スタンプラリーオフシーズン 道の駅巡り旅日記
東京・伊豆往復20時間?冬の東伊豆は夕方前から大渋滞!
更に帰路を襲う雪
静岡県編
(2001年1月7日)

2001年初の旅、さぁ何処へ行こうかと地図を広げながら我々は悩んでいた。やはり年初めとあれば、道の駅巡りといきたいところ。それもまだ訪れたことが無い道の駅で、且つ日帰りが可能な場所といったら、おのずと限定されてくる。そう、我々はまだ伊豆方面の道の駅へ行ったことがなかったのだ。過去、数度にわたって伊豆への旅を楽しんでいるのだが、我々は海沿いのルートが多かった為か、山沿いに存在する道の駅に立ち寄る機会もなかったのだ。

さて、伊豆方面には道の駅は2駅しか無い。しかし都内から伊豆へと訪れればそれだけで1日を費やしてしまう。ということは、結局1日で2駅しか廻ることが出来ない。1日に出来るだけ多くの駅を廻りたい我々にとっては、かなり物足りないルートになってしまうため、今の今まで伊豆方面の道の駅を訪れるのは後回しになってしまっていたのだ。まぁ年初め、ということもあり、ゆっくりペースで駅巡りをするのも悪くないか、と思いながら今回の伊豆行きを決定した。

1月6日の夜、天気予報を見ていたら「東京では7日の夜半過ぎから8日にかけて雪になるでしょう」という言葉が耳に飛び込んできた。これはちょっとまずいな、と言いながらYahoo!天気情報を見ると、確かに7日の夜中辺りには雪の予報が出ている。伊豆方面では「くもりのち雨」の予報、果たして出掛けて良いものかどうか悩む。「まぁ、伊豆の駅は2駅しかないし、夕方前には伊豆を出れば幾らなんでも都内には雪が降る前に帰ってこられるよね」と安直に考えてしまった事が、この後どうなるかは、だいたい想像つくだろう。

1月7日の朝7時半、何時もの旅の出発よりはかなり遅めであるが、車に荷物を積み込み、我々は出発した。朝の空は明るく、太陽が顔を出していた。それはとても雪が降る前兆とは思えないいつもの晴れ空であった。

今回は珍しく高速道路を使わずに伊豆方面へ向かうつもりである。主要地方道を走り継ぎ、川崎付近で国道246号に出てからしばらく厚木市方面へと走り続ける。国道246号といえばどうも万年混雑、というイメージが強いのだが、日曜日の朝ということもあってなのか、渋滞に並ぶこともなく気が付けば厚木市内に入っている。「今日はなかなか順調だね、といってもまだまだ伊豆は遠いから覚悟してね」と"こあ"氏の一言。そ、そんなことわかってるわい!と"ほし"は地図を見入る。


【東京都下出発時刻】07:25 【東京都下到着時刻】翌日03:35
 色は静岡県の道の駅 色は道の駅以外のスポット 
  〜国道246号/国道129号/
国道1号(西湘バイパス)/
国道135号(真鶴道路)(熱海ビーチライン)/
国道135号/主要地方道80号/
国道136号/国道414号
天城越え
10:42
国道414号/主要地方道15号 花の三聖苑伊豆松崎
13:01
主要地方道15号/国道136号/
主要地方道16号
石廊崎
14:42
主要地方道16号/一般道 弓ヶ浜
15:02
一般道/主要地方道16号/
国道136号/国道135号
伊豆高原ビール
18:09

「天城越え」、確かそんな唄が無かったか? (静岡県)
到着時刻:10:42 スタンプ設置場所:昭和の森会館内観光案内コーナーと食堂の間の通路
やがて、国道129号から国道1号へと出た時に、"こあ"氏は「高速道路は使わなかったけれど、有料道路は使ってもいいよね」と"ほし"に聞く。「ん?」と地図をみるとこの先には西湘バイパスがある。「そうだね、なるべく時間短縮したいしね」と西湘バイパスへと入る。そういえば以前、道の駅「箱根峠」等を訪れる際にもこの道を通った記憶があるのだが、今回は箱根ではなく真鶴方面へと行くため、途中にある早川ICで真鶴方面へ入ることを頭に入れておかなければならない。「早川・早川」とぶつぶつとつぶやきながら、車の窓から外をみると太陽の光が水面に反射してまぶしい海が広がっている。道路も混んでおらず、あっという間に箱根と真鶴の分岐点までやってきた。

真鶴方面へと入るとまもなく石橋IC、終点である。国道135号へ降りて少し走ると今度は「真鶴道路」なる有料道路に入る。国道135号の山側走行に対し、真鶴道路は海側に沿って走る道路だが、この真鶴道路にも新道・旧道の分かれ道が存在する。「この辺りの道路って有料道路が細かく分かれているんだね。」と再び地図を見る。この真鶴道路の先には「熱海ビーチライン」なる有料道路もあるのだ。

結局、高速道路を使わなかった分、全ての有料道路を使い、あっという間に熱海までやってきた。海沿いである国道135号ならば今までに何度も通ったことがある道路なのだが、これから走る主要地方道80号は初めて通る道であり、また入り口もいまひとつ地図からは分かりづらい。通り沿いの案内標識を見逃さぬように目で追いながら、まもなくそれらしき標識を発見。ところがこの案内標識には「80号」の表記がなく、ただ「大仁町・修善寺」方向の表記のみ。しかも信号もなさそうだ。「多分、これだっ」と言いながら、国道から細い道へと入る。すると、しばらくして「主要地方道80号」の案内看板が出てきた。ホッと一息するもつかの間、この主要地方道80号はなだらかながらも細い道が続いている。「結局、1日必ず超極細道を走らないと気が済まない、というジンクスは守られてるんだね」と言いつつ、山道を走り続ける。

やがて修善寺町内で、国道136号に入りひたすら南下していく。この国道136号と国道414号、修善寺町内では一旦合流し南下すると天城湯ヶ島町内で再び分流する。我々が行く方は国道414号側、周囲には多くの林道がある山道である。国道414号に分岐してから約10km程であろうか、走り続けると右側に道の駅「天城越え」が見えてきた。
駐車場は公表データによれば300台以上駐車出来るということなのだが、実際に見たところではそれほど停められるようには見えない。多分、1スペース分が狭いせいもあるかもしれない。我々は車を駐車場に停め、早速施設内を散策開始。まず昭和の森会館内にある売店に入ったのだが、いやはや売店は大盛況である。ということでなかなか前へ進むことすら出来ない。これは売店の構造的にも問題がありそうだが、とにかく狭い印象が強い。これだけ盛況ならばもう少し売店を広くして欲しい、と思いつつ人混みにまみれながら特産品をチェック。売店内にはやはり「ワサビ」製品が多いのが特長。ワサビ漬けフリークな我々としては、嬉しい限りであるが、この混雑の中では買い物すら躊躇してしまう。結局、そんな事を言いながらもしっかりとワサビ漬けを買ったのであった。
次に、売店横から続く観光案内コーナーに行ってみる。おっと、その前に売店と食堂と観光案内コーナーを繋ぐ通路にスタンプが置いてあるので、そこでスタンプを押す。子供連れの利用客も多いためか、スタンプを押す光景を珍しそうにじーっと見ている子供がおり、ちょっと照れくさい。

そして観光案内コーナーを兼ねた会館の中央入口に行くと、その奥に続く通路がある。「あれ、何?」と"ほし"が"こあ"氏に聞くと「あれ、博物館なんだけど有料だって」と答える。ここでしばし入るか否か悩む。折角ここまで来て、しかも本日は道の駅は2駅しか廻らないんだぞ? 少しでも一つの駅の中身を知っておくことも良いんじゃないか?と心の声が囁き、結局葛藤の末、博物館へ入ってみることにした。

通路を歩くとまず森林博物館があり、天然記念物である太郎杉の実際の大きさを展示したり、その他わさび、天城の九木などについて展示されている。しかし、どうも展示されたパネルが古いせいか、中には一部破けていたり、色あせていたりと、やや首を傾げてしまう点もあった。その奥には伊豆近代文学博物館に繋がっている。しかし、文学関連にあまり興味の無い"こあ"氏にはやや退屈だったようだ。ちょっと申し訳ないことをしたと思っている。博物館から外に出ると、庭園に出ることが出来たので、寒いとは思いつつも外に出てみた。少し歩くと、小さなワサビ沢もある。「ここのワサビで、ワサビ漬け作ってるのかな」と言いながら、しばしワサビを観察。
有料施設も堪能したことだし、そろそろ戻ろうかと庭園から会館に戻り、再び売店に寄る。それは何故かって、やはりここまで来たら「ワサビソフトクリーム」を食べなくては、と心に決めていたからである。「こんなに寒いのに、本当に食べるの?」と"こあ"氏は気が進まない様子。しかし、"こあ"氏はもともとソフトクリーム系はあまり好きではないので、結局"ほし"だけが寒さにこらえてソフトクリームを食べることになった。しかし、周りを見ればワサビソフトクリームを片手に歩いている人の多いことったら、それはまるで夏の盛りと変わらない(苦笑)。

早速、ワサビソフトクリームを買い、外に出る。"ほし"がまずその写真を撮る為、"こあ"氏にソフトクリームを持って貰い、カメラを構える。その途端、「パクッ」。写真を撮る前に"こあ"氏が一口食べてしまったではないか。「ちょ、ちょっと、まだ撮ってないのに、食べちゃだめじゃないの」と言いながら、一口欠けたソフトクリームをパチリと撮る。しかし、まもなく"こあ"氏の一言、「か、辛いっ」。「辛いって、そんなに辛い訳ないでしょうに。昔、長野でワサビソフトを食べた時はほんのりワサビの風味がしたくらいで、直接辛いって感覚はなかったよ」と"ほし"は不思議がりながら「パクッ・・・・か、辛いっ、辛いわ、これ」。そう、このワサビソフトクリームはとにかく甘くて辛いのである。その衝撃的な味に浸りながらとにかく車に戻る我々であった。

「花の三聖苑伊豆松崎」、花時計はやっぱり春から夏あたりが似合う? (静岡県)
到着時刻:13:01 スタンプ設置場所:売店内食事処への通路の棚にひっそりと置いてある
さて、次なる目的地は道の駅「天城越え」から更に南に位置する道の駅「花の三聖苑伊豆松崎」である。西伊豆方面から国道136号沿いをずっと南下し松崎町内で主要地方道15号を山側に入れば良いのだが、我々が現在いる道の駅「天城越え」からでは、どのルートが最良であるか、いまひとつ判断に困る。一旦、西側の海沿いに出て南下していくか、それともこのまま国道414号を南下し、主要地方道15号で西側の海へと向かうか、地図からではどうにも判断つかない。こんな時こそカーナビがあれば、と思うのだが、未だに入手していない現在、無い物ねだりをしても仕方がない。

結局、我々は国道414号を南下したうえで主要地方道15号で西側の海に出るルートで向かうことにした。国道414号は河津温泉郷付近まではそれほど道幅も狭くなく、また交通量もさほど多くないため快適に走る。河津温泉郷への手前数キロには、ループ型の巨大な橋があり、ここはそういえば以前にも通ったっけ、と言いながらループ橋を下っていく。下り終えた後で、後ろを振り向くと巨大なループ橋がチラッと見える。河津温泉郷を越えると、国道414号は途中から急に超極細道へと変化し、所々はすれ違いも不可な個所すら現れた。やはり静岡の国道を侮ってはいけない、といったところだろうか。交通量が少ないからまだ良いものの、これで交通量まで多かったら泣くに泣けない。

やがて主要地方道15号へと入り、松崎町へと向かう。冬のせいだろうか、周囲は不気味な静けさが漂っている。「伊豆もいつもこれくらい快適に走ることが出来たら良いのにね」なんて呑気な言葉さえ出てくる程である。主要地方道15号に入ってから延々と10km以上は走り続けると、右手に道の駅「花の三聖苑伊豆松崎」が見えてきた。
駐車場は駐車可能台数も少なく、その割には既に駐車している車が多いため、残り1〜2台の空きスペースをなんとか見つけて停まった。この道の駅の外観的な特長はまず道路沿いから見える花時計だろう。「きっと春だったらもっと綺麗だったんだろうね」と言いながら、花時計を眺めると丁度13時になったところで、花時計が時報のサウンドを奏で始めた。ところが、また別のところからも時報のサウンドが流れだし、花時計からの音がかき消されてしまった。ちょっと残念に思いながら、各建物を見て廻る。駅内の隅には「かじかの湯」なる入浴施設があるのだが、温泉施設にしては珍しくこじんまりとした小さな建物。今まで様々な温泉施設付きの道の駅を見てきたのだが、この温泉はかなり規模的には小さな方ではないだろうか。その横には売店と食事処が一緒になった建物がある。
店内に入ると、これまた人・人・人。丁度昼過ぎということもあり、どうやら食事処を待つ利用客が多いようなのだ。いや、「多い」という表現よりは「あふれかえっている」といった表現の方がぴったりかもしれない。実は我々もこの駅で昼食をとろうかと考えていたのだが、このあふれかえった人を見て、「やめようよ」とあっさり諦める。とにかく、売店内で特産品を見て廻ろうにも、食事処を待つ客で満足に見ることも出来ない。この食事処、そんなに人気があるのだろうか、店の人が時々「順番表にお名前をお書きになってお待ちください」とまるで混雑時のファミリーレストランのようだ。しばらくオロオロしている間に、やっと人の波が一段落した。

売店コーナーは狭いほうではないだろうか。その中で今度はスタンプを探すが、何処にも見あたらない。忙しそうにしている店の人に聞くのは気が引けるが、何時までもウロウロ探すのも逆に邪魔になるだけだろうと、スタンプの場所を聞いてみる。すると、「そこ、そこにありますよ」と指さすは売店コーナーから食事処への通路に置かれた小さな棚(電話台のようなサイズ)の下の段にひっそりと置いてあるではないか。何故気が付かなかったかって、食事処を待つ客の足でその存在が簡単に塞がれてしまっていたのだ。

「あ、ホントだ」と言いながらスタンプの前に行こうにも、食事処の待ち客がいてとても押せる環境ではない。と、スタンプを押したいそぶりに気づいたか、待ち客はやっとその場を移動したのだが、今度は落ち着いてスタンプを押すスペースが確保出来ない。というのは、スタンプ帳を置いて押す、というスペースが考慮されていないのだ。「どうしてこんな押しにくいところに置いてるのだろう?」とやや不満に思いながら、なんとか押して棚から離れた。ここ中部地区の道の駅といったら、夏場はキーワードラリー等も開催しているはず、その時にはスタンプが押しやすいような別の場所に置かれているはずだと好意的に思っているものの、ラリーシーズン以外でもスタンプを押しながら旅をする者もいるだろうに。
我々は、売店コーナーでひととおり特産チェックを行い、"こあ"氏が「桜葉羊羹が欲しい」というので、これを手にしてレジへと向かった。ところが食事処が忙しいのか、レジのところには誰もいない。「すみませーん」と数度呼んでも、これまた何の応答もなく、羊羹を片手に途方に暮れるふたり(苦笑)。食事処が忙しい、というのはこちらも見ていてよく分かる。もしかしたら、人手が足りずにてんてこ舞いをしているのかもしれない。しかし、売店コーナーがあるならば1人くらいはなるべく売店内にいて欲しいと思うのは、我が儘なことなのだろうか。数度呼んでやっと「はーい、ちょっとお待ちくださーい」と言われてからなおもしばらく待たされたのは言うまでもない。

というわけで、混雑時間に訪れた不運な我々は、本来ならばあまり気にならない事にも少し過敏になってしまったようだ。売店の横には、郷土資料館や小学校跡などがあるので、軽く覗いたうえで車に戻った。

既に本日訪問を予定していた道の駅は2駅とも廻ってしまったため、後は南伊豆から下田、熱海へと、帰るルートも考慮しながら伊豆を満喫しようと走り出した。道の駅「花の三聖苑伊豆松崎」から海沿いに出るには、そのまま主要地方道15号を西へと走れば国道136号へと出られる。

「石廊崎」、しばし寒さに耐え奥石廊から海を見よう
到着時刻:14:42
国道136号に出た我々は、そのまま南伊豆へと向かう。伊豆へは何度か訪れているのだが、伊豆半島最南端である石廊崎までは足を運んでいなかった。ということで、先端地好きな"ほし"は次の目的地を「石廊崎」へと決めた。国道136号からは時々車窓から海が望むことが出来るのだが、空は既にどんよりと重い雲で覆われてきていた。

国道136号から主要地方道16号へと入り、しばらく山間を走り次に海が見えてくれば、もうそこは石廊崎である。前方を走る車が「あいあい岬」と称する小さなドライブインらしき建物がある駐車場に入っていくのを横目に見ながら、我々はその場を通り過ぎ、地図に書かれた「石廊崎大駐車場」を目指した。しかし、この「あいあい岬」を通り過ぎると道はどんどんと下っていき、10分程走ったところにあった大駐車場らしき場所に入ろうとすると、客引きなのか手を招いてなにやら誘導している。
「ねぇ、さっき通り過ぎたあいあい岬辺りの方が、見晴らしが良さそうだよ、この駐車場からだと寒い中をかなり歩くことになりそうじゃない?」と"ほし"が心配げに言うと、「じゃぁ戻ろう」と慌てて車を出発させた。それは、先程の客引きらしき人が近寄ってきたせいもあった。
結局、逆戻りして我々は「あいあい岬」までやってきた。駐車場に車を停め、海を見る。この冬の寒さの中でも、景色を堪能している人は多い。しかし、やはり寒さは身体にこたえる。感動的な海を前に、寒さに震える自分がなんだか情けなくも感じるのだが、こればかりは仕方がない。早々に車に戻り、再度地図を広げてみる。すると、ツーリングマップルの該当ページ「奥石廊」に好展望マークが付いている。ここ「あいあい岬」は丁度奥石廊に位置するため、ここから見る景色が絶景なのは、既に有名なことなのであった。

奥石廊からみる海と荒々しい岩の数々は、四季それぞれに様々な姿を見せてくれるのだろうが、やはりもう少し暖かい時にゆっくり感動に浸りたい、という"ほし"は根っからの軟弱者である。

「弓ヶ浜」、印象に残る白い砂 誰もいない海
到着時刻:15:02
奥石廊を出た我々が次に向かったのは、弓ヶ浜である。主要地方道16号をそのまま下田市方面へと向かう途中に、弓ヶ浜海水浴場を案内する看板が出てくるので、それに従い走り続ける。

この弓ヶ浜海水浴場は夏になるとかなり混雑する場所だが、さすがにシーズンオフの現在はほとんど人もおらず、静寂な海が広がっている。

弓ヶ浜の特長といったらやはりこの白い砂浜と穏やかな海。波が砂浜まで静かにうち寄せてはまた戻り、と先程の奥石廊で見た海とはまた異なった顔を持つ静かな海に、なんだか癒される気分である。我々は、道路脇に車を停め、穏やかな弓ヶ浜をバックに車の写真を撮る。折角、車で旅をしているということはやはり車も大切な相棒である。時には相棒の勇姿も記録として残しておいてあげたい、と"こあ"氏は常々語っているのだが、旅に出掛けるとつい道の駅の写真が中心になってしまい、いざ車の写真を撮ってあげようとしても、かんじんのデジタルカメラのメモリは既に空き無し状態。実は、デジタルカメラの外部メモリを買うつもりでとっておいた予算が、今回の旅行に化けてしまったりして。

まぁ話が横道にそれてしまったが、弓ヶ浜でしばし静かな海を感じ、「ここはまた来たいね、但しシーズンオフに限るけど」と言いながら車に戻った。

「お腹空いたよね」と時計をみると既に15時を過ぎている。道の駅巡りに明け暮れている時ならばこのような事は多々あるのだが、今日のようにのんびりしたペースで旅を楽しんでいるにもかかわらず、昼食が15時過ぎにまで繰り下げられるとは、いやはや我々の食生活は旅の最中は乱れっぱなしである。

海沿いにいるのだから、やはり海鮮料理が食べたいよね、と言いながら国道136号を下田市へ向けて走る。その昔、我々が初めて伊豆へ訪れた時もこの国道136号沿いで遅い昼食をとった記憶がある。そして、次に訪れた時も同様であった。三たび、我々は同じ食事処へ、しかも同じような時間に入ろうというのだから、いやはや飽きない面々だ。この分では、きっと次に来る時にもまた同様かもしれない。

そんなことを言いながら、海鮮食事処に入る。刺身だ、天ぷらだ、とあれこれ悩み、結局刺身盛り合わせ定食に落ち着き、あっという間に平らげてしまった。"こあ"氏は満腹だ、と腹をたたいている(笑)のに、"ほし"はまだ物足りない。いや、この辺でやめておかないと後で眠気が来てしまう、と諦めて食事処を出た。

外に出ると、既に雨が降り出している。時は16時半、「これはまっすぐ帰るしかないね」と国道136号を下田駅方面へと走り出したは良いが、徐々に交通量が増えだし、下田駅前まで大渋滞になっている。ところが、国道135号に入った途端、急に車は流れだした。「今までのあの渋滞って何だったの?」と不思議に思いながらもそのまま走っていると、途中、妙に道の駅に似た案内看板がある。「あれ、こんなところに道の駅があったっけ」とよくよく見ると「尾ヶ崎ウィング」と書かれている。どうやら、国道135号沿いに設置された道の駅ライクなドライブイン、といった感じだろうか。そろそろ道も混みだしていたし、既に空も暗くなっていたため、通り過ぎてしまったが、夏場は特に渋滞する国道135号沿いだからこそ、この手の休憩施設はありがたいのではないだろうか。

 

「伊豆高原ビール&レストラン」、伊豆の地ビールを買ってみよう
到着時刻:18:09
さて、国道135号は徐々に混雑してきている。まだ完全に停まってしまう程ではないのだが、かなりノロノロ運転だ。やがて、伊東市に入ると一層ノロノロ度が増してきて、"こあ"氏もちょっぴり眠たげだ。そんな中、妙な建物を発見。「ねぇ、あそこにセブンイレブンがあるのだけど、同じ建物にコンビニとは不釣り合いなお洒落なレストランがあるよ」と"こあ"氏が発見。「わ、ホントだ。伊豆高原ビール&レストランだって。伊豆高原ビール、お持ち帰りで買えるのかな。」と"ほし"も興味津々。「勿論買えるんじゃない?入ってみる?どうせ道路もほとんど進まない状態だし」と"こあ"氏の嬉しい一言に、数秒悩んだあげく「行こう!」と急遽伊豆高原ビール&レストランの駐車場に入る。
建物の1階に売店と客席が、そして2階には広い客席がある。さすがにちょっと前に昼食を食べたばかりの我々は、ここは売店のみにとどめておこう、と売店内を散策。いやはや、ビールのつまみにピッタリの種類豊富なチーズ類、そしてウィンナー各種、ケーキ等まで置いてある。店内も明るく非常に綺麗だ。そして、入口正面奥には伊豆高原ビール4種類がズラッと並んでいる。
"こあ"氏は酒類は飲まないものの、チーズやウィンナーは結構好きなほうなので、興味深くあれこれ見ている。「今日はそんなにお土産も買ってないことだし、少し買っていこうよ」とクルミ・アーモンド・わさびの3種のチーズを手にする。そして、目的のビールも手にしてレジに行く。「ビールをお持ち帰りの際、1時間以上かかる場合でしたら保冷材が必要になりますけど、どうされますか」と店員の人に聞かれたので、「あ、大丈夫ですよ、保冷ケースありますから」と答える。うむ、お土産用に買った保冷ケースがこれほど活躍しようとは、実に嬉しい限りだ。
伊豆高原ビールの種類
大室 天城 季節限定
"ほし"にとっては一番呑みやすいビールがこの「大室」。淡色麦芽にドイツとチェコスロバキアのホップをブレンドしたキリっとした味。 ブラウンビールである「天城」は、ブラウンビールならではの独特の甘苦みがほんのり口に残る。 季節に応じた限定ビール。今回買ったものは天城同様、ブラウン系に近いビールのようだ。
黒スタウト 今回唯一買わなかった黒ビールだが、愛飲者も多いこの黒スタウトは、香り高さと飲みやすさをモットーにしているらしい。
なお、これらのビールは生きたままの酵母が入っているため、必ず冷蔵し早めに呑むことを強く勧めている。

再び渋滞の列に戻り、我々はだんだんと不安が大きくなってくる。伊豆の渋滞はある程度覚悟していたものの、ここまでひどい渋滞とはさすがに予想していなかったのだ。ということは、都内には何時に入れるか、全くわからない。もしかしたら、東伊豆経由ではなく西伊豆経由で、しかももっと早い時間に帰るべきではなかったのか。

しかし、冬まっただなか、しかも昼間の天気もいまひとつであったこの日に、どうしてここまで車がいるのか、理解の範囲を越えてしまっている。きっと、この渋滞の列に並んでいるどの車の中でも、我々と同じような事を考えているのかもしれない。以前、伊豆へ訪れた時は晩秋であったのだが、ここまで長蛇の列が出来る程の渋滞は無かった。「まさか、雪の影響じゃないよね」と一抹の不安が頭をよぎる。

その不安は見事に的中した。停まっては走り、また停まっては走りの繰り返しを続けているうちに、フロントウィンドウにあたる雨粒が少し変化してきたのだ。そして伊東市の吉田付近では本格的な雪へと変わってしまった。「やっぱりこの影響みたいだね」と窓から路面をみる。交通量が多いということもあってか、路面には雪が積もらず水が溜まっているような状態。どうも、雪が降ってきたことに対する恐怖からか、全体的に車のペースが落ち、それが大渋滞を引き起こしてしまっている。

「まいったね、これは・・・」と嘆きながら、ふと心配になったのは都内に入る時刻である。「天気予報では夜半過ぎから雪って言ってたけれど、実際どうなんだろう」と不安をつのらせる。さて、伊東市の市街地を抜け湯川あたりでは、雨に変わりホッと一安心するものの、渋滞は相変わらずである。「東名高速、使って帰ろうか」とハイウェイテレホンで情報を聞くも、「20時45分現在、東名高速は御殿場と大井松田間で25kmの渋滞、そして厚木〜横浜まで20kmの渋滞」という無惨な状態。

東名高速を使うにしても、小田原市までもが遙か彼方である。「小田原に着くのって22時過ぎくらいかな」なんて先程呑気な冗談を言っていたことが現実化、いや、それどころか22時なんてとても着かないのでは、と憂鬱になるばかり。そのうち、あまりに暇なのか、"こあ"氏は10分おきに区間毎の時速を計算しだした。まぁ、頭の体操には良さそうだが、その数値を聞けば聞くほど憂鬱度は増していく。「ただいまの区間時速、1.3キロでございます〜」なんて言われてしまうと、ガックリしてしまう。「歩いたほうが早いね、確実に」と乾いた笑い。

結局、西湘バイパス手前、小田原市の石橋にたどり着いたのは、午前0時。西湘バイパス入口の電光掲示板には「厚木〜東京 ユキ チェーン規制(だったか)」の文字が輝いている。この電光掲示板の前までは確実に大渋滞、ところが西湘バイパイに入った途端、その渋滞は一体何処へ行ったやら、と呆気にとられる。そう、これらの大渋滞の先頭はなんとこの西湘バイパス入口の電光掲示板だったのである。我々の前方にいる数々の車の動きを見ていると、この電光掲示板の前で一旦停まり、西湘バイパスを避けて一般道へと流れていくのである。多分、電光掲示板の文字を見て一旦躊躇し、一般道へ行くのではないだろうか。ほとんどの車が同じような動きをする中、「この電光掲示板、西湘バイパスではなく東名高速の規制だから、我々はそのまま行こう」と西湘バイパスにのったのであった。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

本当に先程までのあの渋滞は何だったのだ、と腹立たしく思える程、西湘バイパスは走る車も少なく、我々も快走。路面も雪は全くなく、雨が降っている。「雪、降ってないね。やっとこのまま無事に帰ることが出来るのかな」とホッとしながら西湘バイパスをおり、国道129号で厚木方面へと向かう。やはり、この辺りもそれほど雪が降った形跡がない。

しかし、厚木市辺りで雨はみぞれに変わり、国道129号から国道246号に入った海老名市辺りでそのみぞれもだんだんと雪にに変わり始めた。路面こそまだ雪が積もっていないのだが、"こあ"氏は慎重に運転する。ところが、新相模大橋の上にさしかかった時、上り車線の流れがいきなり停まってしまった。今まであれほど順調に流れていたのに、一体どうしたことか。なんとたった今、事故が起きたばかりのようだ。流れる下り車線を横目に見ながら、上り車線にいる我々はまたしても渋滞に巻き込まれてしまった。

しばらくすると、救急車のサイレンが聞こえてきた。やはり前方で事故があったのは確かだ。後方からパトカーのサイレンも聞こえてくる。現場検証等が終わるまでもしかして橋の上でこのまま動けないのか、と途方に暮れ始めた時、前方が少しだけ動きだし、我々もなんとか橋を下ることが出来、そこでまたしばらく停車したままの時間が過ぎた。数十分が経過し、待ちきれない後続の車たちが側道に流れ出した。「私たちも側道から違う道で帰ろうよ」と"ほし"が言うも、"こあ"氏はしばらく考えているようであった。「この辺りの道は一本違う道に行くと迷っちゃうかもしれないよ、この雪の中で迷うようなことはしたくないよ」と"こあ"氏はあくまでも慎重な発言だが、やがてパトカーのアナウンスが後ろから聞こえてきた。「この先で人身事故が発生しました。現場検証にしばらく時間がかかるため、別の道へ行ってください・・・ここはしばらく動きません。」と途切れ途切れに聞こえてくる。「仕方ないなぁ、側道から何処に出るかわからないけど、行こう」と走り出した。実は、新相模大橋を下るとすぐに陸橋があるのだ。我々は丁度陸橋の手前で停まっていたため、側道へ退避出来たのだが、既に陸橋をあがってしまった車は現場検証が終わるまでひたすら待たなければならないのか。

側道に退避した我々は、主要地方道51号を相模原市方面へと向かって走り出した。急いで地図で現在地と幹線ルートを把握し、再び出発する。しかし、前方は既に雪で動けなくなった車や、おそるおそる坂道をあがるトラック、てくてくと歩いて帰る者など、雪の影響は思ったよりもひどそうだ。ここまで読んで想像がついたと思うが、我々の車は購入してから初めての冬であり、チェーンも積んでいなかった。雪が降る前までに都内に帰ることが出来るだろう、なんて甘い考えをもって出掛けた罰が当たったような、そんな気分である。今考えればいくら雪が少ない地域にいたとしても、冬場にはチェーンを積んでおくべき、そんなことわかっているのに、と情けない思いでいっぱいになりながら、外の雪をみつめていた。

何時になく全身緊張の塊のような"こあ"氏が、それはそれは慎重に雪の上を走る。「家まで無傷で無事に帰るぞ」とつぶやきながら、なるべく坂道を通らないルートを頭に描いている。そう、神奈川や東京西部はどうも坂道が多いため、家に帰るまでにいくつもの坂を越えていかなければならない。坂の上ではスピンして呆然と停まっている車がいる。坂にあがれずにそのまま考え込んでいる車もいる。隣を走る車はドアをぶつけて凹んでいる。

そんな凹んだ車を見ていると、ついついこちらまで凹んだ気分になってしまう。通ろうとした道は、雪で覆われている個所も多くなり始め、ルート変更を余儀なくされる事も多々。「普段ならばこんなルートでは絶対に帰らないよね」と失礼ながら妙にワクワクしている"ほし"。いや、こんなことは間違ってもその場で言う言葉ではないのだが、この際この状況を楽しむ方が良いのではないかと思い始めていた。

時計を見れば既に夜中の3時過ぎ。やっと自宅隣の市にある大通りにまでやってきた時には、雪も雨へと変わり路肩を除いては雪も溶けていた。急に肩の力が抜けていくような脱力感と共に、忘れていた空腹感を突如思い出してしまった。我々はコンビニエンスに寄り、軽い夜食を買って「あと一息だね」と家へと向かう。

自宅前の道路は、数本のタイヤの跡がうっすらとついているだけで、その上を再び雪が跡を消そうとしていた。自宅前に車を停め、慌てて荷物をおろした後、駐車場に入れる様子を外で見守る。いつもは芸術的に駐車する"こあ"氏も、さすがにこの日はやや滑りながら無理矢理駐車。車を降り、「なんとか無傷で戻って来られたよ、本当に良かった」と家に入った途端、どっと脱力感がおそってきた。


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最終更新日:2001年02月15日