スタンプラリーオフシーズン 道の駅巡り旅日記
静岡の険しい峠道にマイッタ! 旅は万全体調で望むべし
静岡県〜愛知県
(2000年12月16日〜17日)
◆静岡でお茶と自然音をゆっくりと楽しむ(12月16日)◆

東北道の駅スタンプラリーが終了してから、気が抜けてしまったように何処へ出掛けることもなかった。しかし、今年中に後一度は旅をしたい衝動にかられ、今回の旅を計画した。といっても12月も中旬をむかえ寒さも厳しくなってきた今日この頃、自覚症状こそなかったのだがどうやら旅に出る前から"ほし"は風邪気味だったようだ。これが、今回の折角の旅の予定も大幅に変更せざるを得ない状態になるとは・・・いやはや、旅は万全な体調で望むべきであることを改めて実感することになってしまった。

さて、今回の旅は静岡県内、東名高速道路 静岡IC付近から各道の駅を訪れながら愛知県を経由して長野県 中央自動車道へと抜けるルートを計画していた(このルートは大幅に変更されることになるのだが)。訪れる道の駅数は、駅前を通過する時間によって流動的になるのだが、冬期は閉館時間も早くなるため、数的には期待は出来ない。といっても、中部の道の駅はかなり久々になるので、どんなことが待ち受けているのだろう、と期待を胸にふくらませながら、当日をむかえた。

16日朝、5時過ぎに目を覚まし、準備を済ませてそそくさと車に荷物を積み込む。自宅を出発したのは6時15分くらいになってしまったのだが、空は深い青から朱色・黄色へと徐々に変わっていく見事な朝焼けが広がっている。そんな空を車の窓から見ながら、一路 東名高速道路川崎ICへと向かう。やはり、6時過ぎると車の量も一気に増えるのか、車の流れはいまひとつ。まずはガソリン補給をしておこうと途中のスタンドへ寄ると、我々の車の前に一台、いかにもチューニングしてるぞ、といったトレノ(AE86)が同じくガソリン補給をしていた。我々より一足先に出発したトレノはどうやら同じく川崎ICを目指しているのか、しばらく我々の前方を走っていた。ふと、よくよくナンバープレートを見ると「86」ではないか。車輌型式がAE86であるトレノ(レビン)はちまたで「ハチロク」と呼ばれているが、車の所有者もそれにちなんで「86」ナンバーを貰ったのだろうな、と感心(?)しながら後に続く。

やがて、川崎IC入口がみえてきた。我々は多くの車と共にゲートへと流れ込む。


【東京都下出発時刻】06:15 【宿到着時刻】21:05
 色は静岡県の道の駅 
  東名高速道路 川崎IC〜静岡IC/
主要地方道84号/国道1号
宇津ノ谷峠
(静岡側)
08:45
2000年12月16日ルート
国道1号 宇津ノ谷峠
(岡部側)
09:26
県道208号/県道210号/県道209号 玉露の里
09:59
県道209号/県道207号/国道362号/
主要地方道77号
奥大井音戯の郷
12:21
主要地方道77号/国道362号 フォーレなかかわね
茶茗舘
14:07
国道362号/県道263号/
主要地方道77号
川根温泉
15:50

「宇津ノ谷峠」、珍しや!静岡市と岡部町に分散した道の駅?(静岡県)
静岡市側 到着時刻:08:45 スタンプ設置場所:売店と軽食コーナーの間
朝の東名高速道路は、土曜日ということもあってか遊びに向かう車と仕事で走る車で混雑気味。渋滞情報こそ出ていないのだが、流れはスムーズとはいえない。しかし、大井松田ICを越えた辺りからは交通量も徐々に減り、また窓から外を見ればうっすら雪化粧をした富士山が出迎えてくれているようで、なんだか妙に嬉しい。

川崎から静岡ICまで約155km弱、既に都内からみちのく東北を爆走したことを考えると今回はなんて近いんだ、と思ってしまうこと自体、感覚がすっかり変わってしまったのか静岡ICにはあっという間に着いてしまった。といっても、時は既に8時20分過ぎ、当初の予定よりやや遅れている。しかも、主要地方道84号から国道1号に出るとそこは大渋滞。「やはり国道1号って混んでるのね」と溜息をつきながら、渋滞に身を任せる。そんな渋滞も徐々に流れ出し、9時前にはなんとか最初の駅「宇津ノ谷峠」にたどり着くだろうとひと安心。静岡ICから「宇津ノ谷峠」までは所要予想時間はだいたい20分らしいのだが、若干の渋滞のため結局25分かかって到着。
この道の駅「宇津ノ谷峠」は一風変わった駅だ。国道をはさんで上下線両側に施設があるタイプは決して珍しくはないのだが、それとは別にもう一ヶ所、同じ名称の駅でしかも異なった町に存在するのである。つまり、静岡IC寄りにある静岡市内には、国道1号上下線にそれぞれ施設があり、宇津ノ谷トンネルを越えて岡部町に入ると上り線側に施設があるのだ。

というわけで、まずは静岡市側にある道の駅「宇津ノ谷峠」の駐車場に入る。我々が入った下り線側には、駐車場・トイレをはじめ売店や食堂、情報コーナーがあるのだが、反対側である上り線側には、トイレと駐車場しかない。歩道橋を渡って、国道の両側の施設に行き来出来るのだが、下り線側に入った場合はわざわざ上り線側へ訪れる必要もなさそうだ。
しかし、朝9時前だというのに駐車場は混雑している。丁度一台分のスペースが空いていたので、すぐに駐車場に入ることが出来たのだが、我々の後から来た車は停めるところが無く、オロオロしているようだった。それだけ国道1号の利用者が多いということを象徴しているのだろう。建設省が運営している中部地区の道の駅サイトによれば、この道の駅は8時から売店等が開館しているということだったのだが、実際訪れてみると9時からである。これはもしかして冬期だからだろうか、それとも単なる営業時間の変更だろうか。仕方が無く、9時になるまで施設の周囲をあれこれ散策しながら、売店が開くのを待っていた。

売店隣の休憩所に入ると、何の団体なのか、大勢の人が集まって朝礼らしき事をしている。休憩所に入るのを思わず躊躇してしまったのだが、まぁこっちも利用客なのだから何も遠慮する必要は無いか、と思い直し、堂々と休憩所に入り観光チラシ等を物色する。だいたい観光チラシと共に記念スタンプも置いてあるパターンが多いのだが、ここはそうではないらしく、結局数枚のチラシを手にしただけで休憩所の外に出た。そろそろ9時だ、売店ももう開いているだろう、と売店へと歩く。

店先で、甘く暖かな空気が流れるその正体は「よもぎきんつば」の販売。"こあ"氏が興味深げに覗き込むと「ひとついかが?」と声をかけられていた。まだ売店内のチェックやスタンプを押したりと、やり残した事があったため「後でまた来ますね」と言い残して、やっと開いた売店の中に入っていく。売店はどちらかといえば小規模な方であり、妙にじねんじょが目につく。そして、レジには怖そうな顔をしたおじさんがじーっと立っていた。
そんな中、我々はひととおり売店内を見た後、スタンプを押そうと、売店横にあるスタンプ置き場へと向かったところで、「あ、専用のスタンプ帳、ここで貰えるかな」と"ほし"が立ち止まる。そう、中部道の駅には「スタンプコレクションブック2000」なる専用スタンプ帳が存在する。これは、特に期限を設けていないのだが、各道の駅の記念スタンプを押せるような小冊子だ。以前、一冊貰ったのだが、無計画に押したうえに雨の中、一度水没させてしまったため、今回の旅から改めて押し直していこうと思っていた。

そこでふと"ほし"は休憩所に駅長室なるものがあったのを思いだし、再び休憩所に行ってみる。が、駅長室はシャッターがしまっており、尋ねる雰囲気ではなさそうだ。「うーむ、困った、こうなったら売店の人に聞くしかないか」とまた売店に戻ったはいいが、どうも怖そうなレジのおじさんに聞く勇気が出ない。ただでさえ、売店と休憩所を行ったり来たりしている我々は、うさんくさい存在に思われていそうだ。「ねぇねぇ、ちょっと聞いてみてよ」と"こあ"氏をつつき、無理矢理"こあ"氏に聞いて貰う。「すみません、道の駅のスタンプ帳っておいてますか」とおそるおそる聞いてみると、「ん?スタンプ帳? あぁ、夏は結構あったんだけどなぁ、もしかして"売り切れごめん"かもよ」とまず売店の棚の上をごそごそと探し始める。しかし、やはりそこには無かったらしく、今度は「ちょっと待ってね、あっち探してくるから」と鍵を持って休憩所の事務所のようなところへ入っていった。「お・・・おじさん、親切だぁ・・・」と先程"怖そう"と思ってしまったことを後悔しながら、レジのおじさんの後についていく。すると、事務所の奥からスタンプ帳を発見してきてくれたのか、「あったよ、これね」と言いながら我々にスタンプ帳を2冊手渡してくれた。我々は、深々と頭を下げ「ありがとうございました!」とお礼を言い、そそくさとスタンプ置き場へと向かった。
そして貰ったばかりのスタンプ帳にポンと「宇津ノ谷峠」のスタンプを押す。中部地区の場合は、このように専用のスタンプ帳が用意されているから、スタンパーにとっては嬉しいのだが、地区によってはこうした粋な計らいが無い場合もある。ということで、このような専用スタンプ帳が無い地区の道の駅を訪れる事を考慮し、今回から小型のバインダーも持ち歩き出した。

スタンプを押した後、再度レジのおじさんにお礼を言いながら売店を出て、よもぎきんつばを買って車に戻った。ほっかほかのよもぎきんつばを頬ばり、身体もほっかほかになったところで早速次の駅へと向かった。

「宇津ノ谷峠」、珍しや!静岡市と岡部町に分散した道の駅?(静岡県)
岡部町側 到着時刻:09:26 スタンプ設置場所:売店内
国道1号に出て、まもなく宇津ノ谷トンネルへと入る。宇津ノ谷トンネルの途中から岡部町に入り、トンネルを出て右手を注意して見ていると、道の駅らしき建物群が見えてきた。我々は下り側を走っていたため、一旦Uターンして上り側に入り、そのまま道の駅の駐車場へと向かった。しかし、静岡市側同様に岡部町側の道の駅「宇津ノ谷峠」の駐車場も混雑しており、駐車スペースが空くのをしばらく待たされることになった。
この駅の売店、建設省のサイト情報によれば10時から20時の開館時間なのだが、貼り紙には24時間営業と書かれている。このあたりは別途「ふゆのほし的道の駅案内」に特記しておこう。道の駅の規模としては、静岡市側下り線の方が大きく、この岡部町側の方はどちらかといえば昔ながらのドライブイン的な雰囲気だ。売店・軽食コーナー、休憩所共にこじんまりしているのだが、休憩所の天井から吊り下げるタイプのスピーカがさりげなくBOSEであることに思わず感心してしまう"ほし"なのであった。
スタンプは、売店内の軽食コーナーの調味料置きの横にさりげなく配置されており、まるでスタンプが調味料と同化してしまっているように見える(笑)。そこでスタンプを押した後、駐車場へと戻る。駐車場内には立て看板があり、「長時間駐車する人は矢印の方向へ」(文面は違っていたと思うが)とうながす案内が書かれている。「はて?どういうことか」と思いきや、建物群から離れた場所に更に駐車場のエリアが設けられている。なるほど、ちょっと休憩する車は建物近くの駐車エリアへ、そして仮眠等をとりたい車は建物から離れた奥の駐車エリアへとうまく誘導しているのか。「ほほぉ、さすがだな、でも建物に近い方に位置する駐車エリアがもう少し広ければ良いのにな」と思いながら、我々は次の駅へと出発した。

「玉露の里」、静岡といったらやっぱりお茶でしょう (静岡県)
到着時刻:09:59 スタンプ設置場所:瓢月亭側 長屋門
次に訪れる駅は「玉露の里」である。我々は、「宇津ノ谷峠」(岡部町側)を出て県道208号/210号を経由し、県道209号へと走る。県道209号はのんびりとした田舎道であり、交通量もほとんど無い。こんなところに本当に道の駅があるのだろうか、道の駅の数キロ手前から出てくる案内看板もひとつも出てこないし、もしかして道を間違えたのではないか、という不安を抱きながら走り続ける。道の駅「宇津ノ谷峠」から「玉露の里」へは所要予想時間約10分ということなのだが、ひとつもそれらしき看板が出てこないのが不思議でたまらない。

そう思っているうちに、右手に小さく「玉露の里駐車場→」と「ふるさと世界の昆虫館」と書かれた看板が一瞬見えたような気がした。「あれ?確か道の駅に隣接して昆虫館があるはず・・・、でもいつもの道の駅の看板がないぞ」と一層頭の中は謎に包まれたまま、通り過ぎてしまった。「あれなのかなぁ、違うのかなぁ」と心の中に引っかかるものを感じながら県道209号を走り続けると、いつの間にか玉露の里があるはずの地名である新舟の先に位置する宮島まで来てしまっていた。

(写真補足:道路脇の大きな看板「玉露の里」)
普段からついつい道路上にある道の駅案内看板を頼りに走る傾向があるため、道路の両側にある看板等をあまり気にしないのが今回の失敗の元だったようだ。我々はすごすごと引き返すしかなく、相変わらず細い道である県道209号をどうにかUターンし、再び今来たばかりの道を戻ることになった。すると、またもや道路の右手に「玉露の里」とかなり大きく書かれた看板を発見した。しかし、その先は妙に細い橋があるだけで道の駅らしき建物があるように見えない。とにかく、先程チラッと見えた「昆虫館」の看板を確認しようと、更に戻ってみる。

やはり見間違いではなく、「玉露の里駐車場→」と「ふるさと世界の昆虫館」の看板が道路脇にあった。その看板に従って左に入ってみると、そこは道の駅「玉露の里」だったのである。
「いつもの道の駅看板が無いとは、予想外だったな」と苦笑しながら車から降り、辺りを見回す。確かここの道の駅には茶室があったはずなのだが、それらしき建物が見あたらない。これは店の人に聞いてみるしかないかと話しかけてみると、謎はすべてとけた。茶室である瓢月亭は、この県道の反対側に位置し、元々はその瓢月亭しか無かったらしい。その後、物産店や食事処等を設けて今の形になったということなのだが、我々がこの道の駅に来る際に見た大きな「玉露の里」看板は、瓢月亭を指しているものだったのだ。「瓢月亭には勿論車でも行けますし、このまま車をこちらに置かれて歩いて行かれる人も多いですよ」と教えてもらい、我々はまずここの売店で数点のお土産を買ったのち、早速瓢月亭のある方に車で向かった。
再び、「玉露の里」と大きく書かれた看板の下で曲がり、細い橋を渡る。この細い橋を渡るのが嫌でわざわざ物産店側に車を置いて歩いて瓢月亭に来るのだろうか、とつい思ったのだが、それよりも駐車場の存在がわかりにくいことの方がちょっぴり残念だ。いや、駐車場と思えるスペースは数カ所あるのだが、これが「玉露の里」の駐車場なのか、それとも付近にある民家の駐車場なのか、いまひとつ分かりづらいのだ。
さて駐車場に車を置き、早速「玉露の里」の長屋門へと足を踏み入れる。土曜日の午前中のせいか、利用客は我々の他にはいない。「土曜日ってあまりお客さん、来ないのだろうか、それともまだ営業してないのだろうか」と不安になってしまう程だ。まずはその長屋門でスタンプを押す。そして、長屋門をくぐると噴水や池、そして茶室等、美しい日本庭園が視界に飛び込んでくる。池には多数の鯉がいて、人が池の側に来るとパァーッと鯉も寄ってくる。「人慣れしてる鯉だね」と言いながら、しばし日本庭園を楽しむ。
折角、玉露の里に来たのだから瓢月亭でお茶を飲んでいこうよ、と長屋門で券を買い、我々は瓢月亭へと入っていった。実は、瓢月亭を外から覗いてみたところ、あまりに静かだったため入っていいものかどうか躊躇していたのだが、いざ中に入ってみたところ、数名の人が出迎えてくれ、早速中へと通された。「こういったところでお茶を飲むなんて、今まで経験したこと無かったよね」なんて囁きながら、妙に緊張する我々。「目の前でお茶をたててくれるのかな、結構なお服加減でございます・・・とか言うのかな」なんて余計な心配までする始末だ。

しかし、そんな心配はする必要は全くなかった。座って待っていたら、案内の人が来て「玉露にしますか、抹茶にしますか」と聞いてきたため、やはり「玉露の里」というのだから当然玉露でしょう、と玉露をお願いすると、案内の人はまた奥に戻っていき、まもなく茶菓子を持ってやってきた。玉露の場合は小型な湯呑みで飲むため、2杯に分けて飲むらしい。1杯目を飲んだ後に茶菓子を頂き、その後に2杯目のお茶を飲むのが順番である。茶菓子を持ってきたちょっと後に、1杯目の玉露が出され、案内の人はすぐに奥に戻っていった。「なんだぁ、飲んでいる間は誰もいないのか」と思った途端、ちょっと緊張がほぐれ、ホッとしながら1杯目を早速頂いた。そして、茶菓子を食べ終わった頃に、続いて案内の人が2杯目を急須にいれて持ってきた。「自分で注いで召し上がってくださいね」と言い残して去っていったので、おのおのの湯呑み(といっていいのだろうか)にお茶を注ぎ、2杯目を頂き、一息つく。こうして我々がお茶を楽しんでいる間に、もう一組の家族が入ってきた。小さな子供がいたので、途端に賑やかな空間に早変わり。

我々にしては珍しくゆったりした時間を過ごせたので、そろそろ出発しようか、と席を立った。瓢月亭には他にも本格的な茶室があり、見学も可能ということだったので、ちょっと覗いてみたら丁度お茶をたてている最中であった。いくら自由に見学して良いと言われても、茶をたてている最中となるとどうしても遠慮してしまう。そそくさとその場を立ち去り、庭に出てみると池の鯉がまたまたこちらに寄ってくるではないか。丁度「鯉のエサ 1袋50円」と書かれた札と共に小さな袋が幾つか置いてあったので、50円玉を箱に入れてエサを1袋とった。"こあ"氏が早速池に向かってエサを投げ出す。すると、鯉が一斉に口を開けてエサを期待している。いやはや鯉の世界でも力関係の強弱があるのだろう、エサが近くにあるというのになかなかありつけない鯉もいる。「ほらほら、ちゃんと食べなさいよ」と力関係の弱そうな鯉にめがけてエサを投げ、その鯉が食べるのを確認するとちょっと嬉しくなる。「あんたも強く生きるんだよ」と鯉を眺める。

やがてエサもなくなり、我々がその場から歩き出すと、池の鯉たちもパーッと好き勝手なところへと散っていった。

ついついのんびりとこの駅で過ごしてしまった。時間をみれば既に11時を過ぎているではないか。そろそろ次の駅へと出発しないと、と車へ戻った。

「奥大井音戯の郷」、世界最大のオルゴールの音色は暖かく耳に柔らかい響き (静岡県)
到着時刻:12:21 スタンプ設置場所:音戯ラウンジ チケット売場横付近
次に目指すは、道の駅「奥大井音戯の郷」である。「玉露の里」からは少し離れた場所に位置するため、所要予想時間も1時間以上である。「次の駅でご飯食べようか」と言いながらのんきに県道209号を走り続けていたのだが、この県道209号、県道210号との分かれ道を境にとんでもなく細い道へとその性格を変えていった。そう、この県道209号は西又峠を越えていく超極細道なのである。「今回もやはりジンクスどおり、超極細道を走らされるはめになるんだね」と"こあ"氏は既にこの事態を予想していたようだ。"ほし"も覚悟はしていたのだが、この道はその予想を超える程に細く、車同士がすれ違う事が出来ない個所が多く存在する。一応、極たまに退避場があるのだが、もしすれ違い不可な場所で対向車に遭遇したら、どちらかがバックで待避場まで戻らなければならない。すれ違いは出来ない、且つガードレールが無い、コーナーミラーが無いブラインドコーナー、といったトリプルデンジャラスゾーンとでも言っておこう。

この西又峠の頂上付近で一瞬道幅が広くなったと思った途端、静岡市に入る。しかし、その広い道幅も一瞬の事であり、また細い道が続くことになる。このあたりから"ほし"の調子が悪くなり出した。朝、自宅を出る頃から体調が万全とは言えない状態だったのだが、この超極細道がまるで"ほし"の体力を根こそぎ奪う気ではないだろうか、と思える程である。

「体力、もつかなぁ」ともうろうとし出してまもなく、やっと峠道を脱出、なだらかな道へと入り、県道207号経由で国道362号に出る。しかし、この国道362号も所々細く見通しの悪い個所があり、頭の中では「どうでもいいから早く着いてくれ」といった思いばかりがぐるぐる廻っている。頭の中でこんな思いがぐるぐる廻っているものだから、よけい気分が悪くなってくる。これでは悪循環だ。と、頭の中で葛藤しているうちに、見なれた道の駅の案内看板が出てきた。こんな時はこの看板が本当に救いになる。
国道362号から主要地方道77号に入り、すぐに川根大橋を渡るとそこは大井川鉄道の千頭駅付近、あとは案内看板に従って駐車場へと誘導される。道の駅、というよりは「音戯の郷」に関する案内に従った方が間違いなくたどり着く。

駐車場に着いたのだが、疲れ切った"ほし"は少しの間、車から降りることが出来なかった。しかし、ここでぐったりしているのは時間的に勿体ない、ということでのっそりと車から出る。駐車場からは階段を上がって各建物に入るのだが、駐車場にもほとんど車が停まっておらず、また各建物を利用している人も非常に少ない。「このあたりは土曜日って休みではない人が多いのかな」と思ってしまう程だ。
屋根に大きく「音戯の郷」と書かれた建物は、特産品販売所だ。猪鹿肉まんが名物なのだが、ひとつ250円とちょっと値段は高め。

我々はまずゲートをくぐり風の散歩道を通って、音戯ラウンジに入る。実はここらで昼食を、と思っていたのだが、なんとここのラウンジの喫茶は本日休業。ここは火曜日休業のはずなのだが、まぁ仕方がない。お決まりのスタンプを押した後は、まだ"ほし"の体調が復活しないので休憩を兼ねて音戯ミュージアムを観ていくことにした。しかしこの入場料はひとり1000円とこれまた高め。ええいっ、ここまで来て何も観ずに帰るのもつまらないと、結局入ることにした。

チケットを買うと、係りの人から立体眼鏡と補聴器を手渡される。「立体眼鏡は、3D映画を観る時に使います。また、この施設内には様々な音が聞こえる設備がありますので、この補聴器をあてて聞いてみてください」と言われたので、早速補聴器を袋から出して、医者風に首からぶら下げてみた。そして、そのまま音戯ミュージアムへと進むと、確かに施設のあちらこちらに「補聴器をあてて聞いてみてください」と書かれた機械が置いてある。小鳥のさえずり、川のせせらぎ、自然界の音が補聴器を伝わって聞こえてくる。また、ここには世界最大のオルゴールがあり、施設の2階に展示されている。15分おきに演奏するので、これは是非聴いてみたいと思い、そそくさと2階へとあがる。この施設内、表の駐車場に停まっている車の数からしてほとんど利用客がいないかと思いきや、ぽつぽつと観て回っている人がいるようだ。
しばらく2階の設備で楽しんでいると、やがて暖かく重厚な音が聞こえてきた。そう、世界最大のオルゴールの演奏が始まったのだ。やはり、クリスマスシーズンということもあり、クリスマスにちなんだ音楽が演奏されている。内装が木のせいか、音が一層暖かく丸みをおびた優しく感じられ、そんな音を聴いていると先程まで悪かった体調も癒されていくようだ。

さて、音戯シアターではもうすぐ映画が上映されるらしい。折角だからこれも観ていこうよ、とシアターに入ったのだが、なんと今回の上映を観る客は我々を含めて4人と、かなり寂しい。映画自身も子供向けなので、観ていてちょっと恥ずかしい気もしたのだが、一時期流行った3D映画を今こうして観るのも、童心に戻った感じで懐かしいものだ。多分、映画の内容は時期によって異なるのだろうが、我々が観た時には丁度「ダイラボッチ」の企画展を館内でしていたこともあり、映画も「ダイラボッチ」他1本であった。

上映後は、また再び館内を歩きながら自然の音をしばし楽しみ、体調もなんとか復活したところで外に出た。「今日は、いつもと違って、スローペースで各駅を廻ってるよね、でもこれが本来の旅ってものかもしれないね」なんて笑いながら車に戻る。

「フォーレなかかわね茶茗舘」、ちょっぴり遠くにSLが見える駅 (静岡県)
到着時刻:14:07 スタンプ設置場所:茶茗舘入口
「奥大井音戯の郷」から「フォーレなかかわね茶茗舘」まではそれほど遠くない。時間にして、約15分といったところである。この付近の道は特に渋滞がある、といった事はなさそうなので、だいたい予想時間どうりだと思われる。というわけで、「奥大井音戯の郷」を出て、主要地方道77号から国道362号に出てそのまま南下した。またしても昼食にありつけなかった我々は、次の駅でこそと心に決めたはずだったのだが、次の「フォーレなかかわね茶茗舘」には残念ながら食堂がない。この分ではまたいつものように夕食兼用になってしまうのか、と情けなく思いながらひたすら走る。
ほどなく「フォーレなかかわね茶茗舘」に到着。古風なイメージな建物群が印象的だが、規模的には決して大きい方ではない。我々はまず茶茗舘と称する建物に入ってみた。ここでは川根茶に関する資料などを展示している。また、茶室もあり300円でお茶を頂くことが出来る。
ひととおりぐるっと廻り、入口に戻ってきて「あ、スタンプ押さなくちゃ」と慌てて鞄からスタンプ帳を出す。しかし、スタンプ台にはスタンプはあるのだが、インク台が見あたらない。「まさか、インク台持っていかれちゃったのかね」と言いながら、店の人に「インク台が無いのですけど」と聞いてみる。すると「あらやだ、ほんとだ、誰か持っていっちゃったのかしら」としばらく探していたのだが、やがて奥から「これ、使って貰えます?」と代わりのインク台を持ってきてくれた。

スタンプ盗難は聞いたことがあるのだが、インク台まで持っていく輩がいるのだろうか、それとも店の人が他の用途で使う為に一時期的にインク台を持っていったのかはわからない。

続いて我々は売店を訪れてみた。お茶が名産というだけあり、やはり店内はお茶が多い。しかも、この売店では訪れた客にひとりひとりお茶がふるまわれる。ここでお茶でも買っていこうか、と店内をあれこれ見て廻ったはいいが、やはりお茶のパッケージだけを見ていてもお茶の味が分かるはずがあるまい(苦笑)。やはり一度飲んでみないと、と頂いたお茶を飲んでみる。しかし、"ほし"の体調がいまひとつだったからだろうか、どうもお茶の味がいまひとつわからない。わからない、というよりは、味が薄く感じられるのだ。きっと、体調が良い時に飲めば美味しく感じられるのかもしれないが、実に残念。結局、味が分からなかった"ほし"はそのまますごすごと売店を出てしまった。
「う〜む、午前中お茶を飲んだ時はあれほど味わえたのに、どうしたことだ・・・」とぶつぶつ言いながら歩いていたところ、丁度その横で大きな望遠レンズを取り付けたカメラを持った老夫婦が何かを待っている。「何かあるのかな」と振り返りながら、茶茗舘の入口に「SLが通ります」といった貼り紙があったのを思い出した。そういえばこの付近は大井川鉄道が通っており、1日に数本のSLが通るのだ。時刻表も一緒に貼ってあり、この駅付近を通るのが丁度15時だということも思い出し、時計をみると14時45分。「15分程、待ってみる?」と再び時計を見ながら我々は少しの間、悩む。この駅からSLが見えると言ってもかなり遠方を走る姿が見えるだけに過ぎない。少し離れたところにいる老夫婦が持つ大望遠レンズがそれを物語っているし、先程普通電車が通ったその姿をみても、予想がつく。

「写真は諦めて、見るだけでも見ようか」と結局寒い中をじーっと待つことにした。ただ何もせず待つ時間というのは、どうしてこうも長く感じるのだろうか。やがて、遠くでポーーーーッッッという汽笛の音が聞こえてきた。「おお、もうすぐだ」とじっと遠くの線路のほうを見つめる。すると、モクモクッと煙を吐きながらゆっくりと走り出すSLの姿がほんの小さく見えてくるではないか。「見えてきた!」と一枚だけパチリとデジカメのシャッターを切った。しかし、やはり光学3倍ズーム程度ではとても撮せる距離ではなかったようだ。結局、遠くに走り去っていくSLをただぼーっと目で追っていくしかなかった。といっても、SLを見ながら一瞬タイムスリップしたような感覚に陥ったような、そんな気分にさせられた。

ふと我に返るとすっかり身体も冷え切ってしまっている。「次に行こうか」と慌てて車に戻った。

「川根温泉」あれ、スタンプは何処だ? (静岡県)
到着時刻:15:50 スタンプ設置場所:本来は売店休憩所らしいのだが、なんとレジ下に隠されていた
のんびりとSLを見ていたら、既に時刻は15時を過ぎてしまっていた。次に目指す駅「川根温泉」までは約30分の所要予想時間だが、そろそろガソリンを補給しておかなければ、とスタンドを探す。すると、国道362号沿いにシェル石油のスタンドが見えてきた。「ここで入れておこうか」とスタンドに入り、ガソリン補給。
そうして、国道362号から県道263号経由で主要地方道77号に入り、しばらく南下していくと地名トンネルを越えたあたりで主要地方道63号にそのまま合流する。なおも南下していくとやがて右側に道の駅「川根温泉」が見えてきた。「お、今まで廻ってきた駅は全て駐車場がほとんど空いていたのだけど、ここは結構混んでるね」というのがまず第1印象である。その大きな理由が、温泉施設があることではないだろうか。おまけにこの隣には宿泊施設もあるようだ。
さて、まずは「道の駅売店」なる施設に入ってみる。そう、ここはその文字のとおり売店である。もうすぐクリスマス、ということもあり、売店の人がもみの木に飾り付けをしている最中であった。その横を通りながら、売店内をあれこれ散策。売店の規模は小さい方のためか、品揃え的には決して多いとは言えないが、漬け物や味噌、干し椎茸等がズラッと並べられていた。売店内には休憩所もあるので、スタンプもそこに置いてあるかと思い、休憩スペースを一周してみたが、それらしきものが見あたらない。これはもしかしたら、温泉施設の方にあるのかもしれない、と売店を出て次に温泉施設に入る。しかし、だいたい置いてありそうな位置(フロントの横等)を確認してみたところ、やはりスタンプと思われる物体は置いていない。「これは困った」と仕方が無くフロントの人に聞いてみる。「すみません、道の駅のスタンプって何処に置いてありますか」、すると「あ、それはこの隣にある売店の休憩所に置いてありますよ」と愛想良く応えてくれた。さすがに「置いてませんでしたよぉ」と言い返すのも悪い気がし、またもしかしたら見落としていた個所もあるかもしれない、と我々は、再度売店に戻ってみた。
しかし、スタンプは確かに何処にも無いのである。結局、売店の人に「すみません、道の駅のスタンプを探してるんですけど」と聞く。すると、なんと「はいはい、ちょっと待ってね」とレジの下から出てきたのは我々が今まで探し求めていたスタンプとインク台。これは確かにあちこち探しても見つからない訳だ。旅の記念にスタンプを押す旅行者も結構いるだろうに、レジの下のような普段見えないような所に置いてあっても意味が無いように思えるのだが。
(写真補足:店員さんにスタンプを借りて
休憩所のテーブルで押す)
少し残念に思いながら、売店を出た我々は、先程温泉施設のフロントの人に「隣に宿泊施設もありますよ」ということを教えて貰ったことを思い出した。「ちょっと覗いてみようか」と言いながら一旦車に戻る。温泉施設や売店前の駐車場に車を置いたまま、歩いて隣接の宿泊施設エリアに行っても良かったのだが、温泉施設の駐車場が混雑気味だったため、早めにどいてあげた方が良いのではないか、とちょっとした配慮のつもりである。温泉側の駐車場から宿泊エリアの駐車場へは、公道に出ず施設裏側の川沿いを通っていく道もあるのだが、この道はちょっと細めで且つ歩いている人もいるため、ちょっとした注意が必要だ。
そうして宿泊エリアの駐車場に車を停めて、早速散策開始。パターゴルフやバーベキューが出来、また宿泊施設はコテージになっている。丁度、旅行の下見なのか数名の中年の人たちがコテージを見学し、「ここ、なかなか良いわね」などと言いながら我々の前を通っていった。施設の外観を見た限りは割と古そうに見えるのだが、その人曰く「中も非常に清潔でいいわ」らしい。家族や友人多くと泊まる場合は、こういったコテージを利用するのも良いのだろう。

そんなことを考えながら時計を見ると、時は既に16時半。この「川根温泉」から一番近い駅は「いっぷく処横川」だが、たどり着いた頃には施設は閉まっているだろう。夜になってもまだ開いている道の駅といったら「豊根グリーンパーク宮嶋」が20時までのようだが、冬期のため日が短い、そして交通量の事を考えるとここから時間をかけて行くのは得策とは言えない。と言っても、16時半過ぎに駅巡りを終わらせてしまうのも、なんとなく物足りなさがある。

「それじゃ、一応、方向的には豊根グリーンパーク宮嶋に向かうけど、走りながら道と相談して決めようか」ということになった。

「川根温泉」を出た我々は、主要地方道63号から国道473号に出て北上、途中からは西方面である春野町へと向かってひたすら走る。この国道473号も国道362号と合流した辺りから非常に険しく細い道が続くことになる。おまけに夕暮れ時とも
なれば非常に視界も悪い。まぁ、暗くなれば車のライトによって遠くからでも対向車の存在が分かるのは良いのだが、それでも暗く極細い道での車同士のすれ違いにはやはり緊張する。そんな緊張の連続がどれくらい続いただろうか、折角復活した体調も再び悪くなり出し、"ほし"の目はふわふわと泳ぎ出していた。

いやはや今日走った静岡の道はどれも細く険しいものが多く、これは体調が万全でないととても耐えきれない。今日は「豊根グリーンパーク宮嶋」に行くのは諦めてとにかく体調を整えるのが得策だろうと、結局国道473号(362号)を天竜市、浜松に向けて走る。途中で食事をするため、あれこれ探しながら気が付けば浜松市街まで来てしまっていた。しかし、市街地の国道ともなると落ち着いた雰囲気の食事処はなく、またここまで来てファミレスではあまりに寂しすぎるため、結局逆戻りしながら、一軒の静かな食事処へ入った。

今考えれば、「川根温泉」から天竜市に向かうのであれば、主要地方道63号をそのまま南西へと走れば近道だったはずだ。と言っても地図をみると、この主要地方道63号も険しい山越えになりそうだったため、あえて遠回りにはなる国道473(362)号を選んだのだが、いやはやこの国道473(362)号もなかなかの険しい道だった。こればかりは走ってみなければ分からないのだが、もしかしたら主要地方道63号の方が楽だったのだろうか。いや、山越えはいずれもきつい道が多いと考えるならば、どちらも一緒だったかもしれない。

「見てるとかなり辛そうだよ、予定を変更して今日帰る?」と"こあ"氏が心配してくれたのだが、折角ここまで来たのに、このまま帰ってしまうと後々後悔しそうだ、と思い「今日早めに宿に入ってゆっくり休めば明日は元気になるよ」と早々に宿に入り、疲れを癒すために開けたビールも飲みきれないまま、そのまま爆睡したのであった。

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最終更新日:2000年12月31日