある道の駅「うなづき」である。「うなづき」といえば、宇奈月温泉を思い出すが、道の駅としては温泉とは無関係の、なんと「麦酒館」だったりするのだ。

とにかく少しでも時間短縮をはかるならば、高速道路を利用するしかない。我々は、とりあえず北陸自動車道 滑川ICへ向かうべく走り出す。主要地方道1号から主要地方道51号を左折すると、まもなくJR北陸本線 中滑川駅付近を越え、道路上にも高速道路のICを案内する看板が見えてきた。滑川ICから北陸自動車道にのると、新潟方面へ向かう車の流れにのって走っていく。しかし、こうして辺りを見渡せば、昨晩の雪は見る影もなく、路面は至ってドライ。ついつい、ここが雪国であることを忘れてしまいそうだ。「いやぁ、快調ですなぁ」と、本来ならば時間を気にしながら緊迫感あふれる車室内のはずが、そんな天候のおかげですっかりのどかな空気である。
やがて、黒部ICが近づいてきた。ここからは一般道で駅へ向かうのだ。といっても、ICからはだいたい6km以内で道の駅「うなづき」に着くという、一種の安堵感から、せっぱ詰まった感覚もなくのほほんと宇奈月町方面へと走っていく。

主要地方道53号からそのまま直進すれば主要地方道14号、という安易なルートのせいもあったのだろう、すっかりだらけムードが漂う"ほし"の目に、ある看板が飛び込んできた。
それは単なる行先案内標識なのだが、そこに「う」と書かれた文字を発見。「"う"って何?宇奈月の"う"?」、それは各地名が書かれた看板の中で、"う"という文字だけがひときわ目立っているのだ。

やはり、「宇奈月温泉」の略形なのだろうか、どなたか知ってる人がいたら是非教えて欲しい。実は気になって仕方がないのだ。

 
 
「うなづき」ビールだビールだ!宇奈月ビール (富山県宇奈月町)
到着時刻:15:03 スタンプ設置場所:宇奈月麦酒館売店レジ
そんな看板話で盛り上がっているうちに、気が付けば右手に洋館チックな建物が見えてきたではないか。そう、あれが、道の駅「うなづき」、通称"宇奈月麦酒館"である。

ビール好きの"ほし"としては、この駅は楽しみのひとつである。「ビール、買うぞー」と気合いも十分、しかし、まずは外観から見て歩こう。

道の駅「うなづき」は前述のとおり、宇奈月麦酒館としてビールを前面にアピールした駅である。宇奈月麦酒館では、売店とレストラン、そして地ビール醸造過程をパネル等で展示している。隣接して、歴史民俗資料館と図書館からなる「うなづき友学館」があるのだ。裏手には、その名のとおり麦芽を造る施設「宇奈月麦芽館」があるのだが、一般人は入れそうにもなさそうだ。

それにしても、駐車場にはほとんど車が停まっておらず、非常に寂しい。やはり、冬場はビールの人気は低いのか。"ほし"は年中何時でもビールが美味しいと感じるゆえ、そんな状況に物足りなさも感じたりもするのだが、よくよく考えてみれば食事時には中途半端過ぎる時間、これも仕方がないのかもしれない。
いざ、麦酒館の中に入ると、上品そうな店員さんが「いらっしゃいませ」と出迎えてくれる。思わず我々も軽くペコリと頭を下げながら店内へと入ると、すぐ入口横にある自動ドアの向こうにビアレストランがあるのに気づく。ひょこっと覗くと、かなり席数があるようにも見えるのだが、さすがに15時前後だと客はいなそうだ。ビアレストランの場合、ビールを楽しめるのは同乗者のみというのも、酒が飲めるドライバーにとっては辛いところだろう。

売店の規模は小さい方であるが、凝縮されたように宇奈月の特産品が並んでいるのが、かなり嬉しい。
麦酒館という名称から、ビール関連商品ばかりかと思っていたのだが、そうでも無いようだ。漬け物類やコーヒー、菓子類等も並んでいる中、ビール関連商品といえば、宇奈月麦酒館オリジナルグラス、オリジナルコースター、ビールゼリー、そして勿論メイン商品である宇奈月ビールである。宇奈月ビールは購入するとして、更に目についたのはビールゼリー、しかし残念ながら売り切れ状態なのか、見本品以外には店頭に並んでいない。「在庫切れかな」とそれでも諦められない"ほし"は、店員さんに「すみません、ビールゼリーってありませんか」と聞いてみると、やはり返ってきた答えは「あぁ、申し訳ありません。ただいま売り切れているみたいですねぇ」と深々と頭を下げる。というわけで、今回はその味を確かめるに至らなかった。

ビールのつまみに合うチーズやハム類等も豊富に並んでいるのだが、チーズは特に宇奈月と関係があるものではなさそうだ。だというのに、しばらくチーズ売場から"ほし"が動かないせいか、しびれを切らした"こあ"氏は「はいはい、チーズは何処でも買えるでしょう」と"ほし"の首根っこをつかみ、移動させる。
「うむ、また時間を気にせずのんびりしてしまった」と慌ててビール3本セットを手にすると、レジへ向かう。支配人風の店員さんは物静かながら礼儀正しい雰囲気が漂っているが、ビールに対しての愛情が非常に感じられる。というのも、袋に詰めながら店員さんは「ケルシュ・アルト・ボックの3種類のうち、ボックは一番最後にお飲みくださいね。」というこだわり。ボックは冬限定の黒ビール、"ほし"はあまり黒ビールは得意としないのだが、折角の限定ビールゆえ、買わずにはいられない単純な性格である。その他、周辺の観光情報等や雪の状況等について店員さんとあれこれ話をしながら、またしても時間を忘れてくつろいでしまう結果となってしまった。まぁ、丁度我々以外に客がいなかったからこそ、かもしれない。

さぁ、かんじんの宇奈月ビールのお味はいかがだろう。これは帰ってからのお楽しみだ。
 
 

▼次なる道の駅「越後市振の関」へのルート:
うなづきから(主)14号/(主)13号/(桜町交差点直進して)無番号道/国道8号

さて、次はいよいよ新潟県だ。ふと気が付けば、青空から一変、どんより曇り空、しかも今にも泣き出しそうな空である。次の駅に到着する頃には、雨か雪でも降って来るのではないだろうか、と心配する程である。

とにかく次に向かおうではないか。道の駅「うなづき」を出た我々が次に向かう先は、富山県と新潟県の丁度境に位置する道の駅「越後市振の関」である。青海町にあるこの道の駅は国道8号沿い、ということは再び海沿いに戻る訳である。主要地方道14号を宇奈月温泉方面へと出てからまもなく主要地方道13号の案内に従って約11km程の距離をひたすら北上する、すると国道8号に出られるはずである。

主要地方道13号を走り出したは良いが、いやはや路肩には雪が山のように積まれ、おまけに道幅自体が狭いため、非常に走りづらい。ここにきていきなりのペースダウンを強いられることになりそうだ。所々、民家の間を抜けていったり、雪で覆われた田園風景が広がったりと、のどかな道なのだが、国道8号に近づくにつれ、前方のペースがいよいよ落ち始めた。

主要地方道13号に沿って走ればいずれは国道8号にぶつかるのだが、北陸自動車道 朝日ICにほど近いというところで、カーナビが突如、主要地方道13号から逸れ、桜町交差点をこのまま直進せよ、と指示。「え?急に何故?」とカーナビの画面を見るのではなく、ついついいつものクセで手元の地図を追いかける("ほし"の長年の習性ゆえ、仕方がない)。ははぁ、なるほど、主要地方道13号はこの桜町交差点で大きく左に曲がっているが、直進の無番号道は国道8号新潟方面への、いわゆるショートカットなのだ。いやいや、"ほし"が地図を見て案内していたら、こんな無番号道は決して案内しなかったであろう。「よしよし、偉いぞカーナビ」と機械相手に珍しく誉める"ほし"。

こうして、微妙な距離分のショートカットではあったが、無事に国道8号に出ると、あと9km程で道の駅「越後市振の関」に到着するはずだ。しかし、富山付近の国道8号ではそれ程多く感じられなかった大型トラックが、この富山・新潟県境付近ではかなり多数走っている。やはり幹線道路の宿命か、それも仕方あるまいとそれらに続いてノソノソと走っていく。と、やがて左手に道の駅「越後市振の関」らしき建物が見えてきた。

 
 
「越後市振の関」売店はまさしくコンビニエンスストア? (新潟県青梅町)
到着時刻:15:56 スタンプ設置場所:食堂 市振の関のカウンター
外観から察するに、規模的には小さい方だろう。雰囲気は高速道路の古いタイプのパーキングエリア、はたまたドライブインにも似たような感覚である。ここ数年、派手が売りの施設が多い中、このような地味な香りを漂わせる駅があっても良いのではないか、と最近特に思うようになってきた。まぁ、能書きは後にして、とりあえず敷地内を散策してみよう。

駐車場から向かって左手に道路情報兼休憩所、そしてその2階には展望所を兼ねた親不知の紹介等を展示したコーナーがある。まずは休憩所の2階へと上がってみる。展望所といっても、2階のベランダに出て見るだけの小さなものであるが、それにしても寒い、寒すぎる。潮風に直接さらされているせいか、ドアノブや手すりも妙に白っぽくなってしまっている。この、あまりの潮風に「こ、これはとてものんびり見ていられないや」と慌てて館内に避難。
「うむ、冬の日本海を甘くみちゃいかんな」と2階の展示コーナーをしばし見学。ここでは、主に親不知や道の歴史について詳しく紹介されているのだ。

「親不知といえば、次に向かう道の駅は、親不知ピアパークという名称だっけ。向こうの駅に行けば更に詳しい紹介でもあるかな」と勝手に期待した"ほし"は、ざっと目を通しただけで下へ行ってしまった。(皆さん、こういう勝手な思いこみは危険を招く為、注意しよう。何故?それは次に向かう「親不知ピアパーク」での文章で分かるであろう。)
さて、外に出ると、次は売店と食堂からなる「市振の関」へ足を踏み入れる。しかし、この売店に入った途端、"ほし"は「あれ、店を間違えたかな」と足がとまってしまう。いや、確かにここは道の駅の売店である。「市振の関」という名称から勝手にイメージを膨らませていた"ほし"が悪いのだが、ここはどうみても普通のコンビニエンスストアにしか見えない。

全国649箇所(2001年夏登録数)もあれば、様々な形態の駅があってもおかしくはない。まだまだ我々が知らない形態の売店や食事処があって当たり前なのだが、我々が今まで巡ってきた200以上の駅の中では、割と珍しい類である。勿論、売店の1コーナーとして雑貨を扱っている道の駅は幾つか訪れた。道の駅の敷地内に特産品販売所の他にコンビニエンスストアが併設されている箇所も当然ある。しかし、この駅の場合、敷地内にある売店らしき建物は、目の前にあるこのコンビニエンスストアのみ、しかも店の隅から隅までコンビニ色が前面に押し出されていると、特産品販売所の感覚に慣れきった"ほし"としては、散策に戸惑う。
訪れる客も、ごく普通のコンビニエンスを利用するように日用品を買って帰る者ばかりなため、逆に"ほし"のような存在が完全に浮いているではないか。

「まいったなぁ」と頭をかきながら、遠慮しがちに売店内をウロウロ。観光客が多ければ、何の脈略もなくぼんやりと見て歩く人も多いのだが、この手のコンビニエンスではそんな行為をする人はほとんどいない。なんだかこれでは犯罪者っぽいぞ、と半ベソ状態で見続ける。と、そこでやっと特産品らしきものを発見、それは「福来口」なる地酒だ。市振の関オリジナル酒ということなのだが、この旅の間にも酒類は随分購入してしまった。おまけに酒類は"ほし"しか頂くことが出来ないため、ここは、ぐっと諦めるしかない。
深い溜息をつきながら、レジ近くまで歩いていくと、なにやら目立つ「笹だんご」の緑色の箱が目に入ってきた。

新潟の土産としては定番過ぎる定番だが、パッケージの箱を見ると「青梅町」と書かれている。笹だんごは昔から大好物ゆえ、迷わず箱に手を伸ばす。すると「あれ、軽い・・・」、まさか笹だんごがこんなに軽い訳がない。"ほし"は怪訝そうな顔をしながらレジにいる店員さんに「笹だんごが買いたいのですけど・・・」と箱を差し出す。すると、"ほし"が言いたいことを既に察知していたのか「中身はここには無いのですよ。」と店員さんが説明。そう、ここの笹だんごは冷凍品なので、奥の冷凍庫に保管しているのだ。なるほど、そういう訳なのか、と納得、まぁ冷凍品ではあるが、久々の笹だんごがどうしても食べたかった"ほし"としては、喜んで購入したのであった。
売店の横には食堂がある。かなりこじんまりとした、いわゆる町の定食屋といった雰囲気であり、席数も少な目。夕食にはやや早い時間だったせいか、客は1組しかいなかったのだが、調理場からの暖かさがふわぁっと漂ってきた。メニューも主に丼や定食、タラ汁等があるようだ。しかし、食事もしないのに食堂にいすわるのは気が引ける。と思ったその時であった。

「こんなところにスタンプがある!」、そう、道の駅のスタンプはなんと食堂のカウンターにぽつんと置いてあったのである。てっきり、休憩所に置いてあるものだとばかり思っていただけに、これは予想外だ。我々は慌ててスタンプを押すと、そのまますごすごと退散したのであった。
 
 

▼次なる道の駅「親不知ピアパーク」へのルート:
越後市振の関から国道8号

さぁ、次に向かうは道の駅「親不知ピアパーク」、実は「越後市振の関」同様、青梅町にある道の駅である。距離的にも10km以内と近い為、営業時間には余裕で間に合うだろう、という安堵感の中、国道8号を親不知ICに向けて走り出す。

ここからは、本格的に海沿いの道を走ることになりそうだ。そういえば、親不知といえば断崖絶壁と荒波という印象が強いが、もともとこの名称の由来は、平頼盛夫人がこの地を通った際、不幸なことに我が子を波にさらわれてしまい、その深い悲しみの唄からつけられたらしい。ここ周辺の道は、特に悪天候時は非常に危険な箇所であり、昔は大きな災害にも見舞われたという歴史があるが、近年の防災工事で災害も激減している。

昼間の青空は何処へいったやら、空はすっかり灰色と化し、車のウィンドウにはいかにも冷たそうな風が吹き付ける。海は少し荒れ気味なのか、白い波に恐怖すら感じる程だ。そんな中、やがて北陸自動車道 親不知ICを通過してまもなく、前方に道の駅の案内看板が見えてきた。

 
 
「親不知ピアパーク」おさかなセンターの熱き営業パワーに唖然 (新潟県青梅町)
到着時刻:16:26 スタンプ設置場所:レストピア入口
看板の案内に従って左へと入ると、親不知高架橋の下のスペースを利用した横広がりな建物群が並んでいる光景が目に飛び込んできた。もしかして、これがあの「親不知ピアパーク」だろうか、と予想以上に建物群に古さを感じながら、いざ駐車場に車を停める。道の駅として登録されたのは、新潟の全駅29駅中(2001年夏現在)26番目と割と新しい方だと思っていたため、もう少し新しさを感じる駅だと思っていたのだ。

実はこの「親不知ピアパーク」、北陸自動車道全線開通を祝って1988年に造られたものだとか。なるほど、確かに既にオープンしてから10年以上も経過し、また海の側というある意味厳しい環境の中では、老朽化も仕方がないだろう。さて、かんじんの施設群であるが、橋の下には「おさかなセンター」なる鮮魚センター、そしてその隣には「レストピア」なる軽食堂・売店がある。トイレ等もこの橋の下に位置する。唯一、橋の下ではない場所にあるのは「漁火」なる海鮮レストランだ。
敷地内には巨大なウミガメの像も待ちかまえている。その名も「ミリオン」、その迫力さに親に連れられて歩いていた子供がしばしポカンと立ちずさむ光景もあった。

あの巨大カメによじ登る子供等がいるのではないだろうか、とふと思ったりも。
さて、まずは「レストピア」に入ってみよう。まず入口寄りに軽食堂が、そしてその奥には売店がある。ところが軽食堂は早くも店じまいを始めているではないか。「あれ、もうおしまい?」と慌てた"ほし"は急いで売店の方へと向かう。しかし、どうもこれといった特産品が見つからず、目に入ってくるのは「親不知」と文字が入ったタオルやのれん等の観光土産ばかり。「まずい、気持ち的に焦ってるから見えるものも見えないのだ」と己に言い聞かせて見て歩く。すると、「ヒスイの里」と掲げられた看板の下に親子ガメを発見。そういえば、親不知の特産としてヒスイが挙げられる。どうやら、このカメはヒスイで造られたお土産品らしい。

どうやら売店もそろそろ閉店したい空気が漂ってきたため、我々は店を出ようとした。と、出入口にスタンプが置いてあるではないか。とにかくスタンプだけでも押そう、とそそくさと鞄からノートを出すと慌てて押す。そしてふと何気なく入口の扉の貼り紙に視線が向く。それはなんと「冬期営業時間変更」のお知らせ、レストピアも隣のおさかなセンターも冬は17時で閉まってしまうのだ。
時計を見ると既に16時50分、「まずい、おさかなセンターが終わってしまう!」といきなり慌てだしても後の祭り。おさかなセンターに入ると、既に閉店を告げる「ほたるの光」が流れている。

「だめだったか・・・」とガクッと肩を落とすと、店員さんが「いいよー、見ていってー」と元気良く声をかけてきた。こういう配慮が嬉しいね、と思ったものの、まだ閉店まで10分はあるのだ、10分間はなんとしてでも見て回ろう、と店内を散策。
すると、"こあ"氏がカニの前で立ち止まった。「本ズワイガニ 一杯2,000円」、やはりここまで来たらカニでも買って帰りたいものだ。しばし悩んでいると、俳優の大地康夫似の店員さん「そこに残ってるカニ全部で2,000円でいいよ。」ととんでもないことを言い出したではないか。そこに残ってるって、何杯いると思っているのだ。5,6杯はいるはずだ。それをまとめて2,000円で良いとは、これまたいかに?と首を傾げる。「その代わり、今日中に食べないとだめだよ」と、我々にはとても無理難題な条件付きだ。「これから東京に帰るから、今日中はちょっと無理だよ」と"こあ"氏も残念そう。といっても、6杯ものカニを我々だけで食べきれる量ではない。どちらにしても交渉決裂、とそこに別の客がやって来た。

「このカニ、全部で2,000円なんですって」と"こあ"氏がその客に言う。「えー?そりゃ安すぎるよ、買おうかな」とウキウキ顔。そこに店員さんが自ら水をさすように「今日中に食べないとだめだよ。ちょっとでもまずいと思ったら、それは捨ててね」とキッパリ言う。「えー?まずいの?」と思わず客もひるむ。「今日中に食べることを条件にこれ全部で2,000円って言ってるんだからね。」だいたい、客を相手にここまでハッキリと言い切る店員さんも珍しい。「まぁ、うちは大家族だし、富山だから大丈夫だよ」と、結局その客が2,000円で大量のカニを買うことに決定した。

「残念、我々は縁がなかったということで・・・」と"こあ"氏のほうはやや寂しそうである。そこに店員さんが「うまいカニが入ったら、家に配送できるよ」とこれまた悪魔の囁きが始まった。「うちは自信をもって薦められるカニしか出さないからね」とかなり強気な発言、"こあ"氏はこういう人間が好きらしい。しかし、普段は弁がたつ"こあ"氏が珍しく押され気味、というわけで、良さそうなカニが入手出来たら連絡して貰うことにしたのであった。

いやはや、この「おさかなセンター」の店員さん、実に商売上手、お見事である。が、"ほし"的にはこの「おさかなセンター」という名称の方がかなり気に入っている。

海鮮レストラン「漁火」で少し早い夕食をとることも考えたのだが、この先、更に北東へ進んだところには道の駅「能生」がある。これまで何度となく「能生に行きたい」という"こあ"氏の意見を聞き入れず、今に至っていたが、ここからの最寄り駅であるならば、是非寄ってみようかという結論に達した。

ところで、この親不知ピアパーク、親不知に関する紹介等を掲示してあるような箇所がどこにも見当たらない。先程の「越後市振の関」の休憩所兼展示コーナーをしっかり見ておくべきであった、と後悔してももう遅い、とはこのことを言うのだろう。
 
 

▼次なる道の駅「能生」へのルート:
親不知ピアパークから国道8号/北陸自動車道 親不知IC-能生IC/(県)246号/国道8号

国土交通省のサイト情報によれば、18時まで営業している、と掲載されていた為、もしかしたらまだ間に合うかもしれない、ただただそれだけを期待しながら、我々はなんと2区間でありながら北陸自動車道を利用して向かうことにした。まぁ、普通ならば国道8号を能生・糸魚川方面へと走っていけば良いはずなのだが、ここは一刻を争うゆえ、少しでも時間短縮が可能ならばその手段を使わずにはいられなかったのである。

というわけで、「親不知ピアパーク」を出た我々は、すぐ側にある親不知ICから北陸自動車道にのり、一路「能生」ICを目指し走り出した。しかし、いざ北陸自動車道を走ってみると、親不知ICから能生ICまでは距離的に決して近いとは言えないことに気づく。おまけに、空もかなり暗くなってきた。これは不吉な予感がするぞ、と一抹の不安を感じながらもひたすら向かう。

そうして幾つものトンネルを越えて、能生ICにたどり着く。あとは、県道246号を介して海岸線沿いの国道8号に出るだけだ。国道8号に近づくにつれ、海辺の香りが漂ってくる。夕暮れ時の交通量は多くもなく少なくもなく、といったまったりとした流れが続き、それは国道8号に出てからも変わりは無かった。

 
 
「(能生)」あぁ残念、冬期は17時半で閉館 またいつの日か(新潟県能生町)
到着時刻:17:28 スタンプ設置場所:観光案内カウンター上
「能生」交差点からいざ国道8号に出れば、あと2.3km程の距離で道の駅「能生」へ到着だ。さぁ、あとわずかだ、と焦る気持ちを抑えつつ、走っていくとまもなく左手に道の駅「能生」が見えてきた。

道の駅「能生」は、通称「マリンドリーム能生」、カニを中心とした海の幸たっぷりの各物産店、海鮮料理を中心とした和・洋食レストラン数店舗、更に資料館や公園、キャンプ場等、豊富な施設群が揃っている。特にカニ好きな人ならば、カニ屋横丁と称するカニ直売店群はたまらない存在かもしれない。
しかし、駐車場に停まる車はそれほど多いとは言えない。かなり規模的にも大きな駅ゆえ、混雑を覚悟してやって来たのだが、これは一体どうしたことか。怪訝そうな顔をしながら、とにかく建物の中へと入ってみる。すると、物産館は既にシャッターを閉めようとしているではないか。そういえば、外の鮮魚センターもなにやら片づけらしき動きを見せていた。「あれ、18時までではなかったのか」と時計を見ればまだ17時半、キョロキョロと見回しているうちに、館内のテナントは次から次へとシャッターを閉めたり照明を消したりと、すっかり閉店状態。

「ど、どうして・・・」と途方に暮れている"ほし"は、観光案内所に視線を向ける。と、貼り紙に「冬期は17時半まで」と書かれているではないか。思わず「聞いてないよ・・・」、まぁ死語ではあるが、ついつい声に出して言ってしまった。"こあ"氏に至っては「能生」を楽しみにしていただけにショック度は更に高い。なるほど、駐車場に停まっている車が少ないというのも、これで納得がいく。まさしく閉店しようとしていた「時間」だったのだ。

我々と同様、ただいま到着した人たちがショックにうちひしがれている姿が遠目に見える。というわけで、今回はスタンプだけを押して退散するしかなかったのであった。"こあ"氏は諦めきれなかったのか、"ほし"がスタンプを押している間に、バタバタと走って鮮魚センターに向かい、なんとか何か買えないか覗いてきたようだ。しかし残念ながら、それすら出来ない状態だったらしく、しょげて戻ってきた。「すっかり片づけ終わってたよ・・・鮮魚センター」
「また来ようよ。食堂のメニューもなかなかユニーク揃いだったし、かなり心そそられるでしょう」ととりあえず"ほし"は"こあ"氏を慰めてみた。しかし、"こあ"氏はすねたまま、機嫌回復には当分かかりそうである。よくよく考えてみれば、本日は最初に訪れた道の駅から「雪」というハプニングに見舞われて、それだけで予想以上に時間を費やしてしまった。それさえなければ、この「能生」へは少なくとも閉店1時間前には着いていたかもしれない。ツアーと異なり、勝手気ままな旅には道中何があるか、わかったものではない。まぁ、本日はやや残念な幕切れにはなったが、次に訪れる楽しみが増えたということで無理矢理納得しよう。

ちなみに、食堂のメニューが何故にユニークか、それは、既に照明の消えたイタリアンレストランのショーウィンドウに、迫力の「カニまるごとピザ」やら「カニフライ」、カニの身たっぷりの「カニピラフ」等とにかくカニ料理がいっぱい並んでいたのだ。特に「カニまるごとピザ」、これは見た目に圧倒される。これだったら和食処もかなり期待出来そうだ。

そうして、がっくりと肩を落として車に戻ると"こあ"氏は最後に一言「カ・・・カニ・・・」、そ、そんなに食べたかったのか、カニが。
 
 

本日の駅巡りの最後が「営業時間に間に合わなかった」という虚しい結果に終わったせいか、どうも気分的に煮えきれないものを抱えながら帰ることになってしまった我々。「能生」を出る頃には空もすっかり夕闇に包まれ、潮風の冷たさも一層身に沁みる。このまま、能生ICに引き返し、北陸自動車道にのってしまえば後は気楽な道中となるのだが、よくよく考えたら能生ICの料金所にはETCが設置されていなかった。そんなことを口実にして、「ETCが設置されているICから高速道路を使って帰ろう」と言い出すと、国道8号を一路上越市方面へと向かいだした。

余力があれば、国道8号を糸魚川市方面へと走り、国道148号を長野方面へとひたすら南下するルートの方が距離的にも予算的にもお得に感じたのだが、夜の闇にパワーを吸い取られたか、お気楽ルートを選択してしまうところが、我ながら情けない。結局、上越市内で国道18号に出たところで、まるで吸い寄せられるように上越IC入口に入ってしまい、あとはいわゆるオートクルーズ状態だ。

さぁ、このまま都内へ帰り着くまで、文章にして1〜2行程で済むと思いきや、そうは問屋が卸さないのが世の常。まず上信越自動車道と長野自動車道との分岐点辺りで渋滞、更に長野自動車道は松本IC辺りから中央自動車道との分岐点までこれまた渋滞、もうあちらこちらで渋滞花盛りなのだ。それもそうだろう、今日は祝日、関東方面も割と天気も良かったらしく、行楽日和だったのだ。

「こんなことならば、一般道でのんびり帰った方が良かったよね。」と"ほし"が愚痴の一言、すると"こあ"氏「そんなぁ、帰りは少し楽させてよ。」って、今日はそんなにヘビーなルートは通っていないはずだというのに、妙に弱気だ。そんな言葉を軽く聞き流しながら、更に眠気を誘う一言を"ほし"は呟く、「空腹だ・・・」。

胃を満たすということ、それは心地よい眠気への誘いといって良いだろう。おまけに暗闇は眠気を増長する。しかし、空腹度は走行距離が伸びれば伸びる程、比例して高くなっていく。「空腹だ・・・」。

やっと"こあ"氏がその言葉に反応したのか、それとも呪文のように唱える「空腹」の言葉に暗示をかけられたのか、「休憩がてら、食べて行こうか」と口を開く。と、その時は既に新井PAを過ぎ、妙高SAに近づこうとしていた。「妙高SAって食事可能だっけ」、そんな事を言いながら本線をそれ、SAへと入っていく。

妙高SA(上り線)は、SAという名でありながら、PA並の規模、しかもレストランは無く、軽食コーナーのみであった。しかし、このSAの外観はまるで高原のペンション、なかなか洒落た構造だ。早速、駐車場に車を停めたは良いが、ほとんど車はおらず、非常に静かである。店内に足を踏み入れても、その静けさは変わらない。軽食コーナーには客ひとりおらず、売店で土産品を見ている者が数名いるだけであった。「さ、寂しいな・・・ これから渋滞に巻き込まれるなんて信じられないよ」とついつい本音を洩らしながら、軽食コーナーで食べたのはカレーうどんであった。道の駅「能生」で豪華な夕食のはずが、どうしてカレーうどんに化けてしまったのだ、と寂しさに暮れながら、ひたすらズズズと麺をすする。

どうせ焦って本線に戻っても、いずれは渋滞の列に並ばなければならないのだ、そう思うとなかなか車に戻る気力も起きない。カレーうどんでとりあえず胃も落ち着いた我々は、売店でしばし時間を潰すことにした。売店で土産品を見ていると、時々「あ、これ道の駅にも置いてあった」なんて商品が並んでいることもしばしば。新潟の道の駅では比較的よく見かける「安田牛乳のお菓子」、レアチーズケーキやらプリン、ワッフル等、これらが美味しいことは既に体験済み、という訳で珍しくSAの売店で買い物をしたりも。よくよく考えてみれば、SAの売店でも、道の駅に負けじ劣らずユニークな土産品が並んでいたりするものだ。

さて、いつまでも現実逃避をして妙高SAに居続けても家には着くはずもない。そろそろ出発の時が来た、と車に乗り込むと、本線へ戻っていく。その後、信濃町ICを越える頃には、雪まで降ってきた。やはり山の上の天気は分からないものだ。おもむろにペースダウンを強いられることになったが、相手が雪となれば文句も言えまい。

気が付けば交通量も増え始めている。といっても、幸いなことに、我々が更埴JCTから長野自動車道へ入る頃には、渋滞の波が上信越自動車道 藤岡方面へと移動していたようなので、巻き込まれることもなく通過。ホッと一安心したのもつかの間、第2の渋滞の波が待ちかまえていたのだ。それは、松本ICから岡谷JCT辺りまで長々と続いている。それでも23時過ぎには自宅に到着出来ると信じていた、現時点では。

やっと渋滞の波から解消され、山梨県へ入ると最後の落とし穴が大きな口を開けて待っていたのである。

 

▼「開かないゲート」ETC使用をやめようと思った瞬間 大月IC出口にて

これまで何度となく、自動料金徴収システムであるETCのトラブルに見舞われた我々。当初は、料金所によって車載器側との相性があるのか、と半信半疑で使用してきた。毎回、まともに使えなければ我々もすぐに修理に出していたのだろうが、問題なく使用出来る事もあると、ついついいい気になって先延ばし。特に、ひだ・みの道の駅スタンプラリー参加中は休日ともなれば何度と無く都内と岐阜を行ったり来たりの繰り返し、これでは修理に出すタイミングも何処へやら、である。あぁ、見苦しい言い訳ではあるが、ここのところ問題無く使用出来ていたETCに、またしてもトラブルの香りが漂い出した。

それは、そろそろ大月ICにさしかかろうとしていた時であった。夏に比べれば冬場の中央自動車道の渋滞は嫌悪感を感じる程でもない。ところが、この日は珍しく小仏トンネルを始めとして幾つかの渋滞メッカが全て車・車・車の大行列で埋め尽くされているではないか。さすがのカーナビも呆然、我々が悩むよりも早く、「大月IC 出口です」といきなりのルート変更。まぁごもっとも、と納得した我々は大月IC出口料金所を通過しようとした、その時であった。

「まただよ・・・」、そう、またしてもETCのゲートは開かなかったのである。まただよ、といってもここのところ、我が車のETC車載器はすこぶる快調であった。北陸においても、長野においても、何の問題もなくETCレーンを通過出来ていたのだ。おまけに、つい数時間前に上越ICからETCレーンを利用して本線へと入ってきたのである。しかし、何故か我々は決まってこう言われるのだ、「そこはETC専用レーンですよー」と。それもかなりお怒りの様子である。怒りたいのは我々も同様なのだが。

しかし、ETC搭載車なのにも関わらず、ETCゲートで停止を強いられる程恥ずかしいものはない。"こあ"氏は公団の職員さんに事情を話し、仕方がないのでETCカードを差し出して支払おうとした時に、第2の事件は起こった。その職員さん、何やら操作を誤ったらしく、我々の通行料金をETCカード払いでなく現金支払いに切り替えてしまったのである。ということは、当然現金で支払わなければならない。皆さんも少しはご存じかと思うが、ETCを利用すると上限金額こそあれど割引が適用する。ところが、現金で支払えば割引は当然適用されない。"こあ"氏は職員さんとしばらくもめていたようだが、結局諦めざるを得なかったのであった。

おまけに、そこにいた職員さんたちはETCカードに車外設定情報(車が有料・高速道路以外にいると設定すること。通常、出口にてETCで通過すれば自動的に設定される。しかし出口で何らかのトラブルがあると、入口−出口ICの情報がカードに書かれていたとしても、強制的に車外設定情報を書き込まないと、次に使用出来ない確率が高いようなのだ。以上あくまでも経験上の話。)を書き込む方法すらわからずじまい、ETCカードがどのような状態にあるかもわからぬまま、我々はカードを返された。そして「これで大丈夫だと思いますけど、もし今度使用してうまくいかないようでしたら、そこの事務所で聞いてみてください」と言い放たれたのである。

 

▼「何度試しても開かないゲート」頼りになるのは八王子料金所事務所だけ?

しばらく一般道を走っていたものの、ETCカードの状態がどうしても気になってたまらない"こあ"氏、「相模湖ICから高速道路にのるよ」と溜息混じりに言うと、相模湖ICの料金所に向かう。「このETCカードでは入口を通過出来ないと思うよ」と"ほし"はすっかり諦めている。そう、案の定、相模湖ICの入口でもETCのゲートは開かなかったのである。ゲート横にいた職員さんが「もう一度バックして試してみて貰えますか」と言い、2〜3度試してみたものの、結局一度もゲートが開くことはなかった。これ以上、ここにいても何の解決も得られないため、そのまま通行券を貰うと本線へ入り、我々が目指す先は八王子料金所事務所。

八王子料金所事務所では、以前同様のトラブルが発覚した時に、職員さんがETCカードに「車外設定」情報を書き込み直してくれたことにより、解決した実績がある。こうなったら八王子料金所事務所だけが頼りである。大月・相模湖ICで予想外に時間を費やしてしまったことで、中央自動車道の渋滞まで消えてしまったせいか、八王子料金所にはあっという間に到着。

"こあ"氏は事務所に駆け込み、事の顛末を職員さんに説明する。一体どのくらいの時間が経過しただろうか、ETCカードは八王子事務所の職員さんによって無事に「車外設定」され、また、職員さんはわざわざ大月ICの事務所に確認の電話をし、大月IC料金所側の操作不手際に対してきつく怒ったとか。やはり、頼りになるのは八王子料金所事務所だけなのか。

いやはや、順調な旅のはずが、最後の最後でとんでもなく時間を喰ってしまったものだ。これは渋滞よりもたちが悪いのかもしれない。こんなハプニングがあるからこそ、旅は面白い・・・とはさすがに今日は言えないだろう。自宅にたどり着くやいなや、道の駅「氷見」で購入したカニちらしを一心不乱に頬ばっていると、やっと心も落ち着きを取り戻す。道の駅「うなづき」のビールはとりあえず冷蔵庫で冷やすとして、コンビニエンスストアで買った缶ビールでも飲んで、さっさと寝ようと一気に飲み干した。そして「ふぅ、もう一本!」

 

▼後日談として

翌日、「しばらく旅はお休み」と名目で、とうとうETCを修理に出すことにした。原因が車載器にあるか、それとも料金所のゲート側にあるかはわからないままであるが、何もしないでいるよりは良いだろう。そして、いざ車に乗り込んだ時であった。「あれ、カーナビの電源が入らない」、なんとカーナビまで休養宣言をしたのか。というわけで、ETCだけを修理に出すつもりが、カーナビまでセットで修理に出す羽目になってしまったのである。

約2週間後、やっと手元に戻ってきたカーナビとETC、しかし両機いずれも「現象再現せず」という不可解な回答であった。しかし、ETCは引き続き調査するらしく、新品交換と相成ったのである。さぁ、これで一気にトラブルから脱出なるか。もうこの手のトラブルは旅日記に掲載したくないものだ。


前日の旅日記を読む?(2002/02/10) 次の旅日記を読む?(2002/03/09)


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最終更新日:2002年03月18日